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英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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第13話

~クロスベル市・西通り~



「グリムウッド法律事務所………うん、ここがそうみたいね。」

「ああ、その先生のことも何度か見かけたことがあるよ。そんな偉い先生だなんて思ってもみなかったけど………」

『グリムウッド法律事務所』に到着したエリィとロイドが話していたその時、事務所のドアが開いた。

「………それでは先生。今後ともよろしくお願いします。」

「ああ、それはいいが………しかし君達のところはもう少し何とかならんのかね?少しは市民の気持ちというものをだね………」

「………市民の人気取りが仕事ではありませんので。」

短い会話が終わった後、ドアからスーツ姿の眼鏡の男性が現れた。

「お前達は………………………」

(!………面倒な男に会ったわね………)

ロイド達に気付いた男性はロイド達を見つめ、ルファディエルは溜息を吐いた。

「な、何か………?」

男性の様子にロイドは戸惑いながら尋ねた。

「………なるほどな。セルゲイさんが飼い始めた仔犬どもというわけか。」

そして男性は嘲笑した。

「えっ………そのバッジ………あなたもクロスベル警察の?」

「私の事はどうでもいい。どうやらイアン先生を訪ねてきたようだが………くれぐれも余計な時間を取らせるんじゃないぞ。お前達のような役立たずと違って色々と忙しい人だからな。」

「なっ………!?」

男性の言葉を聞いたロイドは表情を厳しくし

「フン………何故奴がセルゲイさんの元にいて、お前達のような役立たずと同じ仕事をしているのか理解できんな………」

(…………相変わらず口が悪く、融通が利かない男ね。)

男性はロイド達を見回して鼻を鳴らした後、ロイド達から去って行き、その様子をルファディエルは不愉快そうな表情で睨んでいた。

「な、なんだ今のは!?」

「どうやら本部の捜査官みたいだけど………」

「………居丈高な感じですね。」

男性が去った後、ロイドとエリィは怒りの表情で呟き、ティオはジト目で去って行った方向を見つめていた。

「しかしあの眼鏡………随分とやるみたいだったぞ。左脇のところにデカイ得物を吊るしてたな。」

(お、さすがはあたいが認めた男だね。)

一方ランディは真剣な表情で呟き、エルンストは感心した様子で呟いた。

「そ、そうなのか?」

「よく気づいたわね………」

ランディの言葉を聞いたロイドとエリィは驚き

「わたしもセンサーで感知しました。大型の軍用拳銃………そんな所でしょうか。」

ティオは落ち着いた様子で言った。

「ああ、多分そうだろ。」

「へ~………」

「2人とも凄いわね。」

ランディとティオの言葉を聞いたロイドとエリィは感心していた。

「ハハ、たまたまさ。」

「それより、その先生を訪ねなくてもいいんですか?」

「ああ………忙しいところを悪いけど挨拶させてもらおうか。」

そしてロイド達は事務所の中に入った。



~グリムウッド法律事務所~



「おや、忘れ物かね?」

ロイド達が事務所に入ると男性の声が聞こえて来た。

「おっと、これは失礼した。グリムウッド法律事務所へようこそ。今日は何か相談事でも?」

「あ、いや………」

「いやいや。遠慮することはないよ。まだ若いようだが借金などで困ったことでも?それとも仲間を集めて事業でも起こしたいのかね?何でもいい。どーんと相談してくれたまえ!」

「いや、そのですね………」

男性に言葉にロイドは戸惑い

(な、なんか凄い精力的なオッサンだな……)

(この人が『熊ヒゲ先生』ですか………)

(ふふっ………噂通りの人ね。)

ランディたちは興味ありげな視線で男性を見つめていた。

「………おや………よく見れば、君の顔………どこかで見た事があるな。確かこのあたりに住んでいた子じゃなかったかね?」

「あはは………覚えててくれたみたいですね。ええ、3年くらい前に近くのアパルトメントで暮らしていました。改めまして――――ロイド・バニングスといいます。」

「おお、そうか。道理で見覚えがあると思ったんだ。ん………?バニングス………!?ひょっとして………ガイ・バニングスの弟さんか?」

ロイドの自己紹介を聞いた男性は頷いた後、ある事に気付いて驚いて尋ねた。

「あ………はい。ひょっとして、兄のこともご存知だったんですか?」

「ご存知もなにも…………ふむ、どうやら事情があって来たようだね。こんな所で立ち話もなんだ。座って話をしようじゃないか。そうそう………一応、名乗っておこうか。私の名は、イアン・グリムウッド。この法律事務所で弁護士をしている。」

