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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第76話

~バレスタイン城・時計塔・広間~



カーナに向かったオリビエはカーナが投擲するナイフに対し、正確な射撃で対抗し、戦いは激しい銃撃戦になっていた。

「行きなさいっ!!」

「そぉれっ!!」

カーナが放った自動追尾するナイフを数本投擲するクラフト―――マルチスナイプに対しオリビエはクラフト―――クイックドロウを放って、自分に向かって来るナイフ全てを撃ち落とし

「フッ!!」

カーナに狙いを定め、クラフト―――アイスショットを放った!

「燃えなさいっ!!」

しかしカーナは火薬を仕込んだナイフを投擲するクラフト――――ナパームスローで相殺した。すると爆発が起こり、オリビエの目の前は煙によって視界が防がれた。

「フム……………」

視界が防がれたオリビエは動じずオーブメントを駆動させた。

「サイクロンエッジ!!」

その時カーナが投擲したナイフが煙を切り裂きながらオリビエを襲った!

「ぐっ!?」

カーナのナイフに命中したオリビエは呻いたが

「それっ!スパイラルフレア!!」

「きゃっ!?」

駆動が終わったオーブメントを発動し、アーツで反撃した!

「そこだっ!!」

そしてオリビエはアーツを受けて、怯んでいるカーナに一点集中し、正確無比な5連続射撃を行うクラフト―――5点バーストを放った!

「くうっ!?」

一瞬で5発の弾丸を受けたカーナはさらに怯んだ所に

「重力の檻に囚われたまえ!!」

導力、魔導の力によって重力のエネルギーを凝縮し、弾丸として放つクラフト――――グラビティ・ビュレットを放った!銃から放たれた重力が凝縮された球体がカーナを襲ったその時

「っと!?」

攻撃に気付いたカーナは回避し

「お返しよっ!!」

オリビエを囲むようにオリビエの足元に数本のナイフを投げた。すると衝撃波が発生し、オリビエを襲った!

「くっ!?」

ナイフを地面に投擲し、衝撃波を発生させるクラフト――――フラップニードルを受けたオリビエは呻いた。

「…………」

その隙を狙ったカーナは一気にオリビエに接近し

「ハァァァァァァ……………!」

「うぉっ!?」

至近距離でナイフを投擲してオリビエに大ダメージを与え続け

「それっ!!」

「ぐっ!?」

ナイフを投擲し終わると強烈な蹴りを放ってオリビエを吹っ飛ばした!



「ナパームスロー!!」

そしてカナは吹っ飛ばされたオリビエに追撃した!

「そらっ!!」

しかし後方に控えていたケビンがボウガンから矢を放ってカーナのナイフを撃ち落とし

「冷気の刃よ!ダイヤモンドダスト!!」

「!!」

続くようにフィーナが援護攻撃を放ち、攻撃に気付いたカーナは回避に専念した。

「それっ!」

一方ケビン達が攻撃している間にオリビエは滅亡した古のエルフの王族のシルフィエッタや各地の伝説や歴史を求めて旅をしているアドル、そしてさまざまな進んだ知識を持つフィーナ、自分の世界が”ディル・リフィーナ”になる前から存在している女神であるサティア、そして”ソロモンの魔神”であるアスモデウスが知る秘薬を参考にし、ウィルが治療薬に詳しいティナ、ペテレーネ、そして全ての分野において”天才”を誇るレンと共に開発した薬――――体力や傷だけではなく魔力や気力も完全に回復し、さらに一定時間全ての能力を上昇させ、状態異常も全て癒し、倒れた者も復活させる特効薬―――――Ωエリクサーを使って完全回復すると共に自分の能力を上げた。

「フッ………反撃開始だっ!!」

そしてオリビエはオーブメントを駆動させた後、ウィルに頼み、散弾銃であったリュートをライフル銃にも切り替えるようにしてもらい、そしてライフル銃に切り替えたリュートで正確無比な連続射撃を行うクラフト――――ペネトレイターを放った!

「キャッ…………!?」

次々と自分に放たれる射撃にカーナは怯み

「フッ………外さないよ!!」

「うっ!?」

続けて放ったオリビエのクラフト――――スナイプショットが命中し、さらにダメージを受けた!

「ハッ!スパイラルフレア!!」

そしてオリビエは駆動を終えたオーブメントでアーツを放った!

「ミストラルスピン!!」

しかしカーナはその場で両脚を回転させ竜巻を発生させるクラフト―――――ミストラルスピンで相殺した!

