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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

作者:sorano
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第31話

ザクセン鉄鉱山に到着したリィン達は見張りの猟兵達を無力化した後ホームに向かい、ホームの警備についていた猟兵達を無力化した。



しかし猟兵達は気絶間際に通信で”アイゼングラーフ号”を発車させるように列車内にいる仲間達に指示をし、発車し始めた”アイゼングラーフ号”の屋根に飛び乗ったリィン達は天井から列車内に侵入し、列車内に待ち構えている猟兵達を無力化しながらイリーナ会長が幽閉されている車両に到着した。



イリーナ会長が幽閉されている車両には見張りの猟兵がいて、イリーナ会長に銃口を突き付けてリィン達を牽制していたが、何といつの間にか列車内に潜伏していたシャロンが現れて猟兵を無力化した。



そのまま走り続けている列車でルーレ市のRF本社の地下に到着したリィン達は社内のセキュリティを無力化する為に社内に向かうイリーナ会長とシャロンと別れた後、ハイデル取締役がいる23Fの会長室に向かった。



その後リィン達はビル内にいる人形兵器達を撃破し、セキュリティを解除しつつ上へと目指し、ついに会長室に突入するとハイデル取締役が待ち構え、何と自分にとって”切り札”である大型の人形兵器をリィン達に襲わせた。



大型の人形兵器はパワーやスピードがあり、強力な相手であったが、今までの経験によって激戦を潜り抜けたリィン達にとっては大した敵ではなく、協力して撃破した。



そしてハイデル取締役が無駄な抵抗をしようとしたその時シャロンやシャロンが呼び出した謎のメイド達――――エウシュリーちゃん達を伴ったイリーナ会長が会長室に現れ、イリーナ会長の登場にハイデル取締役は狼狽した挙句イリーナ会長の”物理的な制裁”によって気絶した。



RF本社を解放したその後、リィン達はカレイジャスでルーレ市を後にし………アンゼリカの協力者――――領邦軍の有志たちと合流するため街道の街外れへと向かい、それぞれアンゼリカに激励の言葉を送り、アンゼリカは用意されていたシュピーゲルに飛び乗り、領邦軍と共に自身の決戦の地である”黒竜関”へと向かい、カレイジャスもその後を追って行った。





~黒竜関~



一方その頃砦の屋上ではログナー侯爵がルーレ方面を見つめていた。

「こ、侯爵閣下!」

するとその時慌てた様子の領邦軍の兵士が現れ、ログナー侯爵は振り向いて静かな表情で問いかけた。

「なんだ、騒々しい。」

「ほ、報告に上がりました!ラインフォルト本社ビルが襲撃され、ハイデル様が拘束された模様!!」

「なに……!それは確かか!?」

「ハ、ハッ……!また、アンゼリカお嬢様が機甲兵部隊を率いてこちらに進軍してきているとのことです!おそらく命令を無視している一部の兵士が決起したのだと……」

「くッ……―――あの馬鹿娘が!!」

報告を聞いて唇を噛みしめたログナー侯爵は声を上げた後その場から立ち去ろうとした。



「あら、どちらに行かれるのかしら?」

その時エレベーターの近くにいたスカーレットがログナー侯爵を呼び止めた。

「おぬしは……」

「どうやらその様子ですといよいよご息女と決着をつけられるようですね。必要でしたら、加勢致しますが。」

「フン、手出しは無用だ。今回に限っては貴族連合もメンフィルも関係ない……あの愚かな放蕩娘に父として教育を施すまで!おぬしはノルド方面の第三機甲師団かユミル方面のメンフィル軍に備えて待機しているがいい!!」

スカーレットの申し出を鼻を鳴らして蹴ったログナー侯爵はスカーレットを睨んで指示をし、兵士と共にエレベーターに乗り込んだ。



「フフ……”四大名門”の当主とは思えない程真っ直ぐな性格をしているわね。まあ個人的にはそういう性格の方がいいと思うけどね。」

ログナー侯爵が乗り込んだエレベーターを苦笑しながら見つめていたスカーレットはアンゼリカ達が進撃して来るルーレ方面を見つめた。

「親子喧嘩に水を差すのは申し訳ないけど……せいぜい最後の一花――――咲かせてみせるとしましょうか。」

ルーレ方面を見つめたスカーレットはある決意を胸に抱いて寂しげな笑みを浮かべて呟いた。





数刻後――――





数刻後”黒竜関”の上空に到着したカレイジャスは互いに対峙する領邦軍を見守っていた。



(ゴクッ……)

「まさしく一触即発か……」

「いつ戦端が開かれてもおかしくないって感じね。」

「アンゼリカ先輩……」

リィン達が甲板からアンゼリカ達の様子を見守っていると砦に動きが起こった。

「姫様、砦に動きが……!」

「……あれは…………」

砦の門が開くと真紅の”ヘクトル”が”ドラッケン”を引き攣れて姿を現した!



