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英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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第44話

ジオフロントB区画に入ったロイド達が探索を続けると、予想通り魔獣達が現れた。



~ジオフロントB区画~



「!みんな、一気に行くぞ!!」

「「ええ!」」

「おう!」

「「「はい!」」」

魔獣達を見たロイドは号令をかけて仲間達の闘志を高め

「うぉおおっ!たぁあああっ!!」

闘気を纏った一点突破の突撃技―――ブレイブスマッシュで先制攻撃をした!

「行くぜ――――おぉぉぉぉ……フン!!」

続くようにランディは支援要請『テスタメンツの稽古』で戦ったテスタメンツ達が使っていた技をアレンジし、魔力を込めたスタンハルバードを地面に叩きつけ、炎の爆発を発生させるクラフト――――爆裂断を放って、ロイドがダメージを与えた魔獣達の止めを刺して行き

「速いの行くよ~!イルヴェングス!!」

シャマーラは高速剣技を放って、魔獣の一体を滅した!一方魔獣達も強襲して攻撃した後に出来た隙を狙って、ロイド達を攻撃してダメージを与えようとしたが

「させないわ!シュート!!」

「狙いは外しません!!」

エリィとセティが放った牽制攻撃に撃ち落されたり、足止めされ

「霧よ!愚者達に永久(とわ)の眠りを!呪いの霧!!」

「光よ!槌の光霞!!」

ティオとエリナがそれぞれ放った魔術によって全滅した!

「よし!………それにしても、最初の時と比べて俺達も強くなったし、戦闘の際、それぞれの分野にあった戦いを続けられるから、大分成長したな。」

戦闘を終わらせたロイドは仲間達を見回して呟き

「まあ、街道や地下に潜って魔獣達と戦い続ければ、自然と力もついてくるしな。」

「それにメヒーシャ達が模擬戦をしてくれるおかげで、対人戦にも慣れてきたしね。」

「……後はセティさん達が支援課に来てくれたおかげで、それぞれにかかる負担がグッと減りましたしね。おかげで私達も楽ができます。」

ロイドの言葉にランディとエリィは頷き、ティオはセティ達に視線を向けて静かな口調で呟いた。

「フフ、お役に立てているのなら幸いです。」

「へへーん!あたし達に任せておけば、どんな敵も楽勝だよ!」

「調子に乗らないで下さい、シャマーラ。」

ティオに視線を向けられたセティは微笑み、シャマーラは胸を張り、それを見たエリナは呆れた様子でシャマーラに注意した。するとその時掃除用のオートマタ達がロイド達に近づいてきた。

「市が管理している清掃用のオートマタか。こんな所にもいるなんてな。」

「……それにしてもいつ見ても凄い吸引力ね。私も欲しいわ。」

オートマタ達を見たロイドは若干驚き、エリィは物欲しそうな様子で床のゴミを吸い込んでいるオートマタ達を見つめて呟き

「だったら、あたし達が創るよ!ねえねえ、セティ姉さん、エリナ。後で一台くらい持ち帰って解体して調べない?」

「う、う~ん……それはちょっと………」

「……確かに解体して調べる魅力には惹かれますが、さすがにそれはどうかと。市が管理しているのですから、勝手に持っていったら泥棒になりますよ。」

エリィの言葉を呟いた後提案したシャマーラに視線を向けられたセティは苦笑し、エリナ溜息を吐いた後、注意した。

「ちぇ~……残念。」

「フフ、それに一から創った方が工匠として作り甲斐がありますよ。」

そしてつまらなさそうな表情をしているシャマーラにセティは微笑みながら言った。するとその時オートマタ達は吸引口をロイド達に向け

「!!皆さん、油断しないで下さい!あれは……!」

何かに気付いたティオが警告したその時、オートマタ達は吸引口からすざましい大気の渦を発生させて、ロイドやランディ、シャマーラとエリナを吸い込み始めた!

「なっ!?」

「わっ!?」

「おい!俺達はゴミじゃねえぞ!?」

ロイドとシャマーラ、ランディは驚きながらオートマタの吸引口に張り付けられ

「クッ………!」

エリナは翼を羽ばたかせ、空中へと逃げて、吸引の渦から逃れた。

「どうやらセンサーが故障しているようです!………言うなれば暴走機械です!早く3人を助けないと!」

そしてティオが警告したその時、ロイド達を吸引口に張り付けたオートマタ達は小さなアームから鋭利なカッターや回転するチェーンソーを取り出した!



「じょ、冗談じゃない!ハアッ!!」

それを見たロイドは表情を青褪めさせた後クラフト―――スタンブレイクを使う為にトンファーに電撃を流し、思い切り叩いてオートマタをショートさせ、態勢を立て直して、オートマタから離れ

「帰ったら市の管理課に文句を言ってやろうぜ!壊れた機械を放置するなんて、真似しやがって!」

「それ、賛成~……っと!!」

そしてランディが叫んだ言葉にシャマーラは頷いた後、それぞれの武器で思い切り叩いて、オートマタ達をショートさせて、態勢を立て直した。

「分析を開始します……弱点は水属性です!!」

一方ティオはクラフト―――アナライザーでオートマタ達の弱点を見た後、仲間達に助言し

「……だったら!アイスハンマー!!」

「氷の精霊よ、力を!猛吹雪!!」

「エニグマ駆動!ブルードロップ!!」

ティオの助言を聞いたエリィ、セティ、エリナはそれぞれ弱点属性のアーツや魔術をオートマタ達に放った!するとオートマタ達はなんと自爆し、近くにいるロイド達を巻き込んだ!

