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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第2話

最奥に向かい、先に進むロイド達は時折現れる魔獣達を倒しながら進み、しばらく進むと広間に到着した。





~旧アルタイル・ロッジ~



(いた……!)

(追いついたか……!)

広間に到着し、目の前に見えるアーネストとハルトマンを見たロイドとダドリーは小さな声で呟いた。

「ア、アーネスト君……いいかげんに解放してくれ……!も、もう私は付き合いきれん!」

一方ハルトマンは怯えた様子でアーネストを見つめて言い

「やれやれ、困りますねぇ議長。貴方にはクロスベルの政界にちゃんと返り咲いて頂かないと……この私が次期市長となるためにもね。」

ハルトマンの言葉を聞いたアーネストは溜息を吐いた後不敵な笑みを浮かべてハルトマンを見つめ

「い、いいかげんにするがいい!クロスベルの政界に返り咲く!?今更そんな事が可能だと思っているのか!?ましてや貴様ごときがあのディーター・クロイスから市長の座を奪えるはずがなかろう!?その挙句、警備隊、警察の上層部にはあの”六銃士”達がいる!ヨアヒムのクロスベル襲撃の際、市民を守って来たあの者達が貴様の存在を許すわけがないだろう!?」

見つめられたハルトマンは怒鳴ったが

「クク、簡単なことですよ。人の身では叶わなくとも真なる”神”に近づけばたやすい……あらゆる因果を見通す叡智(えいち)があればどんな現実も思いのままになる……そう、かの偉大なるヨアヒム・ギュンター卿のようにね!」

「く、狂ってる……!」

高々と言ったアーネストを信じられない表情で見つめていた。するとその時

「させるか……!」

ロイド達が走って2人に近づいてきた。

「お、お前達は!?」

ロイド達を見たハルトマンは驚き

「フフ、追いついてきたか。お久しぶりと言っておこうか。ロイド君、それにダドリー君。アルタイル市での捜査はご苦労だったね。」

アーネストは不敵な笑みを浮かべていた。

「アーネスト、あんた……」

「我々が追っているのに気付いていたというのか?」

「クク、全ては偉大なる『グノーシス』の力によるもの。君達が我々の行方を追ってアルタイル市を訪れたこと……そして我々の動向を突き止めて共和国軍の許可を得てからここまで追って来た事……全てお見通しなのだよ!」

ダドリーの言葉にアーネストは不敵な笑みを浮かべて高々と言った。

「くっ……」

「どうしてそこまで……」

アーネストの言葉を聞いたロイドは唇を噛みしめ、ノエルは驚きの表情でアーネストを見つめ

「どうやら不可思議な知覚によって我々の動向を察知したようだな。」

アリオスは真剣な表情でアーネストを睨みながら呟いた。

「つ、つまりお前達はクロスベル警察の人間というわけか。……ええい、背に腹はかえられん!頼む、素直に投降するからこの狂人を取り押さえてくれ!」

一方ハルトマンは考え込んだ後、真剣な表情でロイド達を見つめて言い

「おやおや、狂人とは失礼ですな。」

ハルトマンの言葉を聞いたアーネストは口元に笑みを浮かべ

「言われるまでもない……」

ロイドは静かな表情で呟いた後一歩前に出て警察手帳を出し

「――――ハルトマン元議長、およびアーネスト・ライズ!自治州改正項目に基づき、拘置所脱走、および多数の余罪であなたたちの身柄を拘束する。大人しく投降してもらおう!」

アーネストを睨んで宣言した!



「クク、そう焦るものじゃない。今日、私はヨアヒム師の跡をついで”D”への扉を開く事になる……余興はそれからでも遅くなかろう!?」

ロイドの宣言を聞いたアーネストは妖しい笑みを浮かべた後叫び、そして武器を構えて一瞬で詠唱をした!

「来るぞ……!」

「!この気配は……!」

その時セリカは警告し、リタは真剣な表情で叫ぶとロイド達とアーネストの間に翼がある人形兵器が2体とクロスベル襲撃の時に現れた悪魔が2体の合計4体現れた!

「ひ、ひいいっ!?」

召喚された悪魔達を見たハルトマンは悲鳴を上げ

「こ、これって……!」

「悪魔と人形兵器の一種か!?」

「また性懲りもなく、こんな下らぬ真似を……!」

ノエルとダドリー、レシェンテは厳しい表情になり

「ジオフロントB2区画を凍り付かせた魔導人形……!気を付けてください!途轍もなく強力な相手です!」

召喚された人形兵器と戦った事のあるロイドは警告し

「クク、それでは諸君。我々は先に行かせてもらうよ。ヨアヒム師が遺した守護者の力、とくと味わってくれたまえ!」

アーネストは口元に笑みを浮かべて言った後ハルトマンを引きづりながら奥へと進み

「は、放せ…………放してくれえええええっ!」

アーネストに引きづられているハルトマンは悲鳴を上げながら奥に消えて行った。

「ああっ!?」

「クッ、逃がすか!」

それを見たノエルとダドリーは声を上げ

「どうやら尋常な相手では無さそうだな……全力で撃破するぞ!」

アリオスは号令をかけ

「はいっ!」

アリオスの号令にロイドは頷き、仲間達と共に戦闘を開始した!



「「………………」」

戦闘開始時、人形兵器の敵達は上空より氷の塊を数個降らせるクラフト―――ダウンバーストを放った!

