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とある科学の観測者

作者:kyua
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ジャッジメント

ジャッジメント

「どうしてこうなった・・・」

俺は女子中学生をお姫様抱っこしながら考える。
目の前には屈強そうな男性3名。
ギンギラギンな瞳とナイフをこちらに向けている。

5時間前――

施設で能力の検査を受け2週間が経過し、検査結果が
家に届いた。
結果「今後も要調査」
とのことだ。

分からなかったとはいえ、一つだけ確実な事は自分の
超能力が発現したという事。
正直コレだけで十分だ。
とりあえず現状はレベル0のまま。しかし能力が発現した。
これから上げていくことだって可能だろう。

今日は土曜日。特にやる事はないが未だに気分が良いので
散歩に出ることした。
(これが全ての現況だ・・・)

「さて、今日も外食といくかー」
口から少し気持ちを漏らしつつあるいていると

ヒュー・・・パン!

音と共に周りの人たちが「非難だー!」といいこの場を後に
していく。
この音は『ジャッジメント』という治安維持組織の非難信号だ
何かしらの騒動や事件があった際に一般人を逃がす音。

俺は急いで逃げようとしたその時――
目の前が真っ暗になる。そして頭に重みを感じそのまま仰向けに
倒れた。

「っつー・・・、なんだ?」
未だに目の前は真っ暗。相変わらず頭が重い。

「あら、申し訳ございません。」
頭の上から声が入ってくる。そして重さがひいていく。
頭から重さが消え去り、光が目はいり現状がとてつもない衝撃を
与えてくる。

そう。俺も上には黒のパン――。もとい仁王立ちの女の子がいた。

「な、なな、なにでbhらlrsf!!」
俺は急いで場所を移動し立ち上がる!

「ごめんあそばせ、テレポートの位置にずれがあったみたいですの。」
お嬢様の様な口調で話しを続けるその女の子は、この学園都市の名門中学校
『常盤台中学』の制服をきたポニーテールに縦ロールな子だった。

「非難信号に気が付きませんでしたの?」
「いや、気づいていたけど――」

「なんだお前ら!!」
急に目の前には5人の体格の良い男性が現れた。

「ジャッジメントですの。あなたたちの持っているそのリュックを回収させて
いただきます。」
女の子は右腕の腕章を見せつけながら言い切る。

「女が!調子にのるんじゃねぇ!!」
2人の男性が少女に殴りかかる!
しかし少女はこぶしが当たる寸前に姿を消し、残った3人の男が持つ
リュックのすぐ横に移動していた。

「なんだ!クソッ!」
1人の男が殴りかかるが、女の子はリュックに触れ再びテレポート。
俺を含め男6人が女の子をきょろきょろと捜していると、最初に殴りかかった
男2人に上からドロップキックを決める。
そのまま男2人はダウン。

「す、すごいなジャッジメント・・・」
俺は心からの言葉を口から漏らす。

しかし女の子はリュックを抱え倒れこんでしまう。

「お、おい!どうした!?」俺はあせって声をかける
「体調が優れませんの・・・、少々お待ち下さい。すぐ終わりにしますので。」
強気な言葉を発しているがうまく動けないようだ。

「な、なぁとりあえずお前のテレポート?で逃げないか?」
「・・・、分かりました。私の手を持ってください。」

俺は促されるまま手を握る。
その瞬間景色が消えたかと思うと、すぐに路地裏の景色が目の前に現れる。

「申し訳ありません。私の現在の状況だとここまで下正確に移動することが
できませんでした。あなたは逃げてください。」
女の子はリュックを抱えている。

「「クソッ!どこ得消えやがった!」」

先ほどの男たちの声がする。それほど離れた位置に移動できたわけではないようだ。

「ちょっと待ってろ!」
俺は女の子からリュックを引き離し、背中に背負う。
そして女の子を俗に言うお姫様抱っこで持ち上げる。

「あ、あなた何を・・・」
「とりあえず逃げるぞ!」
それから俺は女の子を抱え逃げ回った・・・

現在――

(そして今にいたる・・・)

「リュックをこちらへ渡せ!」
男の1人が声を荒げ俺に迫ってくる。

「えーっと、話しあいましょう?同じ日本人で同じ言語じゃないですか~。
きっと分かりあえますって!!」
「うるせー!」
男は俺に駆け寄ってくる!

