| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第108話

~夜・IBC~



「!ミレイユ………!ロイド、セティちゃん達が創った薬をくれ!あの変態野郎にこれ以上、ミレイユの身体を好きにさせたくねえ!」

地面に倒れ込んだミレイユを見たランディはロイドに頼み

「わかった!」

頼まれたロイドはランディにセティ達が創った魔人化(デモナイズ)すら浄化するエルフの神、ルリエンの力が施された液状の薬――――”ルリエンの聖薬”を渡し、ランディは片手で薬を持ちながら走って地面に倒れ込んでいるミレイユに近づき

「変態野郎!その目でじっくり見るんだな!お前が創った薬の効果がなくなる瞬間を!」

「なにを……!?ぐっ!?」

ミレイユを睨んで、目を見開いているミレイユの口に無理矢理薬を流し込んだ!すると

「!!ば、馬鹿な………グ、”グノーシス”のこ………………」

ミレイユは信じられない表情で何かを呟きかけた後目を閉じた。すると

「うっ……………」

ミレイユはうめき声を上げながら目を覚ました。

「おい、ミレイユ!俺がわかるか!?」

「ランディ…………迷惑をかけたわね…………ッ………!」

そしてランディに呼びかけられたミレイユはランディを見つめた後、身体中に伝わる痛みに表情を歪めた。

「大丈夫ですか?今、治療しますね。………癒しの息吹!!」

その時ティアがミレイユに近づいて治療魔術をミレイユにかけていた。



「あ………!」

「”グノーシス”の効果が解毒されたんだわ……!」

「セティさん達の薬のお蔭ですね……………!」

その様子を見ていたロイド、エリィ、ティオは明るい表情をし

「フフ、これもエルファティシアさんのお蔭ですね……」

「ええ、私達の力だけでは決して創れませんでした……」

セティとエリナは微笑みながらエルファティシアを見つめ

「ま、私が知っているのは薬と”魔導功殻”の技術関連ぐらいだからね。役に立ててよかったわ。」

「”魔導功殻”?初めて聞く言葉だな………後でどんな技術か、聞いてみたいな………」

見つめられたエルファティシアは微笑み、エルファティシアの言葉を聞いたウィルは興味深そうな表情でエルファティシアを見つめ

「フッ……ウィルなら本来の作り方とは違ったやり方で”魔導功殻”を創れるかもな……」

ウィルの言葉を聞いたヴァイスは静かな笑みを浮かべた。そしてリウイやイリーナ達、ミレイユがランディと共にロイド達に近づいた。



「エリィ、無事でよかったわ……」

ロイド達に近づいたイリーナはエリィを見つめて微笑み

「お姉様………!助けに来て下さって、本当にありがとうございます………!あの、おじいさまは………?」

微笑まれたエリィは会釈をした後、尋ね

「行政区の悪魔は殲滅し、警備隊員達は全員気絶させておきました。マクダエル市長達には市庁舎の中に避難してもらいました。」

「よかった…………本当にありがとうございます………………って、あ、貴女は………!プリネ姫………!」

自分の疑問に答えたペテレーネと同じ髪の色をした娘――――リウイとペテレーネの長女にしてメンフィル皇女の一人であり、”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”の異名で呼ばれている娘―――プリネ・カリン・マーシルンの言葉を聞いたエリィは安堵の溜息を吐いた後、プリネを見つめて驚いた。

「ええっ!?じゃ、じゃあ、貴女があの”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”―――プリネ姫ですか!?って、よく見たら”蒼黒の薔薇”ルクセンベール卿まで…………!」

プリネが名乗るとロイドは驚きの表情でプリネを見つめた後、黒髪の女性―――プリネの世話兼親衛隊隊長にしてメンフィル帝国の貴族の一人であり、”蒼黒の薔薇”、またはメンフィルの”黒き薔薇”の異名で呼ばれているツーヤ・ルクセンベールを見つめて驚いた。

