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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

作者:sorano
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第60話

同日、12:20―――――



~オーロックス峡谷~



「ハァ、ハァ……!よ、ようやく終わったか……!」

「はぁ、はぁ……フン、正規軍が来る必要もなくなったな。」

「ハァ、ハァ……ア、アハハ……父さん達がこの事を知ったら絶対驚くだろうね。」

「むしろ驚かない方がおかしいでしょう……」

「生身のオレ達が”軍隊”を相手に勝てるなんて普通に考えれば夢みたいな話だしな……」

「私も今でも自分達の勝利に信じられない思いです……」

戦闘を終えたマキアスとユーシスはそれぞれ疲労による息を切らせ、エリオットの言葉を聞いたアリサは疲れた表情で答え、苦笑するガイウスの意見にエリスは疲れた表情で答え

「フフ、皆さんの成長の速さには本当に驚かされます……」

「うふふ、この勝利は決して”騎神”達を操るリィン様達だけでなく皆さんのお蔭ですわ♪」

クレア大尉とシャロンはそれぞれ微笑みを浮かべてアリサ達を見つめた。



「へえ。カレル離宮の時と比べるとみんな、随分と強くなったね。」

「フッ、エステル・ブライト達同様実戦を何度も経験する事によって奴等は短期間であそこまで強くなったのだろうな。……まあ、他の学生達もそうだが”紫電”を除いた教官達も予想以上に動けたのは俺も予想外だが。」

「フフ、その内油断したら私達も追い抜かれるかもしれないわね。」

エヴリーヌとレーヴェの意見を聞いたプリネは苦笑し

「ハァ、ハァ……わたくし同様連戦に加えて竜化もしたのにツーヤお姉様はまだ余力を残していますわね……わたくしももっと精進しないと……!」

「セレーネならきっとあたしに追いつける―――ううん、追い抜く事もできるよ。」

更なる精進を決意するセレーネをツーヤは微笑ましく見守りながら答えた。



「も、もうこれ以上は無理……というかアルティナとクーちゃんは何でまだ元気なの?」

「―――――?」

「ですからクラウ=ソラスを混乱させるような事を言わないで下さいと何度言えば理解できるのですか?」

疲れた表情で地面に膝をついたミリアムに視線を向けられたアルティナはジト目で答えた。

「それにしても驚いたわね……幾ら”空の女神”から授かったとはいえ、本当に”伝説魔法(レジェンドアーツ)”をエマが扱いこなすなんて……フフ、”魔女”としての力量も完全に追い抜かれたかもしれないわね。」

「はぁ、はぁ………そんな……姉さんと比べれば私なんてまだまだよ……」

クロチルダの称賛の言葉にエマは疲労を隠せない様子でいながらも謙遜していたが、クロチルダに褒められた事が嬉しいのか口元を僅かに笑みを浮かべていた。



「ば、馬鹿な……あれ程の戦力の差をひっくり返すだと……!?」

「貴方如きが私達の力を推し量れると思ったら大間違いですわ!」

「彼らは”鉄機隊”である我らも破った!貴様のような三下如きが彼らの力量を推し量れると思ったら大間違いだ!」

「貴方のような三下相手にマスターが出るまでもないわ!」

「リィンの言う通り、あんたはあたし達を舐めすぎよ!」

「うふふ、相手の力量も推し量れない所も全く変わっていないわね♪」

傀儡にしている貴族連合の残党の敗北に狼狽しているヨアヒムをデュバリィ、アイネス、エンネア、サラ教官はそれぞれ睨みつけている中、レンは小悪魔な笑みを浮かべた。



「―――勝負はつきました!これ以上の抵抗は無駄です!」

「あんたの野望もここまでだ……―――観念して、この世から去れ、ヨアヒム・ギュンター!!」

「お、おのれ……”至らぬ身”の分際が生意気な……!」

ヴァイスリッターとヴァリマールからそれぞれ聞こえて来たエリゼとリィンの言葉を聞いたヨアヒムは悔しそうな表情をしていたがある事に気付くと凶悪な笑みを浮かべた。

「クク、そう言えば君達は”グノーシス”を投与された兵士達を一人も殺していないね?ならば言葉通り”どちらかが死ぬ”まで続けようじゃないか―――!」

そしてヨアヒムが指を鳴らすと何と今まで気絶していた兵士達が次々と起き上がった!