「ぐっ!?」

「あうっ!?」

「チッ!?」

「くっ!?」

上空からの突然の攻撃にロイド、ノエル、ダドリー、アリオスはダメージを受けていたが

「フッ!」

「槍よ、飛んで!」

「無駄じゃ!」

セリカとリタはそれぞれ回避し、レシェンテは自分を簡易結界でドーム型に包んで防御し、ダメージを受けなかった。

「「………………」」

そこに悪魔達がそれぞれアリオスとロイドに突撃して剛腕を振るった!

「!!」

アリオスは武器で敵の攻撃を防ぎ

「……!」

ロイドはギリギリで回避し、敵から一端離れた。

「「……………」」

一方人形兵器の敵達は回転する氷の刃をロイド達に放ったが

「させぬわ!」

レシェンテが魔術―――連射魔弾による怒涛の魔力弾で撃ち落すと共に敵達にダメージを与え

「光よ、傷つきし者達に慈悲を!癒しの風!!」

リタは魔術でロイド達の傷を回復し

「枢孔!身妖舞!!」

セリカはアリオスが受け止めている敵の悪魔の背後から強襲して、敵の身体をバラバラにして滅した!



「「………………」」

一方それを見た人形兵器の敵達はセリカとアリオスにそれぞれ氷の刃を放ったが

「雷光!紅燐剣!!」

セリカが放った魔法剣技に撃ち落されると共に、雷が込められた衝撃波を受けてダメージを受け

「……………」

「させません!死角の投槍!!」

セリカを襲おうとした悪魔はリタが放ったクラフトによってダメージを受けると共に怯んだ。

「二の型――――疾風!!」

そこにアリオスがすざましいスピードで敵全員を攻撃し

「アナライズ!炎が一番効くのか!……ならば……炎の弾丸を喰らえっ!!」

ダドリーは敵の情報を調べるアーツ―――アナライズで敵の情報を調べた後、火炎魔術が込められたマグナム弾を放つクラフト―――フレイムバレットで人形兵器達を次々と攻撃してダメージを与えると共に怯ませ

「行きます……燃えろっ!!」

ノエルも続くかようにグレネードに搭載された火炎放射機能で敵を燃やし尽くすクラフト―――フレイムグレネードで一体の人形兵器を攻撃し

「エニグマ駆動!ファイアボルト!!」

「そこですっ!マグナブレイズ!!」

ロイドとリタはもう一体の人形兵器を弱点属性のアーツで追撃し

「燃える尽きるがよい!メルカーナの轟炎!!」

レシェンテは魔術で人形兵器達を焼き尽くして、消滅させ、残りの一体の悪魔にはセリカが一瞬で詰め寄り

「紅燐!舞華斬!!」

剣技を放って真っ二つに斬ると共に消滅させた!



「……ぐうっ……」

「な、なんて強さ……」

戦闘を終えたロイドとノエルは疲労により地面に膝をついて呟き

「チッ……時間を取られたか!」

「よし、追いかけるぞ!」

「ああ!」

「うむ!」

「はい!」

平気の様子のダドリーたちは走り出して奥に行こうとしたが、ロイドとノエルがついて来ていない事に気付いたダドリーは足を止め、振り向いてロイド達に言った。

「どうした!動けないのか!?」

「だ、大丈夫です……!」

「こちらも何とか……!」

ダドリーの言葉にロイドとノエルが答えて立ち上がったその時

「ダドリー、上だ!」

何かに気付いたアリオスが警告し、警告を聞いたダドリーが後ろに跳躍してアリオス達がいる所に着地すると上から巨大な岩が落下してきて道を落下させた!

「クッ……!?」

それを見たダドリーは唸り

「み、道が……!?」

「そ、そんな……」

ロイドは驚き、ノエルは厳しい表情をした。

「先程の戦闘の衝撃で脆くなった地盤が崩落したか……この距離を飛び越えるのは少々、難しそうだな。」

アリオスは道が落下した原因を呟いた後、ロイド達を見つめて言い

「はい……さすがに。」

「す、すみません…………」

見つめられたロイドとノエルは謝罪した。

「チッ……こうなったら仕方ない。そこで待っていろ!我々だけでケリを付けて来る!」

「そ、そんな……!」

「いくらみなさんでもサポート無しじゃ……!」

そしてダドリーの指示を聞いたロイドとノエルが声を上げたその時

「いや―――ここは別行動としよう。」

アリオスが意外な提案をした。



「え…………」

「どういうことだ?」

「ここから最奥に至るルートは2つある。もう一つはあちらだ。」

ダドリーに尋ねられたアリオスは答えた後、ある方向―――先へと続く入口に視線を向けた。

「別の道が……」

「もしかしてあの先が?」

「ああ、遠回りになるが最奥で合流できるはずだ。」

「ならば話は早い!バニングス、シーカー曹長!我々はこのまま連中を追う!何とか合流するがいい!」

アリオスの説明を聞いたダドリーはロイド達に指示をし

「了解です!」

「イエス・サー!」

ダドリーの指示にロイドとノエルは頷き

「武運を―――気を付けて行くがいい。」

そしてアリオスは静かな笑みを浮かべてロイド達に言った後セリカ達と共に奥に向かって走り出した。

「よし……俺達も急ごう!曹長、すぐに動けるか?」

「ええ、大丈夫です!」

その後ロイドのノエルも別の道で最奥へ向かい始めた………… 
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