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英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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第103話

補給を終えたロイドが1階で買った飲み物を飲み終わるとロイドのエニグマが鳴りはじめたのでロイドは通信を始めた。



~夜・IBC~



「はい、特務支援課、ロイド・バニングスです!」

「ああ、私だ。ディーター・クロイスだ。すまない、警察本部からの連絡あたりと勘違いさせたかな?」

「い、いえ………もしかして、どこかと連絡が取れたのでしょうか?」

「いや、残念ながらまだだ。実は、ゲート前の警備員から気になる報告があってね。休憩中に悪いが、私の部屋まで来てくれないだろうか?」

「わかりました。すぐに伺います。」

そしてロイドは通信を終え

(警備員からの報告……嫌な感じがするな。一応、装備だけでもちゃんと確認しておこう。)

真剣な表情で考え込んだ後、装備を確認し、ディーターがいる部屋に向かって入った。



「―――失礼します。」

「ロイド……!」

「おお、来てくれたか。」

「一体、何があったんですか?」

「ああ、警備隊の隊員が2人程ゲート前に来たらしい。」

「それで……!?」

ディーターの話を聞いたロイドは表情を厳しくして尋ねた。

「今の所、攻撃する事もなく留まっているだけみたいですわね。まあ特殊合金製のゲートですから突破も難しいでしょうけど。」

「そうですか…………俺達がここにいるとバレた可能性は高そうだな。」

「……ええ………」

マリアベルの話を聞いたロイドは推測し、エリィは頷いた。

「……失礼します。」

するとその時、ティオとランディが部屋に入って来た。

「ティオ、ランディ。」

「何でも警備隊員がゲート前に来たらしいな?」

「ああ、今の所、何もしていないみたいだけど………」

ランディの確認にロイドが答えたその時、ディーターの傍にある通信機がなり、ディーターは通信を始めた。



「―――私だ。………なに……ふむ………ふむ……………………なんだと?」

(………どうしたんだ………?)

(嫌な予感がするわね……)

