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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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4章~運命のクロスベル~ 外伝~鋼鉄の咆哮~前篇

クロスベルに運命の刻が訪れる少し前、アルカンシェルでは踊り娘の衣装を身に纏ったシュリが演技をし、その様子を舞台にいるイリア、観客席で観賞する観客達、そして舞台の裏ではリーシャ達が見守っていた。



~アルカンシェル~



「凄い……シュリ、頑張りましたね。」

「ふふ、毎日一生懸命、練習していたもの。」

「ふ、ふん……まあまあですわね、」

「ハハ、しかし新しいシーンが一つ入るだけで変わるもんだぜ。」

「ああ、イリアと劇団長の執念といったところだな。」

舞台の裏で見守っているアルカンシェルの団員達は感心したり微笑ましそうに見つめ

「……はい………(シュリちゃんがいれば私がいなくなっても……)」

リーシャは寂しげな笑みを浮かべて頷いたが

「え………」

ある事に気付いて声を上げた。

「……どうしたの?」

「おかしなところでもあったか?」

リーシャの様子を見た団員達は不思議そうな表情をし

「……こ、この気配…………5……10………どうしてこんな時に……まさか……!」

リーシャは表情を青褪めさせた後真剣な表情になった。するとその時舞台の方から大きな音が聞こえてきた!

「な、なんですの?」

「う、上から?」

音に気付いた団員達は驚いた舞台を見つめた。

「ふふっ。何とか間に合ってよかった。せっかくの追加シーンをぶち壊すのは勿体ないけど……最高に盛り上がりそうだし、構わないよね?」

いつの間にかシャンデリアの上の足場にいたシャーリィは口元に笑みを浮かべ

「アハハハハ、落っちろ~!」

ライフルのチェーンソーの部分で天井と結ばれてあるシャンデリアの鎖を切断した!

「え………」

演技を終えたシュリがちょうど天井を見上げ、落下して来るシャンデリアを見て呆けたその時!

「下がりなさいっ!!」

イリアは警告すると共にシュリを突き飛ばし、落下して来たシャンデリアの下敷きになった!

「うわああああっ!?」

「イ、イリアが……!」

「イリアが巻き込まれたぞ!?」

シャンデリアの下敷きになったイリアを見た観客達は悲鳴を上げ

「あ……ああ………」

イリアに突き飛ばされ、無事だったシュリは表情を青褪めさせていた。

「イリアさんッ!!?」

リーシャは悲鳴を上げて団員達と共にかけよった。

「リ、リーシャ姉……!」

リーシャ達を見たシュリは涙を流しながらリーシャ達を見つめ、リーシャ達は協力してシャンデリアを持ち上げ、イリアを救出し

「イリアさん!?いやあっ、イリアさんっ!」

全身から大量の血を出しているイリアを見たリーシャは涙を流しながら悲鳴を上げ

「……なんてこと………」

「ど、どうしてこんな………」

団員達は表情を青褪めさせていた。

「……っ………………」

するとその時イリアは意識を取り戻し

「イリアさん!?大丈夫ですか、イリアさん!?」

「……………シュリ……は……?」

声をかけるリーシャにイリアは弱弱しい声で尋ねた。

「ぶ、無事だよ……!イリアさんが助けてくれたからオレ……!」

イリアの言葉を聞いたシュリは涙を流しながらイリアに無事な姿を見せた。

「……そ……っ…………よかった………リー……シャ………次の……幕は………アンタだけで…………」

シュリの言葉を聞いたイリアは弱弱しい声で言った後意識を失った!

「イリアさんっ!?……イリアさんっっ!?」

「うわあああああああっ!!」

意識を失ったイリアを見たリーシャは悲鳴を上げ、シュリは泣き出し

「テオ、運ぶぞっ!」

「わかったッ………!」

団員達はイリアを運ぼうとした。するとその時!

「うっわー、そんなになってまで舞台が大事なんて……あはっ!やっぱりイリアは凄いよね!リーシャが拘る理由もわかるよ♪」

なんとシャーリィが上の足場から飛び降りて噴水の仕掛けに着地し、リーシャ達を見下ろした。

「……血染めの(ブラッディ)シャーリィ………」

「お、女の子……!?」

「だ、誰ですのっ……!?」

シャーリィを見たリーシャは呆け、団員達は混乱したその時、シャーリィは観客達の目の前に銃撃を放った!

「きゃあああああああああっ!?」

「じゅ、銃だっ!?」

「銃を持ってるぞ!?」

それを見た観客達が悲鳴を上げたその時猟兵達が背後から現れて舞台の前でそれぞれ天井に向かって銃撃を放った!

