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英雄伝説~菫の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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第78話

~太陽の砦~



「まずはこいつに耐えてみなぁっ!断罪のエクセキューション!!」

「上下に発生した暗黒の穴から離れて!」

戦闘開幕早々にバルバトスが発動した昌術の名を聞き、攻撃範囲などがわかっていたレンはロイド達に警告して上下の広範囲に発生した暗黒の空間から素早い動きで逃れた。レンの警告を聞いたロイド達もそれぞれ回避行動等をとったが

「キャアッ!?」

「あうっ!?」

ロイド達の中で身体能力が低いエリィとティオは回避が間に合わず、ダメージを受けてしまった。

「魔神剣・双牙!!」

「せぇいっ!!」

バルバトスから距離を取ったレンとエステルはそれぞれ衝撃波を放つクラフトで攻撃したが

「引き裂いてやろうかっ!!」

「っと!」

「わわっ!?」

バルバトスが放った巨大な衝撃波―――殺・魔神剣によって二人が放った衝撃波は呑みこまれて二人を襲い、襲い掛かってくる衝撃波を二人は散開して回避した。



「喰らえやっ!!」

「逃がすかよっ!!」

「ぬうっ!?」

バルバトスが衝撃波を放った時にできた僅かな隙を逃さないかのようにバルバトスを左右から挟み込んだゼノはクラフト―――マーダーショットで、ランディは狙いを定めた敵を集中攻撃して怯ませるクラフト―――スナイプラッシュで攻撃してダメージを与え

「おおおぉぉっ!!」

「バースト・タックル!!」

「邪悪なる者に裁きを―――セイクリッドクロス!!」

「オォォォォ………ダイナストスパイク!!」

「ぐっ!?」

二人の攻撃に気を取られたバルバトスにヨシュアとが魔眼を放って動きを僅かな間だけ封じ込めると左からロイドは炎の闘気を纏った突撃で、右からルフィナが祈りを込めた法剣でバルバトスに十字を刻み込み、レオニダスは真正面からバルバトスにマシンガントレットを突き刺して爆発を起こして追撃をした。

「リカバーモード起動………これで大丈夫です。」

「ありがとう、ティオちゃん!時の結界よ、砕け散れ!!」

仲間達が攻撃をしている間にティオは魔導杖にインストールされている傷と状態異常回復の導力陣を発生させるクラフト―――エナジーサークルで自分とエリィの傷を回復し、エリィはオーブメントの駆動を始めているエステルとレンに加速効果を持つクラフトを放った。



「えいっ!クリムゾンレイ!!」

「アークス駆動―――サウザンドノヴァ!!」

エリィのクラフトによって駆動時間を大幅に短縮したエステルが発動したアーツは超高熱の熱線をバルバトスに叩き落して炎の大爆発を起こし、レンが発動したアーツはバルバトスの足元から炎の柱が発生した後炎の大爆発を起こした。

「術に頼るかザコどもが!破滅のグランヴァニッシュ!!」

「「!!」」

二種類の高火力の火属性アーツによってその身を炎に包まれたにも関わらず怯まなかったバルバトスはカウンターに昌術を発動し、バルバトスが発動した昌術によてエステルとレンの足元に大地の亀裂が現れた後凄まじいエネルギーが噴出した。

「「キャッ!?」」

『グランヴァニッシュ』は広範囲に渡って発動する為バルバトスのカウンター台詞を聞いて回避行動を移っていた二人も回避しきれず、ダメージを受けて怯んでしまった。

「狙いは外さないっ!エイミング・デバイス!!」

「イノセントエッジ、射出!!」

「いつまで遠距離攻撃に頼るか、弱虫共が!業火のエンシェントノヴァ!!」

「キャアッ!?」

「あうっ!?」

更にバルバトスは遠距離からそれぞれレーザー攻撃と無数の光の刃で攻撃してきたエリィとティオに上空に召喚した古の炎を地上に落として広範囲を炎上させる昌術を放って反撃し