「ええっ!?さっきまで気絶していた貴族連合の兵士達が……!?」

「馬鹿な!?完全に無力化したはずだぞ!?」

兵士達の復活にエリオットは驚き、ユーシスは信じられない表情で声を上げた。

「……恐らく”グノーシス”による暗示で操っている兵士達に更に強い暗示をかけて”人形”のように操っているのでしょうね。」

「そ、そんな……それじゃあどうやって無力化すれば……」

クロチルダの推測を聞いたエリスは不安そうな表情で呟いたその時

「―――いや、これ以上そなた達が戦う必要はない。」

聞き覚えのある男性の声が聞こえて来た!



「え――――」

自分にとって馴染深い声を聞いたラウラが呆けたその時アリサ達の背後からある人物が跳躍してヨアヒムの目の前に現れ

「―――洸凰剣!!」

「グアアアアアアアアア――――――ッ!?」

周囲の兵士達をも巻き込む凄まじい絶技でヨアヒムごと攻撃し、絶技を受けたヨアヒムは地面に叩きつけられた!

「貴方は………!」

「父上……!一体どうしてこちらに……!?」

ヨアヒム達を攻撃した人物――――アルゼイド子爵を見たリィンは驚き、ラウラは信じられない表情で声を上げた。



「ハハ、俺達も来ているぜ?―――殿下!」

「フッ、合点承知だ!」

「「アークス駆動―――エクスクルセイド!!」」

するとその時アリサ達の背後から現れたトヴァルとオリヴァルト皇子が同時に広範囲アーツを発動して多くの兵士達を攻撃した!

「なっ!?オリヴァルト殿下にトヴァルさんまで……!?」

「そ、それに……正規軍もやっと来たよ……!」

オリヴァルト皇子達の登場にマキアスが驚いている中、オリヴァルト皇子達の背後から近づいて来るナイトハルト少佐率いる第四機甲師団の部隊を見たエリオットは明るい表情をした。



「―――総員、これより貴族連合の残党の制圧を開始する!ただし殺さず捕縛に留めろ!」

「イエス・サー!!」

「これより正規軍の援護を開始します!足を優先的に狙い、機動力を奪うように!」

「イエス・マム!!」

ナイトハルト少佐の指示によってアハツェンから降りた兵士達はそれぞれヨアヒムが操る貴族連合の残党の兵士達の戦闘を開始し、鉄道憲兵隊も続くようにクレア大尉の指示によって正規軍と共に貴族連合の残党の捕縛をし始めた。

「ナイトハルト教官……!」

「来てくださったんですか……!」

「おいおい……百人力すぎだろ!」

ナイトハルト少佐の登場に学生達はそれぞれ明るい表情をした。そして鉄道憲兵隊や正規軍が貴族連合の残党の兵士達を協力して捕縛している中、地面に膝をついているヨアヒムにアルゼイド子爵が剣の切っ先をつきつけ、サラ教官とオリヴァルト皇子はそれぞれヨアヒムの頭の左右に銃口をつきつけていた。



「お、おのれ……!」

「―――どうやら万策尽きたみたいね?」

「それに例えどのような策を弄しても全て我らが打ち砕く!」

「―――ようやく内戦が終結し、メンフィルとクロスベルとの戦争も回避できたエレボニアをこれ以上君の野望によって、混迷に導くことは私達が許さない。キーア君の事は諦めて大人しく成仏したまえ。」

悔しそうな表情をしているヨアヒムにサラ教官は不敵な笑みを浮かべ、アルゼイド子爵とオリヴァルト皇子はそれぞれ厳しい表情でヨアヒムを睨みつけていた。



「ククク……そんな事を言っていられるのも今の内さ。何せ今度はエレボニアはリベールと戦争をする事になるのだからね!」

「!!」

「何だと!?」

「リベールと戦争って……まさか!?」

「―――なるほど。リベールとの国際問題を発生させ、リベールとの国際問題が発展させない事と引き換えにキーア様を自分に引き渡してもらう事がヨアヒムにとっての”本命”だったのですね。」

