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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜

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第24話 いざ!合宿へ!3日目

「.....んん......ん〜....朝....か」




カーテンの隙間から太陽の光が差し込み、それが目に直撃して目覚める

眩しっ!!せっかくの睡眠を邪魔するな〜!!




俺は目をごしごし擦りながらムクリと起き上がる




やっぱり昨日の説教は響くな〜

夢の中でも海未と絵里さんに怒られてたよ




時計の針は6時前を指す。




みんなもう起きてるのかな......




ベッドから降りようとした。




ふと、右手に暖かいなにかが触れていることに気がついた




明らかに人の体温なので捲る.......いや待て、そう言えば昨日誰かが隣で寝てたような......

あんな時間だったし意識もぼ〜っとしてたからなんとも思わなかったけど、普通に考えて女の子と寝るってダメだよな?




いやいやいや!俺の勘違いかもしれないだろ!

......確認すればいいだけなのに俺は10分近く頭をかかえて悩んでいた




『捲る』か『捲らない』のたった二択のためだけに.....







結果.....捲ることにした




そぉ〜っと.....




「....すぅ、.....すぅ.......」




あぁ、なんということだ。穂乃果がいた。穂乃果がよだれを垂らしてへそを出しながら豪快に寝ていた




あろうことか俺の右手をギュッと握り締めてよだれが俺の手についてしまっている。

穂乃果って女の子だよね?




しかしこのままにしておくわけにもいかないのでゆっくりと穂乃果から手を離す。




が、




「こ、こいつ....ガッツリホールドしてやがる」




かなり強く握っているの穂乃果の手話すことができない




どうしようか......




いっそこのまま俺も寝ようか。女の子と一緒に寝るなんて将来無いかもしれないし.....ここは1つ




「もう少し寝よう」




ゴロンと穂乃果の横に寝そべった

こうして近くで見ると穂乃果も可愛いよな

顔立ちも整っていてサイドテールがよく似合ってる

今は髪を降ろしたままだ。それはそれでめちゃくちゃ可愛い










....ほっぺ柔らかそうだな。

ツンツンしてもいいかな?いいよね?穂乃果寝てるし、誰もいないし




そ〜っと穂乃果のほっぺに手を伸ばす




ぷにっ







うん、とても柔らかい。癖になりそうだ




と、




コンコン




「っ!?」




ヤバイ誰か来た!この状況を見られたら間違いなく命がない!




「穂乃果、起きろ。起きるんだ〜」




申し訳ないが強制的にほっぺをつねって起こす




「むにゅ........大くん.......?」




「そうだ、俺だ。早く起きないと誰か来ちまう!」




「むにゅ.......夢......大くんと一緒に寝る夢.....」




コンコン




「違う!夢じゃない!起きろ〜!頼むから起きてくれ〜」




「.....んん....大くん......チュー....」




なんと、穂乃果が俺に向かって口を寄せてきた

待って!美味しいイベントだけど今は待って!




ガチャ........




「おはようござい......ます」




穂乃果の唇が俺のほっぺに接触した瞬間、海未が顔を出した

きょとんと顔をした海未は少しずつ顔を赤くする




「ええと......おはよう......海未さん」




肩をわなわなと震わせ













「朝から何をやってるのですかーーーーーーーーーっ!!!!!」










「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」







早朝の真姫の別荘から男の断末魔が聞こえた





































「大地くんは朝から何してるのよ....」




絵里さんは頭をかかえながら呆れる




海未にボコボコにされた俺は引っ張られるように階段を降りた

穂乃果は俺の叫び声で完全に覚醒し、何をしたのか記憶があるらしく完熟トマトになりながらとてとてと後ろを歩く




「.....あはは、なんとなく大くんと一緒がいいな〜って思ってつい」




つい....で、俺の命を削るようなことをしないでくれ







穂乃果の唇柔らかかったなと思っているのは秘密である




「まったくです!朝からあんな.....破廉恥なことを///」




「俺は何も悪くない」




「とにかく、もう朝ご飯出来てるから食べちゃいなさい。なんかにこが張り切ってたわよ?」




にこが?




「まぁ.....張り切ってる理由なんとなくわかるけど」




「え?そうなんですか?」




「いいから気にしなくていいから」




まぁいいか。にこの朝飯食えるなんて幸せだな〜俺は










テーブルに置かれていたのは

ベーコンエッグに緑黄色野菜の盛り付けに味噌汁。鮭の塩焼きと一般的な朝食だ。これを全員分にこが?何時から作ってたんだ?




すでにテーブルにはことり、希さん、真姫が座っていてキッチンにはにこがエプロン姿でせっせと食器を洗っている




凛と花陽が見当たらないな......