「全方位から攻撃を仕掛けるぞ!!」

「アイ・サー!!」

「そらっ!!」

「フンッ!!」

「朧!!」

「ぶるあああぁぁぁっ!!」

全方位から攻撃してきたロイド、ランディ、ゼノ、レオニダス、ヨシュアに対しては斧で衝撃波をも発生させる回転斬りを放ってロイド達の攻撃をはじくと共にふっ飛ばした。



「女神の御慈悲を――――セイクリッドブレス!!」

一方ルフィナはバルバトスがロイド達の攻撃に気を取られている間に法術でバルバトスの反撃によってダメージを受けたレン達の傷を回復した。

「二の型・改――――裏疾風!双牙!!」

「ぬうっ!?」

「絶影!!」

ルフィナの法術によって傷が回復したレンはふっ飛ばされたロイド達と入れ違うように電光石火の斬撃を叩き込んでバルバトスの背後から距離を取った状態で二振りの小太刀を振るって斬撃波を叩き込んでバルバトスを怯ませ、ふっ飛ばされたヨシュアもレンに続くように一撃離脱技をバルバトスに叩き込んだ。

「デミガンナー起動………アブソリュートゼロ!!」

そこにティオがバルバトス目がけて絶対零度の魔法弾を発射し、絶対零度の魔法弾がバルバトスに命中するとバルバトスの全身が氷漬けになりはじめた。

「ぶるあああぁぁぁっ!!」

しかしバルバトスは咆哮を上げて気合で全身の氷を吹き飛ばした。

「いつまで遠距離攻撃に頼るか、弱虫共が!憤怒の――――」

そしてバルバトスはティオに反撃する為に再び昌術を発動しようとしたが

「させるか!ハアッ!!」

「グアアアアアアアァァァァ――――ッ!?」

ロイドが電撃を流し込んだトンファーで攻撃し、僅かな間とはいえ氷漬けにされかけた事によって全身が氷による水滴が付着していたバルバトスは電撃を受けた事によって感電して怯んだ。



「フラッシュ・チャリオット!!」

「双針乱舞!!」

「一撃入魂!魔王地顎陣!!」

「燃えちゃえ………!龍炎撃!!」

「さあ、行くわよ!ヤアッ!!」

「これで終わりなさい!邪よ、退け!!」

「うおぉぉぉぉぉ………!こいつで終わりだッ!!」

「ほいっと!もひとつオマケや!!」

「オォォォォォ………!ダイナマイトスパイク!!」

「ガアッ!?」

怯んだ事によって大きな隙が出来たバルバトスの隙を逃さないかのようにロイドとヨシュアはそれぞれトンファーと双剣で猛連撃を叩き込み、エリィとルフィナはそれぞれ連続攻撃の後に最後に強烈な一撃を叩き込むクラフトを叩き込み、ランディはライフルを連射して敵を怯ませた後ブレードで敵を十字を刻み込むクラフト―――ブラッディクロスを、ゼノはクラフト―――ストームレイドをそれぞれ叩き込み、仲間達の攻撃が終わるとレオニダスが最後にバルバトスの腹にマシンガントレットを突き刺して爆発を起こしてバルバトスをふっ飛ばした。

「それっ!ダブルシャドーアポクリフ!!」

「ぬううぅぅぅっ!?」

バルバトスがふっ飛ばされると仲間達が総攻撃をしている間に二つの戦術オーブメントを駆動を終えたティオが同じ高火力アーツを発動し、ティオが発動したアーツによって召喚された二本の黒き魔剣がバルバトスの頭上から落下してきて魔剣による呪いでバルバトスの体力を奪うと共に術者であるティオに奪った体力の一部を分け与えた。



「ハハハハハハハッ!もっと楽しもうぜ!この痛みをよぉ!!」

ロイド達の総攻撃を受けてもなお、バルバトスは倒れず、逆に自身に伝わる痛みを力にするかのように凄まじい闘気を纏った!

