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おぢばにおかえり

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第三十二話 あちこち回ってその六

「それは流石に」
「神戸じゃないですよね」
「っていうか山に出るのよね」
「山じゃなくて人がいるところに出たりもしますよ」
「猿とか鹿が?」
 まだそんな場所があること自体が驚きです。
「出るの?普通に」
「猿はないですけれど鹿とか。あと蛇も」
「蛇もって」
 ちょっと怖いです。蝮とかだったら。
「結構危ないのね」
「虫も出ますしね」
「虫は普通でしょ?」
「スズメバチとかですけれど」
「スズメバチ・・・・・・」
 物凄く凶暴なのは知っています。というかこの蜂が一番危ないから気をつけろというのは子供の頃山に行く度に言われました。熊より怖いとさえ。
「危ないのいるわね」
「ですから山入るの結構危険だったりします」
「人がいるところに鹿は出るし」
 しかも蛇に猿にスズメバチって。
「どんな場所なのよ」
「ですから田舎で」
「田舎っていっても」
「山奥だからですよ」
 何か阿波野君自体は何でもないみたいです。
「それこそおぢば以上の」
「そうみたいね。そんなに色々出て来るなんて」
「で、熊とか猪も」
「出るのね」
「きっちり出ます」
 やっぱり物凄い場所です。
「けれど猪も美味しいんですよ」
「そうなの?」
「熊とか鹿も」
 どういうわけか話はそちらに行きました。
「特に猪と鹿はいいですね」
「猪は豚に似た味がするのよね」
「はい」
 これは私も知っていました。豚は猪からはじまった家畜なので当然と言えば当然ですけれど。
「そうですよ」
「そうよね。それにしても猪なんて」
「最近はあまり出ないかな?」
 流石にそれはそうみたいです。ところが。
「民家の近くには。多分」
「多分なのね」
「狐や狸は普通にいますからね」
 やっぱり物凄いところみたいです。
「まあ自然がそのままあるってことで」
「そのままねえ」
「面白い場所だと思いません?」 
 挙句にはこんなことまで言い出してきました。
「僕の住んでる場所って」
「これから行くお化け屋敷よりスリルがありそうね」
「ここのお化け屋敷ってあまり怖くないみたいですしね」
 阿波野君はあっけらかんとして言いました。私もお化け屋敷は怖がる方ではないですけれどそれでもやっぱり身構えはしています。
「夜の山なんか物凄いですよ」
「っていうか下手したら熊とか猪に襲われるじゃない」
 夜の山っていったらそれこそです。
「それこそお化け屋敷よりも」
「そこで夜釣りなんかする人もいたりしますよ」
「夜の川でなのね」
「物凄いスリルがあるそうですよ」
 もうそこまでいくと冒険です。そこまでして、と思います。
「何時何が来るかわからないですから」
「それでも海みたいにゴンズイとかエイを間違って、ってことはないわよね」
「そういうのはいませんね。ブルーギルとかライギョはいますけれど」
「そうなの」
「はい。周りが危ないだけで」
 それもそれで滅茶苦茶問題ですけれど。 
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