「フフ、初めまして。プリネと申します。ロイドさん以外の方々に関しては”久しぶり”ですね。」

驚きの表情で自分を見つめるロイドに微笑んだプリネはエリィ達に視線を向け

「お久しぶりです、プリネ姫。おじいさまを助けていただき、本当にありがとうございます。」

「………どうも。レーヴェさんとツーヤさんもお元気そうで何よりです。」

「いや~、あん時はどうも失礼をしましたッス。」

視線を向けられたエリィは会釈をし、ティオは軽く頭を下げ、ランディは苦笑しながらプリネを見つめ

「フフ、久しぶりだね、ティオちゃん。」

「フッ、まさか戦場で再会する事になるとはな……」

ティオの言葉にツーヤは微笑み、銀髪の青年――――プリネの親衛隊副隊長にしてかつて”結社”の”執行者”であった”剣帝”レオン=ハルト―――レーヴェは静かな笑みを浮かべてティオを見つめた。



「フフ、貴女が”エレン・ダ・メイル”の王―――エルファティシア・ノウゲートですか…………まさか噂に聞いた”湖上の森王”とここでお会いする事にできるなんて、思いませんでした。」

一方金髪のルーンエルフの女性はエルファティシアを見つめて微笑み

「………こちらこそ、貴女に会えるとは思わなかったわ。――――我等エルフの神、ルリエンに愛されし者にして選ばれたルーンエルフ、”ルリエンの娘”シルフィエッタ・ルアシア。貴女に名を知られているなんて、光栄ね。」

女性―――リウイの側室の一人、シルフィエッタ・ルアシアに微笑まれたエルファティシアは口元に笑みを浮かべてシルフィエッタを見つめた。

「主~♪」

「君は………!」

「リ、リタちゃん………!?」

エルファティシア達が微笑みあっている一方、なんとリタがリウイ達の背後から現れて嬉しそうな表情でセリカに抱き付き、リタを見たロイドとエリィは驚き

「フフ、まさか異世界で主に会えるとは思いませんでした♪」

リタは嬉しそうな表情でセリカを見上げて言い

「………エステルに頼まれて来てな。そういうリタは何故クロスベル市(この場所)に?」

リタの言葉にセリカは答えた後、尋ね

「はい。こちらから”僧院”でも感じた事のある”魔”の気配が気になって、こちらに来た後、僧院で戦った事のある悪魔が一斉にこちらに向かうのが気になって………それで、その時にこちらに向かい始めているプリネちゃん達を見つけて合流したんです。でも、まさか主も異世界に来ていたなんて、凄い偶然です!」

「ハハ………話には聞いていたが、まさかリタとも再会できるとはな……」

リタの答えを聞いたセリカは苦笑した後、リタの頭を撫でた。

「フフ、主に頭を撫でてもらえるなんて、本当に久しぶりです♪」

一方頭を撫でられたリタは嬉しそうな表情で言った。

「は~い♪私もいるわよ♪私はさっきまでチキの店で部屋を借りて寝ていたんだけど……騒ぎがうるさくて、起きてみたらも面白い状況になっているじゃない♪チキに状況を聞いて、私もリウイ達と合流して一緒に来たわよ♪」

「カーリアンさん……!」

その時、リウイ達の背後から現れたカーリアンを見たティオは驚いた。

「なっ!?”英雄王”に”聖皇妃”、”戦妃”、”闇の聖女”と”癒しの聖女”、”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”、”蒼黒の薔薇”に加えて”魔弓将”や”紅の殲滅姫(クリムゾン・ルインプリンセス)”やユイドラ領主夫妻まで………!い、一体どうなっているのよ、これは………!?」

一方リウイやウィル達を見回したミレイユは信じられない表情をし

「ハハ………まあこんな豪華メンバー見たら普通、誰でも驚くわな。………いや~、それにしても本当に助かりましたッス!まさか装甲車を剣一本で破壊するなんて、さすがッスね~。」

ミレイユの反応を見たランディは苦笑した後、リウイ達を称賛し

「え………?なっ!?し、新型の装甲車が………!」

ランディの言葉を聞いたミレイユは不思議そうな表情をした後、破壊され、無残な姿になっている新型の装甲車を見て信じられない表情をした。



「久しいな、ヴァイス。そちらのルーンエルフの女性―――エルファティシア・ノウゲートの件でお前の事を探していたぞ。まさかお前までクロスベルに来ていたとはな………」

「まあな。この非常識の塊と言ってもいい男の提案で来たんだが……フッ、そのお蔭でエルファティシアと再会できるとは思わなかった。こんな事ならリウイの申し出通り、通信機を受け取っていればよかったな。そうすればもっと早くエルファティシアと再会できたのだからな。」

