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SAO<風を操る剣士>

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第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
  第17話 クジという名の福引

 
前書き
頑張って更新しました!!
次回の更新は前の予定より一日前の、12月14日の午後3時~午後5時ごろに予定しています。
これからもよろしくお願いします!!
また何かあったらお知らせを作るかあとがきにでも書きます!

※現在1話から順々に話の書き方を修正中です。
修正といっても話の内容を変えるわけではないのでそのまま読み進めても大丈夫です。
前書きに『■』←このマークがあれば修正完了で、『□』←このマークがある場合修正中、なければ修正前ということでよろしくお願いします。 

 



 2023年04月05日水曜日………最前線二十二層


 十層の戦いから2ヶ月と少し、俺とシリカはこないだやったクエストの報酬にクジの引換券があったので、二十二層の街の広場でNPCがやっている屋台の店のクジを引きに来ていた。

「大当たり~! おめでとうございま~す!!」
「お~、凄いじゃないかシリカ」
「そんな事無いですよ…当たったっていっても3等ですし」
「いや、俺なんかハズレのあまり美味しくないドリンクだったし、俺からしたら十分凄いから……」
「まぁ…シュウさんよりは確かに良いですね……あ! ありがとうございます」
 俺に返事をしながらシリカはNPCに出された3等の景品を受け取った。

 俺達は景品を受け取った後、広場の隅のベンチに座ってシリカの景品を確認し始めた。
「3等の景品って、なんだったんだ?」
「え~とですね…武器の強化素材に……これは何かの引換券ですかね?」
「ん? どれだ?」
「この券です」
 俺はシリカの出した券を、シリカに近づいてよく見ることにした。

「え~となになに……十五層の、あのでかいカジノの2000コル引換券だな」
「そうらしいですね」
「せっかくだし行ってみるか? ……あ!」
 俺はシリカの方へ向き、聞いてみた。そしてらシリカがこっちを向き…
「はい! ……あ!」
 と、勢いよく返事を返してくれたのだが、引換券を見るためにどうやら思っていた以上に近づいてたらしい……その為か…その…すごく距離が近かった……しかもお互いが顔を振り向いた為に…
(うわ! シリカの顔が近い!!)
 そう、俺の目の前にはシリカの顔があった…その距離は約10センチ!
(少なくとも俺はそれ位に感じた)

 そして、俺はなぜかそのままシリカの顔から目が離せなかった……
「わ、悪い……」
「い、いえ……」
 俺の目の前にはシリカの真っ赤になった顔があった…多分俺も赤いだろう……

 なんだ? この状況? だんだん分からなくなってきた……分かるのは、シリカが凄く可愛いということと、目の前にいる女の子が物凄く可愛いと事だけで……って

「って!! 何考えてんだ俺はーーッ!!!」
「うわ! ど、どうしたんですか!?」
 俺は今、自分が考えていた事を振り払うように立ち上がり、上に向かって叫んだ。
 …なんだ俺、どうしたんだ!? そして何だったんだ、あの何ともいえない空気!!
 …あれじゃまるで恋人のキ……

「あの~シュウさん? 大丈夫ですか?」
「え!? だ、大丈夫だ……それより、ごめんなシリカ…その…悪気があったわけじゃないんだ……」
 俺はシリカの言葉で我に返り、シリカに謝った。
「いえ、良いですよ………そんなにイヤだったのかな…」
「え? なんだって?」
 俺に苦笑いで答えてくれたシリカだか、最後にボソッと何かを言ってたと思い、聞き返すと

「なんでもありません! さぁ、速く行きましょう、シュウさん!」
 シリカは少し顔を赤くして急に立ちあがり、歩き出した。
「あ、ああ」
 そして俺もシリカの後ろに付いて行った。



=====================



 俺はシリカの背中を見ながら考えていた……最近シリカがおかしい…
 さっきの何ともいえない場の空気の(あと)の事といい、思い返すと色々ある…

 まずは最近、シリカの俺への(せっ)し方がなんか前と違うと思う…
 なぜなら、シリカが俺の顔を見てる事がやけに多くなったのだか、しかし目が合うとすぐに逸らされてしまう……多分、十一層くらいからだと思う…
 他にもさっきみたいにボソッと何かを言う事とか、夜中に一人でレベル上げに行くとか色々ある。

 …もちろん夜の事は俺も気づいているので、シリカに見つからないように《レッサーコート》を裏にして《隠蔽》スキルを使いながら同行して、俺もちょくちょく気づかれないように、敵を倒してレベルを上げている…
 俺はこの事をシリカに聞きくか迷ったが、止めようと思った…
 だって女の子に《隠蔽》で気づかれないように近づくってなんだか犯罪のような気がしたからだ…

 …でもレベル上げのシリカの顔が真剣で、なのにソロでしかも夜なのにいくら少しはモンスターがきたら教えてくれる《ピナ》がいるからって、《索敵》も少ししか上げずに敵に向かっているので、シリカに俺は何も聞かないでそのまま夜は、俺が気づかれないように後ろの敵などを倒していた…

 最後にボス攻略……俺とシリカは十層の攻略以来ボスと戦っていなかった。なぜならあの後シリカに『あんな事があったんですから、少しくらい休みましょうよ…』と言われて、その時のシリカの顔を見たとき何故か『…分かったよ』と答えていた。

 そして、流石に1ヵ月前に『そろそろボス戦に行くか』と聞いたら『あと少し待ってください!』とシリカがなんか覚悟を決めたみたいな顔でそう言ってきたので、そのまま2ヶ月が経ってしまった。

