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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第89話

~狭間の宮殿~



(嵐よ!我等に加護を!嵐の聖域!!)

「謳え!奏でよ!我等の凱旋ぞ!」

「セリカ様……!私達に御力を!聖なる再生の風!!」

「貴方達に祝福を!覚醒領域の付術!!」

「フェミリンスの加護!英雄領域の付術!!」

「オーブメント駆動!フォルトゥナ!!」

戦闘が開始されるとパズモ、アムドシアス、シュリ、エクリア、サティア、リタはそれぞれ技や魔術、アーツで仲間達の能力を底上げし

「雷光!地烈斬!!」

「せいっ!!」

「それっ!!」

「これでも喰らえやっ!!」

セリカ、エステル、マリーニャ、ケビンはそれぞれ遠距離攻撃を一斉にアビルースに向かって放った!

「ひひぃぃっ!私の女神………!」

しかしアビルースは異形の生物達を盾にして自分に来た攻撃を防ぎ

「私の……私のものだ………!」

片手からは魔術―――ティルワンの死磔、もう片方の手からは魔術―――エル=アウエラを放った!

「おお……?おお……!」

「消え去るがよい!ルン=アウエラ!!」

しかしナベリウスはアビルースが放った魔術には同じ魔術―――ティルワンの死磔を放って相殺し、レシェンテはアビルースが放った魔術より上位の魔術を放って敵が放った魔術を呑みこませると共に敵を攻撃した!

「あぁぁあっ、煩い!私の邪魔をするな……!」

自分に襲い掛かって来た高純粋のエネルギーに対してアビルースは結界を貼って防御しようとしたが

「ガッ!?」

なんとレシェンテが放った高純粋のエネルギーは膨大な魔力を込められていたため、アビルースの結界を貫き、アビルースにダメージを与えた!

「お師範様!お願いだから、もうやめて!!」

そこにペルルがクラフト―――恐怖の逆ごろごろでアビルースに突進して来た!

「煩い!鳥もどきが私の邪魔をするな――――!!」

「あうっ!?」

しかしその時アビルースは転移して回避した後魔術―――イオ=ルーンを2回続けて放ってペルルに重傷を与えると共に吹っ飛ばした!

「お……師範……様………」

(ペルル、大丈夫!?今、回復するわ!ティア・オル!!)

涙を流して身体を震わせながら立ち上がったペルルに駆け寄ったパズモは心配そうな表情でペルルを見つめながらアーツでペルルの傷を回復した。



「美しき女神よ、早く私のものに……!ハハハハハッ!!」

一方アビルースはセリカを凝視しながら狂笑し、無数の異形の生物達を召喚して、セリカ達に向かわせた。

「ご主人様!あたし達はあいつらを相手します!」

「主はアビルースとの決着を!」

それを見たマリーニャとリタはそれぞれ武器を構えて、セリカに視線を向けて叫び

「……わかった。殲鋼!双肢乱!!」

2人の言葉を聞いたセリカは飛燕剣を放ってアビルースへと続く道を防いでいる異形の生物達を滅した後、アビルースに向かい

「私も行くわ……!」

「我も行くぞ!この我を封じた恨み……今こそ晴らしてくれる!」

「お師範様………………!」

(ペルル………)

セリカに続くようにサティア、アムドシアス、ペルル、パズモもセリカを追って行った。アビルースに向かって行くセリカ達に気づいた異形の生物達はセリカ達を襲おうとしたが

「セリカ達の邪魔はさせぬぞ!氷垢螺の絶対凍結!!」

「魔力放出!ルン=アウエラ!!」

「あっち行って下さ~い!アウエラの裁き~!!」

レシェンテ、エクリア、サリアが次々と魔術を放って滅した。

「ねえ、ナベリウス。前から考えていた”アレ”ができるか、今試そう?”アレ”を試す絶好の機会だし。」

「ん…………」

一方リタはナベリウスに呼びかけた後、2人は同時に詠唱を開始した!

