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ハイスクールD×D ~始まりのアマゾン~

作者:アラン
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Episode3

~駒王学園校庭~
アマゾンアルファ―――仁がコウモリアマゾン―――フリードによって脇腹を貫かれたのと時同じく

グレモリー眷属は2体の怪物の出現と自分達が今まで繰り広げてきた闘いとは次元の違う闘いに恐怖を抱き呆然としてしまい、コカビエル一派の事を完全に忘れていた。

バルパー・ガリレイは表情を強張らせていた。
「せ、聖魔剣だと...、ば、馬鹿な!あ、あり得ない。」
その声を聞き、フリードの攻撃で重傷を負った木場はバルパーの事を思い出し、自らの体に刺さったフリードの魔剣を引き抜き、聖魔剣を片手にバルパーに近づいていった。


SIDE木場
僕は聖魔剣がフリード・セルゼンの持つエクスカリバーを捉えたとき、エクスカリバーを砕き、フリードも倒せると思った。
だけど、実際には違った。
エクスカリバーの破壊には成功したけど、フリードの腕が異形の物に変化し、その腕に付いたマントでエクスカリバーを砕いた聖魔剣を完全に防いでいたんだ。
そして僕はフリードが恐らく僕と同じ神器の魔剣創造によって生み出した魔剣によってお腹を刺され、その場に仰向けに倒れ込んだ。
僕は悔しかった。
同志から託された力で手にした聖魔剣がいとも簡単に僕らよりも弱いと思っていたフリードにいとも簡単に防がれたから。
その後紅い怪物が乱入してくるとフリードも蝙蝠のような怪物に姿を変えていた。
僕はフリードと紅い怪物の闘いに魅入られると同時に恐怖を感じていた......。
その思いは恐らく他のみんなも同様だと思う。
レイナーレ率いる堕天使とはぐれ神父の一団との闘いやフェニックス眷属とのレーティングゲームこの二つの戦いを通じて僕らは成長したと思っていた。
しかし、今僕の目の前で繰り広げられている闘いは僕らが経験した闘いとは次元が違う。

違いすぎる。


そう思っていると、老人の声が聞こえてきた。

バルパー・ガリレイだ。


「聖と魔、二つの反発する要素が交じり合うなど...、あり得るはずがない。」
声の聞こえる方へ顔を向けるとひどく動揺したバルパーは何か考え始めブツブツとつぶやき始めていた。

彼を倒さな限り、悲劇が続き、僕らのような存在が生まれ続けるだろう。
そんなことは絶対に僕が止めて見せる。

僕はお腹に刺さっている魔剣引き抜き、放り捨てると止血し、聖魔剣を右手に生み出し、ゆっくりと立ち上がった。


全ての因縁をここで断ち切る!


その思いを込めてゆっくりバルパーに近づいて行った。

「そうか!そういうことか!」
急に顔を上げたバルパーに僕は剣を向けた。
「バルパー・ガリレイ。ここで全て終わらせる!覚悟しろ!」
そして僕はバルパーに斬りかかろうとした。
「聖と魔を司る存在のバランスが大きく崩れているのならすべての説明がつく!つまり、魔王だけでなく、神も――――」
ヒュッ!
何かに思考が達したバルパーに向かって光の槍が飛んできた。

SIDEOUT


ザンッ!

バルパーに向かって放たれた光の槍は縦真っ二つに切り裂かれ、バルパーの横を通り過ぎた。



バルパーに向かって斬りかかろうとしていた木場は自分に向かって飛んできた半分になっている槍をジャンプすることで避けていた。

それに驚いたグレモリー眷属とゼノヴィアはバルパーの方に視線を向けた。
「一体何なの!」
グレモリー眷属の主であるリアス・グレモリーは叫んでいた。


「コカビエル!」
バルパーは自分に向かって光の槍が放たれたことに気付き、光の槍を放った張本人の名を呼んでいた。
「フン!バルパー、お前は実に優秀だ。その思考に至ったのもお前が優れている証拠だ。そしてお前は信心深い。本来なら俺一人でも戦争は起せたが、お前には協力してもらったからな。故にお前が深い絶望に囚われる前に一思いに殺してやろうと思ったが......。一体誰だ?私の邪魔をしたのは。」
コカビエルは自分の邪魔をしたものを探すべく校庭を見回した。

