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英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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第92話

同日、17:00――――



~夕方・特務支援課~



「「「「……………………………」」」」

キーアとシズクがおしゃべりをしていたその頃、ロイド達は黙ってヨアヒムの連絡を待っていたが

「だああっ!遅い、遅すぎんだろ!?あの先生、午後には連絡をくれるんじゃなかったのか!?」

ついにランディが我慢しきれず叫び

「病院の受付に連絡したらどうやら研究室に閉じこもって熱心に調べているらしいけど……」

「薬の成分の解析に手こずっているのかもしれません。………もしくはルファディエルさんの推測通り彼が創っていた張本人で言い訳を考えているとか。」

「……確かに考えられなくはないな………」

エリィは呟き、ティオは呟いた後真剣な表情になり、ロイドは頷いた。するとその時セルゲイから課長室から出てきた。

「なんだ、まだ例の先生からの連絡はないのか?」

「ええ、何でも調査に熱中して研究室に閉じこもっているみたいです。こうなったら直接、出向いた方がいいかもしれません。」

「ふむ、そうかもしれん。被害者が出ている以上、薬の成分を確かめておきたい所だ。ギルドからの連絡は任せて急いで行って来るといい。………くれぐれも気を付けておけよ。その例の先生が教団の残党かもしれねぇ話なんだからな。………セティ達もそろそろ起きてくる頃だろうから、起きてきたらあの4人にも今までの経緯を説明して薬の成分を調べるように頼んでおく。」

「すみません。よろしくお願いします。」

「そんじゃ、とっととバスでウルスラ病院まで行くとすっか。」

その後ロイド達はウルスラ病院に行く為にウルスラ病院へ行くバスの南口のバス停に向かった。



~南口~



「あれ………けっこう並んでるな?」

「この時間にしては珍しいわね。」

バス停まで来たロイド達はバス停に並んでいる人達を見て不思議そうな表情をした。

「……おかしいですね。ちょうど5分前に前の便が出たばかりのはずですが………」

「そうなのか?」

「ふむ………」

ティオの説明を聞いたロイドは首を傾げ、ランディは考え込んだ後、バス停の前に並んでいる人達に近づき

「よう、そこの兄さん。ひょっとしてバスが遅れてんのかい?」

バス停に並んでいる青年の一人に尋ねた。

「ああ、そうみたいだな。俺も20分くらい前から待ってるんだがなかなか来なくてっさ。困ったな………面会時刻を過ぎちまうよ。」

「そっか……」

青年の話に頷いたランディはロイド達の元に戻って行った。

「やっぱ遅れるみてぇだな。」

「ひょっとして………またエンジントラブルかしら?」

「その可能性はありそうですね。」

ロイド達が話し合っていたその時、ロイドのエニグマが鳴りはじめた。

「はい、特務支援課、ロイド・バニングスです。」

「ダドリーだ。そちらの状況はどうだ。」

「ああ、お疲れ様です。遊撃士協会の協力は無事、取り付ける事ができました。」

ロイドは通信相手―――ダドリーにクロスベル支部の遊撃士全員がマフィアと行方不明者達の捜索を引き受けてくれ、さらにエステルとミントの護衛部隊のメンフィル兵達も今夜中に到着して捜索に加わってくれることを説明した。

「フン……マクレインや”ブレイサーロード”達に借りを作ったか。まあいい、連中ならば何らかの成果は挙げるだろうし、100人も捜索する人数が増えれば行方不明者達を見つける確率がかなり上がるだろう。―――こちらはようやく、マフィアどもの姿が消えた事実に上の連中が騒ぎ始めたところだ。だが、まともに動けるにはもう少し時間がかかるかもしれん。」