そしてロイド達は男性―――イアンに促されてソファーに座り、事情を説明した。



「なるほど………君達がセルゲイ君の言ってた『特務支援課』の新人だったのか。そういえば最新のクロスベルタイムズも読んだよ。着任早々、なかなか頑張ってるみたいじゃないか。」

「はは、何だか散々なことを書かれちゃってますけど………」

イアンに微笑まれたロイドは苦笑していた。

「しかしそうか………あのガイ君の弟さんが警察に。何だかこう、空の女神(エイドス)の巡り合わせを感じるねぇ………」

「あの……先生と兄はどういう?」

「ああ、今の君達と同じくたまに情報交換に来てくれたんだ。もっとも、彼は非常に優秀な捜査官だったからね。逆に私の方が色々と助けてもらったくらいだよ。」

「ちょ、ちょっと待ってください!ロイド………あなた、捜査官のお兄さんがいるの?」

ロイドと慰安の会話を聞いていたエリィは驚いた後ロイドに視線を向けて尋ね

「なんだよ、水臭ぇな。そんなこと一言も聞いてないぜ?」

「………………………」

ランディは興味ありげな表情で静かな表情で黙り込んでいるティオと共にロイドに視線を向けた。

「はは、ゴメン。つい言いそびれててさ。それに………もう亡くなった人だから。」

「え………」

「仕事中に殉職したんだ。ちょうど3年前になるかな。」

「………あ………」

「そうか、それでお前達、しばらくこの街を離れて……」

ロイドの話を聞いたエリィは辛そうな表情をし、ランディは真剣な表情でロイドを見つめた。

「………ガイ君のことは残念だった。私も個人的に、あの事件のことは調べてみたこともあったが………残念ながら、手掛かりすら見つかっていない状況でね………」

「……そう、ですか。―――いや。今は兄の事はいいんです。それよりも先生。事情は先程説明した通りです。『ルバーチェ』について、何かご存知のことがあれば教えていただけませんか?」

「ふむ……『ルバーチェ』か。…………」

ロイドに促されたイアンは少しの間考え込んだ後話し始めた。

「………彼らにまつわる黒い噂は多い。エレボニア帝国と共和国にまたがる密貿易。盗品売買に、ミラ・ロンダリング。猟兵団の斡旋や武器の密売まで………そのどれもが、クロスベルの特殊性を利用したものと言えるだろう。」

「クロスベルの特殊性………?」

イアンの話を聞いていたロイドは首を傾げ

「近年ますます盛んになっている貿易業と金融業の発展………それと反比例するかのように脆弱きわまる政治基盤ですね?」

イアンの話が理解したエリィは真剣な表情で尋ねた。

「そう………このクロスベル自治州の政治基盤は極めて弱い。多くの政治家は、エレボニア帝国派か、共和国派のどちらかに属しており、利権をむさぼる者が多いんだ。そして、マフィアの暗躍を取り締まる法案が出されたとしても彼らと癒着した議員に潰される。」

「…………!」

「なんだそりゃ………本当なのか?」

「………残念だけど、本当よ。ルバーチェの利権と繋がっている議員は相当多いと言われているわ。おそらく、警察が動けないのもそれが最大の理由でしょうね。」

イアンの説明を聞いたロイドは表情を厳しくし、エリィは目を細めて呟いたランディの疑問に答えた。

「………大人の事情、ですか。それではルバーチェは実質上、犯罪を起こし放題なんですか?」

一方ティオは静かに呟いた後真剣な表情で尋ねた。



「いや、さすがにそれはない。あからさまな犯罪を放置すれば市民や周辺諸国も騒ぐだろうし………今のところは、市民生活に直接迷惑はかけない一線だけはルバーチェ側も守っているようだ。逆にその一線を越えなければ何をやっても警察は動かない………そう高を括っているところもあるみたいだがね。」

「…………………」

「………そこまで………」

「なるほどなぁ。活気ある華やかな都市の裏側に魑魅魍魎(ちみもうりょう)のうごめく影アリか。」

「………機密レベルの高い情報をチェックしておきたいですね………」

イアンの説明を聞いたエリィは複雑そうな表情で黙り込み、ロイドは怒りの表情で呟き、ランディは納得した様子で頷き、ティオは複雑そうな表情で呟いた。

「まあ、ルバーチェの基礎知識は大体そんなところだが………―――しかし、ここ最近、少し風向きが変わってきていてね。」

「え………」

「どういうことですか?」

「これはまだ、警察の方でも掴んだばかりの情報らしいが………最近、どうやらルバーチェの対抗勢力が現れたらしいんだ。それもかなり強力な、ね。」

「対抗勢力………まさか遊撃士協会ですか?」

イアンの説明を聞いたロイドは驚いた後尋ねた。

「いや、対抗勢力といっても悪い意味ともう一つはわからない意味でだよ。悪い意味の対抗勢力とはカルバード共和国の東方人街に一大勢力を構えている組織………その組織が、このクロスベルに進出し始めているらしいんだ。」

