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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1420話

 神楽坂と共に俺が姿を現したのは、れいげつの中でも非常に警備が厳重な基地……の近くにある裏路地だ。
 本来なら真っ直ぐヤンマ、カトンボ、チューリップの生産プラントに行きたいところだったが、そもそも生産プラントがどこにあるのかも分からない。
 そうである以上、まずプラントがどこにあるのかというのを探さなければならない。
 その結果が、こうやって侵入する事に繋がっていた。

「ねぇ、アクセル。今更……本当に今更だけど、私が来てもよかったの? エヴァちゃんから訓練を受けてるから生身の戦闘ならそれなりに自信があるけど、アクセルみたいに気配を完全に消すって真似は出来ないわよ?」

 神楽坂が言ってるのは、俺の気配遮断のスキルの事だろう。
 スキルを使わない状態でも気配を消す事は出来るが、それでもやはり気配遮断には及ばない。だが……

「安心しろ。俺の気配遮断は、こういう場所だと殆ど役に立たない」

 完全に役に立たないと言わないのは、誰か木連の軍人が見回りをしている時であれば効果があるからだ。
 だが、基本的に木連は人間が少数で、それを補う為にバッタのような無人機を使っている。
 そういう意味では、人数が少ないのをメギロートや量産型Wで補っているシャドウミラーと似たような組織だった。
 で、俺の気配遮断の効果があるのはあくまでも生き物に対してであり、木連が多用しているバッタだったり監視カメラとかには効果がない。
 そう考えれば、神楽坂が気配を殺す能力を持っていないってのはそこまで致命的な訳じゃなく、あれば便利程度のものだ。

「それはそれでどうなのよ?」
「俺がお前に期待しているのは、純粋な生身での戦闘力だからな」

 こと生身での戦闘という行為に限定すれば、神楽坂はネギま世界出身だけあってシャドウミラー全体で見ても上位に位置する。
 特にシャドウミラーの中では神楽坂だけが使える咸卦法は極めて強力な能力を持っているしな。
 まぁ、神楽坂を鍛えたエヴァ曰く、悪の中ボス程度には鍛えたって話だし。

「……何かあんまり嬉しくないわね、それ」
「そうか? 俺から見ればそれなりにいいと思うけどな。頼りにしてるぞ」
「ちょっ! ふ……ふん! アクセルがそこまで言うのなら頼りにしてもいいわよ」

 うん、やっぱりツンデレだな。
 ともあれ、神楽坂が頼りになるというのは間違いのない事実なので、今はいい気分にさせておこう。

「で、とにかく私を頼りにしているというのは分かったけど、これからどうするの? この施設の中に入るのよね?」
「そうなるな」

 まぁ、実際には人数がそんなにいないのだから、バッタを壊すような真似をすれば、当然他のバッタにもその状況は伝わる筈だ。
 そうなれば当然ここに異常があるというのが知られるし、白鳥達はこの件を俺に結びつけるのも難しくないだろう。
 だから、出来れば見つからないに越した事はない。
 ……つまり、俺が頼りにしていると言った神楽坂の能力は発揮されないのがベストなんだよな。
 それに侵入するという意味では影のゲートがあるので、そこまで難しくもないし。

「じゃあ、中に入るから近くに来てくれ」
「……変な場所、触らないでよ?」
「お前がそういう事を言うと洒落にならないんだから止めろ」

 悪戯っぽくそう言ってくる神楽坂に言葉を返すと、本人は何故か嬉しそうな笑みを浮かべながら近づいてくる。
 それを確認し、影のゲートを展開して俺と神楽坂の姿は影の中に沈んでいく。

「あまり慣れないわよね、この感触」
「別に初めてって訳じゃないだろ? もう何回も経験してるんだし、そろそろ気持ち良くなってきてもいんじゃないか?」
「……ちょっと、セクハラは止めてくれる?」
「うん? セクハラ? ……ああ」

 俺には全くそんな気はなかったんだが、どうやらいつの間にかセクハラ発言をしていたらしい。
 うん、今俺の口から出た言葉を思い返してみれば、少し意味深に取れないこともない、か? 特に神楽坂はその外見でモテてはいるのだが、好みが年上……いや、年上過ぎという一面もあって、どうやってもそういう展開になるのは難しかった。
 20代になった今だったら、中年以上の渋い男をゲット出来そうな気がするけど……何故か今はそうしないんだよな。
 中年以上の男であれば誰でもいいって訳でもないんだから、しょうがないのかもしれないが。