「なぁ絵里さん。凛と花陽は?」




「さっきまでここで朝食をとっていたわ。私と海未で二階に上がっていた時に食べ終わったんじゃないかしら」




「ふ〜ん.....んじゃあちゃちゃっと飯食うか」




俺と穂乃果は席につき、「いただきます」と言って箸をとる




海未と絵里さんは練習着に着替えるために二階へ










にこの作った朝食は美味しかった。また食べる機会があったらいいなぁ






















しばらくしてそれぞれ朝食を食べ終わり、食器を片している時にちょっとした問題は起こった










「かよちんになにするにゃ!!放して!!」




「凛ちゃん危ないよ〜!」




外がやけに騒がしく、特に凛は怒ってるような声が聞こえた




「うるせぇな!ガキは引っ込んでろ!」




「俺らはこっちの巨乳の子に用があるんだよ」




「凛ちゃん!危ないからやめて!!」




ただ事では無いみたいだ....それにこの低い声はまさか......




「みんなは家の中にいて。万が一のことがあったら、絵里さん」




「な、なに?」




「警察に連絡してください」




絵里さんがこくりと頭を動かすのを確認して静かにドアを開く






















----------------------------

凛side







時は大地が朝食を食べ終わる数分前。




「か〜よちん、そっちの花に水お願い〜」




「うん〜」










今朝はにこちゃんが1番早く起きた。そしてにこちゃんの足音で目が覚めた凛はかよちんを起こして3人で朝ご飯を食べた




にこちゃんの作るベーコンエッグ、半熟でおいしかったにゃ〜




朝食中に海未ちゃんと真姫ちゃん、絵里ちゃん希ちゃんの順に起きてきた




「あ、凛に花陽。お願いがあるの」




「なぁに?真姫ちゃん」




食後の紅茶を飲む凛たちに真姫ちゃんが声をかける




「外の花に水やりをお願いしたいわ」




「うん、わかったにゃ。かよちん行こ〜」




「ま、待って。まだ紅茶が--「いいからいいから〜」




ゆっくり紅茶を楽しむかよちんを強引に引っ張って外に出た



















「真姫ちゃんの別荘の花綺麗だね〜」




「凛は花とかよくわかんないけど、そうだね〜」




名前に同じ漢字があるかよちんはにぱ〜っと笑顔で水を掛ける




やっぱりかよちんは《女の子》だにゃ〜

可愛いし胸も大きいし優しいし......

それに比べて凛は.......




昨日からずっとこんな調子。大地くんも不審がってたにゃ




「はぁ.......」




「凛ちゃん最近ため息多いね。悩み事?」




「そ、そんなことないにゃ。凛考える事苦手だから」




「.....そう?」




「そうにゃ」




かよちんにはやっぱり気づかれてるよね......

凛のコンプレックスを知ってるから尚更






















「あれれぇ?この2人見たことあるよ?」




知らない低い声が聞こえた。というか知らない訳ではない。最近聞いた




「だれ?」




振り向いた時にはかよちんの後ろに2人の男の人が立っていた




その容姿は......一昨日大地くんと話していた不良の2人




「きゃっ!!は、離してください!」




そのうちの1人、バーコードみたいな入れ墨をしている男の人はかよちんの腕を掴んで引き寄せる




「うっわぁ〜!愁季見てみろよ、この子可愛いし胸でっけぇぞ!」




「笹倉のやろう、こんな子を手玉にとってたのか......ははは.....」




バーコードみたいな入れ墨の男の人.....西井とか大地くん言ってた

茶髪の人は照澤....だったかにゃ




とにかくかよちんを助けなきゃ!!




「か、かよちんを離してください!!」




「あぁん?なんだよガキが.....俺らと遊びたいのか?悪いな〜ガキには興味ねぇんだよ!」




西井はギョロリと目を動かして睨みつける




怖い........怖いよ....でも!かよちんだけは!




「離すにゃーーー!!!」




凛は勇気を出して西井の腕に噛み付く




「いったっ!!こいつ、なにしやがるんだよ!」




ドンッ




もちろん男の力に敵うはずもなくすぐに振りほどかされる




「きゃっ!」




「新治〜早くこの子連れてこうぜ〜。遊びたいよ」




「ちっ、そうだな....他に人が来られても面倒だ」




かよちんが連れていかれる!

凛は立ち上がり男に突進する




「かよちんになにするにゃ!!放して!!」




「凛危ないよ〜!!」




「うるせぇな!ガキは引っ込んでろ!!」




「俺らはこっちの巨乳の子に用があるんだよ」




「凛ちゃん!危ないからやめて!!」




かよちんは涙目になって訴える

だめにゃ.....凛じゃ力不足、男2人に勝てる訳が無い




どうしよう!これじゃかよちんが!




