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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1359話

 ヨシサダと出会ってから十日後、いよいよ木星に向けて出発する時がやってきた。
 既にヨシサダもシロガネに乗り込んでおり、今は与えられた部屋で大人しくしている。
 いや、それとも量産型Wに嬉々として質問をしたりしてコミュニケーションを取ってるのか?
 ともあれ、ブリッジに呼ぶのは一応シロガネがシャドウミラーの旗艦である以上はよした方がいいという事で却下された。
 まぁ、艦長のナタルにしてみれば、幾ら戦力的に下だからといってそう簡単にブリッジに上がるのを許可は出来ないといったところか。
 一応連合軍との通信とかである程度ブリッジの中身は見られてはいる筈だろうけど。

「アクセル、準備は万端整った。後は命令を」

 ナタルの言葉に頷き、周囲を見回す。
 ここにいるのは、シロガネで木星へと向かう面々。
 俺、ナタル、円、美砂、。そして政治班として、エザリア、あやか、千鶴。
 ただし、イザークとオウカは格納庫でそれぞれのヒュッケバインに乗って待機している。
 当然木星へと向かうのはシステムXNで転移する訳だが、突然木連の前にシャドウミラーの戦艦が現れるのだ。木連としてもすぐにでも戦力を出してくるだろう。
 特にシロガネはこれまで何度か木連と戦っており、向こうがこっちの情報を入手しているとすれば、特に警戒は強い筈だ。
 そんな状況である以上、こちらとしてもいざという時に備えておくのは当然だろう。
 勿論シャドウやメギロートといった機体も待機しており、いつでも出撃出来るようになっている。
 実働班の中で俺だけがブリッジにいるのは、何かあったとしても影のゲートがあるから一瞬で格納庫へと行ける為だ。
 ……まぁ、それを言うのであれば、イザークとオウカもブリッジから影のゲートを使って連れていけばいいだけなんだろうけど。
 地球に向かった戦力の殆どがシロガネに乗っているが……今の連合軍が俺達に攻撃を仕掛けてくる可能性というのはまずないと言ってもいい。
 それに、もし攻撃を仕掛けてきたとしても、ニヴルヘイムに乗っている以上危害を加えられる筈もない。
 そして攻撃出来ないでいる内に、俺達が木星から帰還して……ジ・エンドという流れになりそうな気がする。
 スタッフロールとか流れて。
 って、それだとバットエンドか。
 ふとした思いつきに苦笑を浮かべ、映像モニタへと視線を向ける。
 そこにはニヴルヘイムの姿があり、既に見慣れた光景となったサツキミドリ2号の姿もある。そして何より、連合軍からも戦艦が何隻も見送りに来ているのを考えると、それだけ連合軍が今回の件を重要視しているというのが分かる。
 ……まぁ、仮にも少将を単独で送ってくるんだから、その辺は十分理解しているのだろうが。

「では、これよりシャドウミラー旗艦のシロガネは木星へと向けて転移を開始する。……ナタル」
「了解。これよりシロガネは転移を開始する。システムXN、起動」
「システムXN、起動」

 ナタルの言葉、円が素早く答える。
 マリューが艦長をやっていた頃からシロガネのオペレーターとして活動してきたのだから、シロガネの操作は慣れたものなのだろう。
 そうしてシステムXNが起動し、転移座標が入力され、転移フィールドにシロガネの艦体が包まれ……

「転移」
「了解、転移します」

 ナタルの言葉に円が返し、次の瞬間にはシロガネはサツキミドリ2号の周辺宙域から姿を消し……木星へとその姿を現していた。

「……へぇ」

 転移が完了し、映像モニタに映し出された光景を見て、一言漏らす。
 そこに映し出されていたのが、木星だから……だけではない。
 木星の周辺を漂っている小惑星帯の中には如何にも人工物であると思われるものが幾つも存在しているし、何よりその辺の小惑星よりも余程巨大なコロニー……と呼ぶには多少小さいが、機能的には恐らくそう呼んでも不思議ではないだろう建造物が存在したからだ。

「ニヴルヘイムと同じような設計思想かしら?」

 ふと、千鶴が呟く声が聞こえてくる。
 なるほど、移動する居住地という意味ではそれ程間違ってはいないだろう。
 だが、こうして見る限りでは、とてもではないが防御力を持っているようには見えない。
 いや、宇宙空間にある以上は最低限の防御力を持っているのは間違いないんだろうが、それでも戦闘に耐えられるかと言われれば……首を傾げざるを得ない。

「ニヴルヘイムが機動要塞なのに対して、こっちはどちらかと言えば機動住居だな」
「あ、アクセル君上手い。うん、確かにそんな感じね」

 感心するような円の声が聞こえてくるが、それにしても木連の行動は遅いな。
 シロガネが木星に姿を現してから、約数分。シャドウミラーであれば、とっくにシャドウとメギロートが出撃していてもおかしくはない。
 同じ無人機なんだし、そのくらいやってもおかしくはない……よな?