「痛みを楽しむとか意味不明なんですけど………」

「うふふ、これが俗に言う”M属性”なんでしょうね♪」

「気を付けて……!今まで戦った時とは比べものにならない凄まじい闘気が纏っているわ!」

「戦場の叫び(ウォークライ)の亜種技……と言った所か。」

痛みを楽しんでいるバルバトスの様子にエステルはジト目になり、レンは小悪魔な笑みを浮かべ、バルバトスがさらにパワーアップしている事を察したルフィナは仲間達に警告し、バルバトスが使ったクラフト―――ヴァイオレントペインの効果を察したレオニダスは警戒の表情でバルバトスを睨んでいた。

「チッ、このマゾ野郎が……!とっとと倒れろってんだ!」

「そらっ!!」

そこにランディとゼノが同時にバルバトスに襲い掛かったが

「ぶるあああっ!!」

「「グアッ!?」」

バルバトスは暗黒の闘気を纏った体当たり―――イビルチャージで迎え撃ち、ヴァイオレントペインで自身の力を爆発的に上昇させている影響の体当たりを受けた二人は大きく後ろにふっ飛ばされて壁に叩き付けられた。



「ランディ!?ゼノさん!?」

「攻撃力が圧倒的に上昇している………!」

ふっ飛ばされて壁に叩き付けられた二人を見たロイドは驚き、ヨシュアは厳しい表情でバルバトスを睨んでいた。

「余裕かましてんじゃねぇ!!」

「!散開しろ!」

バルバトスは続けて追尾性能を持った無数の炎の弾丸―――ヘルヒートを放ち、それに気づいたレオニダスはロイド達に警告し、ロイド達はそれぞれ回避行動に移った。

「いつまで逃げ回っている、軟弱者共が!オメガポイゾニックヴォイド!!」

ロイド達がそれぞれ自分達に襲い掛かる炎の弾丸から回避しているとバルバトスは自分を中心とした広範囲に毒の瘴気を発生させるクラフト―――オメガポイゾニックヴォイドを発生させてロイド達にダメージを与えると共に毒状態にして怯ませ、更に怯んだ所に炎の弾丸が襲い掛かってロイド達に追撃した。

「ほーらよっ!!」

「ぬ………?グアッ!?」

その時バルバトスにふっ飛ばされた事によってヘルヒートの対象に選ばれてなく、またオメガポイゾニックヴォイドの効果範囲外にいたランディがスタングレネードをバルバトスの足元へと投擲し、足元に投擲されたスタングレネードに一瞬気を取られたバルバトスはスタングレネードの光によって目をやられて怯んだ。

「そらっ!」

そこにゼノが時限爆弾である6本のジャベリンを投擲してバルバトスの周囲に突き刺して跳躍し

「そこやっ!!」

「グッ!?」

上空から怒涛の銃撃をバルバトスに放った。するとバルバトスの周囲に刺さっているジャベリンが銃撃によって誘爆し、銃撃や爆発を受けたガルシアは怯み

「まだまだ行くで……!これで終いや!――――ジェノサイドレイン!!」

「ガアアアアアアア――――ッ!?」

銃撃を終えたゼノは突進してバルバトスにブレードを突き刺してバルバトスを中心に大爆発を起こし、ヴァイオレントペインで攻撃力と引き換えに防御力を犠牲にしたバルバトスは大ダメージを受けて怯んだ。



「さあ、行くぞ………!吹き飛べぇっ!!」

「ガッ!?」

「天の眷属たる戦乙女よ、勇敢なる戦士達に安寧を――――」

怯んだ事によってできた隙を逃さないレオニダスはマシンガントレットを振るった事によって発生した凄まじい衝撃波を地面を走らせてバルバトスに叩き込み、その間にルフィナは強き祈りによって自分の頭上に戦乙女を召喚し

「さぁて……そろそろ始めるとするか。うぉぉぉぉぉ…………!」

レオニダスが衝撃波をバルバトスに叩き込むと同時にランディはバルバトス目がけて突撃しながらライフルを連射してバルバトスにダメージを与え

「喰らえ――――ベルゼルガー!!」

「ガアッ!?」

一瞬でバルバトスの懐に詰め寄って無数の斬撃を叩き込んでバルバトスの背後へと駆け抜け

「ここからが本番だ……ディザスター―――――アーム!!」

「ガハッ!?」

「アーケイディア!!」

間髪入れずにレオニダスがバルバトスにマシンガントレットを突き刺すと大爆発が起こり、大爆発を受けたバルバトスは大きくふっ飛ばされて壁に叩き付けられ、バルバトスが壁に叩き付けられると同時にルフィナが召喚した戦乙女は聖なる慈悲の光を放って術者であるルフィナを含めたロイド達全員が負った傷や状態異常を全て回復した!