「なぁ新治〜。待てないよ、胸触ってもいいか?」




「ひゃっ!!...ううっ!」




「とか言いつつ触ってんじゃねぇかよ」




照澤はかよちんの胸を触る。かよちんは嫌々頭をふるも遠慮なしに揉まれる




「ううっ....やっ....あっ...!やめて....」




「ひひっ!すっげぇ....」




やめて.....これ以上はもう....

凛は涙を地面に零しながら無力さを呪う




助けて........大地くん!助けて!!




























「おいてめぇら!!!!!!!人んちの前で何してんだよ!!!!」










後ろから怒声が聞こえた




その声の持ち主は













「......ヒーローのご登場ってか?あぁ?笹倉くんよぉ〜」




「ひっく.....大地....さん」




「大地.....くん?」




いつもの柔和なオーラは無く、彼の表情は怒りに満ち溢れていた




「.....へぇ?笹倉もそんな表情できるんだなぁ〜。あんな引っ込み思案だったインテリちゃんとは思えねぇよな〜」




「.......凛は下がれ」




「っ!は、はい」




凛は言う通り大地くんの後ろに下がる

彼の指示に従わないとこっちにも飛び火しそうな勢いだった




「西井、照澤....花陽を離してもらおうか。離してくれたら今回は見逃す」




できるだけ騒ぎにしたくないという大地くんの心情が読み取れた




「《見逃す》ねぇ〜なぁ愁季、どうする?」




「もちろん決まってるだろ。ブチ〇すに決まってるだろ〜が」




そう言って照澤がポケットから取り出した物を見て驚愕する




......ナイフ




「........」




ナイフを見ても驚くどころか堂々としてる大地くんは一歩歩き出す




「てめぇ....これ見てそれでも向かってくるとか狂ってんじゃねぇのか?」




「花陽」




「は、はい!」




「待っててな、今....助けるから」




「......はい!!」




大地くんの優しい声にかよちんは笑顔を取り戻す

そしてすぐに表情を戻す




「最初に言っておく」




「あぁ?なんだよ」




「すでに警察に連絡しているが〜それでもここで〇るのか?」




「「なっ!?」」




大地くんの余裕の態度はそれだったのか......




「さぁどうする?ここで花陽を開放するか、それとも警察にお世話になるか.....どっちがいい?」




しばらく2人は大地くんを睨みつけ、「ちっ!くそ!」と観念してかよちんを開放する




「かよちん!」




「凛ちゃ〜ん!!」




凛の元に駆け寄ってきたかよちんをひしっと抱きしめる




「怖かったよ〜!」




「無事でよかった〜...ううっ」










「笹倉!てめぇだけは潰してやる!次会ったら...警察来ようが容赦しねぇぞ」




照澤がナイフをしまい、背を向ける




「ぜってぇぶっ〇す!今のうちにみんなと仲良くしてるんだな」




そう言い残して去って行った




見えなくなってから




「ふぅ.......緊張した〜」




と、大地くんはどっかり座り込んだ

額には汗をかいている




「大地さん......」




かよちんは大地くんのところに行って、ハンカチで汗を拭う




「花陽....無事でよかった」




そのまま大地くんはかよちんを抱き締めて泣き出す




「だ、大地さん.....」




「怖かったよな......辛かったよな.....ごめんな?俺の不甲斐なさが花陽と凛も巻き込んでしまった.....ごめんな」




「大地さん、大丈夫ですよ。凛ちゃんも私を助けるために勇気を出して立ち向かってくれましたし......それに大地さんが助けてくれるって信じてましたから」




かよちんの胸の中で泣く大地くんの頭をそっと撫でてあやす




「凛、おいで」




「え?」




そう言われて凛も近寄る




「にゃっ!!」




そのまま大地くんはかよちん共々凛のこともぎゅっと抱き締める




「ありがとう.....凛、ありがとな!花陽を助けてくれて.....」













確かに怖かったよ?でも大地くんが助けてくれるって信じてたから

大地くんはみんなのヒーローなんだから!































