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英雄伝説~菫の軌跡~(閃篇)

作者:sorano
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第20話

~旧校舎~



「シャアッ!!」

戦闘開始早々リィンはクラフト―――紅葉切りで攻撃し

「―――――」

攻撃された人形兵器は自分の背後へと回ったリィンへと振り向いて大剣をリィン目がけて振り下ろした。

「オオオッ!」

自分目がけて振り下ろした大剣を人間離れした動きで回避して人形兵器の側面に回ったリィンは炎を宿した強烈な一撃―――業炎撃を叩き込み

「行クゾッ!」

続けて剣技―――疾風を叩き込んで追撃した。

「――――――」

連続でダメージを受けた人形兵器は反撃に異空間から雷を呼び寄せてリィン目がけて落としたが

「死ネッ!」

頭上から襲い掛かってくる雷がわかっていたかのように人間離れした動きで回避すると同時に再び人形兵器に詰め寄ったリィンは太刀で薙ぎ払いを放って反撃を叩き込んだ。



リィンに秘められている謎の力は達人でない限り一人での撃破は到底厳しいと思われる人形兵器相手に圧倒し続けていた。



「グッ…………オオオオッッ…………!」

敵との戦闘や謎の力によって力を消耗して疲弊していたリィンは胸を抑えた後天井に向けて咆哮しながら今までの”特別実習”で共に協力したクラスメイト達の顔を思い浮かべた。

「な、なんだ……!?」

「”力”を……抑えようとしてんの!?」

「………………」

「兄様…………」

リィンの行動を見たパトリックとクロウは戸惑い、レンは真剣な表情で見守り、エリゼは心配そうな表情で見つめた。するとその時自身に秘められている謎の力を抑えつけたリィンは元の姿に戻った!



「ぐうっ……はあっ、はあっ…………こ……これ以上……呑みこまれてたまるか…………」

正気に戻って疲弊しているリィンを見た敵はゆっくりと近づき

「くっ………(幸いエリゼは安全な場所にいる……後はこいつを倒すだけだ……あの冬の日を……自分自身を取り戻すためにも!)」

地面に倒れて自分を見つめているエリゼの位置が現状安全な場所である事を確認したリィンは決意の表情で敵を睨んで武器を構え直した。そして敵が大剣を振り上げてリィンに攻撃しようとしたその時

「そらっ!!」

「鋭き氷、拡散せよ―――フリーズランサー!!」

銃撃と無数の氷の槍が人形兵器の両腕に命中し、攻撃が命中した人形兵器は攻撃が来た方向に振り向いた。

「え――――」

驚いたリィンが振り向くとそこには両手に2丁の導力銃を持ったクロウと魔導杖を構えたレンがいた。

「うふふ、レン達の事を忘れないでよ、リィンお兄さん♪」

「加勢するぜ、後輩ッ!パトリック坊やは嬢ちゃんを守っていろ!」

「ぼ、坊やは止めろ!」

パトリックに指示をしたクロウはレンと共にリィンにかけよった。

「すまない、レン!先輩もすみません!」

「おうよっ!ARCUSの戦術リンクも試すぞ!」

「―――来るわよ!」

そしてレンとクロウを加えたリィンは再び戦闘を開始した!



「喰らいなっ!!」

戦闘開始時クロウは先制攻撃代わりに2丁の導力銃で広範囲を攻撃するクラフト―――ダブルクイックで攻撃した。

「!?」

全身に銃撃を受けた敵は怯み

「そこだっ!!」

クロウのARCUSと戦術リンクを結んでいたリィンはその隙を逃さないかのように追撃し

「魔の雷よ、薙ぎ払いなさい―――メ・ベルデ!!」

レンは後方から魔導杖に宿した魔の雷を解き放って追撃した。



「―――――」

するとその時敵は大剣を掲げて雷を異空間から降らせ、降り注ぐ雷はリィン達に襲い掛かった!

