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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  FF7 ~片翼の天使~


セフィロスが山になった瓦礫の上から二人を見下ろす。
まるでいつもあるかの如く、威風堂々と語りかけてくる。


「来たか、クラウド」

「セフィロス!!」

「あいつ・・・・」


クラウドの表情が険しくなり、蒔風はなにかが疼いた。

クラウドがフェンリルからすべての剣を取り出しファースト剣に組み付ける。
蒔風も、剣にジリジリと手が伸びる。


「あの男の体力が戻るまでの相手をしてやろう・・・死にたくなければ・・・二人で来い」

タンッ、とセフィロスが跳ね、蒔風とクラウドの間に飛び降りてきた。


「ッ!ハァッ!」

ギンッ!バシッ!
ダンッ!ギュオ!

蒔風が風林火山でセフィロスに斬り掛かる。
その連続の斬撃を受け、横一線に長刀「正宗」を薙ぐ。

後ろ向きに跳躍し、そのまま上空に逃げる蒔風。

セフィロスがそれを追い、さらにクラウドが後を追う。



蒔風が着地したのはビルの屋上。
その背後から即座にセフィロスが飛び出し、振り下ろしながらの着地をねらった。

蒔風が転がって躱し、斬撃を飛ばすと、それをセフィロスが掻き消し着地し、そのまま回転して後から来たクラウドに斬り付ける。

着地しようとしたクラウドは咄嗟にそれをガードするも、セフィロスはクラウドの眼前にまで跳んで、数回打ち合う。

セフィロスの猛攻にクラウドは強制的に防御を強いられて―――

「クラウド!」

セフィロスの背後から獅子天麟が回転しながら飛んできた。

クラウドは合体剣を正宗に打ち付け、そこを軸にセフィロスの頭上を乗り越え、獅子天麟を握る。そして両側から挟み込む形で斬り掛かる。
セフィロスはそれをクラウドの腹を蹴り、後退して躱した。


クラウドが着地し、蒔風が駆け寄る。

そこに切り裂かれたビルが落ちてきた。
二人はそれらに向かって高く跳躍し、直撃コースの物は切り裂きながら、ガラガラと落ちてくる巨大なビルだった塊の滝を上に抜け、着地する。


そこより二十メートルほど高い、ビルの壁面にセフィロスが重力を無視したように立っていた。


「クラウド・・・お前はまた、人形なのだな」

「なんだと!?」

「他人の言うままに戦う・・・やはりお前には導き手が必要なようだ」

「断る!!ここに来たのは、オレの意志だ!」

「そうかな?私はお前以上にお前を知っているぞ・・・」

「黙れ!!あんたは必要ない!オレにも、世界にも!!」


クラウドがセフィロスに向かい、壁を駆け上がる。

セフィロスはクラウドに背を向け、自分の立っている位置より上の部分を切り刻む。
先ほどもそうしたのであろう。
巨大な瓦礫が降ってくる。

右へ左へと避けながらクラウドがセフィロスに迫る。


斬りかかると同時、上層部のなくなったビルの中から蒔風が飛び出してきた。


上下からの挟み撃ち

クラウドが剣を突き出して滑るように突っ込む。
それをかわすと、今度は蒔風が上から斬撃を飛ばしそれに身を隠しセフィロスを斬ろうと獅子天麟を薙いだ。
しかし、セフィロスの姿が一瞬消え、蒔風の背後にまわり、蒔風の後頭部を柄で殴り落とす。

落ちていく蒔風の後を、正宗を突き刺すように下に向ける

「シュン!!!くっ!!」

ドウッ!!

クラウドがセフィロスの真上から剣を突き出して後を追うように勢いをつけて追う。


ドゴン!!バッガッ!!!ドシュ!!

二人の影が近づいていき、着地と同時にそれが重なる。
轟音がして、蒔風が巨大なパイプの上に落ち、後を追ってきたセフィロスの刀が腹部に突き刺さった。

「ぐあぁぁああ!!っあ!づぅっ!!」

蒔風の体が標本のように留められる。
刀は深く突き刺さっているのか、蒔風が抜こうとも抜けなくなっていた。

そしてさらに追ってきたクラウドの剣を身体を逸らすだけで避け、その首に手を伸ばし、掴んだ。


「がっは・・・・」

クラウドの足がじたばたともがき、浮く
その手から合体剣を落とし、セフィロスの腕を掴むが全く動じない


「クラウド・・・「奴」から聞いたぞ?お前にも翼があるようだな」

「が・・・なん・・・の・・ことだ」

セフィロスがクラウドに話し続ける。

「他の世界において、お前の背には片翼の翼があるようだな。今のお前にないということはないだろう?私は・・・完全になるのだよ。クラウド」

グォオオ、バッサ!!