----------------------------




「みんなごめんな。迷惑かけた」




しばらくして、落ち着いた俺はリビングに戻って頭を下げる




「2人が無事ならいいですよ。大地は何も悪くありません」




「そうよ、むしろ堂々としててよかったわ」




そんな事はない。内心ビクビクしてたんだから




「そういえば大地さん、《警察》はどうなったんですか?結局あの後来てないですけど」




花陽は首を傾げて質問する




「それはもちろんハッタリだ!」




「えええっ!?」




凛は大袈裟に驚く




「......あなたもすごい事するわね。あの状況でよく嘘なんてつけるわ」




「だってあの時追い払うにはあれしか方法無かったですから。だから絵里さんにお願いしたんですよ。一応ね」




なるほど〜と、それぞれが納得する




「さて!それじゃあ気持ちを切り替えて練習始めるわよ!」




絵里さんが手を叩いて指示し、各自部屋に戻って準備を始める













「大地くん大地くん」




くいくいと裾を引っ張ったのは凛




「なに?」






















ちゅっ



















「えへへ.......///かよちんを助けてくれてありがとう!!」










お礼の述べてスタスタと階段を駆け上る







俺はほっぺをさすりながら




「.......キス....されたのか」




キスされた事にドキドキしていた








































「真夏のせいだよ1,2,jump!光のシャワーはじける♪

気持ちがいいね、いいよね?♪うなずいてVacation♪」













『夏色えがおで1,2,jump!』




昨日みんなかで選んだ水着を着て、無事撮影は終了した。

花陽と凛はさっきの出来事を忘れたかのように笑顔で踊って歌った

.....強いな君達は.....俺も、見習わなくちゃな










すぐにPVはネットで公開した

果たして今回はどんな反応が来るのか楽しみだ




















































やってきました!海水浴場!真姫の別荘から約20分のところにある大きなそれはすでに客でいっぱいだ




「ほぇ〜人がたくさ〜ん。ここで本当にライブやるの?」




「そうよ。真姫の知り合いの人から客寄せのためにやってもいいって」




「んじゃつまりみんなでライブすることで客集めてμ'sの名前を広めて一石二鳥ってこと?」




「そうゆうこと」




なるほど張り切る理由もうなずける

だけどすでに水着姿にならなくても......

特に男性の視線を集めてますよ?

μ'sのみんな可愛いからそうなるよな〜




ナンパされないように見張ってなくてはな。

仮にもアイドルなわけだし......にこみたいにうるさく言うつもりはないけど『恋愛は御法度』だし










「あ、こんにちは〜」




真姫が挨拶した相手は50後半のダンディなおじさん。

かっこいいな.......




「よ〜よ〜真姫ちゃん久しぶりだね〜。元気にしてたか?」




「おかげさまで。それより、さっそくいいかしら?」




「もちろんもちろん!大歓迎だよ簡易だけどステージも用紙させてもらったよ〜」




おじさんが指し示す場所には確かに簡易ステージがあった

音量を大きくするアンプみたいなやつが2つ準備され

観客席まであった




「本格的だな......」




看板も発見







『音乃木坂学院スクールアイドル”μ's”ライブ!午後1時よりライブスタート』




「凛たちアイドルみたいだにゃ」




「いや実際アイドルだし」




「よーし!にこのダンスでお客さんをメロメロにしてあげるわ!」































今回やる曲は《僕らのLIVE 君とのLIFE》をはじめ、《友情ノーチェンジ》、《愛してるばんざーい!》、《START:DASH!!》、《Wonder zone》。他にも絵里さんと希さんを除いた7人で歌う《これからのSomeday》とことほのうみの3人で歌う《ススメ→トゥモロウ》、そして新曲の《夏色えがおで1,2,jump!》の8曲をお送りする




MCを途中で入れるものの初めての長期のライブなのでみんな大丈夫だろうか。俺がしっかりサポートしなきゃな







「みなさんこんにちは!音乃木坂学院スクールアイドルのμ'sです!」




穂乃果の挨拶からμ'sのライブが始まる



















「それでは最初の曲を聴いてください!」







僕らのLIVE 君とのLIFE
















確かな今よりも〜♪新しい夢〜♪つかまえた〜い〜♪

大胆に〜♪飛び出〜せば〜♪O.K.マイライフ〜♪
















友情ノーチェンジ



















悲しみは風邪と♪似〜てるの〜♪休もうか〜?♪

「おだいじに」♪やがて〜きっと〜♪治るよ〜♪

























愛してるばんざーい!