そしてリウイに話しかけられたヴァイスは頷いた後ギュランドロスに視線を向けた後、苦笑し

「ほう……?ってことはお前がヴァイスの話にあった人間と異種族たちが共存できる国を建国した半魔人の王―――リウイ・マーシルンか…………」

ヴァイスの言葉を聞いたギュランドロスは興味ありげな様子でリウイを見つめ

「ククク………ガッハハハハハッ!なるほど、ヴァイスの話し通り、この俺とヴァイスと同格……いや、それ以上の”天賦の才”を持つ男じゃねえか!いつかこっちから会いに行こうと思っていた所だったんだぜ!ここで会えるとは好都合だ!」

「ギュランドロス様~……そんな無茶苦茶な事を考えていたんですか……」

やがて豪快に笑いながらリウイを見つめ、エルミナは疲れた表情で溜息を吐いた。

「………おい。なんだ、この男は。」

ギュランドロスの様子を見たリウイは戸惑いの表情を見せた後、気を取り直してヴァイスに尋ねた。

「あ~……話せば長くなるんだが、こいつはギュランドロス・ヴァスガンと言ってな―――」

尋ねられたヴァイスが苦笑した後ギュランドロスの事を説明しかけようとした。するとその時

「ククク……おい、ルイーネ、決めたぞ!」

不敵な笑みを浮かべたギュランドロスはルイーネに話しかけ

「えーと……今までにないくらいの悪い癖が出そうな予感ですね~?」

話しかけられたルイーネは微笑みながらギュランドロスを見つめた。

「俺達”六銃士”はこのクロスベルをいずれ支配して、リウイ達と共にゼムリア大陸の時代を動かす!!」

するとその時、ギュランドロスは信じられない事を叫んだ!

「へっ!?」

「ええっ!?」

「ハアッ!?」

「意味不明です……」

ギュランドロスの叫びを聞いたロイド、エリィ、ランディは驚き、ティオはジト目でギュランドロスを見つめ

「……なぜ、そこで俺達が入る。」

リウイは呆れた表情でギュランドロスを見つめて言った。

「ギュランドロス様!正気ですか!?このクロスベルという土地はメンフィル、エレボニア、カルバードの3大国に挟まれた土地ですよ!?そんな土地を支配して、どうするというのです!」

その時、エルミナが真剣な表情でギュランドロスを見つめて言った。

「ククク……聞けば、このクロスベルという土地はエレボニア、カルバードからさまざまな干渉を受けているんだろう?それをこの俺達が支配したクロスベルがリウイのメンフィルと共に両国を支配していけば、あっという間にクロスベルは大国になるって訳よ!そしてそこから俺達はゼムリア大陸の国家間の力関係を変え、時代を変える!俺とルイーネ、エルミナ、パティ、ヴァイスやアル、エルファティシアに加えてリウイ達―――メンフィル帝国の協力があれば可能だ!それにこのクロスベルはエレボニア、カルバードに宣戦布告する理由は充分にある!戦争を仕掛ける側としてはまさにもってこいの土地だ!」