「お願い、ティオちゃん!」

「お任せください!」

「「コールドゲヘナ!!」」

「ぐおおおおっ!?」

ルフィナのSクラフト―――アーケイディアによって傷や状態異常が回復して立ち直ったエリィとティオは協力技(コンビクラフト)による絶対零度の光線をバルバトスに叩き付け、絶対零度の光線を直接受けてしまったバルバトスは気合で全身の凍結を吹き飛ばす暇も無く全身が氷漬けにされて身体の動きが封じ込められた。

「エステル!行くよ!」

「うん!任せて!」

「そこだっ!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ………!」

「「奥義!太極無双撃!!」」

「ぬうううぅぅぅっ!?」

そこにヨシュアとエステルが協力技(コンビクラフト)による双剣と棒の連携攻撃を叩き込んでバルバトスに大ダメージを与えた。



「いくぞ、レン!」

「ええ!」

「飛べっ!」

「ヤアッ!」

その時レンと視線を交わしたロイドはレンと共に目にも止まらない速さによる連携攻撃でバルバトスを攻撃しながら天井近くまで上昇して巨大な竜巻を発生させてバルバトスを宙に浮かせ

「風、織紡ぎ!」

「大地を断つ!」

「「天招風縛刹!!」」

止めに巨大な竜巻に捉えたバルバトスに同時飛び蹴りを叩き込んだ!

「がああああああああ―――――ッ!?」

打ち上げた敵達を目にも止まらぬ速さで挟撃を叩き込みながら竜巻を作り、大地を断つ強烈な一撃で敵を制圧するロイドとレンの協力技(コンビクラフト)――――天招風縛刹を受けたバルバトスは戦闘不能になり、地面に膝をついた!



「ハァ、ハァ………!何とか制圧できたか……!」

「うふふ、”星見の塔”の時と比べると圧倒的に戦力が充実していたお陰でリオンお兄さんやお兄様達がいなくても戦闘不能まで追い込めたわね♪」

「あ、相変わらず理不尽なカウンターだったわね~………」

「エステル!まだ安心するのは早い!」

「――――後の災いとならない為に今度こそ仕留めるわよ!」

協力技(コンビクラフト)を放ち終えたロイドは息を切らせてバルバトスを見つめ、バルバトスを戦闘不能に追い込めた事にレンは笑顔を浮かべ、バルバトスのカウンターを思い出してジト目になっているエステルにヨシュアは警告し、ルフィナがバルバトスに止めを刺す事を口にしたその時

「その提案には賛成や!」

「あの世で団長と”闘神”に詫びるがいい!」

ルフィナの言葉に同意したゼノとレオニダスがロイド達の中から逸早く同時にバルバトスに襲い掛かった。

「クク……さすがはこの俺が見込んだ奴等だ………もっと強くなり、俺の最高の贄になるがいい!ハーハッハッハッハッ!」

しかし二人の攻撃が届く瞬間バルバトスは転移術で姿を消して撤退した。



「また………!」

「ティオすけ、まだ近くに野郎はいるか!?」

「――アクセス………ダメです、ここを中心とした10セルジュ以内に生命反応はありません。」

バルバトスが消える様子を見たエリィは声を上げ、ランディにバルバトスが近くにいるかどうかを訊ねられたティオは魔導杖を発動して周囲を調べたが周囲には生命反応がない事に気づくと疲れた表情で答えた。

「奴を逃がしてしもうたんは個人的には残念やけど、不確定要素をさっさと排除できた事は吉と思うべきやな。」

「……あの傷ではこれ以上今回の件に関わってくる事はできまい。今は奴の事より”本来の目的”を果たすべきだ。」

「ええ……!みんな、行こう……!」

疲れた表情で溜息を吐いたゼノは気持ちを切り換え、レオニダスの言葉に頷いたロイド達は仲間達を促して仲間達と共に先へと進むと、広い場所に出た。



「ここは………!?」

広い場所に出たロイドは遥か下まで続いている巨大な穴を見つけると驚いた。

「凄い………」

「地の底に続く縦穴………なんて大きさなのかしら。」

「これも数百年前に建造された物なのか……」

「ここからの目測だと深さ500アージュって所か。やれやれ………こいつは骨が折れそうだぜ。」

「同感や。ったく、めんどくさい所に立てこもってくれたものやな。」

一方同じように穴を見つめたエステルとエリィは驚き、ヨシュアは真剣な表情で推測し、穴の深さを推測し、長期間の探索が必要である事を悟ったランディとゼノは疲れた表情で溜息を吐いた。