『ナタルさん、私達はどうしますか? まさか向こうの動きがこうも遅いとは思っていなかったのですが……』
「まだ出撃はしないように。こちらから手を出したという名目を与えたくはない」
「ええ、そうしてちょうだい」

 ナタルの言葉にエザリアが同意するように頷く。
 今更……本当に今更だが、この2人が同じ勢力として同じ艦に乗ってるってのは、SEEDの原作を知っている身としては色々と思うところがないでもない。
 まぁ、こうして見る限りお互いに遺恨は残していないようだし、そこまで気にする必要はないか。
 ナタル+エザリア=ナタリアと、微妙に関係のないことを考えながらそんな2人を眺めていると、続いてナタルが口を開く。

「オープンチャンネルを使って木連に連絡を。私達はシャドウミラーという組織であり、木連との交渉を望むと」

 ちなみにオープンチャンネルとしたのは、木連のどこが首都的な扱いなのか分からない為だろう。
 普通に考えれば、あの都市型宇宙艦……ああ、なるほど。何か既視感があると思ったら、別に機動要塞であるニヴルヘイムと比べるよりもいいのがあったな。
 マクロス世界のマクロス級。
 ……ただ、マクロス級に比べると大分小さいから、そこまで意識しなかったんだろう。

「向こうはどう出てくるでしょうか?」

 あやかの声がブリッジに響く中、木星周辺の宙域は静寂に包まれている。
 木連から通信が送られてこないというのは、こっちに敵対心を持っているからという可能性も高い。だが、その割りにはバッタとかカトンボとかが出撃してくる様子がないのも不思議だ。
 そんな状況である以上、当然こっちからもイザークやオウカ、無人機といった戦力を出す訳にもいかない訳で。
 そのままどのくらいが過ぎただろう。恐らく10分は経っていない筈だ。
 そうして……

『こちら、木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体、優人部隊隊長の白鳥九十九少佐であります』

 ……ヤマダ?
 そんな通信と共に映像モニタに映し出されたのは、ナデシコに乗っていたパイロットのヤマダに似た風貌を持つ男だった。
 アカツキから木連はヤマダモドキが大勢いるという話を聞いてはいたが……まさか、言動や性格だけではなく、外見までヤマダにそっくりの人物がいるとは思ってもみなかった。
 だが幸い、ナデシコとそれなりに親しく付き合っていても、ヤマダと詳しく話したことがあるような人物は殆どいない。
 それだけに俺のように驚いている者はおらず、エザリアが口を開く。

「少佐、ですか? 一応こちらは一国を代表して来ているのですが」
『なっ!?』

 うん? エザリアの言葉に怒ったのか?
 そうも思ったが、白鳥と名乗った男の頬が赤く染まっているのは、怒りよりも照れや羞恥といった色の方が強いように思える。
 女慣れしてないのか? ……そんなところまでヤマダモドキじゃなくてもいいだろうに。
 そんな白鳥の言葉にエザリアも疑問に思ったのだろう。不思議そうに口を開く。

「白鳥少佐? どうされました?」
『い……いえっ! な、何でもありませんっ!』

 頬を真っ赤に染めた白鳥の様子は、どうにも首を傾げざるを得ない。

「そう? それで……今も言ったけど、私達はシャドウミラーという国の者です。貴方達木連との交渉を行う為にやって来ました」
『……シャドウミラー、ですか? その、失礼ですが地球の方々では?』

 おや、随分と態度が柔らかくなったな。
 女好きだったりするのか? いや、この対応は決して女慣れをしている訳じゃない。だとすれば、どちらかと言えば女にどう接していいのか分からないとか、そんな感じか?