ヨアヒムが語った驚愕の事実にオリヴァルト皇子は目を見開き、ユーシスとリィンは驚き、シャロンは真剣な表情で呟き

「ユミルの件を知ったリベールはユミルの二の舞にならないようにハーケン門の守備を固めているとの話は聞いているし、何よりリベール軍はあのカシウス准将が率いている上リベール軍の主力は空軍だから、例え相手が最新の戦車である”アハツェン”をも圧倒する機甲兵の部隊であろうとそう簡単にリベールに侵攻はできないでしょうけど……」

「……リベール軍と貴族連合の残党―――エレボニア軍が戦闘をした時点でリベールとの国際問題が発展しますね……」

「いや、それは大丈夫だ。先日第七機甲師団がパルムを奪還したから、食い止められるはずだ。」

プリネの後に呟いたツーヤの推測を聞いたトヴァルは静かな表情で答えた。



「ハハハハハハハッ!無駄さ!”真なる叡智”に”到った”僕の魔導の前ではそんなもの、意味はないよ!」

「一体どういう意味でしょう……?」

「単にわたし達が取引に応じるように出鱈目を言っているだけだと思うよ。」

狂気の笑みを浮かべて笑うヨアヒムの様子を見て不安そうな表情をしているエリスにフィーは呆れた表情でヨアヒムを見つめながら指摘し

「…………―――!まさか……転移魔導でパルムの防衛を突破するつもり……!?」

「て、転移魔導って……!」

「―――なるほどな。それならばパルムの防衛部隊と交戦せずにリベールに侵攻できるな。」

「ちょっ!?そんなの反則だよ~!」

ヨアヒムの言葉の意味を察したクロチルダは血相を変え、クロチルダの言葉を聞いたアリサは信じられない表情をし、レーヴェは目を細めて呟き、ミリアムは驚いた後頬を膨らませてヨアヒムを睨んだ。



「確かにエヴリーヌ達が使っている転移魔術ならば瞬時にどこにでも行けるな……」

「―――ありえないわ。幾ら”グノーシス”で魔力を強化しているとはいえ”神格者”や”魔神”みたいな”超越者”でもないのに”軍隊”みたいな大規模な人数を転移させるなんてたった一人の術者だけでは無理だし、できたとしても相当な時間がかかるわ。」

「そだね。エヴリーヌはやった事がないからわからないけど、エヴリーヌみたいな”魔神”でもそんな大勢を転移させるなんて結構時間がかかるよ。」

ガイウスの意見を呆れた表情で否定したレンの話に頷いたエヴリーヌは静かな表情で答えた。

「―――お二人の言う通り、例え”超越者”と言えどたった一人で大規模な人数を転移させるには相当な時間がかかります。それは貴方も同じなのではないですか……?」

「…………フン、確かにそれは認めるが、それは君達も同様――――貴族連合の残党がリベールに侵攻するのを防ぐ為にすぐに駆け付けて、リベール軍と貴族連合の残党が戦闘をする前に食い止めるのなんて不可能だろう?」

「そ、それは……」

真剣な表情をしているエマの質問に答えた後凶悪な笑みを浮かべたヨアヒムの言葉を聞いたセレーネは不安そうな表情をし

「クク……3時間後、楽しみにするといい。ようやく内戦を終結させ、メンフィルとの外交問題を解決したエレボニアがリベールと戦争状態になり、そしてエレボニアは多くの犠牲を出す事にね!それが嫌ならそれまでにジュライ特区郊外にある君達の友人の祖父が眠る墓にキーア様を連れてきたまえ。もし1秒でも遅れたら、その時こそエレボニアの破滅さ!ハハハハハハハッ!」

そしてヨアヒムは凶悪な笑みを浮かべて笑った後地面に倒れた! 
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