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おぢばにおかえり

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第三十一話 研修先でもその三

「手取り足取りみんな教えてもらって」
「教えてもらって!?」
「ってことはちっちまさか」
 皆怪訝な顔を私に向けてきたのでした。そうして言うことは。
「もうこの子とそこまで!?」
「うわ、手が早いわね」
「!?何のこと?」
 皆が何を言っているかわからない私は目をしばたかせただけでした。何でそんなに驚いているのかさえ全くわかりませんでした。まだこの時は。
「まあ詰所ってお布団一杯あるしね」
「お布団なくてもお部屋さえあればそこで、だからね」
「そうよね。それにしてもちっちも案外」
「何言ってるのよ」
 やっぱり何を言っているのかさっぱりわからないので皆に尋ねました。
「お布団とかお部屋とか。確かに詰所には行ったけれど」
「認めたわね」
「自分でも」
「私が?何を?」
 何を認めたんでしょうか。ここでも話が見えません。
「何を認めたっていうのよ」
「だから。もうこの阿波野君とそこまでいったんでしょう?」
「まあ真面目なちっちだからキスもいってないんでしょうけれど」
「告白、受けたの?」
「告白ゥ!?」
 今の皆の言葉に思わず声をあげてしまいました。何を言っているのかと思ったら。
「私が阿波野君の告白受けたですって!?何でそうなるのよ」
「先輩、有り難うございました」
 しかもここで阿波野君は何を考えているのかわかりませんがこんなことを言い出してきました。まるで私をさらなるピンチに追い込むように。
「あの時は」
「ほら、その阿波野君も言ってるし」
「やっぱり」
「そんな訳ないでしょ。私は二人きりにもなってないわよ」
「あら、そうなの」
「そうよ。高井先輩と久し振りに御会いしたし」
 そのことで物凄く嬉しかったのに。阿波野君も確かにいましたけれどこの子はあくまで付録です。随分と大きな、小学館の子供雑誌の付録みたいな感じの付録ですけれど。
「それでたまたまこの子が来てね」
「詰所にも行ったのね」
「高井先輩の詰所にも行ったわ」
 距離としてはかなりのものでした。
「だから変なことは絶対になかったわよ」
「何だ、そうだったの」
「かなりがっかり」
「かなりって何よ、かなりって」
 また皆に突っ込みを入れました。
「全く。何を言ってるかって思ったら」
「だってねえ」
「やっぱり。男の子と女の子だし」
 皆相当変なことを期待していたのでした。
「あるじゃない。そういう期待は」
「そうそう」
「だから。まだ高校生よ」
 私の感覚ではそうです。まだ高校生、学生です。
「それで何でそんな。不健全よ」
「今時凄い珍しい考えだと思うわ、それって」
「ねえ」
 皆また私に突っ込みを入れてきました。
「高校生とかって」
「そんな考えって」
「大体よ。昔は」
 昔の話にまでなりました。
「十四とか十五で結婚してたじゃない」
「教祖だってねえ」
「十三でね。善兵衛さんとね」
「それはそれ、これはこれよ」
 確かにそのことは知っていますけれど。それでもって思います。 
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