愛してるばんざーい!♪ここでよかった〜♪

私たちのい〜まが〜♪ここにある〜♪

愛してるばんざーい!♪始まったば〜かり〜♪

明日〜もよ〜ろしくね〜♪まだ〜♪ゴールじゃな〜い♪




















































「「「「「「「「「ありがとうございました!!!!!」」」」」」」」」




全曲終わって拍手が響く




「可愛かったよ〜!」




「また見に行くね〜!」




所々から声をかけられて穂乃果たちは嬉しそうにステージを降りた













お疲れ様.....みんな

















































夕方の海の散歩も、悪くないな

真姫の家に着いてすぐに眠りについたみんなを置いて俺は1人

沈む太陽を眺めながら3日間の出来事を振り返る




初日からいきなり西井と照澤に遭遇した。

懐かしいと思うわけなく、本当に会いたくなかった




高校で初めて2人と出会ったが今と昔は見た目は変わったけど性格はそのまんまだった

あの様子じゃ高校は退学したんだろう

頭いいのにもったいない




それで海でみんなで騒いで真姫をみんなと仲良くさせようと希さんが頑張って......夜中に真姫と話して




2日目は午後から水着(その他もあり)の買い出しに言って血を失って

みんなでバーベキューやって花火やって

青春だな〜って感じた




そして3日目の今日は朝からハプニングはあった

なんとか花陽と凛を助け出してPV撮って

海の家でライブやって....休憩中のμ'sをお世話して

やりきったってみんなの顔は輝いていた




こいつらのマネージャーやって幸せだな....って思った










「ラブライブ....出場して欲しいな」




もう少しで手が届きそうな位置にいる

変に難しいことを考えず出来ることをやってきた。




大丈夫。あいつらならきっと




「いや...絶対できる」




「何が?」




「うぉっ!?...って希さんか」




俺の後ろに立っていたのはロングスカートを履いた希さん







「びっくりした?」




「みんなぐっすり寝てたと思ってましたからね」




「ウチも寝てたんよ?玄関の音がして目が覚めただけや」




「それはなんか....すいません」




「ええんよ、こうして大地くんと海を眺められるもん」




しばらく静寂がおとずれる

静寂を破ったのは希さんだった













「昔ね、中学1年の時やったかな....ウチに初めて友達が出来たんよ」




唐突に昔話をされ言葉に詰まる




「....小学生の時はいなかったんですか?」




「.....(やっぱり覚えてないのね)」




希さんの口は動いているものの、聞き取れなかった




「なんて言いました?」




「な〜んも。ウチはね両親がいろんなところで働くから転校とか多かったん。いわゆる『転勤族』ってやつ」




「そうなんですか.....実は俺が中学1年の時にも1人いたんですよ」




「......その子は?」




「もう転校して俺の前からいなくなったんですけど.....」




「ふ〜ん.....」




俺と希さんはゆっくり歩き出す




「ウチの初めての友達は男の子やった。年下なのにとても人懐こくて、その子ダンス部に所属してたからウチも誘われたん。《あなたは俺の友達です》って。びっくりしたけど....嬉しかったなぁ〜」




......どうしてだろう。デジャブを感じる




「ウチはダンス部に所属して一緒に夏休み過ごして大会に出て.....でもね、やっぱり長い時間はいられなかった」




「....どのくらい一緒だったんですか?」




「.....夏休み明けてすぐよ。1ヶ月ちょっとしかいられなかったわ」




希さんの関西弁が無くなり、標準語に変わる




......冷や汗が止まらない




「ウチ.......私ね、別れるときその子に告白したの。私の初めての友達になってくれたその子が大好きだったから。本当に......大好きだったから」




海を見ていた希さんは俺を目を見て告げる。その目には涙が溜まっていた




「.......っ」




言葉が出ない。言いたいことは山程あるのに躊躇ってしまう




「その子はね、私を抱き締めてくれた。そしてある言葉を言ってくれたの。今でも覚えているわ.....これからもずっと覚えているつもりよ」













.......まさか...........まさか..........そんな.........







「その子はこう言ったの
























《心配しないで、もう会えなくなるわけじゃない。きっといつか.........また会えるよ》って」




























...........希さんが最後に言った言葉は......俺がかつて、転校した少女に向けた言葉だった













「私ね、その子がまた会えるって励ましてくれたから今日まで頑張ってこれたんだよ?すごく.....嬉しかった」










.........そうか.......この子が.........この子があの時の........




「やっと会えた.......やっと会えたな.....希......」




「大地くん.......ただいま♪」




希の笑顔はあの時の少女の笑顔と重なった

なんだよ.....目の前にいたじゃないかよ。

俺が1番会いたかったひとが...




「希.....お帰り♪」







俺は希を抱きしめようと近寄った


























































「み〜〜つっけた〜〜〜!!」







ぞわり




悪寒が走った




まさかこんな時に遭遇するとは......




