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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第85話

~ラエドア城・謁見の間~



「「「全員、俺に続け!!」」」

戦闘が開始されるとリウイ、ウィル、ヴァイスは大号令をかけて仲間達の闘志を高め

「ルリエンよ……私達に守りの加護を!防護の聖域!!」

「貴方達に祝福を!聖賢領域の付術!!」

「荒ぶる風よ……俺達に力を貸せ!加速・広範囲!!」

シルフィエッタ、サティア、セリカは魔術で仲間達のさまざまな能力を上昇させ

「すぅぅぅぅぅぅ………………ハアァァァァァッ!!」

「オォォォォォ………ハアッ!!」

「グオオオオオオオオ――――――ッ!!」

ナユタとハイシェラはそれぞれ自らの能力を大幅に上げるクラフトを使って上昇した能力をさらに高め、2人に続くようにカファルーは荒ぶる雄たけびによって自らを鼓舞すると同時に纏っている炎の威力をより一層増加させるクラフト―――炎獣王の咆哮を吠えて、自分の攻撃、炎の威力を倍増させた!

「そらっ!!」

「ソニックウェイヴ!!」

「せいっ!!」

そして仲間達の号令や魔術によって大幅に能力が上がったケビン、アドル、エステルはそれぞれ遠距離攻撃を一斉にイグナートに向かって放ち

「深淵なる闇に呑まれなさい!ヴォア・ラクテ!!」

「まずは小手調べだ……!光槍神撃!!」

「聖なる槍に貫かれなさい!ホーリージャベリン!!」

「凍てつく冬の槍!クリスタルランス!!」

3人に続くようにセオビット、アスモデウス、エレナ、ノイはそれぞれ魔術やアーツを一斉に放った。7人が放った一斉攻撃はイグナートに向かって行ったその時!

「小賢しい!」

イグナートは短い詠唱をした後、自分の目の前に巨大な雷を発生させて自分に襲い掛かって来た遠距離攻撃を全て打消し

「フン、群がる雑魚共は消えるがいい。降り注ぐがいい!暗黒の雷よ!!深淵の雷雨!!」

さらに暗黒の雷を雨のように敵に放つ魔術―――深淵の雷雨を放った。イグナートの魔術によって発生した暗黒の雷が雨のようにケビン達に襲い掛かり、それを見たサティアやアスモデウスは結界を貼ろうとしたが

「私に任せて!四季にその身を任せ、見守る空の力よ、私達を包みたまえ!震天のルーン!!」

ノイが”季節”と”空”の力を借り、絶対防壁を張り、さらに術者が発動している間仲間達が受けた魔法攻撃の一部を還元して、回復させる”アーツ”の中でも”究極”と言われるアーツ、”マスターアーツ”の一つ―――震天のルーンで全員に絶対防壁を貼って防いだ!



「ほう………あの身体でこの場にいる全員にあれほどの結界を貼るとは……」

「凄いよ、ノイ!これがノイの本当の力なのかい!?」

ノイが貼った絶対防壁を見たアスモデウスは感心し、ナユタは驚いた後嬉しそうな表情でノイに視線を向けた。

「”テラ”の”管理者”の本当の力はこんなもんじゃないの!………神の民が作りし銀の箱舟よ……今こそ、星の平和を乱す者達に制裁を!アルジェントアーク!!」

そして視線を向けられた力強く頷いた後、その場で強く祈りながら詠唱をした!すると異空間から銀色に輝く巨大な箱舟が現れた後、なんと無数の爆弾をイグナートの周囲に落下させた!

「グッ………!?」

襲い掛かる爆発の嵐に巻き込まれたイグナートは合成魔獣(キメラ)達と共に怯んだ。そして箱舟はさらにレーザーの雨をイグナート達に向かって降り注がせた!

「小癪な………!」

レーザーの雨に気づいたイグナートは結界を貼って防御したが、雨のように降り注ぐレーザーは結界に無数にぶつかった後、なんと最後の一本のレーザーは結界を貫いてイグナートを襲った!

「何……!?ガッ!?」

結界が貫かれた事に驚いたイグナートはレーザーを受けて、ダメージを受けた!