「なっ………」

「ほ、本当ですか!?」

「ああ………以前からそんな噂はあったが、どうやら事実だったらしい。―――組織の名は、『黒月(ヘイユエ』。そしてつい最近、クロスベルの港湾区に出来たのが『黒月貿易広司』という。」

「『黒月(ヘイユエ』………」

「……いかにも東方風の名前ですね。」

イアンの話を聞いたロイドは考え込み、ティオは静かな表情で呟き

「しかしマフィア同士の抗争か………こりゃ、不良同士の喧嘩どころの騒ぎじゃないぜ。」

ランディは目を細めて呟いた。

「幸いにしてというべきか………まだ、その抗争そのものは表立っては始まっていないらしい。しかし近いうちに何らかの形で暗闘が始まるかもしれない………警察の捜査一課などはそれを警戒しているようでね。」

「捜査一課って………!」

「もしかして、先程こちらを訪ねていた眼鏡の男性は………?」

「ああ、捜査一課に所属するダドリー君という捜査官だ。ちょうど、今話している事と同じような話をしに来たのさ。」

「そうだったんですか……」

「…………………………」

イアンの話を聞いたエリィは複雑そうな表情で頷き、ロイドは黙って考え込み

「………ロイドさん?どうしたんですか?そんな難しそうな顔をして………」

「ひょっとして何か気づいた事があるのか?」

ロイドの様子に気づいたティオとランディはロイドに尋ねた。

「ああ、まだ完全にはまとまっていないけどね。………そうだ、先生。先程の話では『黒月』以外にも、新たな勢力がクロスベルに進出しているようなお話を口にしていましたが………」

「”わからない意味”の方ですね。」

そして尋ねられたロイドは答えた後、ティオと共にイアンに視線を向けた。

「ああ、そちらか。………そちらの方は私も完全にどんな組織かわかっていなくてね。………ただその組織は恐らくメンフィル帝国にある組織だと思うよ。」

「え………」

「今度は噂の異世界の大国か………」

「そのメンフィル帝国の組織だとわかる根拠は何なんですか?」

イアンの説明を聞いたエリィは驚き、ランディは目を伏せて頷き、ティオは真剣な表情で尋ねた。

「ああ。―――『ラギール商会』という名の会社兼店舗の建物が最近歓楽街にできてね………その建物には頻繁に”闇夜の眷属”達が出入りしているらしい。」

「なるほど………確かに”闇夜の眷属”って言えばメンフィル帝国を代表する独特の種族だしな………」

イアンの話を聞いたランディは納得した表情で呟き

「……そ、そんな………あの組織までクロスベルに進出しているなんて………」

エリィは疲れた表情で呟いた。

「エリィ?もしかして知っているのか、その組織を。」

一方エリィの言葉を聞いたロイドはエリィに視線を向けて尋ねた。



「ええ。――――『ラギール商会』。異世界の各大陸に多くの店舗を構える異世界では有名な商人の組織の一つなんだけど………その組織が取り扱う商品は”何でも揃う”と言われているわ。」

「”何でも揃う”?」

「何やらアヤシイ匂いがプンプンするな………」

エリィの話を聞いたロイドは不思議そうな表情をし、ランディは目を細めて呟いた。

「取り扱う商品は生活必需品や薬や武器、アクセサリーの類は勿論の事だけど………その中には”人”も取り扱っているそうよ。」

「なっ!?」

「………まさかラギール商会も猟兵の斡旋などをしているのかい?」

そして真剣な表情で語ったエリィの話を聞いたロイドは驚き、イアンは真剣な表情で尋ねた。

「確かに傭兵の斡旋も行っていますが………それどころかその商会は人身売買も行っているそうです。」

「じ、人身売買!?」

「………まさか。奴隷………ですか?」

「おいおい………シャレになってねえぞ!?」

エリィの説明を聞いたロイドは真剣な表情で叫び、ティオは真剣な表情で尋ね、ランディは真剣な表情で言った。

「ええ。………奴隷は勿論の事だけど、娼婦や傭兵も”商品”として取り扱っている上………メンフィル建国時からメンフィル帝国とは密接な関係にある商会なの。」

「なっ!?」

「そりゃ、ヤベェ組織だな………」

「あのメンフィル帝国がバックにいるなんて、最悪としかいいようがないですね………」

「まさかそのような組織だったとは………」

ラギール商会の事を知ったロイドは驚き、ランディとティオは疲れた表情で呟き、イアンは真剣な表情で呟いた。

「………それにしても国自体がよくそんな組織と付き合っている事に民衆は何も言わないな………」

「普通そんな組織と付き合っているなんてわかったら、絶対反対するだろ………」

そしてロイドとランディはそれぞれ疑問に思った事を口にした。

「…………………メンフィル帝国は”光”と”闇”……そのどちらにも属さない国。だからこそ民衆も納得しているのだと思うわ。後は彼の国は初代メンフィル皇帝とその妃――――リウイ陛下とイリーナ皇妃を筆頭にメンフィル皇室やメンフィルで有名な武将達を慕っているから、皇室が決めた事に反対する民衆はほとんどいないそうよ。」

