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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜

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第18話 Past Memory3


夏休みまであと2週間ってあたりかな?
登校してきた皓貴がこんなことを言ってきたんだ


「おはよう大地!聞いてくれよビッグニュースビッグニュース!」

ビッグニュースという言葉に反応した俺は勉強していた手を止めて耳を傾ける

「なんだ?お前の好きなR-18のサイトでも見つけたか?」

「そうなんだよ〜まじで最近の女性は....ってちげぇよ!!いつから俺はそんな変態になってるんだよ!」

「え?違うの?」

俺はてっきり見ず知らずの女の子に手を出すくらい変態かと思ってたよ

「俺はお前の中でどんな扱い受けてんだよ...」

「で?ビッグニュースってのはなんなんだ?」

「そうそれ!遂に来るぞ!」

「なにが?」

焦らしてないで言いたいことをさっさと言えっての

「転校生が」

「は?転校生?俺らのクラスに?」

「違う、1つ上の学年に」

「上の学年?どーでもいいや」

期待して損したとばかりに俺は問題集に目をやる。
ガクガクと俺の肩を揺らして脳みそをかき乱す

「いいから最後まで話を聞け!噂によるとかなりの美少女で胸がすごいらしい!」

「なに?胸が.....?」

胸...という言葉に反応した俺は皓貴と同類レベルだろう

男なんてみんなそんなもんだ

「あぁ、だから今からその噂の転校生を見に行こうと思う。どうだ?ついて来るか?」


「んん〜」

確かに魅力的な話ではある。だがしかし今から....HRを抜け出してそのこを見に行くのか....

「先生にバレないか?」

「だ〜いじょうぶ!バレたら一緒に怒られようぜ?(。 ・`ω・´) キラン☆」

嫌な予感がする......ここは遠慮した方が身のためかもしれない

「いや...俺はいかな--「さぁ行こう!夢の舞台へ!」

ズルズルズルズル.....

皓貴の思うがままに引きずられてしまった
ダレカタスケテ〜







「ほほう....あれが噂の転校生ですか」

HRが始まり3年A組前には1人の少女がぽつんと一人立っていた

「それでは転校生のご登場〜!おめでとう野郎ども〜!残念でした〜子猫ちゃんたち〜」






無駄にハイテンションの先生はドアをあけて転校生を呼ぶ。
俺らもドアに近づいてこっそり中を覗く
なんていうか....見た感じ大人しそうで引っ込み思案な性格をしていそう。
それなのに!!自己主張の激しい胸!!
え?中学生でその胸?やばくないですか?



「み...みなさん初めまして....東條....希...と言います。これからよろしくお願いします」

微かに聞こえたのは東條希って名前だけ。

「スゲェ.....あの子めっちゃ俺好みなんですけど....」

皓貴はよだれを垂らしながらいやらしい目つきで彼女を眺める

「....そうだな」





「よし、んじゃあHRを終わる」

「起立」

「礼」





「あ!やべ!早く戻んねぇと!いくぞ大地」

急に血相を変えて走り出した

「おいこら!俺を誘っておいておいてくなよ!」

後に続いて俺も教室に戻った










----------------------------




赤店補習期間終了まであと2日

メンバーが揃わないと何もできないので俺は教室で一人勉強することにした。

「.........」


「.........」


「........あーもう!!ダメだ!全然集中できねぇ」

いつもならこの時間帯は問題なく集中できるんだけどな....
でも集中できない原因はわかる





......東條希


彼女がどんな人なのか気になって仕方が無かった。決して恋愛感情の気になるじゃないからな!
教室にいたりしないかな....
俺は勉強道具をそのままに教室を出て、3階を目指す。

「あ、いた....」

教室に1人座っていた



彼女は黙々と読書をしていた。
その姿は知的な雰囲気を放ち、孤高の存在を表していた

タイトルは.......英語で読めないが、絵からして童話のようだ

チャレンジ!これ大事!俺は思い切って声を掛けることにした

「あの.....」


「きゃっ!」

え?俺は軽く肩を叩いただけなのにそこまで驚きますか?

