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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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外伝~ベルガード門制圧作戦~前篇

~ベルガード門~



「―――失礼します!大変です、ソーニャ司令!!」

「どうしたのかしら、ノエル?その様子だとしばらくは収まっていたエレボニア帝国軍がまた攻めて来たのかしら?」

慌てた様子で司令室に入って来たノエルを見たソーニャは真剣な表情で尋ね

「い、いえ………そ、それが………進軍してきているのはメンフィル帝国軍です!!さらに軍団の中には数機の巨大な戦艦や多くの小型飛行艇、さらには数体でしたが”竜”のような生物の姿もある上………ギュランドロス元司令達――――”六銃士”やベルガード門の元警備隊員達の姿もありました!」

「なんですって!?………ついに動き出したのね……!それもまさかメンフィル帝国を味方につけるなんて…………!」

ノエルの報告を聞いたソーニャは声を上げた後唇を噛みしめて厳しい表情をし

「だ、大丈夫ですよ!こちらには”神機アイオーン”があるのですから!既にクロスベル市からも白い”アイオーン”が1機、こちらに向かっているとの事ですし……」

ノエルは真剣な表情で言い

「それはそうだけど………今になって攻めてくるのに違和感を感じるのよね………」

ソーニャは厳しい表情で考え込みながら端末を操作して、進軍して来るメンフィル軍を見つめた。



~ガレリア要塞跡・ベルガード門間~



リウイ達が進軍していると青色の”アイオーン”が空から飛んできて、進軍の行路を阻み、ゆっくりと歩いてメンフィル軍に近づいてきた!

「―――来たか。全軍、停止!!―――レン!!」

それを見たリウイは号令をかけて軍隊を停止させた後レンの名を呼び

「はーい♪―――来て、”パテル=マテル”!!」

名を呼ばれたレンは”パテル=マテル”を呼び寄せ

「”先輩として”、貴方の力を存分に教えてあげなさい!!」

「―――――!!」

”パテル=マテル”の操作を始め、レンの操作によって”パテル=マテル”は青色の”アイオーン”との攻防を始めた。



~モルテニア・ブリッジ~



「―――機工軍団、”ルナ=ゼバル”部隊並びに空挺部隊。”パテル=マテル”の援護を。」

一方モルテニアの艦長席に座っている端末を操作し続けているシェラの指示により、”モルテニア”の周囲で滞空している多くの飛行艇や魔導戦艦―――”ルナ=ゼバル”は次々と青色の”アイオーン”に向かって突撃し、砲撃や銃撃を放ち、単騎でアイオーンと戦う”パテル=マテル”の援護を始めた!

「シェラ様!こちらにもう一機、”神機(アイオーン)”が接近中です!!このスピードですと約4分後に接触します!」

その時、端末を操作していたメンフィル兵の一人が報告した後、さらに端末を操作した。すると画面端末が天井から現れ、そこには白色の”アイオーン”が映っていた。

「――――主砲並びに全砲門、開門。目標(ターゲット)は白の”神機(アイオーン)”。”ヴァリアント”並びに”フォーミダブル”、”歪竜”部隊は白の”神機(アイオーン)”を集中攻撃せよ。」

「ハッ!」

それを見たシェラは淡々とした口調で指示を出すと共に目にも止まらぬ速さの指捌きで複数の端末を操作し始め、兵達はそれぞれの端末を操作したり通信でどこかに指示を出したりしていた。すると”モルテニア”に装着されてある砲門から次々とミサイルが発射されると共に主砲がエネルギーをチャージし始め、さらに周囲に滞空している”ヴァリアント”と”フォーミダブル”や”歪竜”達が次々と砲撃や高純粋魔力が込められたエネルギーを放って、全ての攻撃は白色の”アイオーン”を襲ったが、アイオーンは全て片腕を振るって巨大な結界を展開して自分に来る攻撃を防いだ。しかし―――



~モルテニア・甲板~



「クロイス家の者達よ!本物の”神”の力、そして我らメンフィルの力を知るがよい!これぞ、余に秘められし真なる力!クロースシエル!!」

甲板にいるリフィアは巨大な光の奔流を白色のアイオーンに解き放った。するとアイオーンは再び結界を展開して自分を襲う光の奔流を防御し続けたが

「余の力はその程度ではなーい!!」

光の奔流を放ち続けるリフィアはさらに威力を上げて、放ち続けた。すると結界を展開していたアイオーンはゆっくりと圧され始め、追撃するかのようにモルテニアから次々とミサイルが発射され、搭載されてある小型の砲口からも砲撃が次々と放たれ、さらにチャージを終えた主砲による砲撃が行われ、”ヴァリアント”と”フォーミダブル”の怒涛の砲撃や”歪竜”達のエネルギーが休む事なく結界を攻撃し続け、圧しつづけていると、アイオーンが展開し続ける結界に小さな罅が入りはじめた!