「私です。」
そこには学園の外で結界を維持しているはずのソーナ・シトリーがいた。
「ソーナ、あなたなんでここに!」
「バルパー・ガリレイは元はと言えど協会勢力の人間です。ならば、捕らえて、天界勢力や堕天使勢力との交渉に使えるかもしれません。だから、もしものために後の事は眷属の皆に任せて私が来たんです。貴方だとみすみす殺させてしまうかもしれませんので。」
ソーナはさも当然というようにリアスの質問に答えた。
「ソーナ?そうか、セラフォルー・レヴィアタンの妹か!」

「私がしてきたことは、主のためにして来たことは...、すべて無駄だったのか?ならば、なんのために私は多くの犠牲者を出してまで聖剣計画を...。」
バルバーは主のために行ってきた多くの非道を悔い、崩れ落ちた。


グルァァアア!
「「「!」」」
非常に大きな獣の叫び声が校庭に響き、コカビエルを含めた全員がその声の方向に視線を向けると、


ザシャァッ!


右腕のアームカッターを血で汚したアマゾンアルファと


右手首から先を切断されて血を流したコウモリアマゾンがいた。



仁がフリードに重傷を負わされたときまで時は遡る


SIDE仁
『覚悟は決めてたはずなんだけどなぁ。』
俺は自分の脇腹に突き刺さったフリードの右腕を見つめながら、今の感情を吐露した。

俺はアマゾンを一匹残らず、狩ると決めたんだ。
たとえそれが俺の唯一無二の友だとしても――
『迷いがあったってことか。笑えねぇ。』
『ハッ!悪いなぁジン。俺は生きたいんだよ!そのためなら誰だって殺すさ。生きるってことは他の誰かの命を奪うってことだ。前にお前が言ってたろ。なぁ。相棒?』
『相棒って言うな。たしかにな。人間は鶏や豚、牛の命を奪ってその肉を食って生きてる。それを考えれば、お前の言ってることは正しい。』
『だろう。』
フリードが人間の姿なら今頃勝ち誇った笑みを浮かべてるんだろう。

確かにアマゾンは人間の肉に含まれるたんぱく質を好み、本能のままに人を喰らう。
食物連鎖、弱肉強食とでもいえば、それまでかもな。
だが、それでも―――
『それでも俺は、アマゾンを狩る。それが俺のルールだ。』
『はぁ?何開き直ってんだよ、相棒。』

『グルァァアア!』
俺は空に向かって雄たけびを上げると左手で俺の脇腹を貫いているフリードの右腕を掴んだ。
『!』
それに驚いたフリードは慌てて右腕を引き抜こうとするが、俺の左手で掴まれており、引き抜けなかった。
そして俺はフリードに掴まれた右手を強引に動かし、


ザシャァッ!


ヒレのようなアームカッターでフリードの右手首を切り裂き、フリードの右手を切り落とした。

SIDEOUT


『フリード。たしかに生きるっていうのは、他の誰かの命を食らうってことだ。直接だろうと、間接だろうとな。』
フリードは手を失った右腕を庇い仁を見つめながら人間の姿に戻った。
それと同時に仁も変身を解いた。
「それはアマゾンも人間も変わらない。だが、俺は人間とアマゾンとで線引きをしてる。人間は守り、アマゾンは狩る。矛盾してるのは分かってるさ。だが、あの夜に俺はそう誓ったんだ。」
「ハハハ!自分でもわかってんじゃん!矛盾してるってよ!」
「ああ。分かってるさ。」
「人間守って、アマゾン狩るかぁ。でも、その割に甘いよなぁ。さっき躊躇ってなきゃ俺ぁ死んでた。なのにお前は躊躇ってそのザマだ。」
「まぁな。だが、お前だって十分甘い。」
「何?」
「お前は俺の不意を突いた。あの時、俺は完全に油断してた。心臓を狙えば一発でお陀仏だったはずだ。だが、お前は俺の脇腹を貫いた。」
「・・・・・・。」
「お前だって矛盾してる。生きるために殺すと言っておいて、躊躇ってそのザマだろう。」
「ハハハ!ハハハハハハ!......お互いさまってことか。なぁジン。」
「フッ!だな。だが、そういうところが人間らしいってことだろ。」
「そうかもな。俺にもまだ人間の心ってのが残ってるのかもな。」
「今日だけは見逃してやる。もう一度生きるってことをよく考えることだ。」
「なんか気分がいいなぁ。当分人を殺さなくても、アマゾンの本能を抑えられそうだ。またな。」
そういうと、フリードは再びコウモリアマゾンへと姿を変えて結界を破り、飛び去って行った。


ヒュッ!