「ぐっ!?」

「うおっ!?」

「きゃあっ!?」

自爆に巻き込まれたロイド達はそれぞれ壁まで吹っ飛ばされて、呻いた。

「ロイド、ランディ、シャマーラちゃん!大丈夫!?今、回復するわ!……癒しの息吹!!」

それを見たエリィは声を上げた後治癒魔術をロイドに放ち

「大丈夫ですか、シャマーラ?……癒しの息吹!!」

「……恐らくプログラムにも支障をきたして、本来なら使う必要のない自己破壊能力も起動しているのでしょう。……闇の息吹!!」

エリィに続くようにセティも治癒魔術をシャマーラに放ち、ティオは推測をした後、治癒魔術をランディに放った。

「くそ……後で市の管理課に絶対に文句言ってやる。」

「……少なくとも注意をしておく必要はあるな……」

エリィ達の治癒魔術によって傷が回復したランディとロイドはそれぞれ呟いた。するとその時

「……皆さん!どうやら今ので終わりじゃないようです!」

上空にいたエリナがロイド達に忠告した。

「へ……?」

忠告を聞いたロイド達がエリナが視線を向けている方向を見ると、何台ものオートマタ達が現れ始めた。

「ええっ!?ま、まさかここにいるオートマタ全部が………?」

「どうやら地下は広い分、数も揃えているようですね………」

それを見たエリィはギョッとした後表情を引き攣らせ、セティは冷や汗をかいて呟き

「……面倒です。」

ティオはジト目で呟いた。

「クッ……全部を相手にする必要はない!進路上に邪魔な奴だけ排除して、先に進むぞ!」

それを見たロイドは表情を歪めた後、号令をかけて仲間達と共に戦闘を開始した。その後時折現れる魔獣やオートマタ達を排除していたロイド達は奥の広い場所に到着した。するとロイド達を挟み込むようにオートマタ達が現れ、さらに巨大なオートマタが現れた!



「クッ……―――ルファ姉、力を貸してくれ!!」

「水那姉さん、お願いします!!」

それを見たロイドとセティはそれぞれルファディエルと水那を召喚し、ロイド2丁の銃を構え、戦闘を開始した。

「水よ!連続水弾!!」

「それっ!アイシクルエッジ!!」

水那とティナは同時に魔術やアーツを放って、1体仕留め

「消えなさい!レイ=ルーン!!」

「出でよ、烈輝の陣!レイ=ルーン!!」

ルファディエルとエリナは同時に同じ魔術を放った後、オーブメントを駆動させ始め

「フルブラッシュ!!」

「はぁぁぁ………サラマンダー!!」

シャマーラとランディは遠距離攻撃のクラフトを放って、1体仕留め

「そこです!!」

セティはオーブメントを駆動させた後、クラフト―――精密射撃を放って、敵をショートさせて動きを止め

「アイシクルエッジ!!」

駆動が終わったオーブメントでアーツを放って、止めを刺した!

「行くぞ………チェインバレット!!」

一方ロイドは2丁の銃を交互に連続で打ち続けるクラフト―――チェインバレットで巨大なオートマタを撃ち続けた。

「!?」

するとオートマタはショートを始めたのか、動きが滅茶苦茶になっていた。

「「エニグマ駆動!アイスハンマー!!」」

そこにオーブメントの駆動を終えたルファディエルとエリナが弱点属性のアーツを放って、ダメージを与え

「大いなる水よ………全てを呑みこめ!デネカの大海!!」

次の魔術の詠唱を終えた水那が最高位の魔術を放って、大ダメージを与えた!

「………………」

大ダメージを受けた影響なのか、ショートが直ったオートマタは巨大な風をロイド達に放ったが

「無駄よ。」

ルファディエルの魔術―――聖光障壁によって跳ね返された。

「もう……一丁!!」

「それっ!!」

そしてランディとシャマーラは再び遠距離攻撃を放つクラフトを放って、ダメージを与えた。

「聖なる光よ……我が銃弾に宿れ………!」

一方エリィは祈りながら銃に弾を込め

「それっ!!」

光の魔力弾を敵に放った!すると光の大爆発が起きた!

「ルファ姉、一気に決めるぞ!」

「ええ!」

エリィが放ったSクラフト―――セイクリッドバレットによって怯んだ敵を見たロイドはルファディエルに呼びかけた後怒涛の銃撃を、ルファディエルが放つ怒涛の魔力弾と共に放った。そして怒涛の連続攻撃を終えたルファディエルは片手をロイドに向けてロイドの2丁の銃に魔力を込め、片手には圧縮した魔力の球体を発生させ、ロイドが放った魔力がこもった銃弾と共に放った!



「「プリズムバレット!!」」



ロイドとルファディエルが放った協力技(コンビクラフト)―――プリズムバレットを受けた敵は身体から光を放ち始めた。

「おい、なんかやばくないか?」

それを見たランディは表情を引き攣らせ

「大きい分、爆発の効果範囲も広いかもしれません!皆さん、爆発に備えて下さい!」

セティは仲間達に忠告した。するとその時

「エイオンシステム、解放します………位相空間にアクセス、絶対障壁を個別展開………ゼロ・フィールド!!」

ティオが魔導杖から絶対障壁を展開するSクラフト―――ゼロ・フィールドで仲間達全員に絶対障壁を付与した。するとオートマタは大爆発を起こし、大爆発は距離が離れているロイド達も襲ったが、ティオが予め付与した絶対障壁によってロイド達は爆発から守られ、無傷で済んだ。



その後ルファディエルや水那をそれぞれ戻したロイド達は奥に向かった…………




 
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