「ひいいいいいっ!!」

「た、助けてっ!女神さまあああああああああっ!!」

猟兵達の行動に観客達は悲鳴を上げた後避難を始めた。

「………あなた……………あなた達は………」

観客が非難し、団員達はイリアを運んで舞台から退場している中、リーシャは顔をうつむかせて膨大な殺気を纏い

「アハハ、そうそう!それが見たかったんだよ!まじりっけのない”強さ”!全力のリーシャ・マオをさ!」

リーシャの様子を見たシャーリィは嬉しそうな表情で笑った後なんと銀が持っていた剣をリーシャの前に投げ、投げられた剣はリーシャの前の床に刺さり

「それ、リーシャの部屋から持ってきてあげたんだよ?最高の舞台を用意したんだから思いっきり楽しもう!」

シャーリィの言葉を聞いたリーシャは無言で剣を抜き

「許さない……!!!シャーリィ・オルランドォォォォォッ!!」

膨大な殺気を纏ってシャーリィを睨んで叫び、シャーリィとの戦闘を開始した!



~歓楽街~



アルカンシェルの建物が炎に包まれる中、歓楽街では警察車両を盾に警官達は猟兵達と銃撃戦を繰り広げていた。しかし援軍として現れた猟兵達が使役する魔獣の奇襲によって次々と負傷して地面に膝をついて慌てた。そして魔獣達は退避し、その様子を見た警官達が不思議そうな表情ををしたその時、対戦車ミサイルを構えた猟兵達が警察車両に向けてミサイルを放って警察車両を爆破して破壊し、爆破に巻き込まれた警官達は重傷を負ってその場から動けなくなった!



~ラギール商会~



ラギール商会の前ではメンフィル兵達と猟兵や魔獣達、さらに猟兵達と共に現れた黒月の構成員達やかつてリベールで現れた”結社”の猟兵達による戦いが繰り広げられていた!

「はっ!!」

「えいっ!!」

「ぐあっ!?」

「がっ!?」

チキの拳やエリザベッタの回し蹴りによって頭がありえない方向に捻じ曲げられた猟兵達はうめき声を上げた後絶命し

「甘いわよっ!!」

「ギャアッ!?」

「グアッ!?」

カーリアンは双剣で次々と猟兵や構成員達を斬り伏せて絶命させた!

「クッ……まさかラギール商会にこれほどの戦力が隠されていたとは……!」

その様子を見た構成員達が唇を噛みしめたその時

「フン、さすがは俺達の戦力を半分まで減らしたメンフィル軍だな。」

シグムントが現れた!

「”赤の戦鬼(オーガロッソ)”……!」

「フフ、来たわね♪」

シグムントを見たチキは厳しい表情をし、カーリアンは好戦的な笑みを浮かべ

「クク………この兵士の数………予め襲撃を予測していたようだな?さすがと言っておこう。」

シグムントは凶悪な笑みを浮かべてチキを見つめ

「……………一つだけ貴方方に聞きたい事があります。」

見つめられたチキは真剣な表情でシグムントを見つめて呟き

「ほう?」

チキの言葉を聞いたシグムントは目を丸くし

「―――貴方方の”今の”契約者はいったい何者なのですか………?」

「クク………ハハハ………――――やはり貴様はなかなか見込みがあるようだ。」

チキの言葉を聞いて凶悪な笑みを浮かべ

「はあああっ!!」

チキに向かって強襲した!しかしその時!

「!!」

チキは後ろに跳んで回避し

「させないわよっ!!」

カーリアンがチキの前に飛び込んでシグムントの攻撃を受け止め

「チッ、”戦妃”か……!」

攻撃を受け止められたシグムントは舌打ちをし

「フフ、今度は私の相手をしてもらうわよ♪さあて………兄であれだけ強かったんだから、その弟はどれだけ強いのかしらねえっ!!」

カーリアンは好戦的な笑みを浮かべた後シグムントとの戦闘を開始した!



~オルキスタワ周辺~



オルキスタワーの目の前では多くの猟兵や人形兵達と警官達は警察車両を盾にして銃撃戦を行っていた。

「くっ……!いつの間にこんな場所まで……一体どこから現れたんだ!?」

銃撃戦の様子を見たダドリーは唇を噛みしめ

「恐らく、飛行艇を使っている可能性が高いかもしれんな……山道から消えた部隊もその飛行艇が回収したのだろう。」

「フン………ってことはやはり本命はこのクロスベル市で、マインツは陽導だったわけか……」

アリオスの推理を聞いたギュランドロスは不愉快そうな表情で呟き

「バカな……!ならば対空レーダー網が反応しているはずだ!レーダーに気付かれずに自治州を行き来するなど――――まさか……リベールの異変で”結社”が使ったという!?」

アリオスは信じられない表情をした後ある事に気付いて声を上げ

「”ステルス機能”………それを搭載した飛行艇が使われているのかもしれん。だが―――今は確かめている暇はない!」

「くっ……そのようだ!

