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英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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第122話

~太陽の砦・最奥~



「クスクス………それとさっきは面白い事を体験させてくれてありがとう♪お蔭でレンはさらなる強さを手に入れた…………わっ!!」

その時小悪魔な笑みを浮かべたレンは呟いた後なんと先程ヨアヒムが自分達の動きを封じたクラフト――――魔眼をヨアヒムに放った!

「ガッ!?ば、馬鹿な……………!?」

レンが放った魔眼によって動きを封じられたヨアヒムは信じられない表情をし

「ええっ!?」

「レ、レンちゃんが”魔眼”を………!なんで~!?レンちゃんは教授と戦っていないのに……!」

それを見たエリィは驚き、ミントは驚いた後混乱し

「そうか………!……はは………まさか僕の魔眼をコピーするなんてね……」

ヨシュアはすぐに察しがついて呟いた後苦笑し

「……相変わらず凄いですね、レンさん………」

ヨシュアの説明を聞いたティオも苦笑していたが

「うふふ、そうは言うけどティオだってできるでしょう?ヨシュアの”魔眼”を”影の国”での戦いで傍で見続けたんだから♪」

「……まあ、そうですが………レンさんのように上手く行くかどうかわかりません………よっ!!」

「ガアッ!?」

レンの説明を聞いた後レンと同じようにクラフト―――魔眼でヨアヒムの動きをさらに呪縛させた!

「嘘!?ティ、ティオちゃんまで……!」

「ハハッ!やるじゃねえか、ティオすけ!」

それを見たエステルは驚き、ランディは笑顔で感心し

「フフ……因果応報とはこの事を言うんでしょうね……」

「確かにそれは言えてますわね………」

エクリアとフェミリンスは静かな笑みを浮かべて言った。

「…………――――ヨアヒム・ギュンター。あんたの器はもう見切った。この上、何をして来ようとも俺達は絶対に屈しない。大人しく投降してもらうぞ!」

一方気を取り直したロイドは魔眼によって呪縛されているヨアヒムを睨んで叫んだ。



「ハハ……参ったな…………これじゃあ…………しか…………じゃないか……………」

するとその時ヨアヒムは呟いた後、ブツブツと呟き出し

「…………?」

「ハッ……何をブツブツ言ってやがる!?」

ヨアヒムの様子にロイドは眉を顰め、ランディは真剣な表情で言った。すると

「ヒハハ……!これじゃあ切り札を使うしか無くなったじゃないか!!」

ヨアヒムは凶悪な笑みを浮かべた後必死に身体を動かして懐から錠剤が入った瓶を取り出し、ロイド達に見せた!

「な…………!?」

「そ、それは…………!」

瓶に入っている紅い錠剤を見たロイドとエリィは驚き

「クク……教えてあげよう。これぞ完成した”グノーシス”の最終形とも呼べるもの………君達が手に入れたものが”(あお)の叡智”と言うならば………さしずめこれは”(あか)の叡智”と言ったところかな………?」

ヨアヒムは凶悪な笑みを浮かべて説明した。

「も、もしかして……」

「秘書野郎とマフィアどもを化物に変えた……!?」

説明を聞いたティオとランディは真剣な表情で呟き

「ははは――――その通り!」

2人の言葉を聞いたヨハヒムは大声で笑った後、なんと瓶に入っている錠剤を全て呑んだ!

「しまった……!」

「あんなに大量に服用したら……!」

それを見たロイドは唇を噛み、ヨシュアは叫んだ。するとヨアヒムは身体を震わせ

「中毒症状……!?」

「と、とにかく急いで吐かせないと……!」

ヨアヒムの様子を見たティオは驚き、エステルは叫び

「―――いえ、もう遅いですわ。」

エステルの言葉にフェミリンスは静かな表情で言った。すると

()える……()えるぞ………!大いなる”D”…………失われた力の源が……!ヒャハハハハハッ!!」

ヨアヒムは口元に笑みを浮かべて呟いた後、膨大な瘴気を纏って凶悪な笑みを浮かべて笑った!すると魔眼による呪縛は破られ、さらにヨアヒムの身体は変貌し、巨大化した魔人へと変わり果てた!



「な…………!?」

「……こ、こんな……」

「おいおい………冗談だろ……」

変貌したヨアヒムを見たロイド、エリィ、ランディは呆け

「こ、この霊圧は……!」

「ヨ、ヨシュア、ミント……これって………」

ティオはヨアヒムから感じる霊圧を感じて驚き、エステルは驚きの表情で2人に話しかけ

「ああ…………もしかしたら至宝を取り込んだワイスマンよりも……」

「ミントでもわかるよ………!あの人……ケルヴァンになって変身する前に戦った至宝を取り込んだ教授より強い……!」

話しかけられた2人は真剣な表情で答えた。



アア………ココチヨイ…………今コソ我ハ…………総テノ真実ヘト至ッタ……世界ノ在リ方………ソノ秘メラレタ意図モ…………



「くっ…………気を確かに持て……!そんなものはまやかしだ!”真実”というのはそう単純に掴めるものなんかじゃない……!」

魔人ヨアヒムの言葉を聞いたロイドは唇を噛みしめた後叫んだ。



クク……ソレハ単ニ人ノ身ノ限界………我ニハ総テガ視エルノダ………きーあ様ノ失踪ノカラクリ……ソシテ貴様ノ兄ノ死ノ真相モ……くろすべるノ地ニ課セラレタ避ケラレヌ運命モ………



「くっ……」

「ハッタリを………!」

ヨアヒムの呟きを聞いたロイドとランディはヨアヒムを睨み



モハヤ貴様ラヲ生カシテオク意味モ無クナッタ………至レヌ身ノ不運ヲ嘆キナガラココデ果テルガヨイ………



「……秘書さんの魔人化とは格が違うみたいですね……」

「ああ、さすがにここはマジで本物の”神”の力が必要だな……」

ヨアヒムを睨みながらティオは呟き、ランディはフェミリンスに視線を向け

「………………………皆、覚悟を決めなさい。恐らくその者の今の力は下手をすれば”魔神”クラスですわ……!」

視線を向けられたフェミリンスは静かに槍を構えた後ロイド達に忠告し

「……わかりました。みんな………覚悟を決めよう。―――エリィ、ティオ、ランディ。エステル、ヨシュア、ミント、フェミリンスさん。それから、レンとエクリアさん。これが最後の戦いだ――――みんなの全力を貸してくれ!!」

フェミリンスの言葉に頷いたロイドは仲間達全員に号令をかけ

「おおっ!!」

ロイドの号令に仲間達は力強く頷き、戦闘を開始した!



こうしてロイド達は魔人ヨアヒムとの最終決戦を開始した………!


 
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