「ごめんごめん...驚かせちゃいましたね」

「い、いえ.....」

「.........」

「..........」

だめだ、東條さん警戒して話しかけづらい

「お、俺は2年の笹倉大地って言います。」

「.....東條希....です」


「今日転校してきたんですよね。噂で知りました」

「うん....」

...........沈黙が続く。なにか....なにか話題を.....あ、そうだ!

「あ、あのさ....部活は入らないんですか?」

「部活は参加してない。入った方がいいとは思うけど、入りづらくて」

「もしよかったらですけど、ダンス部に来ないですか?俺もやってるんですよ!」

「え?」

「今部員が男子しかいなくてさ...ダンスに興味ある〜とか手伝いたい〜とか思ってくれるなら入って欲しいなと思いまして......」

「え?で、でも私....ダンス部に知り合いとかいないし...」

「いない?知り合いがですか?」

「うん......」

転校初日だから友達つくるの難しいんだろうな.......
じゃあここは一発かましますか!


「じゃあ俺と友達になりましょうよ!俺、東條さんと友達になりたいです」

「え?」

親指をぐっと立てて俺を指し示す。

「俺と話した今この瞬間、あなたは俺の友達です!この意味わかりますね?」




「と、友達.......私が?君の?」

「そ。ここでの友達が初めてですか?」






「.......ひっく.....ふぇっ」

「へ?」

いきなり泣き始めたぞ?心を抉るようなまずいこといったかな?

「ど...どうして泣くんですか。なにか地雷踏んだのでしたは謝ります」

「ううん....ひっく、違うの。ひっく...そうじゃないの。」

「違う?」

「友達ができたの......生まれて初めてで.....嬉しくて」

なん....だって?
今のが聞き間違いでないとするなら彼女はどうやって小学校生活を送ってたんだ?

「.....私ね、両親がどっちも忙しくてあっちこっちに飛び回ってるの。転勤族って言うの。だから転勤先の小学校に行ってもすぐ転勤だから友達と言える友達がいなくて......」

「そう、なんですか...」

転勤

俺も小学校の時に恐らく一度だけやった。状況が違うにしろ東條さんの気持ちがわからないでもない。


「俺も前に転勤したことあるからその気持ちわからないでもないです。辛いですよね.......転校なんて」

頭をよしよしと撫でて慰める

「ごめんね、ありがとう」










泣きやんだところで再度、問いただす




「東條さん、もう一度聞きます。ダンス部...入ってくれませんか?」







「うん!!!!」


彼女の笑顔に不覚にもドキッとしてしまった


「なんだ.....東條さん笑うと可愛いじゃないですか」


「ふぇっ!!!ちょっと何を言ってるの?///わ、私は....」

「ははっ、照れてるところも可愛いですよ?そうやって笑っていれば自然と人が集まってきますって。独りぼっちなんて損するだけですよ?殻を破ってみましょうよ!これを機会に」

「殻を....破る?」

「そ、自分は内気だから無理...とか思ってる暇があったら自分から積極的になった方が為になるってことです!ね?」


「....ふふっ、笹倉くんって面白いね」

「そうですか?」

「だって笹倉くん年下でしょ?なのに同級生と話すようなノリだから...」

「だめ...でしたか?」

「ううん、いいよ。私からもお願いしたい。変に敬語なんて使わなくていいよ。気軽にタメ口の方が私も嬉しい」


これが彼女....東條希とのファーストコンタクトだった










ザザザジザジジジザザ.......


----------------------------

「それでは試験を始めてください」


先生の合図のもと、一斉に解答用紙をめくり問題を解き始める。
高校生になって初めてのテストで緊張はしたが、今までしっかり勉強してきたから大丈夫!と自信をもって取り組んだ


うちの学校で全国で有名な進学校で生徒の3割~4割は東大を目指して日々勉強をやっている。

小学の頃から勉強癖をつけていたおかげで高校入学後もレベルの高い授業についていくことができた。
忙しいが毎日やることで身につくんだと意識した。


当然....ダンスは辞めることになった。

この学校にダンス部なんてないし、あったとしても忙しくて部活に時間を割くくらいなら勉強したい....そんな心境だった。

一校時目の英語は全教科の中で1番得意な科目で
中学卒業の時点で実用英検準一級やTOEICを取得している。
おかげで来年に行われる修学旅行でも外国人から話しかけられても大丈夫!というわけだ。






「それでは、やめ。後ろから解答用紙回収」














テスト返却は3日後に返却された。
満点は惜しくもなかったが、平均95,2と俺にしてはいい出来だった。

その次の日には廊下の掲示板に順位が張り出される



「笹倉大地.....笹倉大地.....あれ?名前がない」

予想は472位中100位前後かな〜と思ってそこらへんを見るも、何故か俺の名前がない。


まさかもっと上なのか?
50.........40..........30.....20.....え?なんでないの?