「了解しました。そういえば――――今、空港近くにいるんですが爆破予告の方はどうなりましたか?」

「フン、そちらは完全にガセだった可能性が高いな。最新の導力探知器で空港内をくまなく調べたが何も出てこなかった。」

「やはりマフィアの動向と何らかの関係が……?」

「今、その線も探ってる。―――ちょっと待て、空港の近くにいるそうだが………まさかそちらの方にまで首を突っ込むつもりなのか?」

「いえ、実はこれからウルスラ病院に向かうんです。成分調査の連絡が遅れているので直接訪ねてみようかと。」

「なんだ、まだ聞いていないのか?まったく、これだから新米は。その手の連絡は、正確な時間を決めて迅速にだな………」

「す、すみません。(確かにアバウトだったな………)」

「薬の成分が明らかになればこちらも上を動かしやすくなる。………まあ、その薬を調べている医師というのが今回の事件の容疑者としてかなり怪しいから悟られないように警戒だけはしておけ。」

「あ………はい。そういえば………関係はないと思うのですが………」

「なんだ、言ってみろ。」

「ウルスラ病院へ行くバスがまだ戻ってきていないそうなんです。何でも既に待っている方達の話では20分以上遅れていると。」

「何だと?全くバス会社は何をやっているのだ……………………………まて、ウルスラ病院行きだと?」

「はい。……………………………」

「…………………………………」

ダドリーと通信をしていたロイドはある事に気付いてダドリーと共に黙り込み

「……とにかく、今から徒歩でバスの状況を見てきて、そのままウルスラ病院に向かいます。」

「ああ、そうしろ。とにかく時間は有効に使え。それと念の為にウルスラ病院とも連絡を取って見ろ。―――またこちらから連絡する。」

そしてロイドはダドリーとの通信を終えた。

「…………エリィ。ウルスラ病院と連絡を取ってみてくれないか?ダドリー捜査官にバスの件を話してみたんだけど、病院と連絡を取って見た方がいいって言っていたし………………もし、ルファ姉の推測通りヨアヒム先生が教団の残党で今回の事件を起こしたのだとしたら………」

「!まさかバスが遅れている理由も………」

「チッ………かなりヤバイかもしれねぇな。」

ロイドの話を聞いたティオは驚いた後真剣な表情をし、ランディは舌打ちをし

「わかったわ。病院の受付に確認してみるわね。あれからヨアヒム先生がどこかに出かけていないか―――……………………」

エリィは頷いた後エニグマで通信をしたが、コール音が続くだけで誰も出なかった。

「……駄目、出ないわ。話し中というわけでも無さそうだけど……」

エニグマで通信を止めたエリィはロイド達に報告した。

「―――遅れているバスに連絡が付かない病院……そしてヨアヒム先生の教団の残党疑惑……」

「さすがにちょいとばかり、お膳立てが整いすぎてねぇか?」

「ああ――――じきに日も暮れる。急いでウルスラ病院に向かおう。バスとすれ違ったら呼び止めてそのまま乗せてもらえばいい。」

「ええ………!」

そしてロイド達はウルスラ病院に向かって、街道を進み始めた。



「やれやれ…………ようやく狭い飛行船の中から解放されたか。」

ロイド達が街道を進み始めて30分後、紫がかかった銀髪の男性が女性達と共に空港から出てきて溜息を吐き

「何でも爆破予告があったそうですが……予告は結局嘘だったそうで怪我人がいなくて本当によかったです………」

男性と共に空港を出てきた清楚な雰囲気を纏った蒼髪の女性は安堵の溜息を吐き

「ウィル様やセリカ様、プリネ達ももうすぐ空港から出てきますが……いかがいたしましょう?」

修道服を着た夕焼け色の髪をした女性は隣の金髪の女性や銀髪の男性に尋ね

「プリネ達には先にホテルに向かうように言ってあるし、ウィル達は娘達に会いに行き、セリカとレシェンテはエステル達と会う約束があるそうだ。俺達はこのままセシルに会いに行くぞ。」