「―――聞こえるか、我が娘アンゼリカ・ログナーよ!!」

「父上か……!」

「ハイデルを押さえ、ここまで辿り着いた事は素直に褒めてやる!だが、これ以上お前を調子付かせるつもりはない!これまでの数々の不始末を合わせ、この父が自ら鉄槌を下してやろう!」

「こ、侯爵閣下……!」

ヘクトルに乗り込んでいるログナー侯爵の宣言―――ログナー侯爵とアンゼリカの”一騎打ち”の宣言はその場にいる全員を驚かせる発言だった。



「そ、それって……」

「”一騎打ち”ということか……!」

「”将”同士による決着ですわね……」

ログナー侯爵の宣言を聞いたアリサは目を見開き、ラウラとセレーネは真剣な表情で呟いた。

「フッ、やはりそう来ると思っていたよ。――――いいでしょう、父上!今こそ決着をつける時だ!」

そしてアンゼリカが操縦するシュピーゲルとログナー侯爵が操縦するヘクトルは互いに対峙し

「「参る(ゆくぞっ)――――!!」」

互いの拳を互いの機体にぶつけて戦闘を開始した!



戦いは装甲が厚く、また近接戦闘用に創られてある”ヘクトル”を操縦するログナー侯爵がアンゼリカを圧し、強烈な一撃によってシュピーゲルが立ち上がれないまでのダメージを与えた。しかし起死回生の一撃を狙ったアンゼリカの反撃によって”ヘクトル”は吹っ飛ばされて一撃で戦闘不能になった。



「あ、あのデッカイのを吹き飛ばしたー!?」

「アンゼリカ先輩の零頸(ゼロ・インパクト)……!!」

「ん、勝負アリだね。」

アンゼリカの勝利にリィン達が喜んでいる中地面に倒れたヘクトルにシュピーゲルはゆっくりと近づいてきた。



「間一髪だったが……なんとか届いたか。」

「……フン、まさかあのような切り札を隠し持っていたとはな。それも前の家出の時に身につけたという技か。まったく……つくづく貴族らしからぬ放蕩娘よ。レン姫の許で大人しく帝国貴族の子女として振舞っていればよいものを……」

アンゼリカの話を聞いたたログナー侯爵は呆れた表情で呟いた。

「叔父上も言っていたがきっと貴方に似たんでしょう。『真の帝国貴族こそまずは己の足で立つ事を知るべし』幼い頃にそう教えてくれたのは他でもない父上でしょう?」

「フン……どうやら此度については敗北を認めるしかないようだな。」

ログナー侯爵の敗北宣言を聞いたシュピーゲルはヘクトルに手を差し伸べた。



「フフ、一件落着か。」

「よかった、これで―――」

その様子を見ていたガイウスとトワが安堵の表情で呟いたその時!

「悪いけど、そうはいかないわよ。」

聞き覚えのある女性の声が聞こえて来た!





「なに……!?」

声を聞いたシュピーゲルが振り向いたその時砦の上空から高速機甲兵―――”ケストレル”が現れ

「しまっ―――ぐあっ!?」

「ア、アンちゃんっ!?」

シュピーゲルの目の前で着地し、法剣でシュピーゲルを吹っ飛ばして地面に叩きつけ

「新型の機甲兵……!?」

「―――”ケストレル”。高速起動型の”機甲兵”か。」

”ケストレル”の登場にミリアムは目を丸くし、パントは真剣な表情で呟いた。



「ごきげんよう―――トールズ士官学院・Ⅶ組の子達。こうして会うのはガレリア要塞の時以来ね?」

「帝国解放戦線、”S(スカーレット)”――――!」

ケストレルから聞こえて来たスカーレットの声を聞いたリィンは厳しい表情で声を上げ

「おぬし―――どういうつもりだ!?加勢は無用だと言ったはずだ!それに勝負はすでに―――」

ログナー侯爵はケストレルを睨んで声を上げた。

「フフ、”紅き翼”が出て来た以上いつまでも高見の見物をしているわけにはいかなくなったのよ。悪いけど仕事を果たさせてもらうわよ―――このケストレルでねぇ!」

ケストレルが法剣の切っ先を”カレイジャス”に向けるとアンゼリカが率いる領邦軍、ログナー侯爵が率いる領邦軍の双方の機甲兵がケストレルを包囲した。



「貴様、よくも姫様を!!」

「不敬であるぞ!侯爵閣下から離れるがいい!!」

「フウ……雑魚には用はないのよ。死にたくなければ手を出さない事ね!」

機甲兵は挟み撃ちでケストレルに襲い掛かったが

「うわああああっ!?」

「ぐああああっ!?」

ケストレルは凄まじい速さで法剣を振るってドラッケン達を吹き飛ばして戦闘不能にした!



