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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第55話

~湖水浴場~



「は~い♪どうかしら、私の水着。」

漆黒のマイクロビキニを着たカーリアンはウインクをし

「クク、我の美しき肌、とくと見るがいい。」

蒼のマイクロビキニを着たハイシェラは口元に笑みを浮かべ

「あら、もう既にこんなに揃っていたのね。」

上下に白のビキニを着て、さらに腰には白のパレオを身につけたルファディエルはロイド達に微笑み

「にしても人間も面倒な事を考えるねぇ。水で遊ぶのにわざわざ着替えるものを作るなんてさ。」

漆黒のビキニを着たエルンストは口元に笑みを浮かべて言った。

「うっ…………」

「な、なんというか……目のやり場に困るな……」

カーリアンとハイシェラの大胆な水着を見たロイドは一歩下がり、リィンは苦笑し

「おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!”戦妃”のお姉さんとハイシェラお姉さんも凄いけど、念願のルファディエル姐さんの水着!く~!支援課にいてて本当によかったぜ!!」

「全くだな。」

ランディは興奮した後嬉しそうな表情で言い、ヴァイスは静かな笑みを浮かべて頷き

「へえ……天使って固いイメージがあったけどわりと大胆だね。」

(……少なくともニルはそのイメージを完全に破壊するがな……)

ワジは興味深そうな表情をし、セリカは心の中で苦笑していた。

「ありがと♪」

ロイド達の反応を見たカーリアンはウインクをし

「……まあ二人とも普段着ている服装とあまり変わらんから、今更な気もするがな……」

「この馬鹿者が。記憶が戻ってもやはりお主はお主だの。」

静かな表情で言ったセリカの言葉を聞いたハイシェラは呆れた表情で溜息を吐いた。

「どうかしら、ロイド?」

一方ルファディエルはロイドに微笑み

「………………………凄く……似合っているよ……………ビーチが貸し切りで本当によかったよ……もし他の客がいたら、みんな絶対にルファ姉をナンパするだろうし。」

微笑まれたロイドは呆けた後笑顔で答えた、苦笑しながら言った。

「あら……嬉しい事を言ってくれるじゃない。これはご褒美よ♪」

「うぷっ!?」

するとその時ルファディエルはロイドに近づいて、自分の豊満な胸の谷間にロイドの顔を両手で押し付けて頭を撫で

「おいおいおい……!?」

「ヒュウ♪」

「ほう……………」

それを見たランディはロイドを睨み、ワジは口笛を吹き、ヴァイスは興味深そうな表情をし

「ええっ!?」

「……………」

「くかかかかっ!久しぶりに出たな♪」

「……久しぶりだと?という事は以前からあったという事か……」

「あっはははははっ!本当にその男に対しては甘いねぇ!」

エリィは驚き、ティオはジト目でロイドを見つめ、陽気に笑いながら言ったギレゼルの言葉を聞いたラグタスは驚いた後ロイドを見つめ、エルンストは陽気に笑い、また周囲の人物達も驚いていた。

「ぷはっ!だからルファ姉!いい加減、子供扱いは止めてくれよ!それもみんなの前で。」

そしてルファディエルの胸の谷間から顔を上げてルファディエルから離れたロイドは疲れた表情でルファディエルを見つめたが

「フフ、でも男の子として役得だったでしょう?」

「ガッハハハハハッ!よかったじゃねえか!普通なら中々体験できねぇぜ?」

「うっ………!」

ルファディエルとギュランドロスの言葉を聞いて唸った。



(…………………やっぱりルファディエルさんが一番要注意人物ね。)

(おのれロイド……!男なら誰もが夢を見るシチュエーションを体験しやがって!この弟王が!!)