「おやおやぁ〜?こんなところでデートですかぁ〜?高校逃げ出して低レベルの音乃木坂に転入した腰抜けちゃんは余裕なんだな〜おい」




......照澤愁季と西井新治




「てめぇらこそその様子じゃ、退学したんじゃねぇの?学校を退学したてめぇらがそんな事言える立場なのか?」




俺は声のする方へ振り向く










ゴッ







「...かっ....は....」

直後頬に衝撃が走り後から痛みがやってくる

そして殴られたことに気づく




「大地くん!?」




「おっと!そこの嬢ちゃんは俺と一緒に遊ぼうよ〜」




「ちょっと何するの!?離してよ!!」




「の...希.....」




照澤は希の自由を奪って拘束する




「おい新治〜。この嬢ちゃん朝の子より胸でけぇぞ!」




「お前また胸なのか....まぁいい。そのままにして逃がすなよ」




「へ〜い」




「希を.....離せ」




「いいから...てめぇは黙ってろよ!!そらよ!!」







ガスッ




「ぐっ!.....うぁ......」




腹を殴られその場にしゃがみこむ




「ほら立てよ笹倉〜。こっちはてめぇにムカつきっぱなしなんだよ.....死ぬ前に拳でたっぷり後悔させてやるよぉ!!」




「く...くっそーーーっ!」




俺は我武者羅に拳を向ける

だが所詮は素人の拳。向こうはかなり手馴れているみたいであっさりそれを避ける




「甘いんだよ......バーカ....」




バキッ




さらに腹に衝撃が加わり立つことさえ困難になる




「う.....あ.......」




だめだこのままじゃ希が危ない







「さっき海の家でお前らライブやってたろ?」




「......そ、それがどうした」




「ホントにあれでスクールアイドルなのかよ?笑わせんなよ。見てるこっちが恥ずかしいっつ〜の!」




「なん.....だと?」




それは本気で言ってるのか?




「あぁ?考えてみろよ。コイツらみたいなちんちくりんのダンスよりプロのアイドルのダンス見た方がいいに決まってるじゃねぇかよ。A-RISEだったらまだいいけどよ」







西井はけらけら笑いながらみんなの事を罵る




ふつふつと怒りのボルテージは上昇し、西井を睨みつける




「んだぁ?その目付きは。てめぇに何ができるってんだよ....あぁ!?」




ゴッ!!




「ぐっ.......は......」




「あの高校の生徒やってたんならわかるだろ?世の中全てが結果なんだよ!過程とか見向きもしない世の中なんだよ!俺は必死に努力した。趣味とか部活全てを犠牲にして勉強に必死になった!それでも結果が出なかった!そしたらよ、先生なんて言ったと思う?《お前真面目に大学行く気あんのか?》だってさ。大学行きたいに決まってるじゃねぇかよ!」




話の論点はμ'sから自分の事に変わっていた

その事を西井はわかっていない




「俺んちは昔から貧乏でよ。毎日3食食えないくらい貧乏だったんだよ....だから頭いい大学目指していい会社に入って助けたかったんだよ....それなのに!それを嘲笑うかのようにてめぇが現れた!勉強をロクにしてないようなお前が学年トップクラスなんて許せなかった!認めたくなかった!」










ゴスっ!ゴスっ!




俺を蹴りながらも彼は叫ぶ




「てめぇを越えたかった!驚かせたかった!なのに!お前はどんどん上に行きやがる!許せないんだよ!許せないんだよ〜!!」







西井は蹴るのを止め、後ろに後退る




「はぁ......げほっげほっ......っざけんな....」




「なんだと?」




「ふざけんなって言ってんだよ!西井はただ八つ当たりしてるだけなんだよ!結果が残せない努力しても残せない。しょうがないじゃないか!誰だって上に立ちたいに決まってる!なのに途中で投げ出してしまいには人のせいにして....そんな人間が結果が出ると思ってんのかよ!? 」







「うるせぇんだよ!お前にそんなこと言われても説得力がない!」







西井は拳を振り上げ顔面めがけて飛ばす




ガシッ!




俺はそれを受け止める




「っ!てめぇ.....」




「.......いい加減にしろよ.....俺だって影で努力してきんだ。μ'sのみんなだって!努力してるんだ!!結果を残そう、ラブライブ出場目指して必死になって戦ってるんだよ!西井と違って逃げてない!正面から向き合ってる!」







「なんだと!?俺がいつ逃げたんだ---「じゃあその服装や見た目はなんだんなよ」




西井の目に迷いが生じた




「....っ」




「そんな姿で俺は逃げてないって言う方がよっぽど説得力ないね!」




隙を突いて俺は西井の頬に一撃を放つ













「......って〜......」




「西井.....俺に敵意向けたってしょうがないだろ.....」




「う......うるさい!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!」




西井は我を忘れて飛び掛ってくる




「ぐっ!やめるんだ!お前....そんなことを繰り返していたら本当に取り返しがつかなくなるぞ!」



















「くそ!これじゃあ埒があかない。愁季!その女を〇せ!」




なん......だと!?

西井は正気か!?