「「魂の終着点たる冥き門よ………今、開かれん………!!」」

2人が詠唱を終えると2人の背後に”冥き途”の大門が現れてゆっくりと門は開き

「「魂達よ………安息の地を荒らす者達に制裁を!」」

大門は開くと、そこには霊体、不死者の軍勢が現れ

「ゾキウ………みんなと一緒に…………」

「みんな!思う存分暴れなさい!」

「――――――!!」

「オォォォ――――ッ!」

ナベリウスとリタが指示をすると、不死者や霊体達を率いる将――――ゾキウが剣を敵達に向けると不死者や霊体達は唸り声を上げながら異形の生物達に次々と襲い掛かり、さらに魔術を放って、仲間達の能力を上昇させた。

「クカカカカカッ!さあて…………全部壊してやるぜ!はっ!ふんっ!おらおらおらぁ~っ!うおりぁぁぁ~っ!!」

「ハハハハハハハッ!”凶戦士(ベルセルガー)オルランド”の”業”………テメエらにも教えてやるぜ!さあ………始めるとしようか!ウオラアアアアアッ!!テメエらもこっちに来いや―――ッ!ベルセルガー!!」

不死者や霊体達が次々と異形の生物達に襲い掛かっている中にはなんと”痩せ狼”ヴァルターや”闘神”バルデルの姿もあり、2人は自分の近くにいる”猟兵王”と共に暴れ、すざましい勢いで敵達を滅していた!

「あれ?確かあの人って………」

ヴァルターに気づいたリタは首を傾げ

「んなっ!?」

「ヴァ、ヴァルター!?なんであいつがいるのよ!?」

ケビンは驚き、エステルは信じられない表情で異形の生物達を次々と滅しているヴァルターを見つめていた。

「……最近………来た…………いつも………暴れて………うるさい………だから………毎回………注意………している…………」

「……死んでも暴れているなんてあいつらしいわね………というかジンさんやキリカさんが知ったら、滅茶苦茶驚くわよ………」

そしてナベリウスの説明を聞いたエステルは呆れた様子で暴れているヴァルターを見つめた後、溜息を吐いた。

「というか”星杯騎士”のオレの目の前でこの場を”冥界”に変えたあげく、死者の召喚とか勘弁してほしいんねんけどな………」

一方ケビンはナベリウスとリタが放った”想念”によって一時的にその場を”冥界”に変え、死者の軍勢を召喚し、怒涛の攻撃を放つ協力技(コンビクラフト)――――死軍招聘を放った2人に視線を向けたケビンは疲れた表情で溜息を吐いた。

「ハア………まあ、ええわ。エステルちゃん!オレらもエクリアさん達と一緒に露払いをするで!」

「うん!………(ニル、あたしの背に光の翼を!)」

(ええ。光よ……かの者に大空を翔る翼を!)

そして気を取り直したケビンはエステルに呼びかけ、ケビンの言葉に頷いたエステルはニルに念話をして、自分の背に光の翼を宿らせ

「たあっ!!」

敵の攻撃を翼をはばたかせ、大空へと跳躍して回避し

「せぇぇいっ!!」

上空からクラフト―――金剛撃で強襲し、数体の敵達を怯ませ

「もう、しまいにしよか………滅!!」

そこにケビンがクラフト―――デスパニッシャーを放って滅した!そしてケビン達はナベリウスとリタが召喚した死者の軍勢と共に異形の生物達を滅し続けていた!



「私の女神………もうすぐ………私のもの……ひぃぃぃっ……!」

アビルースは自分に向かって来たセリカを凝視して邪悪な笑みを浮かべた後魔術―――ヴォア・ラクテを両方の手からそれぞれ放った!アビルースが放った巨大な暗黒の奔流がセリカ達を襲おうとしたその時!

「星芒よ、煌めけ………!トゥインクル=スター!!」

サティアは星の力を借りた魔術を目の前に放って、暗黒の奔流を打消し、辺りを魔術によって発生した神々しい光で照らした!

「あぁぁぁっ!その眩く神々しい光……全部、私のもの………!」

一方光を見たアビルースは狂気の叫びをあげた後、異形の生物達を召喚し、召喚された生物達は触手らしき手を無数にサティアとセリカに伸ばした。

「枢孔!紅燐剣!!」

自分とサティアに向かって来る触手達を見たセリカは最高位の飛燕剣を放って薙ぎ払い

「星の光を受けなさい!突星剣!!」

サティアはクラフト―――突星剣による光の奔流をアビルースに放った!

「グフッ!?……あぁぁぁっ!素晴らしい!………全部……私のもの………!」

サティアのクラフトを真正面から受け、怯んだかのように見えたアビルースだったが、再び片手に禍々しい魔力を溜め始めた!

「貴様如きが芸術の極みたるセリカに触れるでない!愚か者が!!」

「グアアアッ!?」

しかしそこにアムドシアスがクラフト―――三連射撃と精密射撃を連続で放って、魔力を溜めていたアビルースの手を貫いて攻撃を中断させ

「目を覚まして……お師範様――――ッ!!」

そこにペルルが涙を流しながらアビルースに突進して来た!