「ええ。フフ………セシルったら、きっと驚くでしょうね。私達やティアが会いに来たのですから。ティアも楽しみにしていたのでしょう?」

「はい。資料でどんな方かを確認しましたし、通信で話した事もありますけど……顔を合わせるのは初めてです。フフ、ようやく生まれ変わったお母様に会える………こんな嬉しい出来事、初めてです。」

尋ねられた男性は答え、男性の言葉に頷いた金髪の女性は微笑んだ後、蒼髪の女性に視線を向け、視線を向けられた蒼髪の女性は微笑んでいた。

「………あの、リウイ様。少し気になる事があるのですが………」

その時、金髪の女性の容姿によく似た金髪で黒を基調とした服を着た女性が男性に申し出

「なんだ?」

「その………ウルスラ病院の方角から”魔”の気配が感じるのです………それもかなり強く。」

「何?………………」

女性の話を聞いた男性は眉を顰めた後、ウルスラ病院の方向を見つめてしばらくの間黙り込み

「……どうやらそのようだな。イリーナ、ペテレーネ、ティア。お前達も感じたか?」

真剣な表情で呟いた後、金髪の女性や夕焼け色の女性、蒼髪の女性に尋ね

「はい。………確かに感じます。とてつもない”魔”の気配を。」

「そんな……前に来た時は感じなかったのに……」

「……一体何が起こっているのでしょう………?」

尋ねられた金髪の女性は頷いた後真剣な表情になり、夕焼け色の髪の女性は驚き、蒼髪の女性は不安そうな表情をした。

「………バス停に並んで待っている多くの者達も気になるな。ウルスラ病院に向かうバスは頻繁に来ていると聞いていたが………―――エクリア。」

「はい。」

男性に言われた金髪の女性は頷いた後、バス停の前に並んでいる人達に近づき

「すみません。もしかしてまだバスは来ていないのですか?」

バス停に並んでいる青年の一人に尋ねた。

「ああ、そうみたいだな。俺も1時間近く前から待ってるんだがまだ来なくてっさ。困ったな………もう面会時刻を過ぎる時刻にかなり近づいているよ。」

「そうですか…………」

青年の答えを聞いた女性は頷いた後、男性達の元へ行き

「……どうやらバスはかなり遅れているようです。既に予定時刻の1時間近くは遅れているそうですから………確実に”何か”あったかと。」

真剣な表情で男性達に報告した。

「そうか……………よし、このまま徒歩で病院に行くぞ。恐らくウルスラ病院方面で”何か”が起こっている。急ぎ足で街道を突破する。全員、遅れるな。」

「「「はい!」」」

「お母様……どうかご無事で……」

そして男性達もロイド達の後を追うかのように街道を歩き始めた。そしてさらにその50分後、多くの女性達と大男と共に金髪の青年が空港から出てきた。



「ガッハハハハッ!ようやく着いたぞ………クロスベル!匂う………匂うなあ………面白い匂いが!」

「お前が言うと洒落にならんからな………やれやれ。どんな事が起こるのやら。」

豪快に笑っている大男の隣にいる金髪の青年は溜息を吐いた後、苦笑し

「ううっ………頼みますから、着いた早々厄介事に首を突っ込まないで下さいよ、ギュランドロス様!特にこのクロスベルという土地は調べた限り”色んな意味”で厄介なんですからね!」

「アハハ!そりゃ無理だよ、エル姉~♪」

「そうね♪ギュランドロス様の暴走は誰にも止められないもの♪」

「今までのギュランドロスのパターンを考えると、私の予想では99,99%の確率でギュランドロスが厄介事に首を突っ込むと思います。」

青年達の背後にいる金髪の女性は疲れた表情で溜息を吐いた後大男を睨み、紫髪の娘は呑気に笑い、青髪の女性は微笑み、蒼みがかかった銀髪のルーンエルフの女性は淡々と言った。