エリィはジト目でルファディエルを見つめ、ランディは悔しそうな表情でロイドを睨んだ。

「あれ……天使と言えば、もう一人の天使はどうしたんだい?」

するとその時、ある事に気付いたワジはルファディエルを見つめて尋ね

「ああ、メヒーシャ?―――いつまで隠れているつもり、メヒーシャ。いい加減に姿を現しなさい。」

尋ねられたルファディエルは目を丸くした後、自分達が来た方向の壁を見つめて言った。すると

「ううっ…………この水着、肌を露出しすぎじゃありませんか、ルファディエル様!」

蒼と白のビキニを着たメヒーシャが恥ずかしそうな表情で壁から姿を現してロイド達に近づいてきた。

「へえ……これは予想外なチョイスだね。」

「ああ…………性格的な事を考えたら、肌をできるだけ見せない水着を選ぶと思ったのに。」

水着姿のメヒーシャを見たワジは興味深そうな表情をし、リィンは意外そうな表情をし

「何言ってるの。せっかくの機会なんだから、貴女の魅力的な所をみんなに見てもらった方がいいでしょう?」

ルファディエルは微笑みながらメヒーシャを見つめて言った。

「おおっ!!やっぱり俺が睨んだ通りだった!」

「ああ。しっかりと出るトコは出ているな。」

「くかかかかっ!中々いい身体をしているじゃないか、メヒーシャちゃん♪」

一方ランディは興奮し、ヴァイスは静かな笑みを浮かべ、ギレゼルは陽気に笑った後メヒーシャを見つめ

「――――斬る!!」

三人の言葉を聞いたメヒーシャは恥ずかしそうな表情で身体を震わせた後ランディ達を睨んで異空間から斧槍を取り出して構えたが

「メヒーシャ、ストップ!」

エリィが諌め

「……武器を出すのはさすがにやりすぎだ。」

ラグタスが呆れた表情で言い

「ま、まあまあ……みんな普段から鎧を着こんで肌を隠している今のメヒーシャの姿を珍しがっているだけだよ。――――その水着姿、とても似合っているし、肌も凄く綺麗だよ。まさにエリィの守護者としてピッタリだな、メヒーシャって。」

ロイドは苦笑しながら諌めた後笑顔でメヒーシャを見つめて言い

「!!!な、な、な…………………!」

メヒーシャ顔を真っ赤にして口をパクパクさせて斧槍を砂浜に落として固まり

「……ロイド………貴方、ついに人が契約している異種族………それもよりにもよって貴方の恋人の私が契約しているメヒーシャにまで手を出すなんて………」

「くかかかかっ!ついにメヒーシャちゃんの攻略も始めたか、ロイド!!」

エリィはジト目でロイドを見つめ、ギレゼルは陽気に笑い

「……ルファディエル。いい加減、この男の”この性格”は何とかならんのか。」

「……申し訳ございません。私も改善する為に教育はしているのですが、改善する傾向がないどころか、むしろ悪化し続けていて……正直、この子のこの性格は私もお手上げです。」

