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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  ディケイド ~蒔風、かなりキレる~



「で、海東、烏賊折紙をどこにやった」

「言わない」

「なんでこいつこんなに強気なんだ?」


写真館で昨日から傷の手当てでソファに寝そべっている海東。
その周りを蒔風、士、ユウスケ、夏海、源太、丈瑠の六人が囲む。

その状況でなお海東は問い詰められても烏賊折紙の場所を吐かない。


根性据わってるとかを一段階超えているなこいつ。


「そう言えばアヤカシの持っていたあの武器、お前のじゃないのか?」

「そうだ!!オレがそれを取り返してイカちゃんと~~」

「イ・ヤ・ダ!!」

「うを~~~~~~~~!!!!!」


丈瑠の提案に源太が賛成するが、海東は頑としてそれを拒否する。
なんだこいつ。


「おまえなぁ。だからといってどうするんだ?」

「そんなの君たちは気にしなくてもいいよ。じゃ、僕はこれで」

海東がたちあがって去ろうとするが、それを源太が止める。
と、その背後から四人の男女が写真館の中に突撃してきた。


「殿!!ご無事ですか!?」
「大丈夫ですか、殿!!」

「どうしたんだお前たち」

そこに飛び込んできたのは他のシンケンジャーの面々だ。
その内のシンケンブルー、池波龍之介が声を荒げた。


「黒子たちが、殿が・・・殿が仮面ライダーに誘拐されたと!!」

「なんだそれは!?」

実際には蒔風たちが丈瑠、源太を案内していただけだったのだが、それを見た黒子たちが勘違いしたようだ。

が、それも無理はないだろう。
彼らの知らない「仮面ライダー」という存在。
さらにそこに鳴滝による「破壊者」の誤認情報。

これだけ材料が揃えばここまで慌てるのも無理はない。

無理はないのだが・・・



シンケングリーン・谷千秋と、シンケンピンク・白石茉子(まこ)の言葉がこの場を乱すきっかけとなる。


「まあ、誘拐うんぬんは龍之介の思い込み」

「だけど、ライダーは世界を破壊するって・・・」

その言葉に写真館メンバーが反応する。

だが士は椅子に座ってテーブルに頬杖をついて何やら考えているし。
海東はこの場からどのようにしてトンズラするかが最優先のようだ。


「そう、こいつが世界の破壊者さ。で、これが」

「・・!!おい!!!」

海東が士の肩に手を置き、さらに士のトイカメラを手に取ってこう言った。

「これが世界を破壊する爆弾。ハイ、プレゼント♪」

ボン、とそんなことを言って龍之介にカメラを渡す海東。

その瞬間、皆が騒ぎ出した。


「うわぁ~~~~!!!ばっ、爆弾!?」
「こっちくんなよ!!」
「おいみんな落ち着け!!」
「殿さま、こっち着たらあかん。世界が破壊される!」
「おいそれはただのカメラだ!!」
「そんなこと信じられるか!!ライダーなんだろ!?」
「いや、信じてくれよ!!」
「爆発する~~!!」


蒔風と夏海、海東に源太以外がギャーギャー騒ぎたてている。

その隙に海東は逃げ、源太はその後を追う。


その間にも騒ぎはヒートアップする。
そして、もともと自らの持つ「歪み」も限界に来つつあったこの男が、ついにキレた。



「ってっめえらいい加減にしろってんだ、ぶっ殺っされてぇのか捩じ切んぞ!!!!」



蒔風の怒声に屋根がビリビリと揺れ、埃が落ちてきた。
外にいる源太は写真館の周りの生き物が軒並み逃げ出したことを確認したほどだ。

部屋の中がシン・・・と静まりかえる。

「てめえらいい加減にしとけよ・・・異世界から来たのがなんだ?ライダーだから何だってんだ!?ライダーがいちゃいけない理由はなんだ?違う世界ってのがそんなにいけないか!?最初は誤認情報もあったろうから見逃してやったらこのざまだ。てめえらほんとにこの世界守ってんのか答えろやカラフルザムライ共!!!」