「グッ!?」

「ギャッ!?」

「っと!」

頭上からの奇襲を受けたリィンとクロウはダメージを受け、レンは雷が落ちてきた瞬間側面に跳躍して回避した。

「――――」

「!!」

「あぶねっ!?」

敵は続けて大剣をリィンとクロウめがけて振り下ろし、二人は間一髪のタイミングで左右に散開して敵の追撃を回避した。

「えいっ!ダブルティアラ!!」

その時二つの戦術オーブメントの駆動を終えたレンがリィンとクロウにそれぞれ治癒アーツを放って二人の傷を回復した。



「ありがとう、レン!四の型――――紅葉切りっ!!」

「!?」

そしてリィンは反撃に敵の背後へと駆け抜けると同時に斬撃を叩き込み、リィンの剣技を受けた敵は態勢を崩し

「先輩!」

「おうよっ!!」

リィンと戦術リンクを結んでいるクロウの追撃で更にダメージを受けた。

「誘惑の罠張り巡らし、我が懐中へ――――トラクタービーム!!」

「―――!?」

そこにレンが発動した特殊魔法によって発生した巨体を空中へと上げられ、重力をかけて叩き落とされた敵は怯んだ。

「さ~てと。とっとと決めちまうか!」

それを見たクロウは不敵な笑みを浮かべて両手を広げて2丁の導力銃から特殊な弾丸を乱れ打ちした。すると弾丸は敵を包囲する形で止まり

「―――クロスレイヴン!!」

クロウが指を鳴らした瞬間を合図に一気に敵に襲い掛かって爆発を起こした!

「止めは任せたぜ、後輩!」

Sクラフト―――クロスレイヴンを放ち終えたクロウはリィンに視線を向け

「はいっ!焔よ……!ハァァァァ……斬!!」

視線を向けられたリィンはクロウの言葉に頷いた後Sクラフト―――焔ノ太刀を敵に叩き込んだ!

「――――――――!!??」

リィンの炎の斬撃を受けた事によって蓄積したダメージが限界に来た敵は地面に倒れて2度と動かなくなった!



「はあっ…………はあっ…………」

「……はあはあ……ったく…………」

「フウ………」

敵の沈黙を確認したリィンとクロウがそれぞれ地面に膝をついている中レンは疲弊した様子を見せず、一息ついた。

「こういう修羅場は半年前に卒業してるっつーの……」

「二人とも情けないわねぇ。”か弱いレディ”のレンでもあの程度の相手は余裕だったのよ?」

疲れた表情で呟いたクロウの言葉を聞いたレンは呆れた表情で指摘し

「男子4人を1人で、しかもアーツや得物も使わずに体術のみで制圧するような女は”か弱いレディ”の枠に入らないっつーの!」

「はは……助かりました……でも先輩……ARCUSが使えたんですね?」

レンの指摘を聞いて反論しているクロウの様子に苦笑したリィンはクロウがアークスを使っていた事を思い出し、クロウに訊ねた。



「おう……お前らⅦ組のための試験導入に参加してな……トワやジョルジュ、ゼリカたちとはその時からの付き合いってわけだ……」

「そう……だったんですか……」

「……にいさま……」

そしてクロウの話をリィンが聞き終えたその時エリゼがリィン達に近づいてきた。

「エリゼ……!だ、大丈夫か!?どこか痛む所はないか!?」

「ええ……地響きに足を取られて転んでしまっただけで……それに……兄様が守ってくれましたから……あの日みたいに……ううん、あの日とは違う形で……………そうですよね……?」