 ちなみにボス戦は出ないけど、最前線の迷宮攻略は行っているのでレベルはまだ攻略組の平均より上だと思う………攻略組か…
(しかし怖かったな、アスナ…)
 攻略組と考えるとまだ思い出す……

 なぜ『アスナが怖い』のか…理由は俺達がボス戦に出ないと決めて何回か出ないでいたら………



=======================



 それはある日、俺達が迷宮から帰ろうとしている時だった…突然後ろから
「あなた達!」
 と呼ぶ声があり、俺達が振り返るとそこに明らかに怒っているアスナが腰に手をあてて立っていた。

「どうしたんですか、アスナさん?」
「どうしたじゃないわよ、シリカちゃん! なんであなた達、ボス攻略に来ないの!?」
 シリカの疑問にアスナが大声で言ってきた。

 最近アスナはなぜだか知らないけど、攻略に力を入れている。ギルドに入ってから何か思う所があったのかもしれない……しかも入ったギルドが《血盟騎士団》という最近力をつけてるギルドで、もしかしたらこのギルドは、あと少し上の層に行く頃にはトップギルドにでもなっているかも…

 その為、アスナはボス攻略に来なくなった俺達に何か言いに来たらしい……文句まで言いに来ることから、最近アスナが『攻略の鬼』と呼ばれ始めている(アルゴ情報)のが分かる気がする…
「まぁ、色々あるんだよ……しばらくは出れないよ」
 俺はアスナに理由を誤魔化して、さらにもう少し出れないことを伝えた。

「……理由は言えないのね?」
「ああ」
 ……というか、俺もよく分からん…休もうと言った本人のシリカは顔を(うつむ)かせて、顔も見えないし…ボス攻略の話題になると、最近シリカはこんな感じなのだ…

 シリカがこんな感じなので俺はあまり声をかけない事にしている……なぜならシリカがこんなになったのは、十層の戦いの後からなのだ…なら、原因は俺にあるのかもしれないと思ったからだ..

 なので俺はアスナの言葉に曖昧(あいまい)な言葉で返したのだ。
 そしてその言葉を聞き、しばらくしてアスナはため息をついて納得顔になり
「分かったわ…また攻略に来たくなったら、いつでも来て…」と言ってきた。

「え!? お、おいアスナ? 急にどうしたんだ?」
 俺は流石(さすが)に、この態度の変わり様にアスナに理由を聞いてみた。
 そしたらアスナはとんでもない事を言ってきた。

「いや、そんなに理由は無いわよ……ただ、こう言ったら失礼かもしれないけど…子供に命がけの仕事を押し付ける為に怒るのはどうかな~…って思っただけよ」
「なっ!? あのなぁ~誤解してるようだか言「ただ、もしあなた達が…そうね。キリトくん位の年の子だったら、実力行使に出ていたかもしれないけど…」………そ、そっか~…まぁ…気が向いたら、また行く事にするよ……は、ははは…」
 俺はついに誤解を解こうとしたが、アスナの言葉を聞いて為、誤魔化しを入れた。

 俺はそれから、アスナが帰るまで苦笑いが止まらなかった…



========================



 と、こんな感じのやり取りがあったわけだ。
 ……しかし、アスナの誤解を解くためには凄い勇気がいるな~…もう少し攻略に対する考えを丸くしてくれないかな~…

「はぁ~」
「どうしたんですか? ため息なんて…」
 どうやらアスナとの会話を思い出して無意識にため息をついてしまったようだ…

 俺の隣にいたシリカが、一緒に《転移門》へと歩きながら、俺のため息について聞いてきた…
「いや、アスナとの会話を思い出しちゃって…」
「……ごめんなさい…あたし……」
 俺の言葉を聞いて、シリカは俯いてしまった…まぁ、シリカが俺の考えることが分かってきたように、俺もシリカの考えが少し分かってきたので、俺はシリカの次に言うであろう言葉を先に言う事にした…

「『あたしのせいで』は無しな……前にも言ったけど、誤解の件には俺にも問題があるんだからな…」
「な、なんであたしの言おうとしたことが分かったんですか!?」
 シリカは俺の言葉に驚いていた。……う~んなんて言おうかな…

「え~と…その…別に変なことじゃないだろ? もう何ヶ月も一緒にいるんだ、俺もシリカの事をそれだけ見てるって事だし…」
 俺は結局ありのままを話す事にした…

「あ、あたしの事を見てる? シュ、シュウさんがですか!?」
「あ、ああ……そんなに驚くところか? …それよりなんで顔赤くしてるんだ?」
 俺の言葉を聞いたシリカは急に慌てだした…どうしたんだ?

 しかし、俺がシリカに疑問に思ったことを口に出したら
「ッ!! し、知りません!! ……シュウさんのバカ…」
 急に怒り出してしまった…しかも最後に小声の悪口付き……本当に何だっていうんだ?

 そしてシリカはそのまま歩く速度を速くして先に俺の前に行く……なので俺はシリカの後ろに慌てて付いていった…

 なので俺は、前でシリカが小声で
「あんな事と言うから、勘違いしちゃったじゃないですか…シュウさんに期待したあたしもあたしですけど……はぁ~……シュウさんのバカ…」
 と言っていたことは知らなかった…







 
 

 
後書き
お知らせを読んでいない人がいるかも知れないから一応書きます。
第16話の最後の生き返った後あたりを、少し(けっこう?)変更しました。よろしければ見てください!!
まぁ、書き直したのは16話更新の1日後だったので、その後に読んだ方は
そのまま変更されたのだと思います。

あと、少しこの小説のキーワードを変えました。
…まぁ、この話は関係ないですけど後々の為に…  
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