「な、なんてスピード……!」

「装甲を薄くして防御を捨てている事によって、あのようなスピードを出す事も可能なのでしょうね……」

「だが、いくらなんでもあの動きは……!」

その様子を見ていたアリサは驚き、ルイーズは真剣な表情で呟き、ある事に気付いたジョルジュは血相を変えた。



「フン、リーダーであるクロウが去ってもアンタがまだいるって事は大方”V”も未だ貴族連合に手を貸しているのでしょうね。そう言えばアンタにはガレリア要塞で取り逃がした借りが残ったままだったわね?」

「フフ………そんな事もあったわね。でも、もう―――私にはどうでもいいのよ。あなた達との貸し借り―――貴族連合や、メンフィル帝国との外交問題、この帝国の行く末そのものですらね。」

「え……?」

「……どういうことだ。」

ケストレルから聞こえて来たスカーレットの予想外の答えにサラ教官とユーシスは眉を顰めた。



「私はもう”生”にしがみつく理由を失くしてしまった。鉄路を通すため、私の家と故郷を根こそぎ奪い去ったあの男――”鉄血”の心臓と頭を”C"が撃ちぬいたあの日にね。」

「あ…………」

「今の私は死に場所を探すだけの歩く(しかばね)も同じ―――だから、会いに来たのよ。私の最期に相応しい相手―――その”灰色の”王子様にね。」

「………………」

(うふふ、ご主人様の事だから、身を挺してでもあの女を助けそうね♪)

(ふふふ、そしてその後あの女性の心を奪うという寸法ですか。)

(さ、さすがに後者はありえないと思うのですが…………)

(マスターならありえると思います。ですが死に場所を探す彼女にとってはそれが一番いいかもしれませんね……)

(……頑張って、リィン……!)

スカーレットの答えを聞いたリィンが黙っている中、ベルフェゴールとリザイラの推測を聞いたメサイアは表情を引き攣らせ、アルティナはジト目で答えた後複雑そうな表情をし、アイドスは真剣な表情で祈った。



「そ、そんな……まさか貴女は自ら死ぬ為に現れたのですか……!?」

「どうやら生きる意味を見失ってしまったみたいね。」

「フン……甘えたことを。」

一方スカーレットが現れた理由を察したセレーネは信じられない表情をし、フィーは複雑そうな表情をし、ユーシスは疲れた表情で鼻を鳴らした。



「フフ、せっかくだから貴方達も一緒にどう?高速機甲兵”ケストレル”―――その限界を超えた音速の翼で連れて行ってあげるわ。”G”たちの待つ地獄への同伴者として―――!」

スカーレットの宣言を聞いたリィンはふとパンダグリュエルでのスカーレットの言葉を思い出した。



フフ、それじゃあ。もしお仲間になったらそのあたりも教えてあげるわ。ならなかったとしたら……それはそれで素敵かもしれないわね。



「リィン……どうするの!?」

「ヴァリマールの準備はできているけど……」

「……このまま見物しているわけにはいかなさそうだ。ケリを付けてくる!」

決意の表情をしたリィンはセリーヌと共に光に包まれてヴァリマールに乗り込んだ!



「リィン、気を付けて……!」

「兄様………どうか無理だけはなさらないで下さい……!」

「規格外の相手だ!くれぐれも気を付けてくれ!」

「了解です!」

仲間達の激励の言葉を受けたヴァリマールは跳躍し

「フフ、来たわね……!」

「あれが―――”灰色の騎士人形”!」

跳躍したヴァリマールはケストレルと対峙した。

「……ハハ、真打ち登場だね。後は頼む、リィン君……!」

アンゼリカがリィンに激励の言葉をかけたその時、ヴァリマールは剣を構えた!



「―――お望み通り相手をさせてもらう!だが、これ以上俺の目の前で簡単に”死”は選ばせない!」

「アハハハハハ!!やれるものならやってみなさい―――”灰の起動者(ライザー)”あああああ!!

そしてヴァリマールとケストレルは戦闘を開始した!



その後スピードで翻弄するケストレルに手間取りつつも、ヴァリマールはケストレルを戦闘不能にした!



