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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第3話

最奥に向かって進んでいたロイドとノエルは扉がしまっている場所まできた。



~旧アルタイル・ロッジ~



「これは……」

「また扉か……」

2人は扉に近づき、開けようとしたが岩の扉は固く閉ざされていて、開けられなかった。

「駄目か……多分、入口近くの扉と同じように解除する装置があるんだろう。」

「ええ、探してみましょう。それにしても……ダドリーさん達の方はどうなっているんでしょうか?」

「あの2人なら滅多な事じゃ遅れを取る事はないし、セリカさん達もいるから大丈夫そうだけど………敵はグノーシスを使っている上にあんな危険な人形や悪魔も呼び出せる。楽観はできないかもしれないな。」

「ですよね……ふう、こんな時にエニグマで連絡が取り合えたらいいんですけど。」

ロイドの言葉に頷いたノエルは溜息を吐いた。

「うーん、通信機能が使えるのはクロスベルと、財団の本拠地があるレマン自治州だけみたいだからな。でも確かに、改めて考えると物凄く便利な機能だったんだよな。フランのサポートも受けられたし。」

「あはは……ちゃんとお役に立っていればいいんですけど。あの調子で、ちゃんとお仕事が勤まっているか心配なんですよね。」

ロイドの言葉を聞いたノエルは苦笑しながら答え

「はは、アルタイル市へ出発する前、キーアと駅まで見送りにきた時か。あれくらいいいじゃないか。君を心配してのことだろうし。」

ノエルの言葉を聞いたロイドは苦笑した後、口元に笑みを浮かべて言い

「だからといって、勤務期間中にサボって来るのはダメですよ……キーアちゃんと一緒に列車に乗り込もうとするし。」

ノエルは呆れた表情で溜息を吐いた後真剣な表情になり

「はは、今回はキーアも珍しくダダをこねてたからな。」

ロイドは自分達を見送ったフラン達の時の顔を思い浮かべた。



「お姉ちゃん、ロイドさん!くれぐれも気を付けてくださいね!?」

フランは心配そうな表情でロイド達に言い

「ま、気を抜くんじゃねえぞ。後ろ盾を失った逃亡者とはいえ、あの教団に関わっていた連中だ。」

「油断さえしなければ、あなたたちなら大丈夫よ。」

セルゲイとルファディエルはロイド達に助言し

「ウォン。」

「ま、頑張ってきなさい。」

ツァイトは吠え、エルファティシアはロイド達に微笑み

「ロイド……ゼッタイに無事に戻ってきてね。キーア、いい子で待ってるから……!」

キーアは不安げな表情でロイド達を見つめて言った。



「大切な人達がクロスベルで俺達の事を待っている……何としても任務を達成して無事な顔を見せてやらないとな。」

「………はい!」

フランたちの顔を思い浮かべた後に言ったロイドの言葉にノエルは力強く頷いたが

「そういえば……フランで思い出したけど………その……曹長は”あの人”の事をどう思っているんだい?」

「??あの……一体誰の事を聞いているのでしょうか?」

ある事を思い出した後苦笑しながら尋ねたロイドの言葉に不思議そうな表情で尋ね

「…………ヴァイスハイト局長。」

「う”っ…………!」

ロイドが呟いたある人物の名前を聞いて表情を引き攣らせて唸った。

「まさかフランがヨアヒムによるクロスベル襲撃の時に、ヴァイスハイト局長に助けられた事がきっかけでヴァイスハイト局長と付き合い始めるなんてなぁ………最初聞いた時は本当に驚いたよ……最近までお姉ちゃんっ娘だったあのフランが男性と付き合うなんて…………」

そしてロイドは苦笑しながらノエルを見つめ

「ううっ…………この間なんかあの娘、あたしやお母さんに嬉しそうに報告したんですよ!?『ヴァイスさんに”大人の女”にしてもらっちゃった♪』って!まさかフランに女性として先を越されるなんて思いませんでした……」

見つめられたノエルは複雑そうな表情になって呟いた後怒りの表情で叫び、そして疲れた表情になり

「ハ、ハハ…………」

ノエルの言葉を聞いたロイドは表情を引き攣らせて笑っていた。

「…………というか何でよりにもよってあんな女性関係にだらしない人と付き合う上、それをわかっていながら肉体関係まで行くんですか!?ヴァイスハイト局長、常に傍に控えている秘書のアル警視どころかエルファティシアさんやエルミナ大尉とも付き合っている上、肉体関係まで進展しているって公言しているんですよ!?」