どこかと通信をして眉を顰めているディーターを見つめていたロイドは厳しい表情をし、エリィは考え込んでいた。そしてディーターは通信を切ってロイド達に言った。

「………ゲート前の警備隊員が妙なことをし始めたらしい。円筒状の装置のようなものを設置しているとの事だが……」

「まさか……」

「指向性の導力爆弾か!?」

ディーターの話を聞いたティオは表情を厳しくし、ランディは叫んだ。

「な、なんだそれは!?」

「軍隊で使われている破壊工作用の導力爆弾だ!」

「特殊合金製のゲートでもさすがに保たかないかと………」

「そんな……」

「くっ、そんなものが………」

「……操られているくせに知恵が回りますのね。」

ランディとティオの説明を聞いたエリィは驚き、ディーターは唸り、マリアベルは厳しい表情で呟いた。

「……―――仕方ない。ランディ、打って出よう。」

そしてロイドは考え込んだ後提案し

「ああ………それしか無さそうだな。」

ロイドの提案にランディは頷いた。



「ロイド君……!?」

「あなたたち………無駄死にをするつもり!?」

2人の会話を聞いたディーターは驚き、マリアベルは厳しい表情で尋ねた。

「いや、その導力爆弾の設置を妨害するだけです。」

「ま、そのまま小競り合いになっちまう気はしますけど。」

「勿論、私達も行くわよ。」

「メンバーとして当然です。」

「ああ………サポートは頼んだ!」

「エリィ、ティオさん………」

エリィとティオの言葉を聞いたマリアベルは真剣な表情で2人を見つめ

「ふふっ………これが私の仕事だから。」

「……心配ご無用です。これでもそれなりの修羅場は潜ってきましたから。」

見つめられたエリィは微笑み、ティオは静かな表情で答えた。

「無論、俺達も無駄死にするつもりはありません。警察本部か副司令の部隊か……応援が来るまでの辛抱ですから。」

「ゲート前なら地形の利もある。ま、俺達に任せて下さいよ。」

「………わかった。女神(エイドス)の加護を―――くれぐれも気を付けたまえ!」

そしてロイド達は総裁室を出て、エレベーターに向かおうとしたが、その時マリアベルの私室からキーアが出てきた。



「あれー?………ロイド達、どこ行くのー?」

「キーア……」

「はは……ちょいとお仕事でな。」

「ふぅん。キーアも付いてっていい?」

ランディの話を聞いたキーアは無邪気な笑顔を見せて尋ねたが

「そ、それは………」

「………えっと………」

エリィとティオは言い辛そうな表情になって言葉を濁し

「……だめだめ。子供はもう寝る時間だろう?シズクちゃんだってちゃんと寝てるんだから―――」

ロイドはキーアをいさめた後話し続けた。するとその時シズクがキーアの背後に現れた。

「シズクちゃん……」

「……起こしちまったか。」

シズクを見たエリィは驚き、ランディは溜息を吐いた。

「ご、ごめんなさい……目が覚めてしまって……」

「いや……うるさくしてゴメンな。―――マリアベルさん。2人のことを頼みます。ちゃんと寝かせておいてください。」

謝るシズクにロイドは微笑んだ後、自分達を見送りについてきたマリアベルに言った。

「……ええ、わかりましたわ。―――さあ2人とも。ココアでも淹れてあげますわ。暖かくしてお休みなさい。」

「え、え……」

「………………………」

そして戸惑うキーアと黙り込んでいるシズクはマリアベルに押されるかのように、マリアベルの私室に入り、ロイド達はエレベーターに乗って降りはじめた。



「………………」

「絶対に……守らないとね!」

「……はい……!」

エレベーターが下に向かっている間ロイドは静かな笑みを浮かべて黙り込み、エリィの言葉にティオは力強く頷いた。

「一応言っておくが……クロスベル警備隊は精鋭だ。操られているとはいえ、薬の影響も馬鹿にはならねぇ。しかも悪魔共も来る可能性がある。多分、今までで一番、厳しい戦いが待ってるはずだ。」

「ああ……わかってる。俺達のチームワークが試されるってことだな。―――みんな、それぞれ契約している人達を呼んでくれ。戦力の出し惜しみをする必要はない。―――ルファ姉、ギレゼル!!」

ランディの警告に頷いたロイドはエリィ達に指示をした後ルファディエルとギレゼルを召喚し

「ええ。―――お願い、メヒーシャ!」

続くようにエリィはメヒーシャを召喚し

「来てください。―――ラグタス、ラテンニール!!」

ティオはラグタスとラテンニールを召喚し

「位相空間にアクセス………”ケイオスハート”召喚……!」

さらにテスト用に普段使っている魔導杖とは比べものにならないくらいの威力を持つ”最強”の魔導杖―――”魔杖ケイオスハート”を召喚して、普段使っている魔導杖を仕舞った後装備し

「来い―――エルンスト!」

ランディはエルンストを召喚した!

「ルファ姉、ギレゼル、メヒーシャ、ラグタス、エルンストは主に悪魔達の相手を頼む。特に空からの侵入は絶対に阻止してくれ!」

「わかったわ。」

「おう!」

「ああ!」

「うむ!」

「ククク………面白くなってきたじゃないか!!」

ロイドの指示にルファディエル達は頷き、エルンストは好戦的な笑みを浮かべた。

「ティオ………ラテンニールの”魔神”としての力……頼りにさせてもらってもいいか?」

ルファディエル達に指示をし終えたロイドはティオに視線を向け尋ね

「わかりました。――――ラテンニール。貴女は私達と共に警備隊と戦って下さい。………ただし、絶対に殺さないように。」

尋ねられたティオは頷いた後、ラテンニールに指示をし

「オう!」

指示をされたラテンニールは意気揚々と頷いた。

「――まずは導力爆弾の撤去。そのままゲート前で隊員や悪魔達の突入を阻止する。女神達の加護を!くれぐれも気を付けてくれ!」

「おおっ!」

「ええ!」

「はい………!」

その後ロイド達は1階に降りた。その頃、警備隊員達は円筒状の物体をゲート前に設置し終えた。するとその時、ゲートが開き

「させるか!」

「ヒャッホー!」

ロイドとランディが強襲して警備隊員達を吹っ飛ばした!吹っ飛ばされた警備隊員達は立ち直った後武器を構え、ロイド達に襲い掛かった!



こうしてIBC防衛戦が始まった……………!


 
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