「ええっ!?俺は〇すより〇〇〇したいんだけど!」




「あぁーもう!好きにしろ!」




照澤は目を輝かせて希の胸を揉みしだく




「やっ......あ.....ちょっと.....やめてよ!.....」




「すっげぇ...たまんねぇ〜」




「大地くん.....」




希は俺に助けを求めている!助けないと




「希!!」




「おいおいおいおい!笹倉の相手はこっちだろうが!!」




バキッ!!!




「ぐはっ!!!」




鳩尾を喰らい、肺の酸素が全て押し出される







「おえっ....げほっげほっげほっげほっ.......」




「おら立てよっ!!」




グシャッ!




「ぐふっ!!あ.......く」




「大地くん!!」




希の声が聞こえる

俺の眼下にはオレンジ色に染まる空が映っていた







「さてさて〜それでも服の中はどうなっているのでしょうね〜」




「やっ!やめて!やめて!!」




希が逃げ出そうとするも手を縛られ、身動きが取れない




「のぞ.......み....」




届くはずのない俺の手を希に向けてのばす




「大地.....くん。私は.....私は大丈夫だよ?だから......逃げて」













逃げる?俺が?

なんで?大事な友達が危険な目にあっているのに?

俺には......何もできないの?










そうか.....守るとか助けるとか言っておきながら




俺は無力だったんだ.......




自然と力が抜けてきた。

腹を踏まれているのに顔から血を流しているのに痛みを感じなくなってきた。目も....霞んできた........




「それじゃ〜は〜いけ〜ん!」




プチプチプチプチ







「きゃぁぁぁぁぁっ!」










希の下着が露になった























































『だいくんは.......にげるの?』










だって....俺には誰かを助ける力なんてない







『どうしてそう思うの?』










この状況が.....無力さを表しているからだ







『じゃあなんでほのかのことをたすけたの?』







......え?







『なんでほのかのことをたすけたの?』







.......なんでって......それはもちろん











































大切な人だからだよ














































ブチン

























俺の頭の中から何かが切れた音がした

瞬間目の前がクリアになる










踏み続ける西井の足を掴み、そのままもう片方の足を払って転ばせる




「ぐぁっ!」







俺はゆっくり立ち上がり希の元へ歩き出す




「あぁ?おいこら、これ以上近づくなよ」




「大地.....くん?」




希と照澤が何か喋っているが今の俺には全く聞こえない

いや、全くは語弊がある。少しは聞こえるが気にするつもりはない




「希から離れろ」




照澤に簡潔に伝える




「く、来るんじゃねぇ!」




と、




「俺を無視して......んじゃねぇよ!」




後ろからナイフを持った西井が接近してくる




「大地くん!」




俺は構わず歩く




「笹倉ぁ〜っ!!」




ナイフが直撃する瞬間










スッ




俺は横にかわした。かわされると思っていなかった西井は体制を崩す




そして










ゴリッ!!







「かはっ!!」




ガラ空きになった腹部へ一撃を叩き込む

人の殴ることは慣れていたいが深くめり込んだのでかなりの痛手になったはずだ。

倒れた拍子にナイフを手放す







「邪魔するなよ.....」




「お、お前.......」




痛みに耐えながらも西井は悪魔のような形相で睨みつける

まだ懲りてないみたいだな




ガンっ!!




「おえっ!!」




顔を蹴飛ばし、俺は落ちていたナイフを拾い、くるくると手で回しながら照澤に近寄る




「お前.......さっきまでと動きが違う.......何をした!!」




照澤は大声を上げて威嚇する

だけどよ...声が震えてるぞ。ビビってんのか?




「さぁな....俺にもよくわかんない。でもまぁ......ぶちキレたってことで納得してくれないか?」




直後、俺は走って照澤の目の前に接近する




「なっ!」




「早く希を話せよ....」




淡白で冷静になっている自分自身驚きながらも俺は希に触っている腕を掴みそのまま強く握る




「いたたたたたたたたたたたっ!!」




痛みに耐えられなくなった照澤は希を離し、後ろに下がる

もちろんそれを見逃さない。

すぐさま照澤の背後に回り込み髪をつかんで首にナイフを突きつける







「ひぃっ!」







「大地くん!それ以上はやめて!」




希がやめるように声をかけるも




「許せないんだよ......希にあんなことして....ただで済むと思ってたのか?照澤....」




ジリジリとナイフを首に近づけて恐怖を与える




「悪かった!悪かった!だからやめてくれ!まだ死にたくない〜っ!」




「死にたくないねぇ......そうだな...誰だって死にたくないよな」




「だ、だろ?だから--「だからってよぉ....お前らの事を許すわけねぇよぁ.....?」




ギュッ




俺はナイフに力を込める。そして.....