「おうよっ!まずはクロスベル市にいる連中全てをぶっ殺す事が先決だ!」

アリオスは静かな表情で言った後声を上げ、アリオスの言葉にダドリーとギュランドロスは答えた後武器を構えた。するとその時対戦車ミサイルで警察車両は爆破され、爆破に巻き込まれた警官達は重傷を負い、さらに猟兵達は新たな対戦車ミサイルを構えたがアリオスが強襲して中断させ、ダドリーは援護射撃を行っていた。

「さあてと………この俺がいる時にここを襲った事……後悔させてやるぜっ!!」

そしてギュランドロスは好戦的な笑みを浮かべた後猟兵達に強襲して殺害し、猛獣のごとくすざましい勢いで戦場を蹂躙して次々と猟兵達を殺害、人形兵器達を粉々に破壊し始めた!



~クロスベル国際空港~



空港内では襲撃をかけてきた人形兵器や猟兵、さらに黒月の構成員達によって混乱状態に陥っていた。しかしその時、砲撃や矢が猟兵達を襲って怯ませ

「フン!!」

「ハアッ!!」

「そこだっ!!」

「遅いわよっ!!」

「ハァァァァァァァ………!」

「頭が高い!雑魚はひれ伏せっ!!」

「邪魔だっ!!」

「セイッ!!」

「斬!!」

なんとリフィア達が帝都ミルスで出会った人物達――――ガルムス、ベル、エイフェリア、ナフカ、ネネカ、クライス、ラクリール、エア・シアル、リ・アネスが強襲して猟兵達を殺害し

「なっ!?」

「何者だっ!?」

「くっ……とにかく殺せっ!!」

状況を見た猟兵達は驚いた後ガルムス達に襲い掛かろうとしたが

「させません!連砲撃!!………ジアークタイタニス!!」

「森よ!悪しき者達に裁きを!リーフ=グラオス!!エニグマ駆動!エアリアル!!」

「エイダ様には指一本触れさせませんですの!連射光弾・広範囲!!エニグマ駆動!ゴールドハイロゥ!!」

「光よ、降り注げ!爆裂光弾!!――まだです!ヒートウェイブ!!」

ガルムス達の後方にいるリセルが放った砲撃やアーツ、リューンやメイメイ、ミスティの魔術やアーツを受けて怯み

「炸裂せよっ!イオ=ルーン!!」

「業火に包まれるがよい!メルカーナの轟炎!!」

「光よ!邪悪なる者達に裁きの炎を!贖罪の神炎!!」

「闇の精霊よ!今こそその力を示せ!ティルワンの死磔!!」

そしてフェルアノ、オルファン、マルギレッタ、アルフィミアの魔術を受けて絶命し、空港内にいる人形兵器や猟兵達は殲滅された!

「全員滅したか………しかしこれは一体どうなっているのだ?」

戦闘を終えたガルムスは静かに呟き

「……わかりません!とにかく今はヴァイス様達と合流し、状況を把握する事が先決です!」

リセルは真剣な表情で声を上げて言った後空港の出口に向かって走り出し、リセルの仲間達もリセルの後を追い

「我が王よ……どうかご無事で……!」

メイメイはその場で祈った後リセル達に続くように走り出した!



~住宅街~



住宅街では赤い星座、黒月、結社の猟兵や魔獣や人形兵器がマインツ山道へ行く出入口付近で守りを固めていた。するとその時!

「でええええええええいっ!!」

「ぐぎゃっ!?」

パティルナが強襲して猟兵の一人を殺害し

「それっ!!」

「はあっ!!」

「がっ!?」

「ぐあっ!?」

パティルナに続くようにルイーネやエルミナが強襲して構成員や猟兵を殺害し

「―――総員、これより市内の敵の掃討を開始せよっ!!」

エルミナは号令をかけ

「―――――1人残らず敵を殲滅しなさいっ!!」

「まずはここの奴等を全員殺すよっ!!」

エルミナに続くようにルイーネやパティルナも号令をかけ

「イエス・マム!!」

3人の号令に警備隊員達は答えた後ルイーネ達と共に戦闘を開始した! 
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