顔に青筋を立てたラグタスに睨まれたルファディエルは疲れた表情で答え

「フフ………こういう所は主そっくりですね。」

「確かにそうじゃな。」

「…………俺は奴ほど鈍感ではないと思うが………」

「この戯け。お前も人の事は言えんだの。」

微笑みながら言ったリタとレシェンテの言葉を聞いたセリカは苦笑し、ハイシェラは呆れた表情で指摘し

「フフ……こういう所はお父さんと比べたらまだまだですね。」

「確かにそうだね♪」

「……まあ、ロイドさんが父様みたいになったら女性関係がとんでもない事になると思いますが……」

セティとシャマーラは微笑み、エリナは苦笑していた。

「わお!凄い景色だね♪」

「そうね♪これら全てが貸し切りなんて、とってもお得よね♪」

「フフ、それに水着を見せるのがギュランドロス様達だけで本当によかったわ。」

「ううっ………こんなにも肌をさらすことになるなんて……やっぱりもう少し肌を隠す水着を選べばよかったです………」

「口ではそう言ってますが、エルファティシアやルイーネにヴァイスを魅了する為と焚き付けられてその水着を選んだ貴女の意思と矛盾していませんか?」

「アル!!」

するとその時水着姿のパティルナ、エルファティシア、ルイーネ、エルミナ、アルがビーチに姿を現した後ロイド達に近づいた。

「あはは!それにしてもヴァイスにとって今の状況は天国だろうね♪」

紫色のセパレートの水着を着たパティルナは笑顔でロイド達を見つめ

「ううっ……そんなに見ないで下さい……」

真紅のビキニを着たエルミナは胸の部分を隠して恥ずかしそうな表情をし

「フフ、みんなどうかしら?」

大人の雰囲気をさらけ出す漆黒のビキニに下に漆黒のパレオを着けたルイーネは妖美な笑みを浮かべ

「へ~……みんな、結構大胆なのを選んでいるわね♪」

明るい緑色のビキニを着けたエルファティシアはエリィ達の水着を見た後からかいの表情になり

「これで後はイリア達だけですね。」

藍色のスクール水着を着たアルは周囲にいる人物達を見て呟いた。

「「………………………」」

ルイーネ達の水着姿を見たロイドとリィンはルイーネ達がさらけ出す光のオーラに呆け

「くかかかかかっ!!お前には刺激が強すぎたか~?」

呆けているロイドを見たギレゼルは陽気に笑い

「「……………………………」」

ランディとヴァイスは口を大きく開けて固まり

「ほう……さすがはルイーネだな!!オーラが違うぜ!」

ギュランドロスは口元に笑みを浮かべてルイーネを見つめ

「ほえ~………」

キーアは呆け

「……な、何だか……」

「き、綺麗というか圧倒されるというか……」

エリィは疲れた表情で言い、ノエルは苦笑し

「”格”が違う……そんな感じですね。」

「フフ……私達を差し置いて、結構やるじゃない♪」

ティオは疲れた表情で言い、カーリアンは口元に笑みを浮かべて言った。

「あらあらまぁまぁ♪ギュランドロス様に褒めてもらっちゃった♪」

「あはは!あのヴァイスが固まるなんて、珍しい場面を見れたね♪」

「うふっ♪作戦成功ね♪」

一方ルイーネは嬉しそうな表情でギュランドロスを見つめ、パティルナは笑顔で言い、エルファティシアは小悪魔な笑みを浮かべた。

「ハッ………」

するとその時ロイドは我に返り

「あぶねえあぶねえ……一瞬アッチの世界に行ってたぜ。」

「な、なんというか俺達が本当にここにいていいのか、恐れ多いぐらいだな……」

ランディは疲れた表情で言い、リィンは苦笑し

「フッ………全員、素晴らしいぞ。特にエルミナ。お前のその大胆さには驚いたぞ。今すぐにでも物陰に連れ込んで、愛し合いたいぐらいだ。」

「!!!~~~~~こんな公衆の面前で何を言っているんですか、ヴァイスハイトッ!!」」

静かな笑みを浮かべて見つめられたヴァイスを見たエルミナは顔を真っ赤にしてヴァイスを睨んで叫び

「うふっ♪それでこそヴァイスハイトね♪私の水着はどうかしら?」

エルファティシアはからかいの表情になった後魅惑的な笑みを浮かべてヴァイスを見つめて尋ねた。

「勿論、似合っているぞ。……確か話によればエルファティシアは”ルバーチェ”が闇で手に入れた女神像の代わりだったな?まさに今の姿……”女神”と言ってもおかしくないほど、オーラを出している上美しいぞ。」