「ああああああああああああああああああああっ!!!!」





































『また同じ過ちをするの?』
















『また........人を守るために〇すの?』
















『そんなことは.......間違ってるよ』































「くそっ!!」










俺はナイフを海に投げ捨てる




涙とよだれでぐちゃぐちゃになった照澤は、俺の腕から逃げ出し、倒れている西井を起こして怖気付く




「わ、わかった!悪かった!もうしない!笹倉の前にも現れない!」




「....ちく...しょう....照澤、帰るぞ!」










2人は走って目の前から消え失せた

二度と姿を見せないことを祈るばかりだ













「..........」




「大地.......くん」




希は俺の胸に飛び込んできた




「......ごめんね...大地ごめんね......ウチ.....ウチっ!」




肩を上下に動かして希は泣きじゃくる




「大丈夫か?希.....」




俺は背中をゆっくりさする




「うん!怖かった....」




「ごめんな......君に辛い思いをさせてしまった」














































後々、ボロボロになった俺は希の肩を借りて別荘に戻る

穂乃果たちは俺達の姿をみてドタバタ手当だ〜救急車だ〜などと騒ぎ出すも、ある程度事情を説明して応急処置で済ませた

穂乃果には特に泣きながら心配された

海未と絵里さんにはガミガミ怒られた

『あなたはもうちょっと人を頼りなさい』って

花陽と凛は今朝の出来事を思い出したらしく、微妙な表情で俺を見つめる

にことことり、希と真姫の4人がかりで体の手当をやってくれた







また迷惑かけてしまったな.....
















ようやく落ち着いて自室に戻り、ごろんとベッドに横になる

体中の怪我はまだ痛むが先ほどよりも楽になった

さすが医者の娘だ。真姫の的確な指示で3人はピンポイントで処置された










彼らはもうやって来ないと信じたい.....




それにしても....




『あの声.....一体誰だったんだろうな.....』




確か『ほのか』とか言ってたな。

まさか......いやいやありえないでしょ。

なんで幼少期のあいつが現れるんだよ







でもあの声のおかげで危機を脱したんだ

感謝しなきゃな

それに自我を取り戻さことができたのもあの声のおかげだし




コンコン




「はい、どうぞ」




ドアを開けて入ってきたのは




「.....希」




その表情は明るいとは言えなかった

そうさせたのは俺の責任....




「大地くん、大丈夫?」




「なんとかな、おかげさまで」




問題ないと肩や足を動かしてアピールする




「そう.....」




希は俺の隣に腰掛ける。




「やっと落ち着いて話が出来そうだ.....」




「そうやね」




「どうして.......今まで隠してたの?」




そこが俺が今一番知りたいこと。希は俺のことを知っていたわけだ、それを何故今日まで隠していたのか。何故今になって話そうと思ったのか




どうしても聞きたかった




「どうしてやろね......今まで話さなかったのは単純に気づいて欲しかったから。大地くん全然気づかんかったけど.....」







希は髪をかきあげて話をする




「今日話した理由は....ウチにもわからない。ただ今日話さないと気づいてもらえるチャンス無いと思ったから」




「そうなんだ。辛い思いさせたね」




俺はぎゅっと希を抱きしめた。

今まで会いたかった少女が腕の中にいる。

嬉しかった。




「うんっ!」




希も嬉しそうに抱きしめ返す




「ねぇ.....大地くん」




「ん?」




「お別れした時のこと....覚えてる?」




多分....告白の返事....なんだろうな......




「もちろん。忘れるわけないよ」




「じゃあ....返事聞かせてもらえる?」




希は願うように両手を握り、俺をじぃっと見つめる



















「......ごめんな.....希。俺は、君の想いに答えられない。」




その時の表情を見たくない。でも、見ないといけない




「今まで恋愛とかしなことなくて、人に恋をするってよくわかんないんだ。俺はどんな人にも同じように接してきたから誰かを特別に、ってできないんだ」




「.......」




希は目をつむって俺の話に耳をかたむける

あの時の希は真剣だった。

真剣に告白してくれたのなら、俺の真剣に答えよう













「希の想い.....嬉しかった。こんな俺を好きになってくれて.....ありがとう」







「......ふふっ、大地くんならそう言うと思った」




希は目に涙を溜めながらもいつもの笑顔を見せる

それが辛かった




「返事が聞けてよかった......でもウチはまだ諦めへんから覚悟しとき?」




「....ああっ!覚悟しておく!」




希は「さて、そろそろ夕飯の準備や。またね」と言って立ち上がる




「希!」




その背中に声をかける













「スクールアイドル、頑張れよ!!!」






















次に見せてくれた希の笑顔はとても可愛かった































「ウチに任しとき!!!」 
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