「……信じられない。あのイグナートの結界を破るなんて……」

「へえ……人は見かけによらないわね。……それとも母様の力を得れなくなったから、弱くなったのかしら?ふふっ………」

ダメージを受けている様子のイグナートを見たシルフィエッタは信じられない表情をし、セオビットは驚いた後口元に笑みを浮かべた。

「クッ……この私の結界が破られるとは。……まずはあの精霊からだ。決して殺すなよ。良い実験材料になるのだからな。」

一方イグナートはダメージに呻いた後魔術―――闇の息吹を自分にかけて回復した後、自分の周囲にいる合成魔獣(キメラ)達に指示をした。イグナートの指示に答えるかのように合成魔獣(キメラ)達は一斉にケビン達に向かって行った!

「フン、雑魚はどくだの!レイ=ルーン!!」

それを見たハイシェラは片手から高純粋のエネルギーを放って自分の目の前に近づいて来た敵を消滅させた後

「さあ………楽しませてもらうだの!」

凶悪な笑みを浮かべて、イグナートに向かって駆け出した!

「全くもう……ちょっとはあたし達に合わせなさいよね……!カファルー、悪いけど魔獣の相手は頼むわ!手が空いたらあたし達を手伝って!」

「アスモデウス、君もだ!」

「グオ!」

「うむ。」

ハイシェラの行動を見たエステルは溜息を吐いた後カファルーに指示をした後棒を構えてハイシェラを追い、エステルに続くようにウィルはアスモデウスに指示をした後エステルを追って行った!

「よし――――俺達も続くぞ!」

「「「ああ!」」」

「「はい!」」

「ふふっ!行くわよ……!」

さらにリウイの号令に頷いたセリカ、アドル、ヴァイス、エレナ、ナユタ、セオビットは同時に駆け出してイグナートに向かい

「ほな、オレ達は後方支援と行きましょうか……!3人の力……当てにさせてもらいますで!」

「はい……!」

「ええ。前線のみんなが心置きなく戦えるように……私達は援護をしましょう。」

そしてケビンの言葉にシルフィエッタとサティアは頷いた後、それぞれ魔術の詠唱やオーブメントの駆動を始め

「絶対にみんな無事で帰るの!……熱き夏の力よ……私達に勝利を!勝利のルーン!!」

ノイは決意の表情で頷いた後”夏”の力を借り、仲間全員の気力を大幅に回復させた後、さらに発動している間仲間達の攻撃力を大幅に上げる”マスターアーツ”の一つ―――勝利のルーンで仲間全員に加護を与え続けた!



「グオオオッ!!」

襲い掛かって来た敵達にはカファルーがブレス―――獄熱ブレスを吐いて大ダメージを与えると共に怯ませ

「フッ……いくら群がろうが”魔神”2柱を……それもこの我を相手するには役者不足だな……斬鉄爪!!」

アスモデウスが止めを刺すかの如く巨大な手を振るって切り裂いた!合成魔獣(キメラ)達は滅せられても新手が次々現れ、ある敵は後方のケビン達に向かい、ある敵はイグナートに向かって行く仲間達に向かう敵達もいたが

「ウィル達の邪魔はさせぬぞ。破滅の深淵!!」

「グオオオオオオオオオッ!!」

アスモデウスが魔術でカファルーがクラフト―――紅蓮の翼を放って、前線の仲間達に襲い掛かろうとした敵達を滅し

「星芒よ、煌めけ………!トゥインクル=スター!!」

サティアは自分達に向かって来た敵達を自身に秘められる膨大な神力と魔力による魔術で大半を薙ぎ払い

「闇に呑まれろや!ティルワンの闇界!!……まだやっ!ホワイトヘゲナ!!」

「水の精霊よ!力を貸して!デネカの大海!!」

サティアの魔術からまだ生き残っている敵達にはケビンとシルフィエッタが止めを刺して行った!普通なら滅するのにも軍隊クラスを必要とするほどの合成魔獣(キメラ)が次々と現れれば苦戦は必須だが

「グオオオオオオ――――ッ!!」

「全て消え失せるがいい!波動爆砕陣!!」

「汝、その諷意(ふうい)なる封印の中で安息を得るだろう……永遠に儚く……セレスティアルスター!!」

「そらっ!デス・スクリーム!!」

「森の精霊よ!力を貸して!リーフ=グラオス!!」

魔神2柱の双璧は決して破る事はできず、さらに後方から飛んで来る古神による膨大な威力を秘めた魔術や傍にいる2人のアーツや魔術によって次々と現れ襲い掛かって来た魔獣達はなす術もなく、ただ闇雲にその命を散らして行った!