「ギュランドロス様~……」

「あらあらまぁまぁ。全てゼロの状態から始めるなんて、初めてだから困っちゃうわ。」

「あはは!さっすがギュランドロス様!いいじゃん!一杯戦えるからあたしは賛成だよ!」

そしてギュランドロスの説明を聞いたエルミナは表情を引き攣らせ、ルイーネは微笑み、パティルナは嬉しそうな表情で頷き

「ちょっと!?何勝手に私やアルまで数に入れているのよ!?」

エルファティシアはギュランドロスを睨んで文句を言い

「……………………」

「め、滅茶苦茶よ………」

「つーかどう考えても、そんなとんでもない事、無理だろ?」

「馬鹿としか言いようがないです……」

ロイドは口をパクパクして絶句し、エリィとランディは疲れた表情で溜息を吐き、ティオは呆れた表情でギュランドロスを見つめて言い

「………だから、何故俺達までお前達に協力せねばならない。……それもクロスベルの市長や議長でもないお前達に力を貸して、俺達メンフィルに何の利がある。」

リウイは呆れた表情で溜息を吐いて指摘した。



「ククク………市長?議長?そんなもんは俺達がクロスベルを支配して俺とヴァイスが王になれば、意味がなくなるもの。それにお前達メンフィルとて自国の領が増えるから、利になるだろう?クロスベルはエレボニアとカルバードから解放されて豊かになり、お前達メンフィルは俺達と共に両国と戦う事で多くの領を手に入れられる。ガッハハハハハッ!互いが得できるって訳よ!」

「ほう、”王”が2人の制度とは前代未聞だな。」

「……………暴論としか言いようがないな。確かに俺達メンフィルが力を貸せば、エレボニア、カルバードの両国を降す事等容易い事だが………何の身分もないお前達に変えられるのか、クロスベルを。」

不敵な笑みを浮かべて語るギュランドロスの話を聞いたヴァイスは意外そうな表情をし、リウイは溜息を吐いた後、目を細めてギュランドロスを見つめて尋ね

「おうよっ!俺達”六銃士”が揃えば不可能はない!!それにヴァイスから”影の国”とかいう場所で出会ったお前の話を聞いて俺は感じた…………俺とお前は”友”になれるのだとな!」

尋ねられたギュランドロスは力強く頷いた後、リウイを見つめて言った。

「………………………………」

ギュランドロスの言葉を聞いたリウイは目を丸くして呆け

「…………半魔人である俺に自ら”友”になろうと言う等、エステル以外の人間はありえないと思ったのだがな……―――ヴァイス。お前とこの男―――ギュランドロスの関係は何なんだ?」

静かな笑みを浮かべた後、ヴァイスに尋ね

「かつて俺達メルキアが戦って来た因縁の相手にして好敵手…………そして今では”友”の関係だ。」

尋ねられたヴァイスは静かな笑みを浮かべて答えた。

「そうか…………………………ギュランドロス。一つ聞いておきたい事がある。」

ヴァイスの答えを聞いたリウイは頷いた後少しの間考え込み、静かな表情でギュランドロスを見つめて言った。

「おう、なんだ?」

「先程のヴァイスの話やお前の部下と思われる女性達のお前への態度を見る限り、お前はかつてどこかの国の”王”だったのだろう。さらに俺の直感になるがお前もヴァイスと同じ”覇王の器”を持つ者だ。お前の”覇道”とは何なのだ?」

「ククク………俺の”覇道”とは俺達の手で世界の全てを支配し、時代をより良い時代に変える事!それが俺の”覇道”だ!!」

「ほう…………その支配する世界の中に我等メンフィルも入っているのか?」

ギュランドロスの言葉を聞いたリウイは目を細めてギュランドロスに尋ねたが

「おいおい、何おかしな事を言ってんだ?俺達は”友”だろうが。何故、”友”の国を支配しなくてはならない?それに時代を変えるという事は当然、お前達―――異種族達が俺達”人間”と共存していく世界へと変えるという事だぜ?ガッハハハハハッ!」

ギュランドロスは意外そうな表情で答えた後、豪快に笑いながらリウイに背中を何度も叩いた。

「……………やれやれ……………シルヴァン達が国を継ぎ、俺達は隠居の身で国を見守るつもりだったが………俺とイリーナが誓った”覇道”に………メンフィルの理想に近づく事ができるのなら、動いてもいいかもしれんな……」

ギュランドロスに叩かれたリウイは溜息を吐いた後静かな表情で呟き、そして静かな笑みを浮かべて呟き

「――――いいだろう。お前達が本当にこのクロスベルを治める立場になることができれば、メンフィルはお前達の盟友となってやろう。お前のその夢物語のような”覇道”を現実にする事ができるのか………見たくなって来た。」

