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戦姫絶唱シンフォギア~海神の槍~

作者:紡ぐ風
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EPISODE6.戦士の休日

「それじゃあ、私たちの世界でいうところのフィーネにあたる偉い人なんだね!」
美冷の一言で、物語は動き始める。

「それじゃあ、みんなが集まったところで、もう一度自己紹介をします!」
「いや、実はもう一人いるんだが─」
「キョウヤ、知っているよ。だって私あの場にいたもん。」
「じゃあなんで参加しなかった!」
キョウヤは美冷を小突く。
「だってぇ、地球の装者のことをしりたかったんだもん!」
「まあ、あいつには俺の方でしっかり説明するから、美冷はみんなに自己紹介だ。」
「ふ~ぃ、とりあえず。私の名前は鈴 美冷。ノースガルドにある字の国出身の16歳。ここに来て一番の感想は、中華饅頭が美味しかった事です!」
「まったく、美冷はいつも食い意地がはっているな。でも、そういうところも可愛いけど。」
「キョウヤったら、人前で恥ずかしいよ~。」
キョウヤと美冷はじゃれあっている。
「………コホン」
緒川がその状況に小さく咳き込む。
「ごめんなさい!自己紹介の途中でした。使用する聖遺物は青龍偃月刀で、普段はこのバングルの中に入っています!」
「翼の天羽々斬と同一のパターンか。」
「てゆうか、私達の世界でもこれが普通でキョウヤが特殊なだけです。」
「そうなのか。」
「そ・れ・か・ら♪、さっきキョウヤが言ったから知っていると思いますが、私はキョウヤの婚約者なのだぁ!」
「その歳で!?」
友里オペレーターは驚く。
「だって、私達の世界はノイズが襲って来るようになってからだんだんこうなって来ましたよ。何時ノイズに襲われるか解らないし。」
「そうだったな。ところで、キョウヤ君がこちらに来てから変わった事は?」
「観測上では、キョウヤの倒したノイズはこっちに転送されて来ていないからフィーネの推測は正しかったみたい。」
美冷は弦十郎の質問に答える。
「ところで、そのフィーネって人の事、詳しく教えてくれないかしら?」
「うん!フィーネは─」
「待て、美冷!フィーネの事は俺達の重要機密の筈だ!」
了子の質問に美冷は答えようとするが、キョウヤは制止させる。
「えぇぇ~、こっちも色々教えたんだし、それくらい教えてくれても~。」
それでも了子はしつこく質問する。
「色々ねぇ。でも、通信機に盗聴器が仕組まれていてこちらの情報が筒抜けなのは、教えてくれなかったよな。」
それに対してキョウヤは少し前に破壊した盗聴器を見せる。
「何ッ!俺はそんなモノを仕込んだ覚えは無いぞ!」
「あぁ~、だから破壊しても怒られなかったのか。でもさ、やっぱりここの管理体制はかなり杜撰だね。」
「申し訳なかった。至急、今回の件について調査しよう。」
キョウヤは弦十郎に盗聴器の件を話し弦十郎はこの件を一つの案件として調査するこのを話す。
「あの~、私の自己紹介は?」
「ああ、済まない。続きを頼む。」
「それから、これはキョウヤに伝言だけど、今から五日後、私達のチームが集結するよ。」
「本当かッ!」
「もちのろん!」
「マジか!熱いな、この展開!燃えてきた~!」
キョウヤは一人、テンションをあげる。
「もぉ、キョウヤはいつもそうなんだから。」
「悪いか?」
「ううん、キョウヤのそういうところも好きだもん!」
「あの、あなた方のチームが揃うというのは?」
キョウヤと美冷がじゃれている中緒川が質問する。
「それについては俺の方から説明しよう。ノースガルドではシンフォギアの装者は三人一組のチームで行動をするんだ。俺達も当然チームで行動していた。俺と美冷、そして最後の一人は俺の姉さん、フォルテ・タカナリだ。姉さんが来てくれるとなると安心出来る。」
「安心出来る人材なのか?」
「当然だ。姉さんの使う聖遺物は白盾、最強の盾だ。」
「なるほどな。」
キョウヤの説明に弦十郎は納得した。
「さて、堅苦しい事はこれぐらいにして、歓迎会を楽しもうではないかッ!」
そして、弦十郎はそういい鈴 美冷の歓迎会を開始する。
「わ~い、ご飯だ!」
響はいきなり猛ダッシュで食事に手をつける。
「おっ、私と勝負?負けないよ!」
美冷も負けじと食事に手をつける。
「…若いってすごいな。」
弦十郎は呆れている。
「オッサン、あの二人が異常なだけだ。俺は普通だぞ。てか、あの二人には胃袋に掃除機でもついているんじゃないのか?」
キョウヤが呆れていると、
「「女の子に失礼だよ!」」
響と美冷からキックをくらう。
「これは、キョウヤ君に責任があるぞ。」
「だよね~。」
「あれ?司令、了子さんは?」
その中で緒川は弦十郎に質問した。
「そう言えば、どこへ行ったのだろう。」
「司令、了子さんなら、用事で先程出て行きましたよ。」
弦十郎が疑問に思っていると、友里オペレーターから答えが返って来た。
(用事?それにしても、何故オバハンはフィーネの事を聞きたがっていたのだろう?それに、フィーネという名前に違和感を覚えず話に入って来た。これは一度調べてみる必要があるな。)
「響ちゃん、ここらへんで一番本が多い図書館って解る?」
キョウヤは了子の行動に疑問を持ち、響に質問した。
「あ、はい。でもどうして?」
「歓迎会が終わったら連れて行って欲しいんだ。調べたい事があるんだ。」
「あ、はい。解りました。」
「ありがとう。」
「ちょっと!婚約者を蔑ろにして自分はデート?」
「美冷、違うって!今回の事件とこの世界の二年前に起きた事件、その手掛かりが見つかるかもしれないんだ!」
「キョウヤ、それ本当ッ!?」
「そうじゃなきゃ言わないよ~。」
「良かった。それじゃ、頑張ってね~。」
「ああ、任せておけ。」
キョウヤは美冷の髪をもふもふ触りながら言った。
「それじゃ、私はこっちでみんなと話しているから、キョウヤは響と行ってらっしゃい。」
「ありがとう。響ちゃん、今から大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。」
「それじゃオッサン、響ちゃん借りて行くね。」
キョウヤは響と共に出て行った。