「ハアッ!烈風脚!!」

「ヌッ………!?」

一方イグナートは先制攻撃に放ったハイシェラの攻撃を4本の腕に持つ剣で防御したが、ハイシェラに秘められるすざましい力によって押され

「お主の力はそんなものか!?オォォォォォォッ!!八葉滅殺!!」

「ガハッ!?」

さらに続けて放たれたハイシェラの剣技によってダメージを受けた!

「クっ………!私の力に呑まれるがいい……!」

そしてダメージを受けたイグナートは4本の腕から膨大な魔力を発生させ

「クク……魔力はなかなかのものだの!よいぞ!」

その様子を見たハイシェラは対抗するかのように両手に膨大な魔力を発生させ

「ルン=アウエラ!!」

「消し飛べぇっ!!」

イグナートと同時に同じ魔術を放った!2人が放った膨大な純粋の魔力を秘めた巨大なエネルギーはぶつかり、そして―――

「馬鹿な……!?グアアアアアッ!?」

ハイシェラの魔術がイグナートの魔術を呑みこみ、それを見て驚いたイグナートはハイシェラの魔術を受けて悲鳴を上げた!

「ハァァァ……!金剛撃!!」

「行くぞ!玄武の鋼撃!!」

「ふふっ!深淵剣!!」

「奥義―――流星撃!!」

そして怯んだイグナートにエステル、ウィル、セオビット、ナユタが同時に放った技がイグナートを襲った!

「下らん……!」

しかしその時、イグナートは一本の腕で結界を発生させて4人の攻撃を受け止め

「鬱陶しい蠅共は潰れろ!!」

巨大な隕石を無数に降り注がせる最高位魔術―――大隕石召喚を放った!イグナートの魔術を見たエステル達は回避する為の行動をとろうとしたが

「逃がさん……!」

「キャッ!?」

「何だこれ……!?」

「触手……!チッ、離れなさい!」

「まずい……!」

イグナートが魔術によって発生させた触手によって捕えられ、動きが取れなくなった!そして隕石達がエステル達に降り注ごうとしたその時―――



「させん―――枢孔!紅燐剣!!」

「我を忘れるでないだの、”破戒の魔人”よ!枢孔!紅燐剣!!」

エステル達に追いついたセリカがエステル達の前に飛び込んだセリカが自身に膨大な神力を籠めた最高位の飛燕剣を膨大な闘気を技に込めたハイシェラと共に放って襲い掛かる隕石達を全て破壊し

「皆さん、今助けます!ヤアッ!!」

「「「ハアッ!!」」」

エレナ、アドル、リウイ、ヴァイスがそれぞれ剣を振るってエステル達を捕えていた触手達を斬り落とした!

「ありがとう、みんな!う”~………気持ち悪い……!よくも乙女の肌にあんな気持ち悪いモノを触れさせたわね~!?乙女の怒りを受けなさい!朱雀!衝撃波――――ッ!!」

そして助けられたエステルはエレナ達に視線を向けて感謝した後、身体を震わせ、怒りの表情になり、拠点で習得したレーヴェのクラフト―――獅子衝撃波を参考にし、闘気によって”鳳凰”を纏って突進するクラフト―――朱雀衝撃波でイグナートに向かい

「僕達も続くぞ、エレナ!ソニックスライド!!」

「はい、アドルさん!オーラストライク!!」

「ふふっ……限られた人たちにしか触れさせない母様譲りのこの綺麗な肌にあんなモノを触れさせた事……絶対に後悔させるわ!暗礁!冷却剣!!」

エステルに続くようにアドル、エレナ、セオビットも突進しながらクラフトを放った!

