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魔女に乾杯!

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44部分:第四十三話


第四十三話

                  第四十三話   誰のおかげ
「じゃあやってみて」
「うん」
 梨花は頷いた。そして利奈と使い魔達を離れた場所にやって構えに入った。すぐに魔法を放つ態勢に入る。
「行くわよ」
 魔法を放つ。それは巨大な石であった。三つあった。
「石!?」
「ただの石じゃないわよ」
 ピエールとジュリエッタにそう返す。三つの石はそのまま飛び的に向かう。そしてその寸前で散った。
「あっ」
「これが私の新しい魔法よ」
 梨花はそう言って会心の笑みを浮かべた。
「これならあの紫の魔女にも効くでしょうね」
「うん」
 まずはピエールがそれに頷いた。
「これなら。かなりの威力が期待できますよ」
 ジュリエッタも。二匹は正直かなり驚いていた。それ程の威力だったのだ。
「けれどよくこんなの考え付きましたね」
「本当に凄いですよ」
「利奈が教えてくれたのよ」
「利奈様が」
「うん。ほら、一つの石を散らしても簡単に避けられるでしょ」
「ええ、まあ」
「だからよ。それで三つにしてみたらって。それでやってみたのよ。思ったより簡単にいけたわね」
「そうだったのですか」
「さっきの囁きは」
「そうなの。全部利奈のおかげよ」
「それは違うよ」
 だが利奈はそれを否定した。
「これやったのはお姉ちゃんだから。私はただこうしたらいいんじゃないかって言っただけだし」
「いえ、それは違うわよ」
 だがここで梨花もそれを否定した。
「利奈が言ってくれたから。だからできたのよ」
「だから違うって」
「いえ、違わないわ」
「まあまあ二人共」
 言い争いになろうとしたところでピエールとジュリエッタが間に入って来た。
「つまり二人が協力してできたってことですね」
「まあ」
「そういうことになるかなあ」
「じゃあそれでいいじゃないですか。この魔法は御二人の合作」
「御主人様と利奈様の努力とひらめきの結果でございますよ」
「そうか」
「そうですよ」
 二匹は頷いた二人にそう言った。
「おわかりになられましたね」
「御二人共」
「うん。じゃあ利奈」
「お姉ちゃん」
 二人は互いに顔を見合わせた。
「有り難うね」
「こちらこそ」
 危ういところで仲直りした。二匹の使い魔達はそれを見てほっと胸を撫で下ろすのであった。
「やれやれ」
「危ないところだった」

第四十三話   完


                2005・9・14



 
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