「ええ。私達は貴方達が敵対している連合軍とは全く別の組織……いえ、国です。無論連合軍や連合政府とは交渉をしており、無関係ということではありませんが」
『もしそれが本当であれば、私達も貴方達と交渉するのは決して否とは言いません。しかし……うん? 何!?』

 向こう側で何かあったのだろう。白鳥の表情が一瞬にして厳しくなる。

『貴方達は連合軍ではないと、そう言っていたと思いますが……』
「ええ、そうですね」
『ですが、こちらにある情報ですと、その戦艦は地球における私達の活動を妨害し、かなりの被害を出しているという話ですが?」

 なるほど、白鳥は俺達の存在を知らなかったのか、それとも今の様子を見る限りでは女慣れしていないところにエザリアというクールビューティを見てパニクったのか。
 ともあれ、そんな白鳥に誰かが俺達の存在を教えたのだろう。
 だが……そんな白鳥の言葉に、エザリアは薄らと笑みすら浮かべて口を開く。

「私達がこの世界に来て最初に接触したのは、連合軍でした。そして連合軍が敵対していたのは木星蜥蜴と呼ばれている無人機。であれば、そちらに協力するのが当然でしょう? 事実、私達が木星蜥蜴……いえ、木連が人間の組織する国だと理解したのはつい最近であり、だからこそこうして木星までやって来たのですから」

 エザリアの口から出た言葉には、色々と嘘が混ざったりもしているが、取りあえず今は仕方がないだろう。
 俺が最初に接触したのは連合軍じゃなくてネルガルだったとか、そんな感じで。
 それに、どうやら白鳥はエザリアの言葉に対して大きく疑問を抱いているらしい。

『この世界、ですか? それに生身の人間が次元跳躍を使える? 貴方達は一体……』

 そんな不思議そうな言葉に、エザリアは笑みを浮かべて口を開く。

「私達はこの世界の外……異世界に存在する国家、シャドウミラーです」
『い、異世界人!?』

 うん、やっぱりこの辺の話は向こうの意表を突けるな。
 そして意表を突かれれば、向こうは動揺する。

「ええ。それで、どうでしょう? 私達は木連との交渉を持つべくやって来た、と先程も言いましたけど、そちらに交渉の準備はありますか?」
『そ、それは……すいません。そこまで大事になってしまうと、私では判断出来ません。上の者の判断になります』

 だろうな。
 白鳥もこの若さで少佐というのはかなりエリートなんだろうけど、言ってみれば結局のところはただの少佐でしかない。
 外部勢力と交渉するのであれば、佐官程度では役不足もいいところだろう。
 せめて将官辺りが出てこないと。

「そうですか。では、私達はここでお待ちしていますので、話を通して貰えますか?」
『は、はい! すぐに! 少しお待ち下さい!』

 笑みを浮かべてエザリアが告げると、白鳥は顔を真っ赤にしてから叫んで通信が切れる。
 そうして残ったのは、シロガネのブリッジに浮かぶ沈黙のみ。
 そんな沈黙を最初に破ったのは、美砂だった。

「うわ、エザリアって実は男誑しね」
「あら、別に誑し込んではいないわよ?」

 平然と言葉を返すエザリアだったが、今の様子を見る限りだと色々な意味で凄い悪女に見えなくもないな。

「だって、あの白鳥って人、エザリアに思い切り見惚れてたじゃない。多分、エザリアが彼を誘えば一発でフラフラと寄ってくるわよ?」
「あのね、人を誰かさんみたいに言わないでくれる?」

 そう告げたエザリアの視線が向けられていたのは、当然のように俺の方。
 いや、俺が女好きってのは恋人の数が10人を突破している以上、何を言っても無駄だろうから、これ以上は何も言わないけど。

「それより、これで木連上層部がどう動いてくるかだけど……どう思う?」
「あ、アクセル君が話を逸らした」

 美砂が何かを言ってるようだが、取りあえずそれはスルーする。
 エザリアもそんな美砂の言葉を受け流しつつ口を開く。

「そうね、優人部隊の隊長とか言ってたけど……恐らくエリートなんでしょうね。同じ軍人として、ナタルはどう思う?」
「そうだな。エザリアと話していて色々と戸惑っている様子が見えた。実際に目の前にいれば身のこなしなども……」

 ナタルの言葉が最後まで告げられるよりも前に、ブリッジに非常警報がなる。

「何が起きた!」

 ナタルの鋭い声に真っ先に反応したのは、円だった。

「木連の大型艦から、多数の敵兵器が出撃。こっちに向かってくるわ!」 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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