「なっ!?」

「ええっ!?」

「おいおいおいおい………!メンフィル帝国がクロスベルの同盟国なんかになったら、とんでもない事が起きるぞ!?」

リウイの答えを聞いたロイド達は驚き

「おおっ、さすが俺とヴァイスの”友”だ!話がわかるじゃねえか!ガッハハハハハッ!!」

「やれやれ………生まれ変わっても無謀としか思えない状況で遥か高みを目指すのか………だが、それでこそやりがいがあるというもの………!」

ギュランドロスは嬉しそうな表情をした後豪快に笑い、ヴァイスは苦笑した後、好戦的な笑みを浮かべた。するとその時



「貴様ら―――――――――ッ!よくも………よくも”グノーシス”の効果を消すという事をしてくれたな!!」

誰かの怒鳴り声が聞こえた後、一人の警備隊員がIBCの破壊されたゲート前まで近づいた。

「ロギンス………!?」

「いや………ヨアヒムだ!テメェ、何しに来やがった!?」

警備隊員を見たミレイユは目を見開き、ランディは目を細めて否定した後警備隊員―――ヨアヒムを睨んだ。

「”グノーシス”を穢した貴様らは絶対に許さん!全員、嬲り殺しにしてくれる!!」

一方睨まれたヨアヒムは殺気を纏わせてロイド達を睨んで叫んだ後、片手を上げた。すると警備隊員や悪魔の軍勢が近づいてきた!

「な、なんて数………!」

「おい、ミレイユ!ベルガード門の連中は全員で何人いるんだ!?」

近づいて来る軍勢を見たエリィは目を見開き、ランディは軍勢を睨みながらミレイユに尋ね

「…………ベルガード門に務めている警備隊員は全員で約700名よ……」

尋ねられたミレイユは苦々しい表情で答えた。

「ハハハハハッ!いくら”英雄王”がいた所でこの数は覆せまい!大人しく嬲り殺されるがいい!」

そしてヨアヒムは醜悪な笑みを浮かべて大声で笑ったが

「フ………”たったそれだけ”で俺達に勝てると思っていたのか?所詮は研究者。戦力の分析もまともに出来ないようだな。」

「何!?」

嘲笑したリウイの言葉を聞き、リウイを睨んだ。

「――――ロイド・バニングス。」

「は、はい。」

そして突如リウイに名を呼ばれたロイドは戸惑いながらリウイを見つめ

「奴等全員を叩き潰せば、この場は俺達の勝利だ。守るべき者の為に全力で戦え。来い―――マーリオン!」

「はい!」

上位水精―――モリガン・モルガナ種のマーリオンを召喚したリウイの言葉を聞いて頷き

「フフ、エリィさん達と共に戦う日が来るなんて思いもしませんでしたよ。来て――――ペルル、フィニリィ、アムドシアス!」

プリネはエリィ達に微笑んだ後自分の使い魔である鳥翼族の娘―――ペルル、妖精族の中でも王族種の妖精であるフィニリィ、ソロモン72柱の一柱、”一角候”アムドシアスを召喚し

「ミレイユ、お前は下がってろ!」

ランディはミレイユに警告し

「………悔しいけど、病み上がりの私じゃ、貴方達の足手纏いにしかならないから、下がっておくわ。………けど無茶はやめてよ、ランディ。」

ランディの警告を聞いたミレイユは悔しそうな表情をした後ランディに忠告した後、後方へと下がった。

「―――ギュランドロス。見せてもらうぞ、お前が誇る”六銃士”の力とやらを。」

そしてリウイは不敵な笑みを浮かべてギュランドロスに視線を向け

「おうよっ!俺も見せてもらうぜぇっ!お前が持つ”天賦の才”を!ガッハハハハハッ!わざわざこんな良い舞台を用意するとはな!感謝するぜぇ、三下!!」

視線を向けられたギュランドロスは頷いた後、豪快に笑い、好戦的な笑みを浮かべてヨアヒムを見つめ

「なっ!?”教団”の中でも司祭であるこの僕を三下だと!?殺せ――――――――ッ!”グノーシス”の力を思い知るがいい!」

見つめられたヨアヒムは驚いた後、ギュランドロスを睨んで叫んだ。

「あはは!面白くなって来たじゃない!さあ――――行くよっ!!」

そして嬉しそうな表情で笑ったパティルナの言葉を合図にリウイ達は戦闘を開始した!



こうしてロイド達は異世界の”英雄”達と共に猛反撃を開始した………!





 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