「ちょっと、どうしたのよ。いきなり私の顔をじっと見て。セクハラ発言を謝る気にでもなった? まぁ、アクセルの場合は存在そのものが猥褻物だけど」
「いや、それはどうなんだよ」

 ちょっと聞き逃せない言葉にそう返すと、神楽坂から向けられたのはジト目。

「何よ、毎晩のようにいいんちょや美砂達の身体を貪ってるような人が猥褻物じゃないとでも?」
「……せめて猥褻人とか猥褻者とかにしておいてくれ」
「やーよ。語呂悪いじゃない」
「語呂で物扱いってのはどうなんだよ。とにかく転移するからさっさとこっちに来い」
「変な真似をしないでよ?」

 そんな風に言いながら近づいてくる神楽坂と共に、俺達は影のゲートに身を沈めていくのだった。





 影のゲートから出た俺達がいたのは、基地の中でも人のいない部屋だった。当然ここにもコンピュータはあるので、問題なく生産プラントについて調べる事は出来る。
 もう使われていない場所なのか結構埃っぽいし、監視カメラの類もないのも影のゲートから出る前にスライムを使って調査済だ。
 まぁ、これだけ広い基地だ。全ての部屋に監視カメラを付けるのもコストの問題で難しいだろうし、それをチェックする人員の問題もあるか。

「……ちょっと。最初からこういう場所に入るのなら、別に私が一緒に来る必要ってなかったんじゃない?」
「そうでもない。神楽坂も気配を読むとか、普通に出来るだろ? なら丁度いい。誰か来ないか見張っててくれ。ああ、バッタには気配がないから、音にも注意しろ」
「アクセルの方が耳も気配を察知する能力も高いのに、私がそんな事をやる意味あるの?」
「俺だけだと何かを見落とす事もあるからな。そういう意味では、誰が別の奴が一緒にいるってのはいい。それに……」
「それに?」

 コンピュータを見ながら、空間倉庫から一枚のディスクを取り出す。
 以前木連に来た時に、こちらのコンピュータの規格についてはきちんと調べてある。
 そこからデータを抜き出すハッキングソフトを技術班に作って貰った。

「俺はこっちの作業に集中しないといけないし」
「アクセルなら、その作業をしながらでも気配の察知とか出来るでしょ?」
「否定はしないけどな」

 そもそも、どうしても近づいてくる相手を察知したいのなら、スライムを数mm程度に細くして廊下に配置しておけばいいだけなのだから。

「むぅ……ちょっとくらい否定しなさいよね。こっちは私が見張っておくから、データを引き出しなさい」

 溜息を吐きながらもそう告げたのは、やっぱり神楽坂も暇をしていたからなのだろう。
 にしても、基本的にはいい子ちゃんだった神楽坂が、建物に忍び込んでデータを抜き取るのを許容するとは……今更ながらに時の流れってのは恐ろしいものがある。
 いや、シャドウミラーに所属する以上この手の裏の仕事も当然やって貰わなきゃ困るんだけど。
 だからって何の罪もない子供を何の躊躇もなく殺せるようになれとは言わないけど、それでもそういう決断をしなければならない時が来るかもしれないというのは事実な訳で……
 そういう時に神楽坂はどうするんだろうな。
 そんな風に思いながら、取りあえずコンピュータにハッキングソフトを読み込ませながら起動していく。
 これでハッキングが成功していれば、このコンピュータは動いていないという風にこの基地には認識されている筈だ。
 消費電力とかも上手く調整しているって説明だったから、技術班を信じておこう。
 これでいきなりここに木連の軍人が突入してきたりしたら、これを作った技術班のメンバーはレモンにお仕置きされる事になるだろうし。
 レモンのお仕置きというのは滅多にないだけに、その威力は凄まじいものになりそうだ。
 普段はエキドナや茶々丸、セシルといった面子にお仕置きされる事はあっても、レモンは大御所という感じでドッシリと構えているからな。……どちらかと言えばラスボスって感じのイメージが強いんだが。
 この部屋にあったコンピュータに差し込んだハッキングプログラム用の機器は非常に小さい。それこそ指先程の大きさしかないのだが、この機器を作ったのもシャドウミラー技術班なので、こんな小ささでも容量は桁違いに大きい。
 何だったか……ヨタバイトって単位だって話だったな。
 ちなみに1000ギガが1テラ、1000テラが1エクサ、1000エクサが1ゼタ、1000ゼタが1ヨタだったか。
 まぁ、つまりこの大きさでもちょっと洒落にならない大きさの記憶容量を持っているという訳だ。
 普通機器の方がそんなに大きければ、ハッキング先のコンピュータの方で認識出来なかったりする事もあるんだが、その辺はシャドウミラー技術班謹製のハッキングプログラムと言うべきか、その辺も全く問題なく侵入する事が出来ていた。
 そして現在はデータを吸い取っている最中なのだが……