セフィロスの背から、右だけの漆黒の翼が現れる
その姿に蒔風の眼が見開かれ、驚愕の表情に変わった。


「ぐ・・な・・・翼人!?」

「そういうらしいな。だが不完全だ。だからくれないかクラウド。お前の、翼を」

「!?ぐ、お、があああぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」


クラウドが苦痛の声をあげる。
体内に無理やり力を流し込まれ、それが暴れまわっている


「よ・・せ!!・・・グッ!!ゲボッ!!!」


蒔風がもがき、血を吐く

クラウドの腕からは徐々に力が抜けていき、ついには全身がダランとして意識を失う。


と、その背中から左半分の漆黒の翼が現れる。

そしてそれの羽が弾け、翼が消える。
散った羽がセフィロスの元に集まり、ついにそれは完成した。


「・・・感謝するぞクラウド。そして・・・もういいぞ」


そこに立っていたのは漆黒の翼人。
ついに一対の翼を持ち、より強大となった、かつての英雄がそこにいた。



蒔風の腹から正宗を引き抜き、クラウドの四肢を撥ねようとする。
しかし、その動きが途中で止まる。

「ほう」

振り返ると蒔風が立ちあがっていて、正宗を掴み、その動きを止めていた。


「止しておけ。お前にはもう無理だ」

セフィロスが蒔風に言う。
しかし彼は退かない


「わかってんのか・・・「奴」がクラウドを殺したら、世界ごとお前も消えるんだぞ!!!」

「ふ・・・そんなもの・・・私は、世界などに混ざりはしないさ」

「!?ぐあっ!!」

ギュイィン!!!

セフィロスの攻撃を蒔風が「風」「火」で弾く。
さらに二、三合撃ちあい、蒔風が弾き飛ばされる。


元は立体駐車場だったのか、その中に弾丸のようなスピードで突っ込んでいく蒔風。
壁に激突し、その衝撃に頭を振る。

そして自分が飛んできた穴に視線をやると、そこからセフィロスが飛び込んで蒔風に斬りかかる。


「開翼!!」


バン!!

蒔風も開翼し、それに応じる。
しかし、その細い刀身からは想像もできないほどの衝撃に、片膝をつき、苦しそうに俯く。

「それがお前の翼か・・・しかし、「奴」は持ってはいないのだな」

「は!何のことだか・・・」

蒔風がなんとか上を見上げながら答える。
その額には冷や汗と脂汗の混ざった物が張り付いている。


「フー、フー、フー・・・おおおおああ!!!」

ドギャン!!!ゴゴン!!


蒔風が瞬発力をフルに使い、その場から弾けるように離れた。

その後を影や天井をジャンプしながらセフィロスが追う。
蒔風も同様に移動しながら応戦するが、その速さに苦戦する。


「消えろ」

ズッ、ゴン!!!


蒔風とセフィロスの剣がぶつかり合い、鍔競り合うが、セフィロスがその状態から衝撃のみを叩き付け、蒔風の体を吹き飛ばした。

外にまで飛び出し、倒壊したビルの屋上部分(そこにも他のビルが倒れこんでいる)に落ちる蒔風。



「こんなものか・・・銀白の翼人」

セフィロスが蒔風の突き破った穴から蒔風の落ちたところを見る。

「どうだい?調子は」

さらに

そこに「奴」までもが現れる。
穴の外の宙に浮いて、セフィロスの方を見る。

「クラウドはどこだ?あいつ殺さんと」

「あっちはいいのか?」

セフィロスが蒔風の方に目をやる

「蒔風・・・か。やっぱ殺したいよなぁ。オレとしてはよ!!!」

ドウッ!!

「奴」が波動砲を撃ち、蒔風のいた所が吹き飛ぶ。

「・・・じゃ、クラウドはどこだ」

「死体は確認しないのか」

「やだよそんなの。死んでなくてももう動けんだろ」

セフィロスと「奴」の姿が動いた。


クラウドにとどめを刺すために



to be continued

 
 

 
後書き
アリス
「出てきましたね。蒔風以外の翼人」

これは予想してた人もいたのでは?と思います

アリス
「翼をもつクラウドって言うのは?」

はい
キングダムハーツです。

アリス
「でも、あの作品とセフィロスの翼って、形違くないですか?」

そうなんですよね~~
でもここはセフィロスの方で統一!

クラウドの翼も、普通な感じの翼で





アリス
「次回、新たなる翼人。明かされる秘密」

ではまた次回










大切じゃないものなんかない――――!! 
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