「カラフルザムライとはなんだ!!」


※ここから蒔風がキレます
 結構ひどいと思いますので、見たくない方は飛ばしてください
 なお文章中にシンケンジャーをバカにする言葉がありますが、作者はそんなこと思っておりません
 では覚悟のある方だけどうぞ



「うっさい黙れ。とっとと切腹して死ね。さっきも源太にキレたけどよぉ、固定観念で決めつけてんじゃねえよ。人をジャンルで見てんじゃねえよ!!!バカかてめえらは。それくらいの判断もできなくて何がヒーローだ笑わせる。そもそもな、最初の情報くれた男だって信じられるもんなのかよ?え?それらを総合して、さらに自分の目で確認して、それで最終確認してんのかお前らは?そっれもなっしに勝手な先入観で決めつけやがって・・・ああそうか、すまんすまん。それがお前らの判断力の限界なんだな。こりゃ失敬だ。でもこれなら納得だよ。源太もそうだったんだもんな、バカにはバカが御似合いか。よかったな、外道衆がみんな悪もんでよ。もしそういう奴らにいい奴がいてもお前ら斬っちゃうんだろ?「外道衆だから」」ってよ。でもそれを失敗だとは思わなくてもいいぞ。それがお前たちの限界なんだもんねーー!!!あっはっはっはっは!!!バカみてえ!!殿さまも大変だな。こんなバカな家臣で戦わなきゃならないなんてよ。そもそもお前らライダーの何を知ってるんだ?知らないだろ?知らないくせに否定すんだろ?それも愚か者のすることだよ。脳味噌までカラフルなんじゃねえの?今すぐ三途の川突き落としてやろうか。理解できてない者を拒否するのは構わない。だがな、理解できないことを理由に、否定することは許さねえぞ。この意味わかる?バカでもわかりますか~~?夏海さん、この話通じたかな?俺ここまでの馬鹿と会話することがなかったからわかんないや。まあ、夏海さんはバカじゃないからこんなこと聞いても意味ないか。おいお前ら黙ってないで答えろよ。意味通じましたか~~?Do you understand?」



蒔風が一気に捲し立てる。

途中、もちろん反論の子t場が出たが、蒔風は止まらなかった。
一度噴き出たソレは、火山の噴火のように、すべてを吐き出しきるまで収まらなかったのだ。

そして最後まで叫んで、ハァハァと息切れをしながらもスッキリした顔をする。
この世の幸せ最高潮みたいな感じだ。

だがその直後、ハッと我に返ったようになり、吐き気を催したかのように汗を流しはじめ、顔を押さえて

「すまん」

と、言おうとしたところで


「すm」

ドゴゴガン!!!!