「煩い、煩い、煩い!鳥もどきが私の邪魔をするな―――ッ!!」

一方アビルースは喚きながら魔術―――ヴォア・ラクテをペルルに放ったが

(どうしてペルルを思い出してあげられないの!?アビルース!贖罪の光霞!!)

パズモが放った光の魔術によって打ち消され

(ダークマター改!!)

「おぉぉぉっ!?ええい………虫もどきが邪魔をするな―――ッ!!」

続けて放ったパズモのアーツ―――ダークマター改によって動きが封じられ、叫びながら暴れたその時

「ハァァァァァ………!奥義!絶招!超!ねこパ~ンチ!!」

「ガアッ!?」

アビルースに突進して放ったペルルのSクラフト―――絶招・超ねこパンチを真正面から受け、大ダメージを受けると共に吹っ飛ばされ

「いい加減、消えるがいい!」

「アアアアアアアアッ!?」

アムドシアスが放ったクラフト―――二連制圧射撃によって全身に矢が刺さり

「眩かん無数の流星、我が心を映したまえ!クレイジーコメット!!」

「黒き雷よ!今こそ顕れろ!黒ゼレフの電撃!!」

(聖なる意思よ、我が仇為す敵に断罪の稲妻を!……ディバインセイバー!!)

「アアアアアアアアアアアア――――ッ!?」

サティア、セリカ、パズモが次々と放った高位の魔術を受け、悲鳴を上げて地面に倒れた!しかし!



「私の女神……手に入れるまで……私は諦めない………!」

なんと起き上がり、呪詛のように呟いた後自分の足元に巨大な魔法陣を展開して、両手を空に上げて禍々しい魔力を溜め始めた!

「もうやめて、お師範様!クリムゾンレイ!!」

「ええい、しぶとい!いい加減諦めよ!アウエラの裁き!!」

(狭間に生まれし雷よ!二つ回廊の轟雷!!)

「夜空に煌めく星よ………我が呼びかけに応え、我が仇名す者達に星の裁きを!サザンクロス!!」

「雷光!地烈斬!!

アビルースの行動を見たセリカ達は次々と攻撃を放ったが、どれだけ傷つこうとアビルースは決して倒れる事はなく、魔力を溜め続け、ついに解き放った!

「ハハハハハッ!女神は………私のものだぁぁぁぁっ!あぁぁあああああっ!!」

アビルースが解き放った膨大な禍々しい魔力は空気を震わせた後、禍々しい気を纏った巨大な隕石となり、セリカ達に落下して来た!

「星芒よ!我が呼びかけに応え、今こそ我等を護りたまえ!オリンポスの星護壁!!」

アビルースが放った禁術にしてSクラフト―――暗黒遊星召喚により発生し、自分達に落下して来た遊星を見たサティアは大結界を貼って受け止め

(セリカよ!遊星には遊星だの!)

(ああ。……エクリア、マリーニャ、シュリ、サリア、レシェンテ。)

一方ハイシェラの念話に頷いたセリカは後方で戦っているエクリア達に念話を送り

「(承りました!)みんな、準備はいい?」

セリカの念話に頷いたエクリアはマリーニャ達に振り向いた。

「ええ!」

「はい!」

「はいです~!」

「うむ!」

「へ??一体何を………」

エクリアの言葉にそれぞれ頷いた後同時に祈り始めたマリーニャ達を上空から見て気づいたエステルが首を傾げたその時!



「名も無き星よ………今こそ汝に名を与えよう…………汝の名は………”メギド”………!!」

エクリア達の祈りにより、膨大な魔力を得たセリカによって、天高くに巨大な遊星が現れた!

「な、な、なっ………!?」

(馬鹿な!”遊星”の召喚だと!?ありえん………!)

「オイオイオイオイオイ!?”星”を召喚なんて……そんなんありかいな!?」

”使徒”達の強き信仰心によって得た力で”遊星”を召喚するセリカのSクラフト―――メギド召喚を見たエステルは口をパクパクさせ、エステルの身体の中にいたサエラブは驚愕し、ケビンは信じられない表情でセリカに視線を向けた。そしてセリカによって召喚された遊星―――メギドはアビルースが召喚した遊星と衝突し、超越した爆発を起こした!