「それで、どこらへんにあるんだ?」
「この近くに、結構有名な大図書館があるんです。」
「本当か?」
「はい、ほら着きました。」
「おお~。」
キョウヤと響は話しながら歩き、二人は大図書館にたどり着く。
「それじゃあ、僕は調べる事が結構あるから響ちゃんは外で適度に時間を潰していてくれる?」
「はい、解りましたッ!」
キョウヤは一人、大図書館に入って行った。

「神話の研究本はここの一帯か。」
キョウヤはある程度歩き、神話のコーナーを調べている。
「さーて、まずはこいつから行くか。」
キョウヤは『バベルの塔の正体』というタイトルの本を取り出し、読み始める。
「フィーネの言っている塔はこれと考える方がいいんだよな。」
キョウヤは『塔と信仰』の項目を読み始める。
(なるほど、こちらの世界では建造物は信仰の証というわけか。なら次は。)
キョウヤは次に『世界の穢れ巫女大全』を手にとる。
(これはフィーネ自身も言っていたからな。あの時は一時の迷いで民を苦しめた。と後悔していたみたいだし。)
キョウヤは本の中の『紀元前編』を調べる。
(あった。大淫婦バビロン、改革的宗教における巫女であるが、その信仰故に信者を堕落させる者。なるほど、これがフィーネの由来か。堕落を終わりとかけるとは、なかなか芸達者だな。)
キョウヤは本を戻し、次にノイズに関するコーナーに向かい、『ノイズ発生学』を取り、読み始める。
(ほう、ノイズは先史文明期の遺産である事はこちらでもある程度解明されているのか。それさえ解れば!)
キョウヤは本を戻し、再び神話のコーナーに戻り、『魔術と錬金術』を取り出す。
(なるほどな、シンフォギアがノイズと戦えるのは同じ技術が使われていると思う方がいいのか。)
キョウヤは本を閉じて歩くと、
『キョウヤ君、ネフシュタンの鎧の反応が出た!至急響君と向かってくれ。』
「はいよ。今すぐ向かいまぁす。」
キョウヤは通信機で弦十郎の指示を聞き響と共に反応の出た公園に向かった。


戦姫絶唱シンフォギア~海神の槍~
つづく 
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