「俺様を無視するな!」
コカビエルはをそう叫び、仁に向かって光の槍を投擲した。
しかし仁はソレを簡単に避けると、
「悪い。お前らの事すっかり忘れてたわ。 ゴメン(-人-。)」
笑いながら、コカビエルとグレモリー眷属に向かって詫びた。
「さっきの姿と言い、何なんだ貴様は!」
「そ、そうよ!何なのよ貴方は!」
コカビエルとリアスはそう追及するが、
仁はソレを無視し、懐からゆで卵を取り出し、殻をむき始めた。
「しっかし、モグ、そこの聖剣使い。今いないモグ、もう一人を含めた二人でコカビエルをモグ、倒そうとしてたらしいな?ゴクンッ、フゥ~~~~。・・・・・神もいねぇのによく頑張るねぇ.........馬鹿か。」
仁はゼノヴィアの方を向き、ゆで卵を食べながら笑顔で語り掛け、最後は真顔で罵った。
「か、神が、ふざけるな!」
ゼノヴィアは激昂し、デュランダルで仁に向かって斬りかかった。
<バイオレントブレイク>
仁はベルトの右ハンドル――バトラーグリップを引き抜き、アマゾンブレイドに変化させ、逆手に持ち替えるとデュランダルを受け止めるとゼノヴィアの手からデュランダルを蹴り飛ばした。
「ど、どういうこと、神が死んだですって?答えなさい!」
リアスは怪訝そうな口調で仁に問いただす。
「フハハ!フハハハハハ!教えてやろう!」
コカビエル心底大笑いし、リアスの疑問に答えた。
「先の三つ巴の戦争で旧四大魔王だけでなく、聖書の神も死んだのさ。二天龍を封印するときに負った傷の後遺症でな。」
「そ、そんな。」
グレモリー眷属の元シスターのアーシア・アルジェントはあまりのショックで意識を失い、
「ウ、ウソだ!」
ゼノヴィアも力が抜け、項垂れていた。
「俺は戦争を始める。お前たちの首を土産にしてな。我ら堕天使こそが最強なのだとしらしめるためになぁ!」
コカビエルはそういって大量の光の槍を上空に生み出すと地上にいる者たちに向けた一斉に放った。
「アマゾン!」
<Alpha>
仁はアマゾンアルファに姿を変えた。
そしてその時に発生した衝撃波によってすべての槍が消し飛んだ。
「なに!フハハハハハ!!!面白いぃぃぃぃ!!!!!!!!」
コカビエルは全ての槍が消し飛んだことに驚き、グレモリー眷属のような弱者ではない強者の存在に狂喜乱舞した。

「っ!アマゾン?」
そして、自らの罪の重さに耐えかねていたバルパーは仁の叫んだ言葉に反応し、顔を上げた。
「ま、まさか!あ、あの計画が実在していたというのか!!!」



『俺は帰って寝たいんだ。とっとと来い。』
「ふざけるなぁ!」
コカビエルは光の槍をアマゾンアルファに投げつけるが、軽々と避けられ、
<バイオレントブレイク>
アマゾンアルファはバトラーグリップを引き抜き、アマゾンスピアに変化させ、逆手に持ち替えるとコカビエルに投げつけた。
グサッ!
コカビエルの左肩に命中するとそのままコカビエル諸共

ドンッ!

校舎に激突した。
「グゥッ!」
コカビエルは左肩を貫いた槍を引き抜くと上空に飛び上がり、巨大な光の槍の生成を始めた。
「消え去るがいい!」
コカビエルはそれと同時に巨大な槍を投擲した。
『セヤァ!』
アマゾンアルファは上空に飛び上がると、後ろ回し蹴りを繰り出し足に付いたフットカッターで光の槍を真っ二つに切り裂いた後、
<バイオレントブレイク>
バトラーグリップを引き抜き、左手に持ち替えた後、変化させたアマゾンウィップをコカビエルの首に巻き付けて引き寄せる。
「おのれぇぇぇx!」
引き寄せられているコカビエルは光の剣を生み出た。


アマゾンアルファは右腕のアームカッターを突き出した。

コカビエルは右手に持った光の剣を突き出した。


二人はすれりがった瞬間に攻撃を繰り出し、二人は時間差で地面に降り立った。


「見事だ!」
そういうと、コカビエルは腰から真っ二つになり、倒れ込んだ。
「止めを刺せ!」
『分かったよ。』
アマゾンアルファは右腕を構え、突き出した。










次の瞬間、結界が破壊され、白い閃光がアマゾンアルファの右腕を遮った。

『やめてもらおうか。』
『白い龍【バニシング・ドラゴン】。』
アマゾンアルファの眼前に現れたのは八枚の光の翼を持つ白い全身鎧だった。 
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