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普通だった少年の憑依&転移転生物語

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【ハリー・ポッター】編
  152 組分け帽子


SIDE ロナルド・ランスロー・ウィーズリー

マルフォイ達からのちょっかいを受け流しつつ、適当な時を見計らってはホグワーツ特急の中でローブに着替え、列車の外へとアニーと同時に出る。……するとそこは、こんな小さな身体でも小さいと思えるプラットホームだった。

11時からの列車の長旅は数時間は経過していたのか、そのプラットホームには夜の(とばり)が降りきっていて──ぶっちゃければとても暗い。

(イッチ)年生! (イッチ)年生はこっちだ!」

「っ!」

アニーと一緒に手持ち無沙汰にしている大きな声が張り上がる。……俺は〝誰か〟が居るのは知っていたので大して驚かなかったが──アニーはそうでは無かった様で、身を大きく震わせる。

2以上メートルはありそうな──髪にしても髭にしても、もじゃもじゃの、灯りを携えた大男が居た。……予想としては〝(ホグワーツ)への案内人〟か。

その大男は一年生をきょろきょろと──〝誰か〟探す様に見渡し、(やが)てその探していた人物を見つけたようで、視線は俺──ではなく、俺の隣に居るアニーで固定される。

「おお、アニー──アニー・ポッター…」

「あ、はい。ボクの名前はアニー・ポッターです」

「よぉく知っとるとも。俺はルビウス・ハグリッドだ。ハグリッドとでも呼んでくれ。お前さんは母ちゃんのリリーにそっくりだ」

ハグリッドと名乗った大男は、大変嬉しそうにアニーに語り掛ける。

「……おっと、いかんいかん──しかし今はお勤めが有るんでな。休日にでも森の近くに在る小屋をノックしなさい。話したい事もあるし──精一杯もてなそう。……もちろん隣に居るその──ウィーズリー家の子もな」

そう思い出した様に語るハグリッドは「さぁ着いて来い! はぐれるなよ!」──と、一年生達の連れて歩を進め始める。……〝(ホグワーツ)への案内人〟──と云う俺の予想は正鵠(せいこく)を射ていたようだ。

……ただ単に着いて歩くのもアレだったので、場繋ぎついでに気になった事を()いてみる。

「……ところでハグリッド、俺の事も知ってるの?」

「〝赤毛と云えばウィーズリー〟──ちゅうのは魔法使いの格言なんだがな、お前さんの上の双子には手を焼かされちょる」

「……フレッドェ…ジョージェ…」

頭を抱えた俺は、きっと悪くない。

………。

……。

…。

ハグリッド歓談しながら歩いている内に、湖の(ほとり)に出て──湖の向こうには〝城〟が見えた。……昼間ホグワーツ特急の中でちらりと見た時とは違い、〝夜闇をバックしてきらきらと輝く城〟と云うのは、これ以上ないと云うくらいに幻想的である。

「……あれがホグワーツ…」

一年生達は歓声を上げていて、俺もまたその叙情的(ロマンチック)幻想的(ファンタジック)な情景に暫し見惚れてしまう。

(さて──何があるやら)

ハグリッド指示で4人一組でボートに乗り込む。……アニーとは運悪く切れてしまって──大してすることも無いので、(ホグワーツ)に向かう途中の湖上で、年甲斐も無く胸を踊らせていた。

……他の一年生達の隠しきれていない感情をおおまかに平均化してみれば、〝不安7:期待3〟で──〝自分がどの寮に入るのか〟〝自分はこのホグワーツで手くやっていけるか〟と云ったところだろう。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ホグワーツの城へはボートに乗せられたまま入る。ホグワーツと湖は繋がっていた様だ。そしてあれよそれよの内に、大きな──それこそ、こらのマグルの家なら丸々入りそうな程に大きいホールに詰め込まれる。

「間も無く全生徒の前で組分けの儀式が始まります。待っている間に出来るだけ身なりを整えておいてください。……学校側の準備が出来たら戻って来ますから、静かに待っているように。……これは貴女達向こう7年間寝泊まりする寮を決める、とても──とても大切な儀式ですからね」

俺を含めた新一年生達はエメラルド色のローブに袖を通した、いかにも〝THE・お(つぼね)さん〟──みたいな雰囲気を纏っている女性に待機する様に言われる。

何となく判る。……この女性(ひと)が、フレッドやジョージが云っていたマクゴナガル副校長だと。

……マクゴナガル副校長(仮)の話を聞くに、ホグワーツには〝グリフィンドール〟〝レイブンクロー〟〝ハッフルパフ〟〝スリザリン〟の──4つの寮があり、それを〝組分けの儀式で各々に一番適した寮へと〟分けるのだとか。……なお、どの寮からも優れた魔法使いや魔女が輩出されているらしい。

「……“開け(アロホモーラ)”…。……“浮遊せよ(ウィンガーディアム・レビオーサ)”…。……“呪文よ終われ(フィニート・インカーターテム)”…。……“石になれ(ペトリフィカス・トタルス)”…」

ハーマイオニーがこれまでに覚えてきたであろう呪文をぶつぶつと念仏みたいに〝そら〟で唱えているが、ハーマイオニーのそれは杞憂(きゆう)だと俺は半ば確信している。

(……マグル生まれもそれなりに居るのに、そこまで〝大切な儀式〟なら一度の儀式分けられる人数は多くても5人くらいか。……だったら──そこまで難しい事をする訳じゃあないな、多分)

