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詩集「棘」

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君を想わない時はなく



か弱い雨音…濡れた路面
憂鬱な梅雨の一頁
全てを覆い尽くすような灰色に
そっと…溜め息を洩らす

口に出来ない想い…答えのない問い
見上げた空はいつか晴れても
きっと心は晴れないままに…

君を想わない時はなく
ただ移ろう四季に流されて
痛みを伴うこの恋は
実を結ばずに朽ちゆくでしょう…


山里を包む深い緑
噎せ返るような露の風
苛立ちを覚える注ぐ蝉時雨は
遠く…過ぎ行く日々へと

伝わらない感情…淋しさの坩堝
見えてる傷はいつか癒えても
胸の底には癒えない傷も…

君を想わない時はなく
ただ叶わぬ恋に溺れてる
すがるものさえ見つけられず
水面へ沈み消えゆくでしょう…


メールの一文さえ考えてしまう…
君と繋がっていたいから…
不意にこの想いが伝われば
たちまち時は崩れ去り…

君を想わない時はない
黄昏ゆく刻に身を委せ
呼べど返らぬ声さえも
刹那の夢の中 こだまする

君を想わない時はなく
翳りゆく陽射しに手を伸ばし
望みも虚しいこの恋に
いつかは答えが出るようにと…



 
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