「やったか……!」

「兄様……!」

敵の戦闘不能を確認したユーシスとエリスは明るい表情をし

「よく凌いだわ、リィン!」

「フフ、何度見ても”騎神”は”機甲兵”とは圧倒的に違う存在である事がよくわかるね。」

サラ教官とパントは口元に笑みを浮かべてヴァリマールを見つめた。



「クスクス……さすがは”C”のクラスメイトだわ。”蒼の騎神”に負けず劣らず、素敵な戦いぶりだったわ。これでもう、思い残すことはない―――」

一方ケストレルからは満足した様子のスカーレットの声が聞こえ、その瞬間ケストレルの機体に大爆発が起こってケストレルはのけ反った!



「!?どうしたんだ!?」

「やっぱりか―――まずいぞ、リィン君!彼女の機体は、あの超加速の為に導力機関の限界を超えたんだ!このままじゃ―――!」

「なっ……!?S―――スカーレット!早く脱出するんだ!このままじゃ……!」

ジョルジュの警告を聞いて驚いたリィンは血相を変えてケストレルの中にいるスカーレットに警告した。



「いいのよ、これで……最大の目的を果たした今、もう思い残す事はないわ。エレボニアを混迷へと導いた”悪”はこのまま滅び去るのが一番いい終わり方なのよ。戦争によって”邪魔者は消える”……これが”戦争”ってものよ、坊や。」

リィンの警告に対してスカーレットは満足げな笑みを浮かべ、スカーレットの言葉を聞いたリィンはザクセン山道でメンフィル軍に殺され続けた貴族連合の兵士達や、エイリーク達によって殺された猟兵達、そしてアリサやエイリークの言葉を思い出した。





そのくらいの事は私達もわかっています!でも他のやり方で内戦を終結させる事を探るのが私達―――”第三の風”なんです!



ですが”戦争”に関わる限り、いずれ自分達の身や大切な存在を守る為、そして目的を果たす為に”敵を殺す必要がある事”が訪れる可能性がある事を頭の片隅に留めて置いて下さい。





「ああ、そうだ――――そんな方法を取らない為に俺達は”第三の方法”を探しているんだ!その為にはこれ以上目の前の”死”を見過ごすわけにはいかない!行くぞ、ヴァリマール!」

アリサの言葉とエイリークの忠告を思い出して首を横に振ったリィンは決意の表情で相棒に声を掛けた。

「応――――!」

「―――はああああああっ!!」

「え――――」

「せいやあっ!!」

今にも爆発しそうなケストレルに一気に詰め寄って剣を振るってケストレルを上半身と下半身に別れさせて上半身を掴みとり、素早くその場から離脱した。すると下半身の部分が大爆発を起こして木端微塵になった!



「ふうっ……」

間一髪爆発から逃れたヴァリマールは無事なケストレルの上半身を地面に下ろした。

「リィン……!」

「フン……無茶をしたものだな。」

「無茶は止めてくださいっていつも言ってるではありませんか!」

「それはもしかして……あの機甲兵のコクピット?」

サラ教官やユーシスは感心した様子でヴァリマールを見つめ、エリスは心配そうな表情で声を上げ、フィーは驚きの表情で尋ねた。



「ああ……何とか上手くいったみたいだ。一応無事を確かめておかないとな。」

そしてリィンはヴァリマールから降りて機甲兵のコクピットを開けた。

「よっ……と。」

「……ぅ…………」

コクピットを開けると重傷を負っていながらも意識はあるスカーレットが操縦席にいた。



「……大丈夫か?」

「……余計な、マネを……もう少しで……もう少しで”あの場所”に還れたのに……」

リィンに呼びかけられたスカーレットは悔しそうな表情をした後リィンから視線を逸らした。

「……悪いがそんな道を選ばせるわけにはいかない。あんたの事情を完全に知っているわけじゃないが……それでも、こんな風に終わっていい人間とは思えない。きちんと裁きを受けて……罪を償う道を探してくれ。」

「フン……とんだ甘ちゃん、ね。」

リィンの言葉を聞いたスカーレットはリィンを睨んだ後気絶し

「……気を失ったか。でも……間に合ってよかった。」

その様子を見守ったリィンは安堵の溜息を吐いた。



その後、アンゼリカとログナー侯爵によって戦闘の後処理が行われ……黒竜関は一触即発の状況からようやく脱したのだった。ログナー侯爵は改めて今回の一騎打ちの敗北を認め……セドリック皇太子とアルフィン皇女に誓う形で、『貴族連合からの離脱』及び『内戦への不干渉』を宣言した。しかしセドリック皇太子とアルフィン皇女から戦争回避条約の件等を聞かされると反論して来た。 
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