「クッ…………!?」

超越した爆発によって起きた衝撃はサティアの大結界にも罅を入れ始め、術者であるサティアにも衝撃を与えたが、サティアは唇を噛みしめながら耐えて結界の維持をした。そして爆発が収まり、煙が晴れるとそこには

「ひひっ………女神………なんという力……美しさ………全て…………私………の………もの………」

「んなっ!?あの爆発に巻き込まれて生きているなんて、どんだけの執念やねん!?」

なんと虫の息でありながらもボロボロの状態で立っているアビルースが呪詛のように呟き、生存しているアビルースを見たケビンは信じられない表情をした。

「―――決着だ、アビルース。行くぞ、サティア。」

「うん。―――堕ちた人よ……貴方の罪を今こそ我が天秤にて裁きましょう………」

そしてセリカはサティアに呼びかけ、呼びかけられたサティアは決意の表情で頷いた後静かな表情で武器を構え、そして!

「共に行くぞ、サティア!」

「うん………!」

2人は剣を握っていないお互いの手を強く握った。するとお互いが持つ膨大な神力や魔力が合わさった事により戦場全体に眩い光を放った後、2人はすざましい神力と魔力を纏い、同時に突進した!

「ひひぃぃっ!私の………女神………!すぐそこに………!」

自分に向かって来るセリカとサティアをアビルースが狂気を宿した瞳で凝視したその時!

「「お前(貴方)にこの身体は渡さない!比翼!双神烈波!!」」

突進したセリカは右下から左上に、サティアは左下から右上にクロスに斬って駆け抜けた!

「がはぁあああっ!?ああっ…………」

2人にクロスに斬られたアビルースはその場で膝をつき

「何故だ………何故私のものに……ならない………私………僕は…………闇夜の眷属………国………創る………」

呪詛のように呟き

「お師範様ぁっ…………」

(ペルル…………)

その様子を見ていたペルルは涙を流しながら体を震わせ、パズモは辛そうな表情でペルルを見つめ

「何故だ―――――――ッ!」

アビルースが空を見上げて叫んだその時、膨大な神力と魔力による超越した爆発が起こり、アビルースを呑みこんだ!そして爆発の煙が晴れるとアビルースがいた場所は巨大なクレーターとなっており、そこには塵一つ落ちていなかった。



(フン、死んでなお”想念”の力によって我らの前に現れるとは………相変わらず執念だけはある奴だの。だがこれで本当の終わりだの。)

セリカとサティアが放った協力神奥義(コンビクラフト)――――比翼双神烈波によって消滅したアビルースがいた場所を睨みながらハイシェラは呟き

「お師範……様………さようなら………ボクは……ようやく見つけた………闇夜の眷属達が平和に生きていける国を………お師範様の分も一緒に………守っていくね………」

(ペルル………)

ペルルは涙を流しながらアビルースが消滅した場所を見つめ、パズモは悲しそうな表情で見つめていた。

「――――!?今の………は…………」

一方アビルースが消えた場所を見つめていたセリカの脳裏に遥か昔の出来事であり、サティアの身体を譲り受け、サティアに譲られた身体をサティアに返す為に、そしてサティアが”邪神”ではない事を知らせる為に始めた旅の思い出―――ペルルやかつてのペルルの主―――アビルースとの出会いや離別、魔槍の少女リタとの出会いと契約、龍人(ナーガ)族のリ・クティナとの契約、水の巫女や竜族の戦士―――空の勇士との出会いやオレノとの戦い、そしてカヤとの別れが一瞬頭によぎったセリカは目を見開いた。

「どうしたの、主?」

そしてセリカの様子に気づいたリタは首を傾げてセリカを見上げ

「奴は………アビルースは………ペルルのかつての主であったのだな………そしてリタ……お前はずっと俺を待っていたんだな………」

「!?ま、まさか主…………き、記憶が………!」

(戻ったというのか!?)

(え!?)

リタに尋ねられたセリカは静かに呟き、セリカの言葉を聞いたリタは目を見開いて身体を震わせながらセリカを見つめ、ハイシェラとエクリアは驚いてセリカを見つめた。

「………ああ。少しだけだがな。」

「……私にも見えたわ。ひたすら私を探していたセリカの旅を………」

セリカは静かに頷き、サティアは悲しそうな表情でセリカを見つめながら頷いた。

(フン。今までの探索では鍵となる者を倒せば進める形であったが、まさか鍵の代わりに失ったセリカの記憶が蘇るとはな………ラプシィアや”影の王”のお蔭とは皮肉なものだの。)