流し読みした教科書には〝儀式〟に関する呪文は無かったので、取り敢えずそう当たりをつける。

「ロンは上のお兄さん達から何か聞いてる?」

「……フレッドやジョージから〝すごく痛い〟──って聞いてたけど多分嘘だろうなぁ…」

「さぁ行きますよ。組分けの儀式が間も無く始まります」

〝組分け〟についてアニーと話していると〝学校側の準備〟が終わったのだろう、マクゴナガル副校長(仮)がやって来た。

SIDE END

SIDE アニー・リリー・ポッター

「さぁ一列になって、着いてきて下さい」

ロンと一緒に〝組分け〟について、ロンの双子のお兄さんや3番目のお兄さんの情報から考察していると、ホグワーツの玄関ホールと(おぼ)しき場所で、ボク達を出迎えた──エメラルド色のローブを着た長身の女性が、着いて来るようボク達に指示をする。

ボクはロンの後ろに並び、ボクの後ろに知らない人が並ぶ。エメラルドローブの女性はボクだ指示通りに列を成した事を確認したのか、一つだけ鷹揚(おうよう)に頷き、こちらに背を向けて──殊更(ことさら)大きな扉に向かい、扉を開ける。

開けた途端、後ろから息を呑む声が聞こえた。

……しかしそれは、もう1つ──先ほど玄関ホールよりかは一回り小さな広間を挟んでの二重扉だったようで──そしてエメラルドローブの女性は第二の扉に手をかける。

――「「「「「……っ!!」」」」」

今度は後ろの子だけからではなく、皆から息を呑む音が上がる。玄関ホールからの二重扉の向こうには、(さなが)ら〝王候貴族の晩餐会〟。

(綺麗…)

ボクの脳裏に浮かんだのはそんなストレートな感情で、舞い上がった頭ではそれ以上ボクの内心を表す語彙(ボキャブラリー)は出てこない。

……どこからか聞こえてくる、声音(こわね)からして──ハーマイオニーの蘊蓄(うんちく)によれば、天井のに瞬いている星々は魔法でそう見せられているらしいが、そんな事はボクからしたらどうでも良かった。

〝全生徒列席〟とは伊達ではない様で、千を超えているだろう目線に晒されている現状に辟易(へきえき)しながら歩いていると、急にボクの前を歩いているロンが止まったので、ボクも慌てて足を止める。

(……っと──ここで待機かな? ……っ!)

エメラルドローブの女性はスツール──背凭(もた)れの無い椅子をボク達に見える様に置く。

……その椅子の上をよくよく見てみれば帽子が乗っていて──

<わたしはきれいじゃないけれど
人は見かけによらぬ物
私をしのぐ賢い帽子
あるなら私は身を引こう
山高帽子は真っ黒だ
シルクハットはすらりと高い
私はホグワーツ組み分け帽子
私は彼らの上をいく
君の頭に隠れた物を組み分け帽子はお見通し
かぶれば君に教えよう
君が行くべき寮の名を

グリフィンドールに行くならば
勇気ある者が住まう寮
勇猛果敢な騎士道で
他とは違うグリフィンドール

ハッフルパフに行くならば
君は正しく忠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労と思わない

古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう

スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目標遂げる狡猾さ

かぶってごらん! 恐れずに!
興奮せずに、お任せを!

君を私の手に委ね(私は手なんかないけれど)

だって私は考える帽子!>

いきなり歌いだし──組分けの方法を教えてくれた帽子。上級生たちは歓声を上げる。帽子を被る順番は手堅くABCの順番である。

………。

……。

…。

「ポッター・アニー」

〝アンナ・ハボット〟がハッフルパフに分けられて1時間近く。ボクの名前が呼ばれる。

――「「「「「………」」」」」

(沈黙が痛いなぁ…)

現実逃避をしていても仕方ないので壇上──恐らくは教師席に座っているスネイプ先生に目礼しつつ、スツールに腰掛け──帽子を被る。

<困った──困った娘が来たぞ…。才能はある。頭の回転も早そうだ。知識欲もある。知識欲を満たす為なら多少規則を無視しそうだが、人を思いやる事も出来る…>

「……もしかして心が読めるの?」

<うむ。……だが君の〝前〟を口外するような事は無いから安心すると良い>

「ん、ありがとう」

その後2~3問答して、ボクの寮はグリフィンドールに決まった。

SIDE END

SIDE ロナルド・ランスロー・ウィーズリー

ファミリーネームが〝W〟なので、手持ち無沙汰な俺は〝これからの展望〟について考える。

(……〝封印〟を解いたらどうするか…)


いくら〝〝組分け〟が無事に済むまで〟とは云え──封印のスキル…“寝室胎動(スリーピングシェル)”で〝知識〟を封印したからか、〝思い出せるはずなのに思い出せない〟──そんな歯痒い思いはある。

……〝知識〟を持っていなかった世界線とはその前提を(たが)えている俺の現在の心情を述べるのなら、〝痒いところに手が届きそうで届かない〟──と云った感じか。

「ウィーズリー・ロナルド」

呼ばれて、椅子に座り帽子を被る。

<またウィーズリーの子か──む、お主も>

「まあね、アニーと一緒だよ」

帽子も何かを感じたらしい。アニーと帽子の会話を聞いていた俺は、帽子に〝他言無用〟だと言外伝える。

……結局、帽子からの勧めで、グリフィンドールに分けられる事となった。

SIDE END 
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