「フフ、相変わらず女性を褒める事に関しては天才的に上手いわね♪……ま、そんな貴女を愛しているんだけどね♪これはお礼よ♪」

静かな笑みを浮かべて言ったヴァイスの言葉を聞いたエルファティシアは微笑んだ後ヴァイスに近づいてヴァイスの片腕を自分の豊満の胸の谷間に押し付けると共に腕を組み

「あ~、エルファティシアさんばっかり、ズルイですー!あたしだって♪」

それを見たフランは声を上げた後もう片方のヴァイスの腕に自分の胸の谷間を押し付けて腕を組み

「フ、フラン!?」

「ハハ、まさに両手に花だね。」

フランの行動を見たノエルは慌て、ワジは笑っていた。

「フフ………エルちゃんはどこに抱き付くのかしら♪」

「ちなみに背中は無しだからね♪前と同じだからつまんないし。」

「ううっ……………今の状況だと、正面しか残っていないじゃないですか!!」

からかいの表情のルイーネとパティルナに見つめられたエルミナは顔を赤らめた後、ヴァイスの正面に抱き付き

「ハッハッハッ!これは困った。動けないぞ。」

3人に抱きつかれたヴァイスは嬉しそうな表情で言い

「……全然そうには見えないが。」

「むしろ喜んでいるだの。」

その様子を見たセリカは呆れた表情で溜息を吐き、ハイシェラは口元に笑みを浮かべ

「おのれ…………!俺と色々似ている癖に、どうしてここまで差があるんだ!?」

ランディは悔しそうな表情でヴァイスを睨んで叫び

「フフ……今の状況をリセルが見たら、どんな反応をするでしょうね。」

アルは苦笑していた。

「そう言えば……アルさんの水着って変わっていますね。」

「確かにそうじゃな。他の者達のと比べて、異色を放っているぞ。」

一方アルの水着姿を見て気付いたリタとレシェンテはそれぞれ声をかけ

「何でも正式名称は『スクール水着』らしくて………エレボニアの士官学校の水泳の授業の際に着用が義務づけられている水着だそうです。」

「エ、エレボニアの!?」

「もうベルったら……どこでそんな物を仕入れてきたのよ……」

アルの答えを聞いたリィンは驚き、エリィは呆れ

「そう言えば……オリビエ―――オリヴァルト皇子は士官学校の理事の一人を務めていると聞いた。もしかしたらこの間の通商会議の件の礼代わりに送ってきたのかもな。」

「ハハ……まさか………」

「いや~、ありえると思うな、あの皇子なら♪」

ヴァイスの説明を聞いたリィンは表情を引き攣らせ、ランディは嬉しそうな表情で言った。するとその時



「やっほー、おまたせ。」

水着姿のイリアがリーシャとセシル、シュリと共にビーチに来た。

「うっわ、これは凄いわね!」

「ふふっ……天国みたいな場所ね。」

「一面真っ白です……!」

「……へえ………」

砂浜の景色に驚いたり喜んだりしたイリア達はロイド達に近づいた。

「ふふっ、お待たせ。」

真っ白なビキニを着たセシルは微笑み

「お、もう可愛い子たちに囲まれてるじゃないの~。」

黒のスリングショットを着たイリアはからかいの表情でロイド達を見つめ

「あ、パラソルとか用意してくださったんですね。」

黄土色のビキニを着たリーシャはパラソルを見た後口元に笑みを浮かべ

「……言ってくれりゃあオレがやったのに。」

緑のインナーを着ているシュリは恥ずかしそうな表情で言った。

「「………………………………」」

一方ロイドとリィンは再び呆け

「………………………」

ランディも再び口を開けて固まり

「フッ……ルイーネ達を見ていなかったら、俺も同じ目に会っていたな。」

ヴァイスは静かな笑みを浮かべ

「ほえ~………」

「せ、セシルさん達も………」

「やっぱりオーラが違いますね………」

「す、すごいですっ……!」

「睡魔の血を引いている者として、水着姿で圧倒されるなんて情けないよ……」

「……そんなくだらない事で張り合わないで下さい。」

キーアは呆け、エリィは疲れた表情をし、ティオは溜息を吐き、フランは驚きの表情で言い、シャマーラは疲れた表情で言い、エリナは呆れた表情でシャマーラを見つめて言った。