「ルイーネ様~!笑っていないでちゃんと見張っていて下さいよ!………それとアル!不穏な事を言わないで下さい!」

そして金髪の女性は青髪の女性とルーンエルフの女性を睨み

「はいはい♪」

「何故、私まで怒られるのでしょうか?」

睨まれた女性は微笑み、ルーンエルフの女性は首を傾げた。

「フッ………さて。まあ今日は遅いし、明日に備えて宿でも探すぞ。」

そしてその様子を見ていた青年は静かな笑みを浮かべた後大男に提案し

「おうよ!」

青年の提案に大男は頷いた後、青年達と共にクロスベル市の中に入って行った。



~ウルスラ間道~



その後街道を進んでいたロイド達は停車しているバスを見つけた。

「あ……!」

バスを見つけたロイドは声をあげた後、エリィ達と共に走ってバスに近づいた。

「ど、どうしてこんな場所で停車を………それに………誰も乗っていないの?」

「そうみてぇだな………ティオすけ、周囲の反応はどうだ?」

「はい………アクセス………」

ランディに尋ねられたティオは答えた後、魔導杖を掲げて周辺をサーチした。

「………ダメです。周囲10セルジュに人の反応はありません。」

「チッ……だろうと思ったぜ。どうやら魔獣に襲われたって雰囲気でも無さそうだな?」

「ああ……ちゃんと路肩に停車している。多分、運転手が自分の意志でこちらに寄せて停車したんだろう。もしくは停車せざるを得ない何らかの事態が発生したのか………このまま中も調べてみよう。」

「ええ………!」

そしてロイド達はバスの中を調べたが、バスの中は争った形跡はなく、花や見舞いの品だけが席に置かれていた。

「花や見舞いの品が座席に残っている……どうやら病院に行く途中だったみたいだな。」

「ええ………」

「ぬいぐるみ………子供の患者さんへのお見舞い品でしょうか?」

「ああ………そうだろうな。」

バスの中を調べ終わったロイドは仲間達と共にバスを出た後、どこかに連絡した。

「はい、はい……わかりました。連絡の方はお願いします。こちらはこのままウルスラ病院に向かいます。―――はい。くれぐれも気を付けます。」

連絡し終えたロイドはエニグマを仕舞った。

「………課長はなんと?」

「とりあえずタングラム門に連絡をしてくれるみたいだ。ソーニャ副司令に協力を要請してみるらしい。」

「そう………ちょっと助かるわね。」

「ああ、副司令だったら必ず力になってくれんだろ。」

「とりあえずわたしたちはこのまま病院ですか………?」

「ああ、ここから病院までもうそんなに離れていない。ひょとしたら乗客が歩いて病院に向かった可能性もある。」

「ま、見舞いの品を置いている時点でタダ事じゃなさそうだが……」

「とにかく急ぎましょう。すぐに日が落ちてしまうわ。」

「ああ………!」

その後ロイド達はウルスラ病院に向かった。



「あれは………!」

「チッ。やはり”何か”あったか………」

ロイド達がバスから離れてウルスラ病院に向かって20分後、停車しているバスを見た金髪の女性は驚き、銀髪の男性は舌打ちをした後真剣な表情で呟き

「皆様はここでお待ちを。私が調べてきますので。」

黒を基調とした服を着た金髪の女性は腰に付けている鞘から連接剣を抜いて、警戒しながらバスの中に入り、少しの間するとバスから出てきた。

「………どうでしたか、エクリア様。」

「……争った形跡もないですし、何よりも見舞いの品や花が座席に置かれていました。……どうやら只事ではない事が起こっているようです。」

夕焼け色の髪の女性に尋ねられた金髪の女性は真剣な表情で答え

「………病院へ急ぐぞ。」

「はい!」

女性の言葉を聞いて言った男性の言葉に蒼髪の女性は力強く頷いた。



その後男性達もロイド達を追うかのようにウルスラ病院に向かった……………


 
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