そしてハイシェラは鼻を鳴らした後、目を閉じて静かに呟いた。

「…………――――行くぞ。」

「うん………!」

少しの間その場を動かず黙っていたセリカだったが、やがて歩き出し、サティアもセリカに続き、ケビン達は2人の後を追って探索を再開した。そしてしばらく探索を続けるとセリカ達にとって驚くべき人物達が広間で待ち構えていた。



「え!?」

「嘘!?あの人って確か”レウィニアの赤き盾”………!」

「む?」

「ふえ~?何だかどこかで見たことがあるような気が………?」

自分達を待ち構えていた女性達を見たシュリ達は驚き

「……お前達とは久しぶりの再会になるな。まさかこんな形で再会する事になるとは思わなかったぞ。」

女性の一人―――”水の巫女”の”神格者”であり”レウィニアの赤き盾”と称えられているレクシュミは懐かしそうな様子でリタ達に視線を向け

(貴女達は………!)

「えええええ~!?君達は………!」

「まさかお前達が我等の前に立ちふさがるとはな………」

エステルの身体の中にいたパズモは驚いた後自分からエステルの身体から出て目の前にいる女性達を見つめ、ペルルは驚きながらレクシュミ達に視線を向け、アムドシアスは若干驚いた様子で見つめ

「わあ……!フフ………これはまた懐かしい顔ぶれですね。」

「久し………ぶり………」

リタは驚いた後可愛らしい微笑みを浮かべ、ナベリウスは口元をわずかに笑みに変えて呟き

「フン。まさかかつて共闘したこの場所で、立ちふさがる者になるとはな………」

「まさかこのような事態が起こるとはな………我が”想念”によって現れたことが悔やまれる………今回の件によって得た知識を伝えることができないからな………」

「それは私もですよ、リ・クティナ。既にルリエンの元へと旅立った私も後世達に伝えることができないのですから………」

女性の一人―――竜族の若き戦士にしてセリカのかつての使い魔―――空の勇士は表情を静かな怒りを見せながら呟き、空の勇士と同じかつてのセリカの使い魔にして龍人(ナーガ)族のリ・クティナと”トライスメイル”と呼ばれる森の長のエルフ―――白銀公はそれぞれわずかに悔しそうな様子を見せながら呟いた。

「な……ん………だ………と………!?何故………お前がいる………クリア………!」

「そ、そんな………!どうして………!?」

(フム。ありえん話ではないな。エステル嬢ちゃんの前世である者達も現れているのだから、サティアが転生したクリアが現れるのもおかしくない話ではあるが………相変わらず悪趣味な真似をするな。ラプシィアよ………!)

「………………」

一方セリカとエクリアは信じられない様子で女性の一人――――かつての”マーズテリア聖女”でありセリカが愛した女性―――ルナ=クリアを身体を震わせながら見つめ、ハイシェラは落ち着いた様子で呟いた後怒りの表情に変え、サティアは静かにクリアを見つめていた。



「………セリカ…………まさかこんな形で………また再び貴方と争う事になるなんて………」

クリアは辛そうな表情でセリカを見つめた後

「………セリカ………どうか私を倒して、貴方は未来に進んで………!それが今の私の心からの願いよ………」

決意の表情で杖を構えた!

「我等とて本意ではないが………お前達の道を阻む………それが”今の我等”だ。」

「先に進みたければ、我等を倒せ!」

「それがお前達の試練の一つ。」

「私達は偽物の存在。全力でかかって来なさい。」

そしてクリアに続くようにレクシュミ、空の勇士、リ・クティナ、白銀公はそれぞれの武器を構えた!

「セリカ様…………」

クリア達の構えを見たエクリアは辛そうな表情でセリカを見つめ

「……………………」

セリカは何も答えず静かに剣を構えた。

「セリカ。」

その時、サティアは自分の両手でセリカの剣を握る手を優しく包み込み

「私も一緒に背負うわ………貴方が愛した(ひと)を傷つけるという”罪”を………”2人で一緒に生きる”為に。」

優しい微笑みをセリカに向けた。

「……………サティア……………わかった………行くぞ………!」

「うん………!」

サティアの微笑みを見つめたセリカは頷いた後、決意の表情でサティアと共にクリアに向かって行き

「―――ニル!私に翼の力を貸して!」

「力を貸して下さ~い!シュヴェルトライテ~!」

エステルは自分の背に光の翼を宿らせ、サリアはシュヴェルトライテを召喚した後仲間達と共に自分達が戦う相手へと向かって行った!



こうしてセリカは今の仲間達と共に、かつての仲間や愛した女性達との戦闘を開始した………!


 
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