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詩集「棘」

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会えない君の名前を呼んだ



願いなんて叶わない…
ずっと…そうだったから…

淋しさ映す露の空
涙零して想いを濡らし
溢れ出す愛しさ抱く…

軒下に吊るされたてるてる坊主
晴れ間も見えず泣いている…

会えない君の名前を呼んだ
空高く想いを放ち…
たとえ今日が失われても
遠い明日で巡り会うため…


返らぬ言葉待ち続け
時間は重く心は荒み
切なさに涙が流れ…

虚ろげに空を見る紫陽花の花
涙(アメ)はまだまだ上がらずに…

会えない君の名前を呼んだ
今の哀しみ消すように…
夕闇を照らす月影は
久しく見えず立ち尽くすだけ…


会えない君に思いを馳せて
恋い焦がれ求め彷徨い…
そぼ降る想いに溜め息を
ついては返す胸の痛みよ…

会えない君の名前を呼んだ
暗き空 夢はうつろい…
たとえ明日に流されても
遠い未来で巡り会うため…

叶わぬ願い…抱いて歩く…



 
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