その背後立った士と夏海、ユウスケが、思いっきり拳を振りかぶり、三人同時に蒔風の後頭部を殴った。


「ァんッ!?っいったぁ!!なにするん!?」

「舜、お前言い過ぎだぞ」
「蒔風さん、今のはあまりにも・・・」
「実はお前外道衆なんじゃないか?」


三者三様の感想を蒔風に告げる。

「おぅ・・・すまぬゥ・・・」


蒔風が息を漏らした先には、体育座りをして地面に俯いているシンケンジャーの四人がいた。
皆負のオーラをまき散らしている。


丈瑠は落ち込んではいないが、それでも思うところはあったららしい。
落ちていたカメラを手に取り、無言で士に渡す。

そこでショドウフォンが鳴った。
源太がDチノマナコを発見し、今交戦中らしい。



「どうした?アヤカシが現れたか?」

「どうすんだ?こいつら」

他のメンバーは打ちのめされて戦える状況じゃない。
何だか地獄の住人みたいだ。


「オレ、行きます!」

「うーんやっぱこうなったのもオレの責任だし、行くか」

「オレは・・・」

ユウスケと蒔風がたちあがるなか、士はどうにも乗り気でない。

「士。まさかお前この世界にオレたちは必要ないんじゃないかって思ってるんじゃないのか?」

「・・・それは」

「いいか?お前は戦っていいんだよ。この世界のために。お前の世界が見つからないなら、見つかるまですべての世界をお前の世界として守ればいい」

「すべての・・世界を?」

「そうだ。それに、今のお前には帰ってこれる場所があるじゃないか。夏海さんがそこを守ってくれている。誰かが出迎えてくれるんだ。それは幸せなことだぞ?士」

「誰かが・・・帰る場所を」

「そうだ。丈瑠もそうだぞ。あの爺さんだってお前らの帰る場所守ってんだからな」

「・・・わかってるさ。だが」

「それでも爺さんが心配なんだろ?そこはゆっくりしっかり話せばいいさ」

「・・・・そうだな」

士と丈瑠に言葉を贈る蒔風。
そして士が勢いよく立ちあがった。

「そうだな。たとえライダーが必要とされていなくても、この俺、門矢士は、世界に必要だからな!」

「それでいい」
「スッゲー自信」

そうして四人が写真館を飛び出していく。

その道中で丈瑠が言う。


「士、今まですまなかった。世界はどうだか知らないが、オレとしてはお前を拒絶するつもりはない」

「そうか・・ありがたいが、断るぜ。なんせオレは、通りすがりの仮面ライダー。通りすがった世界すべてがオレの世界だからな」

「大きな奴だ」

「それが士さ」


四人が全力で駆けていく。
向かうは一人で戦う戦士の元に。


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「グッ・・・つ、つええ・・・・」

シンケンゴールドが地面に転がる。
そこにゆっくりと迫るDチノマナコ。

しかし、突如その体から火花が散り、その歩みを止めた。
ゴールドが振り返ると、そこには四人の姿が。


「おい。大丈夫か!」

「兄ちゃん、来てくれたのか?」

「まあな」

「ライダーの奴らも・・・」

「ああ」

「・・・さっきはすまなかった!お前ら確かに泥棒野郎とは違え!」

「気にすんな」

「それくらいにして。来るぞ」

「だったらオレたちは行くまでだ」

ヴォン!
ブォン!
シュキン!
バッ!

「変身!」
「変身!」
「一筆奏上!」
「十五天帝!」

[Kamen Ride---DECADE!]

ヴォンヴォンヴォンヴォンヴォンヴォン・・・パァン!!

シャキッ!!ドン!!

シュシュシュ、パァン!!

四人が一斉に戦闘態勢に入る。

その数にさすがに不利を感じたのか、Dチノマナコが一枚のカードを装填し、発動させる。

[Kaijin Ride---N・DAGBA・ZEDA!]


「お前それズルウッ!?」

蒔風がひきつった顔をする

無理もない
Dチノマナコが呼びだしたのは、かつての世界の「究極の闇」最強のグロンギ、ン・ダグバ・ゼダなのだから。

「なんだあいつ!?」

「あいつはオレの回ったクウガの世界の最強の怪人だ」

「だが呼び出した者なら能力は変えないはず。身体能力だけだろ?」

「馬鹿!!それでもきついんだよ!!ユウスケ!源太!手伝え!!」

「「おう!!」」

蒔風、ユウスケ、源太の三人がダグバを引きつけ、Dチノマナコの方はディケイドとレッドに任せた。








ザキギィン!!!

ゴールドが得意の居合切りでダグバを攻める。
しかし、ダグバの肉体の硬度にいくら斬ってもきりがない。

しかも斬れたところですぐに回復していく。

そのあまりの強度に源太が信じられないような声を上げる。


「なんだこいつ!?全然斬れねえ!!」

「一人で行くな!!はぁあ!!」

ガギン!!蒔風が「火」で首筋に斬りかかるが、それを腕で防がれる。
そしてもう一方の腕で二人まとめて殴り飛ばした。

飛んでいく二人の間を縫ってクウガの蹴りが炸裂する。
しかしノーマルのマイティフォームで敵うわけもない。

ハエをはたくかのような動作で弾き飛ばされる。

「こいつ・・強い!!」

「・・・ユウスケ!!」

「なんだ舜?」

「ちょっとビリビリするぞ!!」

「え?うわぁ!!!」


蒔風がクウガの背に手を当てて、雷旺を流し込む。
そうすることで、蒔風が強引にクウガのライジングフォームを引っ張りだした。


「ったく・・・この世界にはないんだからよ・・・・ほい、ライジングフォーム移行可能!!ほれ早く!!」

「お、おう!!超変身!!」

ばっ、バチバチバチ!!!