「あ」

 ふと、とある事に気が付き言葉を漏らす。
 その声が聞こえたのだろう。扉の近くで外の様子を窺っていた神楽坂が、俺の方へと視線を向けてくる。

「どうしたの?」
「しっ! お前ももう少しで気が付く筈だ。感覚を研ぎ澄ませろ」

 そんな俺の言葉に、神楽坂は不思議そうにしつつもそっと目を閉じて五感を――視覚を封じてるから四感と呼ぶべきか――研ぎ澄ます。
 そして数秒。

「あ」

 俺が出したのと同じ言葉を口にする。
 ……そう、この部屋の方へやってくる足音を耳にして。
 それが人の類であれば、誤魔化すのはそう難しい話ではなかっただろう。
 だが、この足音は金属音であり、しかも足の音も二本だけのものではない。
 つまり、これは間違いなくバッタな訳だ。
 いや、実はバッタ以外のジョロとかの小型化した奴だって可能性もあるけど、ともあれ人間でないのは確実だった。

「どうするの?」
「大人しくしてろ。データの吸い取りが終わるまではもう少し掛かるから、それまでここに入ってこない事を祈るしかないな。もし入って来たら……」

 そうなれば、恐らくバッタは破壊される事になる。
 もしバッタが破壊されれば、当然ここで何か異常が起きているというのは理解出来る筈であり……
 純粋に何かを調べていただけなら、コンピュータの電源を切って影のゲートに一時的に身を沈めれば問題はないんだが、今はデータを吸い取ってる最中だしな。
 それを考えれば、今この状況でコンピュータを消す訳にはいかない。
 いっそここから離れて他のコンピュータに……とも思ったが、ここが怪しいとなれば、当然他の場所の警戒もするだろう。
 電源を即座に切るのは、ハッキングツールの方でやってくれるから、データの吸い取りさえ終われば……そう思った瞬間、ピピッと小さく音が鳴る。
 来た!
 この音はデータの吸い取りが終わったという合図だ。
 勿論木連のコンピュータに入っているデータ全てを吸い出した訳ではないが、それでも一定量のデータは引き抜けたのだろう。
 出来れば全部のデータを吸い出したかったが、今の状況でそんな贅沢は言ってられない。
 即座にコンピュータからハッキングツールを抜くと、今まで起動していたコンピュータの電源が切れる。
 普通コンピュータの電源が切れるまでには一定のタイムラグが必要になるんだが……この辺は技術班謹製のハッキングツールならではだな。

「神楽坂!」

 ハッキングツールをコンピュータから引き抜くと、そのまま空間倉庫へと収納して神楽坂の名前を呼びながら瞬動を使って移動し、手首を握って強引に抱き寄せる。
 色々と誤解を招きかねない光景ではあったが、廊下から聞こえてくる金属の音は次第に近くなっている。

「きゃっ!」

 いきなりの俺の行動に小さく悲鳴を上げた神楽坂だったが、俺はそれを無視して影のゲートを展開する。
 神楽坂の、平均以上に育った身体の柔らかさを全身で感じつつ、俺と神楽坂の姿は影へと沈んでいく。
 後はバッタに温度とかを調べるような能力がない事を祈りながら……俺と神楽坂の姿は完全に影へと沈む。





「……ちょっ、ちょっとアクセル、いきなり何をするのよ!」

 基地に侵入する前にいた路地裏に影から姿を現すと、神楽坂は慌てて俺から離れて叫ぶ。
 その顔が真っ赤に染まっているのは……やっぱりいきなりの行動で怒っているんだろうな。
 けど、今の状況ではああいう行為をとっても仕方ないと思うんだが……それを言っても神楽坂には意味がないんだろうな。
 取りあえず神楽坂をどうやって宥めるべきか考えながら、データの吸い出しに成功した事に安堵するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1208 
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