俺は能力を使う。殴られる位置、方向を情報から解析し交わす。
そしてそのまま腹部に頭突き。

「うっ・・・。てめぇ!!」
どうやら火に油。さらに激情を買ったようだ・・・

再び男が俺に駆け寄ろうとしたその時、急にその男の頭上からゴミ箱が落下し
直撃。男はダウンした。
状況が分からず俺と男2人はあたりを見回す。

「今逃げるなら、逃がしてあげるわよ?」
声のするほうに視線を向けると、底には一風変わった女の子が立っていた。
さらしで旨を巻き、ブレザー?学ランを羽織っている。

「何だてめぇ!やんの――」
女の子に向かって殴りかかろうとした男は、今度は車の下敷きになっていた。

「ぐっ!」
残っていた男がうめき声を上げる。
目を向けると、頭に花瓶が落下し直撃したようだ。

「えっと・・・。ありがとう?」俺はとりあえずお礼を伝える
「上からの命令だから。あなたには死んでもらっては困るの」
「上?君はどこのどなたなんでしょうか・・・?」
「ふふ、名前だけ名乗ってあげるわ。 結標 淡希 よ。」
「結標は何で俺達を助けてくれたんだ?」
「さっきも言ったけど、上からの命令で あなた を助けたのよ」
「そ、そうか。とりあえずありがとう」
「えぇ、その子今は気を失っているのね」
「え?あぁ、すごい熱で逃げてる途中で寝ちまったみたいなんだ」
「そう。目を覚ましても私の事は言わないでね。」
「なんで?」
「色々 あるのよ。じゃあね」
結標は歩いて去っていってしまった。

「な、なんだったんだ・・・」

サイレンの音が聞こえ『アンチスキル』が大人数であらわれた。

アンチスキル。こちらも治安維持のための組織。というより部隊だ。

「大丈夫だったじゃん!?」
「あ、はい。なんとか」

「うっ、うぅ・・・」
女の子が目を覚ました。

「大丈夫か?」
「あなたは・・・、大丈夫でしたのね。」
「あぁ、なんとかな。その辺にある物を投げたり、利用したりしながら逃げたさ」
「・・・車を投げたんですの・・・?」
「え、いやあれは運転手が酔っ払い運転で引いて逃げていった~・・・ような・・・」
「なにはともあれ大変ご迷惑をおかけしましたわ。」
「いや、大丈夫だ。お前こそ体大事にしろよー」
「おまえ ではありませんの。白井 黒子ですわ」
「白井か。しっかり体調直せよな」
俺の言葉を聴き、また眠りに落ちてしまったようだ。

「黒子ーー!!」

大声で白井の名前を呼びながら 短髪の女の子 が駆け寄ってい来る。

「黒子!大丈夫!?」
「寝てるだけだから大丈夫だぞ。」
「そっか・・・。」
短髪のその子はここから安堵の表情を浮かべる。

「ところであなたは?」
「あぁ、桐原 瞬だ」
「黒子を助けてくれたのね。ありがとう」
「いやいや、ほぼ にげる コマンドしか使ってないから」
俺は笑ってみせる。

「おい、少年!一応あんたも病院に送っていくじゃん!」
「あ、はい。お願いします。」

そのまま白井と同じ救急車で病院へと向かった。
社内で再度白井が目を覚まし名前を聞かれたので、自己紹介をしておいた。
白井はウイルス系の病気で、高熱が出ているだけで1週間掛からずに回復できるそうだ。

 
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