もっと上??

10........あ、あった

1年1学期期末考査結果 7科目総合得点700点


1位 1年2組 永沼陽 692点
2位 1年1組 太田晴花 683点
3位 1年5組 勅使河原広裕 678点


4位 1年3組 笹倉大地 667点



え?まじか....













「すげぇな笹倉。4位とかまじ羨まし〜」

「そんなことねぇよ、提出物とかしっかりやって復習しただけだから」

「んな謙遜しやがってよ〜。いいな〜俺もそんな頭欲しい〜」

「君も12位とかいいじゃないか。」

「笹倉と比べると全然だよ」






(ちっ.....調子に乗りやがって....なにが『提出物とかしっかりやって復習しただけだから』だ。ああいう謙遜マジでウゼェ)

(わかるわかる!俺らのことバカにしてんじゃねぇの?)

(あんなやつ......)




ザザザジザジジジザザ.....

----------------------------



中学生になって初めての夏休みがやってきた。
とはいえ、今週末に控えた大会....俺達の初めての大会に向けてひたすら踊ることに専念していった。

東條さんは入部してくれた。女子部員が1人なため、大会に出場とかできないと言った。そしたら「いいの!笹倉くんがいるからいいの!」と言って、マネージャーという形で俺達のサポートをしてくれている。

彼女の存在が俺達のモチベーションを上げてくれた。
東條さん可愛いし、最近笑うことが増え影の東條希ファンクラブが存在するまでになった。

だが、それらから逃げるように俺達『ダンス部』とほぼ毎日一緒にいるのでファンクラブのみんなは近寄れずにいた。

女友達はあまりいないものの、俺らといる方が楽しいとか言って遊びに行く時も男6、女1という微妙な割合でいることが多くなった。







そして迎えた夏の大会。いわゆる新人戦


俺は大会というものを経験してるからなんともなかったが、ほかのメンバーはガチガチに緊張して早朝の練習も普段の半分も動けていなかった


「あぁ....緊張して口からラーメン出そうだ....」

「俺たちはしっかりやってきたんだ。焦らなくていい。楽しんでやろうぜ?てか、口からラーメンって何故?」


「なぜってそりゃあ....朝飯ラーメンだったから」

朝からラーメンって.......よく食えるよな

皓貴は胸を押さえながらゆっくり深呼吸する。


「笹倉くん....」

トントンと肩を叩いて東條さんは心配そうに見つめる

「なぁに東條さんまで心配そうな顔してんだよ。大丈夫大丈夫!今まで頑張ってきたんだからさ」

「で、でも.....」

東條さんの頭を撫でて心配を和らげる

「......もう..///笹倉くんは.....///」



「........(じ〜)」

俺と東條さんのやりとりを見て皓貴は不満げに眉をひそめる

「な、なんだよ.....」






「いやぁ〜いつの間に君達はそんな関係になったのかなぁ〜と思って」




「ブフッ!!!」

「えっ!?//////」


俺は豪快に吹き出し、東條は頬を染めてあたふたする

「なななんだよそれ!俺と東條さんはそんな関係じゃねぇよ!どこをどう見たらそう解釈できんだよ!な!」

「.......(ブンブンブン)///」

「ふぅ〜ん、ま、後ろ指さされないようにだけはしろよ〜」

皓貴は手をひらひらと振って先に会場へ向かった

「な、なんなんだよあいつ....どうして俺と東條さんが付き合ってるように見えるんだよ....どう思う?あいつ...」




「.........っ//////」


東條さんも無言のままスタスタと先に行ってしまった。



大会は目の前だというのになにがどうなってんだか.....



