「エリゼ……ああ。何とか乗り越えられたよ。エリゼが無事で本当によかった……!」

嬉しそうな表情で自分を見つめるエリゼの言葉に頷いたリィンはエリゼを抱きしめ

「兄様………」

抱きしめられたエリゼは幸せそうな表情をした。するとその時サラ教官を加えたⅦ組のメンバーがエレベーターで降りてきた。

「あ…………」

「っと、どうやら揃ってご到着のようだな。」

サラ教官達に気づいたリィンはエリゼから離れ、クロウは自分達に駆け寄ってくるサラ教官達を見つめた。エレベーターから降りたⅦ組の面々は次々とリィン達に駆け寄った。



「リィン、レン、大丈夫!?」

「エリゼさんは……よかった、無事みたいだね!」

リィン達にかけよったアリサはリィンとレンを心配し、無事な様子のエリゼを見たエリオットは安堵の溜息を吐いた。

「こ、これは……」

「巨大な甲冑……?」

一方地面に倒れているリィン達が倒した甲冑に気付いたマキアスとガイウスは驚き

「……暗黒時代の魔導の産物のようだが。」

「どうやら尋常ならざる事態が起きたようだな……」

「……ん。激闘の後みたい。」

ユーシスとラウラ、フィーは真剣な表情で甲冑を見つめた。

「みんな、サラ教官も……」

「もうちょっと早く来てくれたら、楽に勝てたのにねぇ。」

「ふう……やれやれだ。」

自分達の為にかけつけてくれたⅦ組の面々をリィンが感謝している中レンは疲れた表情で溜息を吐き、何事もなく無事に終わった事にパトリックは安堵の溜息を吐いた。



「えへへ、でも妹さんも含めてみんな無事みたいだね?」

一方Ⅶ組の面々と一緒にかけつけたトールズ士官学院の生徒会の会長である2年の平民女子学生―――トワ・ハーシェルは嬉しそうな表情をし

「おお、聞いていた以上の美少女っぷりじゃないか……!」

常に黒を基調としたライダースーツを身に纏っている”四大名門”の一角、”ログナー侯爵家”の長女である2年の貴族女子学生―――アンゼリカ・ログナーは目を輝かせてエリゼを見つめ

「ふーむ、その扉と甲冑はちょっと調べてみたいなぁ。」

アンゼリカのように常に作業ツナギを着ている学生でありながら士官学院の技術棟を任されている2年の平民男子学生―――ジョルジュ・ノームは興味ありげな表情で赤い扉と甲冑を見つめた。



「ったく……マイペースなヤツらだぜ。サラ教官も。駆け付けるのが遅いっつーの。」

級友達の様子を苦笑しながら見守っていたクロウはサラ教官に視線を向け

「ゴメンゴメン。でも何とかなったみたいね。どうやらその巨大な扉からデカブツが現れたみたいだけど……」

サラ教官は苦笑した後真剣な表情でエリゼを見つめた。

「はい……私とレンさんがちょうど見ていて……」

「……俺達の話と合わせて詳しく報告させてもらいます。」

そしてリィン達が事情を説明し始めたその頃何かを考えていたエマは厳しい表情である方向を見つめた。

「………………………………」

エマが睨んだ方向にいたセリーヌはエマの睨みに対し何も答えず、すました顔でエマから視線を逸らした――――




 
 

 
後書き
3rdのEVOをようやくクリアしました……!3rdEVOは原作よりも試練の相手がかなり強化されていましたけど、特にラスボスが強化されすぎです(汗)喰らえばほぼ確実に即死級の聖痕砲が絶対防壁貫通って……しかもセプトクライシスも絶対防壁を貫通する上EPを0にするというウザさですし……ちなみに私は聖痕砲が撃たれるギリギリのタイミングでSクラフトラッシュで倒しました(冷や汗)後星の扉のイベントで”盟主”の声で”盟主”の性別がわかりましたけど、やっぱり結社の”盟主”は前から噂されていた通りの性別っぽいですね!ただクロチルダの声優が解せん……アリアンロードは同じ声優なのに、クロチルダの声優は閃と違いますし……とりあえずやっとイース新作がプレイできる……テイルズ新作が発売されるまでにクリアできるといいのですけど……… 
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