「”英雄王”と”聖皇妃”か………………確かにその2人の名はこのゼムリア大陸でも有名だが、自国ではそこまで慕われているのかね?」

エリィの話を聞いて考え込んだイアンは真剣な表情でエリィに尋ねた。

「はい。………元々今はメンフィル帝国が治める大陸―――レスペレント地方では異種族達は迫害されていたのですけど、その事に怒りを抱いていた当時平民だったリウイ陛下が”闇夜の眷属”達を率いて反乱を起こして成功させ、王になった後さまざまな種族達が共に生きられる国へと変え、さらに敵対した国々全てを支配下に置き、国を大きくしていった事から崇高に近い形で民に慕われているのです。………そして初代イリーナ皇妃はメンフィル建国時からリウイ陛下を傍で支え、種族関係なく傷ついた民に接していた事から慕われているんです。………今でもお二人や二人と共に戦った当時の将やリウイ陛下の側室となった各国の姫君達の事は国内で伝説と化して語り継がれています。」

「へ~………まさか噂のあの”覇王”が元は平民だったなんてな…………しかもメンフィル帝国にそんな過去があったなんてな………」

「………………………」

エリィの説明を聞いたランディは興味ありげな表情で呟き、ティオは黙り込んでいた。

「”初代イリーナ皇妃”?その言い方だと今のイリーナ皇妃は関係ないのか?」

一方ある事に疑問を想ったロイドはエリィに尋ねた。

「ええ。初代のイリーナ皇妃は寿命が人間と遥かに違う”闇夜の眷属”のリウイ陛下と違って”人間”だから随分前に亡くなったそうよ。………だから今のイリーナ皇妃は2代目の”聖皇妃”よ。………勿論彼女も民達に慕われているわ。容姿や名前だけでなく性格も瓜二つな事から”聖皇妃”の再来だってね………」

ロイドに尋ねられたエリィは静かな表情で答えた後、複雑そうな表情になり

「それって、スゲェ偶然だな………」

(………というか今のイリーナ皇妃は初代イリーナ皇妃自身なんですけどね………今の話からするとエリィさん、まだイリーナ皇妃の事情を知らないようですね………)

エリィの話を聞いたランディは驚きの表情で呟き、ティオは黙ってエリィを見つめていた。



「それにしてもよくエリィはそんな詳しい事も知っているな?それも知り合いの異世界の人達から聞いたのかい?」

一方ロイドは驚きの表情で尋ね

「え、ええ。知り合いのメンフィル帝国の歴史に詳しい人に教えてもらった事があるから………(ううっ………まさか今のイリーナ皇妃が私の姉で、その縁でメンフィル帝国に留学していたなんて話せないわ………)」

尋ねられたエリィはわずかに慌てた様子で答えた。

「それにしても助かったよ。私は『ラギール商会』については全くと言っていいほど、何も知らなかったからね。お蔭でかの商会の事もよくわかったよ。」

「いえ、お互い様です。」

そしてイアンとエリィの話が終わるとロイドは立ち上がった。

「―――先生。ありがとうございました。先生の情報のおかげで解決の糸口が見えた気がします。」

「そうか………それは何よりだ。セルゲイ君には世話になっているし君達の事は個人的に応援している。また何かあったらいつでも訪ねてきてくれたまえ。」

その後ロイド達は事務所を出た。



~クロスベル市・西通り~



「それで、どうするの?考えをまとめるんだったら支援課に戻りましょうか?」

「そうだな………その前に他に片づけたい用事があるなら済ませておこう。俺が考えていることが事件の真相だったとしたら………かなり面倒な事になるはずだ。」

(フフ、期待しているわよ、ロイド。)

事務所を出た後エリィに尋ねられたロイドは考え込んだ後、真剣な表情で答え、ルファディエルは微笑んでいた。

「へへッ、何だかんだ言って自信があるみたいじゃねえか。そういう事なら、とっとと他の用事を済ませて支援課に戻るとするかね。」

「………はい。急いで片付けましょう。」

その後用事を済ませたロイド達は支援課に戻り、ミーティングを始めた……………


 
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