~オルキスタワー~



「ば、馬鹿な……!?”神”の力を受けた”ゴルディアス級”………しかも最終型が圧されるだと!?」

「そ、そんな……!?お、お願い……!耐えて……!」

一方その頃、状況を見ていたノバルティスは信じられない表情をし、アイオーンを操っていたキーアは表情を青褪めさせた後、必死の表情で全身からより一層強い神秘的な光を放ち続けていた。



~モルテニア・甲板~



「混沌を司る大いなる我が主神よ……今こそ、ここに姿を顕せ!!」

「エルフの母たる我が主神よ……我が呼びかけに応え、今ここに!!」

キーアが必死でアイオーンが展開する結界の強度を高めていたその時、リフィアの側で全身に膨大な魔力を宿したペテレーネとシルフィエッタは祈りを捧げ終えた。すると白色のアイオーンの近くの空間が歪んだ後、”混沌の女神(アーライナ)”と”妖精母神(ルリエン)”が姿を現し――――

「アーライナよ、”神”を騙る傀儡に大いなる裁きを!!」

「ルリエンよ、我等の平和を乱す者に裁きの鉄槌を!!」

ペテレーネとシルフィエッタがそれぞれの”神”を見つめて叫ぶと、アーライナとルリエンはそれぞれの両手に膨大な魔力や神気を溜め込み、溜め終わるとアーライナは膨大な魔力と神気が纏った暗黒の奔流を、ルリエンは光の奔流をアイオーンに放った!すると2本の膨大な魔力や神気が込められてある奔流は結界を完全破壊した後アイオーンの機体に命中し、そこにリフィアが放ち続ける光の奔流もアイオーンを貫き、さらにそこにミサイルや砲撃、エネルギーが次々と命中した!そしてモルテニアや魔導戦艦、歪竜はたたみかけるように集中攻撃をし続け、集中攻撃を受け続けている白色のアイオーンは全身から連鎖する大爆発を起こしながら木端微塵になった!

「フハハハハハハ――――――――――ッ!思い知ったか、余の力を!!そして我等メンフィルの力を!!」

それを見たリフィアは胸を張って高笑いし

「あ、圧倒的すぎる……!」

「これがリフィアに秘められた力……………そしてメンフィル帝国の真の力……………」

その様子を傍で見ていたリィンは信じられない表情をし、エリゼは呆けた表情をし

「「ハア、ハア………」」

ペテレーネとシルフィエッタはそれぞれ息を切らせながら地面に膝をついた。

「母様!大丈夫!?」

その様子を見た二人の傍にいるセオビットは心配そうな表情でペテレーネと違って、表情を青褪めさせているシルフィエッタに尋ね

「大丈夫よ………かなり魔力を使いすぎたから疲れただけよ………」

尋ねられたシルフィエッタは表情を青褪めさせながら微笑み

「無理はしないで、今は休んでください……シルフィエッタ姫は私と違って、”神”の召喚はあまり慣れていないのですから……」

ペテレーネは息を整えた後シルフィエッタに視線を向け

「セオビット。今はシルフィエッタを休ませてやれ。」

リフィアはセオビットに指示をした。

「そうさせてもらうわ……ほら母様。母様は私の背中で休んでいて。」

「ありがとう、セオビット。(ようやく、貴方のお役に立てました……リウイ様………)」

そしてセオビットはシルフィエッタを背負ってその場から去って行き、セオビットの背にもたれているシルフィエッタは嬉しそうな表情をしていた。



~同時刻・ガレリア要塞跡・ベルガード門間~



「……さすがは”至宝”の力を宿しているだけあって、結界が厄介ね……!」

一方その頃、”パテル=マテル”を操作しているレンは何度攻撃しても結界に阻まれて無傷でいる青色のアイオーンを見て唇を噛みしめた。するとその時

「―――完了しました!リウイ様!私はいつでも放てます!」

全身に膨大な魔力や神気を纏って両手を天へと掲げ続けているエクリアが声を上げ

「よし―――レン、時間稼ぎはもういい!手筈通り”パテル=マテル”を一端下がらせろ!」

「はーい。――――”パテル=マテル”、空に一時撤退!!」

エクリアの言葉を聞いて頷いた後指示を出したリウイの指示に頷いたレンは大鎌を掲げた。するとアイオーンと攻防を続けていた”パテル=マテル”は両脚に装着されてあるブースターを起動させて空高くへと撤退して行き、”ルナ=ゼバル”や飛行艇もパテル=マテルに続くようにアイオーンから離れ、青色のアイオーンも”パテル=マテル”を追おうとしたその時!