「フフ、なんとなく感じていたけど、貴方、レムノスみたいに道化を演じて本心を隠し、自分の実力を隠しているタイプね!」

「…………フッ、何の事だか……………」

カーナの言葉を聞いたオリビエは一瞬驚いた後、すぐにいつもの調子に戻って答えを誤魔化すかのように答えたが

「誤魔化そうと思っても無駄よ。私の弟はまさに貴方と一緒で姉の私をずっと本心をさらけ出さずに誤魔化していたんだから!2度も同じ手は通じないわ!」

「…………やれやれ………エステル君といい、シェラ君やアイナ君といい、本当に女性は恐ろしいね…………」

不敵な笑みを浮かべて語ったカーナの言葉を聞いたオリビエは疲れた表情で溜息を吐いた後

「――――だが、だからこそ彼女達は今も美しく輝いている。…………フッ、このボクを見破った君を讃えて、本気で挑ませてもらおう…………!」

すぐに真面目な表情に戻って呟き、そして髪をかきあげた後銃を懐に収め、銃に変型させたリュートを構えた!

「望む所よ!」

対するカーナもナイフを構え

「ハァァァァァァ…………!!」

その場で無数のナイフを次々と投擲した!



「この曲は君に捧げる最後のレクイエムさっ!!ふっ、これは避けられまい!」

一方オリビエはリュートを軽く鳴らした後、器用に散弾銃やライフル銃に切り替えたリュートから奏でるように怒涛の銃弾や導力エネルギーを放って、カーナが投擲したナイフを相殺した。

「これで終わりよっ!ラストリゾー!!」

全てのナイフが相殺されたカーナはすざましい爆発を起こす爆薬を塗り込んだナイフを投擲し

「そぉれっ!!」

オリビエはリュートから特大の銃弾を放って爆薬を塗り込んだナイフに命中させて爆発させ、相殺した!

「フッ…………」

そしてカーナのSクラフト―――ラストリゾーを相殺したオリビエは懐から薔薇の花束をカーナの頭上に向かって投げ

「これでフィナーレだっ!!」

懐から取り出した銃――ウィルがティータ、ティオ、レンと共に改造し、強化した結果進化した銃――音銃エウリアーサでSクラフト――エーテルバレットを花束に放った!すると辺りを響き渡らすほどの大爆発を起こし、薔薇の花弁が美しく舞った!

「キャアアッ!?……あ~あ、私の負けね………」

音楽を奏でるように怒涛の銃撃を放つオリビエのSクラフト――ラストレクイエムによる大爆発に巻き込まれたカーナは戦闘不能になり

「フッ………」

オリビエは髪をかきあげて、静かな表情で天井を見上げた。



「そこだっ!!」

オズマに向かったアドルは先制攻撃代わりにクラフト――ソニックスライドで一気に距離をつめて攻撃を仕掛けた

「!!」

攻撃に気づいたオズマは後ろに跳躍して回避し

「捉えたっ!!」

上空に飛び上がったあと、斜め下に急降下して槍を突き立てるクラフト――――鷹爪撃で反撃をし

「パワー……スマッシュ!!」

アドルは強烈な一撃を放つクラフトでオズマのクラフトを相殺した。互いの攻撃が相殺された際に発生した衝撃によって2人は同時に吹っ飛ばされた!

「っと!ギガファイアー!!」

受け身を取って着地したアドルはファイアーの強化魔術――ギガファイアーを放ち

「させない!!」

オズマは前方に巨大な水の塊を発生させるクラフト――蒼獄波を放った!巨大な炎の球体と水の塊がぶつかった際に出来た水蒸気によってオズマとアドル、互いの目の前の視界は防がれたが

「行くぞっ!!」

オズマは槍を構えて敵に突進したあと、そのまま上空へと突き上げるクラフト――滝登りで水蒸気によってできた煙の中を突っ込んで、警戒しているアドルに襲いかかった!

「なっ!?……!!」

煙の中から突如現れたオズマに驚いたアドルだったが、すぐに気を引き締め、盾で防御した。

「ハァァァァァ……!!」

「くっ!?」

しかし続けてオズマが放った槍を目の前で回転させ、敵を吹き飛ばすクラフト――風車輪を受けて怯むと共に吹っ飛ばされた!



「……そこだっ!!」

吹っ飛ばされたアドルにオズマは力を溜めたあと前方に強烈な突きを放つクラフト――虎閃衝を放った!

「!!くっ!?」

攻撃を見たアドルは咄嗟に盾で防御したが、防御した際に伝わって来た衝撃に怯み

「クラッグスピア!!」

「グッ!?」

その隙を逃がさないオズマは槍を地面に突き立て、足元から発生した地柱で敵を打ち上げるクラフト――クラッグスピアでアドルにダメージを与えると共に打ち上げ、そして

「セイッ!!」

水流を伴った突きを放つクラフト――アクアプレッシャーを放った!

「ハアッ!!」

しかしアドルは拠点で習得したエレナの剣技――――デモンスラストで相殺し

「喰らえっ!!」

「くっ!?」

さらに落下しながら拠点で習得したエレナの剣技――――アヴェンジャーを放って怯ませ

「ハァァァァァ……!!」

クラフト――――ビートダウンを放った!

「せいっ、はあっ、豪槍烈破!!」

対するオズマは連続突きの後、爆発を起こすほどの強烈な一撃を放つクラフト――――豪槍烈破を放って相殺し、互いの技を相殺した際にでできた衝撃波で再度、2人は吹っ飛ばされた!