大会というのは長いようで短い

短い演技時間だが、そこにどれだけ努力の成果を見せつけるか。どれだけダンスを楽しんでいるか。それが大会を勝ち残るコツなんじゃないかと思う。


結果は優勝には至らなかったが

緊張はしていたが、1人1人満足行く結果で、しかもやりきることができた。そして俺たちは次の目標へ向けて頑張ろうと決意した。








「ねぇ君!」

帰り際、東條さんと今日の大会について感想を言い合っているところに突然声が掛かった。

「.....俺?」

「そう!そこの君だよ!」

俺達の目の前に現れた少女はショートヘアの茶髪で身長が低く、活発そうな感じだった。

ちょっと出てるおでこが可愛らしいと思った


「俺に何か用ですか?」

めんどくさそうに返答すると、少女はズカズカと歩いてきて俺の顔に指さして告げる

「私の名前は------!いい!今回は貴方達....いや、君のダンスに負けたけど、次の大会では絶対勝つからね!覚えておきなさい!」

いきなりの宣戦布告に俺も東條さんも呆然

つか.....どうしていきなり?

「え...と俺の事知ってるの?」

「当たり前じゃない!君の所属していたクラブは県大会優勝して有名だったじゃない!」

「あぁ...そう言われればそうだったな。あれ?なんでそのこと知ってるの?」


「私も小学の頃からやってて、ずっと君のダンスを見てたからよ!」

少女はまだ未熟な胸を反らして威張る。
よくわからない子だな〜

「そうか....今度大会で会ったらよろしくな!」

俺は手を差し出す

「......」

少女も無言で手を握り返し、すぐにどこかへ行った


「あ、そうそう」

少女は振り向いて口から出た言葉は意味不明だった












いつものオレンジ色の髪の女の子はどうしたの?













キリキリキリキリ

頭を締め付けるような痛みに襲われた。
なんなんだ?













「笹倉くん、今の------さんが言ってたオレンジの髪の少女って?」

俺の顔を覗き込み、膨れっ面で尋ねる

「いや.....俺にもわかんない」


『だいくん!』

キリキリ

『だいくん!』

キリキリ





俺は........大事なことを忘れている気がする





「笹倉くん!」

「え?なに?」

「これからもダンス頑張ってね!私は笹倉くんをずっと応援してるから!」












----------------------------

事件は前触れもなく....唐突にやってきた。




それは夏休み明けてすぐの学校帰りで本人から聞かされた


「笹倉くん...ごめんね。私、また転校することになっちゃった」

頭が真っ白になり、東條さんが言っていることが全然聞こえなかった?
どうして東條さんが転校なの?
だって....これからまた大会に向けて頑張るんじゃなかったの?


それなのに..こんなお別れの仕方ってありなのかよ!!

「東條さん......それっていつですか?」

「明後日の学校から帰ってきたらすぐなの.....」

急な話だな.....








東條さんが転向する日の部活は急遽オフにし、東條さんのお別れ会を部室で開いた。
先生から許可を頂き、お菓子や飲み物、プレゼントを用意して俺達は東條さんと最後の時間を過ごした