「あら、貴女たちだってなかなかイケてるじゃない。うんうん、眼福眼福♪」

エリィ達の言葉を聞いたイリアは振り向いてエリィ達の水着を見て笑顔になり

「ふふ、そうね。エリィちゃんやセティちゃんも思った通りすっごくグラマーだし。キーアちゃんもティオちゃんも抱きしめちゃいたいくらいだわ♪」

セシルはエリィ達に微笑み

「あ、あはは……(セシルさんの胸で言われても。)」

「フフ、ありがとうございます。」

エリィは苦笑し、セティは微笑み

「えへへ、ホントー?」

キーアは嬉しそうな表情で笑った。

「ふふっ……でも、本当に綺麗なビーチですね。」

「ま、まあ悪くないかな……―――って、アンタら、いつまでボケッとしてんだよ。」

「「ハッ………」」

シュリに睨まれたロイドとリィンは我に返り

「あぶねえあぶねえ……またもやアッチの世界に行ってたぜ。」

ランディは疲れた表情で溜息を吐いた。

「男って単純ですね。」

「ま、女性に比べたらシンプルな生き物だよね。」

ジト目で言ったティオの言葉にワジは笑顔で答え

「むむっ……これは負けてられないかも。お姉ちゃん、頑張ってね!」

「む、無茶言わないでよ~。っていうか、何でフランは他人事みたいに言うのよ~。」

真剣な表情で言ったフランの言葉にノエルは苦笑しながら言った。するとその時

「え?だってあたしにはヴァイスさんがいるんだもん♪」

フランは不思議そうな表情をした後再びヴァイスの片腕に抱き付いて笑顔で言い

「フッ……そういう事だ。クラリスさんを安心させる為にも行き遅れないように今の内に頑張っておけよ?下手をすれば妹に先を越されるぞ?」

「よ、余計なお世話です!!」

静かな笑みを浮かべて言ったヴァイスの言葉を聞いたノエルはヴァイスを睨んだ。



その後、準備体操をしてからそれぞれビーチで自由行動となり……ロイドはリーシャと共にキーアとシュリに泳ぎの練習を付けてあげることにした。



「お、いいな、キーア。その調子、その調子。」

自分の手に掴まって水でバタ足をしているキーアにロイドは微笑み

「えへへ、そうー?あ……なんかわかってきたかも。ロイド、手をはなしてー。」

「だ、大丈夫か?それじゃ―――」

キーアの言葉を聞いて戸惑った後キーアから手を離した。するとキーアは上手に泳ぎ

「あら。」

それを見たリーシャは声を上げ

「おおっ!キーア、やっぱり泳いだ事、あったんじゃないか?」

「んー、わからないケド。」

ロイドは驚いた後明るい表情で尋ねた。

「や、やるじゃんチビ……リーシャ姉!オレにもコツを教えてっ!」

一方シュリは呆けた後真剣な表情でリーシャを見つめて言い

「ふふっ、はいはい。そうね、ちょっと上半身に力が入りすぎているから……

リーシャは微笑みながら教え始めた。その後キーアとシュリはそれぞれ上手く泳ぎ続け

「なんだ、二人ともあっという間だったな。」

「えっへん。」

「フ、フン。こんなの出来るようになったってイミねーし……」

ロイドの言葉を聞いたキーアは嬉しそうな表情をし、シュリは恥ずかしそうな表情をした。

「ねえねえ、シュリ!あっちの岩まで泳ごー!」

「な、なんでオレが……」

「ハハ、気を付けてな。2人とも、岩より向こうには絶対に行ったらダメだぞ?」

「らじゃー!」

「ああもう!付き合えばいいんだろ!」

そしてキーアとシュリは泳ぎの競争を始めた。

「うーん、大丈夫かな?」

「ふふ、このあたりはかなり浅いみたいですから大丈夫ですよ。それにしても……キーアちゃん、凄いですね。あっという間にコツを掴んじゃったみたいですし。」

「前にも泳げていたのを身体が思い出しただけかもしれないけどね。でも、シュリも結構すごいよな?今まで一度も、泳いだことを無いって言ってたのに。」

微笑みながら言ったリーシャの言葉に頷いたロイドは口元に笑みを浮かべてリーシャを見つめて言った。

「ここ最近の練習で身体のバネとしなやかさが相当鍛えられていますから。ちょっとコツを教えたらあっという間でしたね。」

「そうか……頑張っているみたいだな。そういえば……アルカンシェルの舞台、リニューアルするんだっけ?」

「はい、リニューアルといっても『金の太陽、銀の月』であるのは変わらないんですけど……シュリちゃんが新たな第三の『姫』として登場するアレンジが入っているんです。彼女がメインのシーンなんかも追加されてるんですよ。」

「そりゃ凄いな……まさか最初に会った時はこんなに早く活躍するなんて思わなかったけれど……」

「ふふっ、そうですね。多分、イリアさんの導きとシュリちゃん自身の頑張りがあったからだと思います。………私なんかよりもずっと……」

「え……?」

どこか陰りのある表情を見せたリーシャを見たロイドは呆けた。

「あはは、大したことじゃ……その、ちょっと疲れたので向こうで休んでいますね。」

「そっか、お疲れ。まだまだ時間はあるからノンビリ楽しんでいこう。」

「はい……!」

そしてリーシャはロイドから去って行った。

(うーん、それにしても背はそんなに高くないのに相当……―――じゃなくて。まだ正午まで時間はあるし、俺もみんなに混ぜてもらおうかな?)



その後ロイドは仲間達が遊んでいる所に向かった………………… 
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