クウガの全身に電流が流れ、ライジングマイティへと変わる。
しかし蒔風が納得しない。


「それじゃダメだ!!もっとだ!!ってうをお!?」

ダグバのキックが蒔風の脇腹数㎝逸れた所を通過していった。
あたっていれば間違いなくその個所はなくなっていただろう。

「ユウスケごめん!!雷旺!!!!」

「え!?ぐあああああああああああああ!!!!!!!」

クウガにさらに電流を流し込んで力を覚醒させる。

そうすることで赤かった装甲は黒く染まっていき、全身から稲妻がほとばしる!
アメイジングマイティにまで覚醒したクウガがそこに立ち、Dチノマナコを標的に見据える!


「って、いきなりやるな!!」

「こうしないとおおう!!!勝てないのっっとあああああ!!!!」

蒔風がダグバの攻撃を丁寧に、本当に丁寧に逸らしていく。
そうでもしないと腕が持って行かれてしまうのだ。

「源太!!お前にはこれ!!」

蒔風がゴールドの剣、サカナマルを握ると、その剣に絶光の力が宿った。

「オレは爆発の余波を食い止める!!お前らがやってくれ!!!」

「「わかった!!」」

その声に応じて、ゴールドが信じられないスピードで動く。
絶光の力を受けた「光」のモジカラの戦士はその速度のままダグバを切り刻む!!!

「ハッ!!ハアッ!!!」

「おおぉぉぉぉぉおおおおおおりゃあ!!!!」

そしてゴールドが離脱した瞬間に、クウガの蹴りが炸裂する!!!


そしてダグバが爆発した。


本来ならば街一つ吹き飛ばす爆発を、上に逃がしていく蒔風。

「うわ~~今回オレ地味~~~」

そんなことを言いながら、ディケイドの方を見る。

どうやらあちらも終わるようだ。


[Attack Ride---REKKA DAIZANTOU!]


ズグァッ!!ドゴォオオオオン・・・・


Dチノマナコが爆死し、その場にはディエンドライバーが煙をあげて残されていた。
と、そこにいいとこ盗りをしようと、回答が飄々と表れてディエンドライバーに歩いていく。


「士♪僕のためにごくろうさん」

「海東!」


そう言う海東の肩にはしっかりと烏賊折紙の入ったクーラーボックスが掛けられている。
一体どこに隠していたのだろうか。


ディエンドライバーに手を伸ばす海東。


が、先に源太がそれをさっそうと奪い取り、海東に突き出して交換条件を持ち出した。

「交換だ、泥棒野郎!オレのイカちゃん返せ!!」

海東の顔が鈍る。
世界を渡るために、ディエンドライバーは必要不可欠。

こうなってはあちらの条件をのむしかないのだが・・・


「海東、お前の負けだ」

「詰まんない意地張るなよ」

そうあっては仕方がないかと判断したのか、海東は渋々だが交換に応じた。

烏賊折紙は無事源太の元に帰り、丈瑠も爺さんと仲直りできたそうだ。
シンケンジャーの他の四人はすまなかったと謝ってきた。

その後に蒔風が本当に外道衆じゃないか調べようとして怒られたが。






そうしてこの世界での事件は終わった。
士たちは次の世界へと向かおうとする。

「じゃ、行こうか!!」

ガラガラガラ、ビシャア!!

カーテンロールが降り、新たな絵柄が現れる。


そこには空中に浮いた要塞、そこに伸びる三本の槍。

次はライダーの世界
一体何のライダーなのか・・・・


to be continued
 
 

 
後書き


ア「それにしてもまたディケイドの戦闘は描かれませんでしたね」

それにはしっかりと理由が

蒔風が巡ったライダー世界はクウガ、アギト、龍騎、響鬼のみです
だからここで他のライダーのこと知っちゃうのはまずいんじゃ!?
ということでこのようになっております

じゃあこの先ディケイドの戦闘が描写されるのは・・・

なかなかないかもしれません
ネガの世界でも精一杯でしたし

ア「がんばってくださいよ」

がんばる!!

ア「次回、ア゛ァーーー、エ゛ッ!!」

ではまた次回









この男は誰にも声の届かない世界で孤独に耐えながら皆を守ってきた誰より強い男だ
 
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