最後には東條さんの為にダンスを見せた。泣くことは許されない
俺達は最後まで東條さんを笑顔で見送った。


「なぁ...大地」

「なんだよ....」

東條さんが他の部員と話してる隙を見て皓貴は耳元で呟く

「今日はお前は東條さんと一緒に帰れ」

「は?だってお別れ会の後部活するんだろ?」

「いいから!ずべこべ言わずお前は帰れ!いいな?」

妙に真剣だったので断れなるなり

「わ、わかったよ....だが俺がいなくてもちゃんとやれよ?」

「わかってるよ」

















「なぁ東條さん、一緒に帰らないか?」

「え?だって部活は?」

「今日は東條さんと帰りたくて....だめか?」

「ううん!全然!私も笹倉くんと帰りたいと思ってたの」


俺達は昇降口を出た後、とりとめのない会話をしながらゆっくり今の時間を大切にするように帰った



「ねぇ...笹倉くん」

「ん?」

「私....向こうに行っても友達、できるかな?」

悩むことなく俺は答える

「出来るよ。東條さんがいつも笑顔でいてくれたら必ずできる!」

「ふふっ...ありがと」

時間には必ず終わりがやってくる
すでに引っ越しの準備は終わっているらしく、帰宅したらすぐに向こうへ出発するそうだ

「私ね」

「うん」

「この1ヶ月楽しかったよ」

「うん」

「笹倉くんが....私の初めての友達になってから今日まですごく....すごく....楽しかった」

「.....うん」

「今まで独りぼっちだった。私には友達なんてできないと思ってた。でも.....笹倉くんは...そんな私に声を....かけて....ふぇっ......笹倉は優しくて人のことを優先に考えて....それで....私は....」


泣きながらも彼女は言葉を紡ぐ

感謝したいと...楽しかったと、彼女にとって俺との出会いは救いそのものだったのだと。


最後は笑って俺に言ったんだ。勇気を出して....

















「私は.....そんな大地くんが好き!私を救ってくれた大地くんが大好きです」










俺は無言で......抱きしめた

俺の腕の中でずっと彼女は泣き続けた




「もう...会えなくなるのは嫌ぁっ!放したくない!...大地くんと一緒にいたい〜!うわぁぁぁぁぁぁんっ!!!」



夕暮れに差し掛かった住宅街で鳴き声が響いた
もうすぐ夏が終わる.......









「心配しないで、もう会えなくなるわけじゃない。きっといつか......また会えるよ」





それぞれの道へまた一歩歩み出していく








ザザザジザジジジザザ......



----------------------------


俺は珍しく早起きしてしまった

時計の針は4時50分を指していた。


俺はゆっくり体を起こし、瞼を擦る。

.....なにか懐かしいようなそんな夢を見ていた気がする
うっすらではあるが覚えている

中学校の部活のこと、その時できた友達のこと。
そして転校生や大会で突如現れた謎の少女のこと。

すべてぼんやりではあるがすごく気分のいい夢だった


そういえば転校生.......名前.....なんだったかな
あの子、元気にしてるかな

会いたいな.......

それに大会で現れた少女.....最近TVで同じ感じの子を見たような.....
きっと気の所為だろう....


オープンキャンパスも無事に終わって.....
絵里先輩も入って、これからμ‘sはどうなるんだろうな...
楽しみ楽しみ♪


そして模試の結果が明日発表だ!順位あがってるといいな....









ザザザジザジジジザザ.......


----------------------------





3年間はあっという間だ
気が付けば俺はもう卒業。ダンス部は入部した後輩に託して俺達は今日卒業した。

高校はみんな別々、でも俺達がつくりあげてきた絆はこれからも続く!
冬のダンスは指が悴んで痛かった
春には新入生を集めるためにダンスを踊って募集した。
入部した後輩をしっかり基礎から叩き込んでともに頑張った
夏の合宿はうだるような暑さだったけど、それを乗り越えてからの新人戦はとても素晴らしい結果を残した。
みんたで喜び抱き合った新人戦優勝。
今でもあの時の感動を覚えている
秋は親睦を深めるために俺んちに泊りがけでダンスを練習し、夜はみんなでゲームをした、
2度目の冬は雪の中走ってみんなで風邪引いた
3度目の春。新しく加えた1年生と2、3年生計17人で最後の大会に挑んだ
全国大会初戦で敗れたが全国の観客に俺達の最高のパフォーマンスを見せることができて後悔はなかった




そしてなにより......俺の事を支えてくれた皓貴に感謝してる


でも......彼は卒業式前日。








俺たちの前から姿を消した。


















家庭内暴力を耐えきれなくなり、自室で首を吊って....亡くなった.....









卒業式はみんなで笑って卒業したかったのに......
何やってるんだよと問い詰めるような思いよりも
どうして気づかなかったんだろうという後悔が
俺の卒業式を支配していた



















思い出したく無い........
それでも俺達は前に進むことしかできない

後ろを振り返ってばかりはダメだ

前に進め。足はそのためについているんだろうが.........








悲しい出来事から2年目の春。

「....は?転入?」



9人の女神との出会い。

彼女たちのおかげで彼は呪縛から開放された。


これまでは序章に過ぎない。


これからが本当の.....彼の人生なのだから
 
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