「フン、雑魚がよってたかって鬱陶しい……」

エステル達の攻撃を見たイグナートは再び結界を貼ったが

「……雑魚はお前の方だ。紅燐!舞華斬!!」

「ハハハハハッ!次はこの技でどうだの!?紅燐!舞華斬!!」

「馬鹿な……私の結界がこうも易々と……!グアアアアアッ!?」

セリカとハイシェラが強襲し、叩き付けた飛燕剣によって結界が破壊され、エステル達の攻撃を受けて怯み

「セアッ!!」

「断ち斬る!!ロードケニヒ!!」

「グアアアアアアッ!?」

エステル達に続くようにそれぞれの剣技を放ったリウイとヴァイスによって両脚を斬られ、悲鳴を上げた後

「グッ……おのれ……!貴様らの力、必ず我が糧としてくれる……!オオオオオオオオオッ!!」

全身にすざましい魔力や闘気を纏った後、反撃を開始し、エステル達もそれぞれ防御や回避、そして反撃行動に移った!かつては誰も敵うことができなかった”最凶”の存在、”破戒の魔人”。しかし”最凶”たる存在は世界の禁忌たる存在”神殺し”、神殺しの盟友であり永遠の戦友―――”地の魔神”、”神”と”魔神”の力を両方宿す”闇王”、そしてそれぞれの故郷を救う為に戦い続けた”英雄”や”英雄”の器を持つ者達の連携攻撃には敵うことができず、押され続けていた!

「何故だ……何故、この私がここまで押される……!」

戦いを続けていたイグナートだったが、エステル達による怒涛の連携攻撃に次々と身体が傷つき、そして一方的に押され続けている自分が信じられず、表情を歪めて呟いた後

「私にはまだやらねばならないことがあるのだ……!こんな所で倒れる訳にはいかぬ……!オォォオオオオオオオオオオ――――ッ!!」

一瞬で転移をしてエステル達から距離を取った後、咆哮をして膨大な魔力をため始めた!するとイグナートの目の前に超越した魔力のエネルギーが現れ

「”破戒の魔人”の真の力を知るがいい!破戒の目覚め!!」

超越した魔力のエネルギーを津波にして、エステル達に向かって放った!イグナートが放った超越したエネルギーを放つSクラフト―――破戒の目覚めは前線のエステル達や後方のケビン達も呑みこむがごとく、すざましい勢いで襲い掛かって来たその時!



「みんなは私が守るわ!星芒よ!我が呼びかけに応え、今こそ我等を護りたまえ!オリンポスの星護壁!!」

サティアが大結界を貼って”破戒の目覚め”による超越したエネルギーを受け止めた!

「何……!?」

自分の攻撃を防がれた事にイグナートが目を見開いて驚いたその時!

「季節を運び、時には大地を、海を、空を荒らす風よ………今こそ吹き荒れよ!暴風のルーン!!」

マスターアーツ―――”勝利のルーン”の発動を続けていたノイが一度だけ魔法攻撃を全て跳ね返し、さらに発動している間、仲間全員の魔法攻撃力を上昇させ続けるマスターアーツ―――暴風のルーンに切り替えて発動した!するとサティアの大結界によって受け止められたエネルギーは逆風を受けたかのように、イグナートに向かって行った!

「なっ……あれを反射しただと!?オォォォォォ――――ッ!?」

自分の攻撃が跳ね返された事に驚いたイグナートは自分に向かって来た超越したエネルギーを4本の腕から結界を展開して受け止め続けたが

「!今が、チャンスなの……!アルゴール!力を貸して!ラグナドリオン!!」

隙ができた好機を見逃さなかったノイが”暴風のルーン”の発動をやめて、”管理者”の力を借り、超越した威力を叩き付けるアーツを放った!ノイのアーツによって召喚された”管理者”の一人―――幻影のアルゴールは天高くに現れ、詠唱をした後なんと巨大な槍になった!すると槍の周囲からすざましい雷が発生して、雨のようにイグナートの周囲に降り注いだ後、槍は回転しながらイグナートに襲い掛かった!

「なっ……ガアアアアアアアアアアアアアッ!?」

空から襲い掛かって来た槍に気づいたイグナートは驚いた瞬間、結界を貼り続ける力が弱まったため、跳ね返って来た自分の技に呑みこまれ、さらに槍に貫かれると同時にすざましい雷を受け、大ダメージを受け

「グッ……!?」

巨体を揺るがせ、剣を地面に立てて膝をついた!



「今だ!全員、全力を持ってたたみかけろ!」



イグナートの様子を見たリウイは号令をかけた!するとリウイと共に、エステル、アドル、ナユタ、セリカ、ウィル、ヴァイスは並んで武器を構えて同時攻撃を放つ構えをし、イグナートの大技を防ぎ、反撃をしたサティアとノイ以外の者達はSクラフトや協力技(コンビクラフト)を放つ構えや詠唱をしたり、終えた者達は放ち始めた!


 
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