「フェミリンスの名の元に星の力を今此処に!!」

エクリアが空に向かって叫んだ!すると、青色のアイオーンの上空より膨大な魔力や神気が籠ったエネルギーがアイオーンを襲って超越した大爆発を起こし、そして爆発が晴れると全身がボロボロになり、さらに所々破壊され、無残な姿となったアイオーンが現れ

「―――終わりだ。我に秘められし真の力………全てを呑みこめっ!神魔の目覚め!!」

「”パテル=マテル”!!ダブルアルテマキャノン!!」

「――――――――――!!」

そこに全身に膨大な神気と魔気を纏ったリウイが神と魔の力が籠った衝撃波の津波を放ち、レンの指示によって空で滞空している”パテル=マテル”はメンフィル帝国の兵器開発部に出向したエイフェリアやリセル、リューンが知る魔導技術によって大幅に威力が強化された『ダブルオメガバスターキャノン』――――『ダブルアルテマキャノン』を放ち、周囲の”ルナ=ゼバル”や飛行艇も次々と砲撃や銃撃を放った!津波に呑みこまれ、さらに空から襲ってきた膨大なエネルギーや砲撃や銃撃を受けたアイオーンは全身から連鎖する大爆発を起こし、さらにアイオーンを中心にドーム型の大爆発が起こり、爆発が消えるとアイオーンは木端微塵になっており、アイオーンが消えた場所には爆発による巨大なクレーターが出来ていた!



~オルキスタワー~



「なあ……………っ!?」

アイオーンが破壊される様子を見ていたノバルティスは口を大きく開けて絶句し

「そ、そんな………………………」

キーアは絶望の表情をしていた。



「ば、馬鹿な………!”至宝”の力を受けた”神機”を破壊する……だとっ!?」

同じ頃、執務室の端末で”神機”が破壊される所を見ていたディーター大統領は信じられない表情をし

「まさか生身で”神機”を破壊するなんて…………いくら何でもこんなのありえないでしょう!?それに先程空間から現れて”神機”を破壊した後、すぐに消えた女性達は一体何者ですか!?それにあの戦艦や”竜”は一体……!?」

マリアベルは驚きの表情で叫んだ後唇を噛みしめ

「……………………………ベルガード門への救援はどうしますか。このままですとベルガード門どころか、警察学校、さらには西クロスベル街道の結界が届いていない地域全てが制圧されますが。」

アリオスは厳しい表情で黙って端末の画面を見続けていた後重々しい様子を纏って呟いた。

「ええい、こうなったら残りの”神機”や出せる限りの兵士達を向かわせろ!”赤い星座”も出撃させろ!」

アリオスの言葉を聞いたディーター大統領は怒りの表情で叫んだが

「……ですがそうなるとタングラム門の守りが薄くなり、その事に気付いた共和国軍やアルモリカ方面に潜伏している”六銃士派”が襲撃して来る恐れも出てくる上……先程のように”神機”を再び破壊される恐れもありますが。」

「グッ………!………仕方ない。西クロスベル街道方面は諦める。いくらメンフィルが化物じみていてもこの市内を包む結界は超える事は不可能だ。メンフィルが結界を前に立ち往生している間に”結社”に新たな”神機”を注文し、量産してもらい、量産後の”神機”の軍団で”英雄王”達もろとも裁きを与えてくれる!!」

アリオスの警告を聞いて唇を噛みしめながら呟いた後怒りの表情で叫んだ。



~ガレリア要塞跡・ベルガード門間~



「よぉし、ここからは俺達の出番だ!!俺達のベルガード門を国防軍共から取り返すぞっ!!」

「さあ!あたし達の底力、見せてやるよっ!!」

「警備隊総員、突撃開始!!」

それを見たギュランドロスは口元に笑みを浮かべた後、パティルナやルイーネと共に武器をベルガード門に向けて警備隊員に大号令をかけ

「イエス・サー(マム)!!」

ギュランドロスの号令に答えた装甲車に乗り込んでいる警備隊員達は馬に騎乗し、突撃して行くギュランドロスやルイーネ、パティルナと共に装甲車を走らせてベルガード門に向かって突撃し始めた………! 
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