そしてノエルは身体を震わせながら怒りの表情で叫び

「そうなんだよな……一時期、その件でスキャンダル扱いされていたけど、本人が『それがどうした?』って開き直っている上、『全員と等しく付き合っている上、それぞれの女性に他に女性と付き合っている事を隠していない上、互いが納得しているなら何の文句もないだろう?しかもアーライナ教会やイーリュン教会は重婚を認めている。付き合っている女性達全員責任を持って結婚すれば何の問題もないだろう?」って言ってるもんな…………しかも、その事がきっかけで余計に人気が出ているんだよな、あの人…………女性関係にだらしない所を抜けば、あの人は健全かつ優秀で部下思いな人だから”警察局長”としては本当に優秀な人なんだけどな…………」

(くかかかかかっ!お前がそれを言うのか!?ロイド!)

ノエルの言葉に続くようにロイドは疲れた表情で溜息を吐き、ロイドの言葉を聞いていたギレゼルは陽気に笑っていた。

「はい………………しかもお母さんはフランがヴァイスハイト局長と付き合う事に賛成どころか、フランに結婚や子供はまだかと聞いてくるぐらいですよ!?………ううっ………そりゃ確かにヴァイスハイト局長は性格は良い上、女性関係を抜けば男性としても魅力的な人の上、戦闘も”あの”ギュランドロス司令と互角に戦えるとてつもない強さを持っていますし、しかも局長だから将来は安泰ですけど…………だからと言って、重婚を認めますか!?普通!」

「………ま、まあ、ティオの話だとヴァイスハイト局長は生まれ変わる前は王族でしかも最終的に皇帝になって、多くの女性を娶ったらしいから、局長の感覚ではおかしくないんだろうなぁ…………それとさっき話に出たギュランドロス司令の事だけど…………そっちはどうなんだい?噂には聞いているけど、新たな司令を含めた新たな警備隊の上層部はみんな優秀なんだよな?」

複雑そうな表情で頷いた後身体を震わせながら怒りの表情で叫んだノエルを苦笑しながら見つめて言ったロイドは気を取り直して尋ねた。



「ええ…………ロイドさんの言う通り、ギュランドロス司令を含めた新たな警備隊の上層部―――ルイーネ一佐、エルミナ大尉、パティルナ中尉はみんな、警備隊を率いる方達として本当に優秀な上、気さくな態度であたし達と接してくれる上、前司令や議員達と何度も会談をしていた上層部と違ってあたし達の話をちゃんと聞いてくれる部下思いないい人達ばかりですよ……でも、あたしとしてはソーニャ副司令が司令になってくれた方がよかったんですよね…………ソーニャ副司令がずっと頑張ってきたんですから…………」

ロイドに尋ねられたノエルは静かな表情で答えた後複雑そうな表情になり

「ま、まあでも前司令と違って健全で部下思いな上、司令として優秀な人だから良かったじゃないか。あのランディもギュランドロス司令が前司令だったらずっと警備隊にいたかもしれないような事を言ってたしな……」

ノエルを慰めるかのようにロイドは言った。

「………そうですね………実際ギュランドロス司令は頻繁に破天荒な行動をする方ですが、前司令と違って司令としての仕事はちゃんとしていますし、戦闘訓練にも率先して参加する上、士気を高めるのも上手い方ですし、しかもギュランドロス司令やエルミナ大尉が新市長やセティちゃん達に依頼してくれたお蔭であたし達警備隊の装備も以前と比べて良くなりましたし、前司令の時に苦労していたソーニャ副司令やミレイユ准尉も最初はギュランドロス司令達の事を不安に思っていたけど、今は破天荒な事をするとはいえ信頼できる司令である事やルイーネ一佐達が来たお蔭で2人とも仕事が随分楽になったみたいな事も言ってましたし…………ただ、ルイーネ一佐達もそうですが、ギュランドロス司令……警備隊の制服をちゃんと着て欲しいですよ…………いつもあの赤い鎧と軍服姿なんですから、警備隊の事を知らない人達が見れば、とてもあの人達が警備隊所属だなんて思えませんよ………」

「………まあそれはヴァイスハイト局長やアル警視にも言える事だけどね…………あの2人も俺達が出会った時の服装に付いていた外套にクロスベル警察の紋章を付けただけだし…………さすがに正式な式典の時には着てくれたみたいだけど…………」

そして溜息を吐いたノエルの言葉にロイドも続くかのように溜息を吐いて言った。

「……ここで愚痴を言っても仕方ない。早くダドリーさん達と合流しよう。」

「はいっ!」

その後ロイドとノエルは探索をして仕掛けを解き、仕掛けを解いた事によって開いた岩扉の中に入って行った………… 
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