「……下に行けば行く程女神の加護が届かなくなる………恐らく”深淵”や”煉獄”を連想して建造されたのでしょうね……」

「クスクス。きっと今までとは比べものにならないくらいの強さの”魔物”達も徘徊しているでしょうね。」

「徘徊している魔物達だけでなく、仕掛けや罠にも注意が必要だな。」

ルフィナは真剣な表情で遺跡内の形状に込められた意味を推測し、強敵が徘徊している事を悟ったレンは不敵な笑みを浮かべ、自分達がいる場所は敵の拠点の為罠や仕掛けがある事を悟ったレオニダスは警戒の表情で呟いた。

「……………………………」

「ティオ、どうした?」

「大丈夫?真っ青な顔をしてるわ。」

一方不安そうな表情で大穴を見つめて身体を震わせたティオの様子に気づいたロイドとエリィはティオに声をかけた。



「………問題ないです。ただ、昔いた場所のことを少し思い出してしまって………」

「………………………」

若干青褪めさせながら答えたティオの説明を聞いたレンは目を伏せて黙り込み

「昔いた場所………そうか。」

「共和国の西端にあったっていう教団の拠点(ロッジ)のことだな?」

ロイドは察した後頷き、ランディは真剣な表情で尋ねた。

「………はい。たぶん、この縦穴は”煉獄”に続く黄泉路を見立てて建造されたんだと思います。女神(エイドス)を否定する概念としての悪魔に近づき、利用するため………そして彼らに供物を奉げる”儀式”を執り行うために。」

「………最低の連中ね。」

「ハッ、道理で辛気臭い匂いがするわけだ。」

ティオの推測を聞いて”D∴G教団”に対して更なる怒りを抱いたエリィは怒りの表情で呟き、ランディは大穴を睨んだ。



「………――――だったら俺達の仕事は一つだけだ。俺達の道を拓いてくれた人達のためにも。そして、俺達の帰りを待っているキーアのためにも………その辛気臭い幻想を叩き壊して………陽の光の下に引きずりだしてやる!もう誰も、辛くて哀しい思いをしなくて済むように………!」

「………ロイドさん…………」

「ふふっ………………………」

ロイドの決意を知ったティオは驚き、レンは静かな笑みを浮かべていた。

「ったく、熱血野郎と言いたいところだが………ま、今回ばかりはそいつに一枚乗せてもらうぜ。」

「ふふ、私も乗った。敵は、全てを陰から操っていた得体の知れない蜘蛛のような存在………でも、今の私達ならきっと届くことが出来るはずよ。」

「……はい。絶対に………負けません!」

「うふふ、ヨアヒムにレン達の”力”を教えてあげましょう♪」

そしてロイドの決意に同意したランディの言葉を合図にエリィとティオ、レンもそれぞれヨアヒムを倒す決意をし

「あたし達も力を貸すわ!」

「全力で君達を支援する!」

「サポートは私達に任せて!」

「俺達の事も忘れんなよ、坊!」

「”西風(おれたち)”の”力”も存分に活用するといい!」

エステル達も続くようにそれぞれ協力の申し出をした。



「よし、それじゃあ行こう。クロスベル警察・特務支援課所属、ロイド・バニングス以下5名―――」

「同じく遊撃士協会所属、エステル・ブライト以下3名―――」

「同じく西風の旅団所属、”罠使い(トラップマスター)”ゼノ以下2名――――」

「これより事件解決のため強制潜入捜査を開始する………!」

こうしてロイド達は”太陽の砦”の奥深くに待ち受けているヨアヒムの所を目指して、探索を開始した―――――!


 
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