「ハッ!……フフ、さすがアドルだな。旅の間にまた腕を上げたな。」

受け身を取って着地したオズマは口元に笑みを浮かべてアドルを称賛し

「ハハ……そういうオズマこそ以前よりさらに強くなっているじゃないか。もうセルセタの危機は去ったのに……」

称賛されたアドルは苦笑しながらオズマを見つめた。



「確かに僕や君達が共に戦い、セルセタの危機は去ったが…………再び訪れないという保証はどこにもない。僕達はその時に備えて、今でも自分たちの腕を磨いているよ。」

「そうか………もしその時がくれば僕も再び協力するよ。君達には色々と助けてもらったから、恩返しをしないとね。」

「ありがとう。………さて、そろそろ決めようか………!」

「ああ………!」

そして2人はお互い再び武器を構え

「全力で行く!!」

オズマは槍に強大な水の力を込めて跳躍し

「ハァァァァァ…………!」

アドルはその場で全身に闘気を纏った!

「呑み込まれろっ!!」

そしてオズマはアドルの近くに落下し、落下した際に発生した渦潮の中に潜った。発生した渦潮はアドルにダメージを与え続け

「ハッ!!」

全身に闘気を溜め込んだアドルは高く跳躍した。するとアドルの姿は闘気により鷹の姿になった!

「奉神演舞槍!!」

その時渦潮の中からオズマが飛び上がって、槍を構えて突進し

「ホークブラスト――――ッ!!」

鷹の姿になったアドルはオズマに向かって突進した!2人がぶつかり合った際、大爆発が起こり、爆発の煙が晴れるとそこには………!

「……さすがだ、アドル。僕の負けだ………」

戦闘不能になり、地面に膝をついたオズマがいた!

「!?………クッ……!さすがオズマだな………」

一方鷹の姿から元に戻ったアドルはエステルの奥義、”鳳凰烈波”を参考にして編み出したSクラフト――――ホークブラストでオズマとぶつかり合った際、ぶつかった時に脇腹に受けてしまったオズマのSクラフト――――奉神演舞槍の最後の一撃のダメージが伝わり、怯んだ後苦笑していた。



「………見事だ。君達の勝利に祝福を。」

「やれやれ………負けちまったな………」

「相討ちに持っていったデュレンはまだいいわよ………私なんか年下の女性にやられちゃったんだから。」

「あ~あ。レムノスの件があったから、今度は油断しないように気をつけていたのにな………私もまだまだね………」

「うう~………私の長年の修行の成果があっさり真似されるなんて、悔しいですわ~!」

戦闘が終了するとオズマはアドル達に微笑み、デュレンとフリーダ、カーナは疲れた表情で溜息を吐き、カンリリカは悔しそうな表情で叫んだ。

「みんな、お疲れ様。こんな形で君達と再会できるとは思わなかったけど……みんな、元気そうでよかったよ。」

そしてアドルは武器を収めた後かつての仲間達に微笑んだ。

「お前もな。………旅をするのもいいが、たまにはセルセタに来いよ。」

「みんな、アドル君の事、今でも覚えているし、君の活躍も知っているわ。フフ………本物の私達がまた会える事を願っているわ。」

「………いつか君の冒険譚を聞かせてくれること………楽しみに待っているよ。」

「リーザお姉様もずっとアドルさんの事を覚えていますわ。だから絶対にまた来てくださいね!」

「じゃあね、アドル!」

デュレン達はそれぞれアドル達に微笑みを見せて、光と共に消滅した。

「……………行こうか。構造が変わっていなければ、もうすぐ頂上だよ。」

デュレン達が消えた場所を静かに見つめていたアドルはケビン達に振り向いて言った。

「よっしゃ。後少し頑張ればこの厄介な城ともオサラバできるな。みんな、もうひと踏ん張り頑張ろうか。」

アドルの言葉に頷いたケビンは仲間達に振り向いて励ましの言葉を言った。

「それはいいのですけど、アドルさん………」

「後でリーザさんだけでなく、今までに出会った女性の方達の事、教えて下さいね?」

「ちなみに誤魔化そうと思っても無駄ですからね?アドルさんの冒険日誌の内容を知っているエステルさんがいるんですからね?」

その時、フィーナとエレナは笑顔でアドルを見つめて言った。

「はい………(もう、勘弁してくれ…………というか未来の僕は一体どれほどの女性達と仲良くなったんだよ………)」

2人に見つめられたアドルは肩を落として溜息を吐いた。その後ケビン達は探索を再開し、ようやく最上階の広間に出た。するとそこにはある人物がいた。



~バレスタイン城・時計塔・最上階広間~



「フン、ようやく来たか。遅いぞ、アドル・クリスティン。」

アドル達に気づいたある人物――――エレナの騎士衣装によく似た衣装を着た青年は鼻を鳴らしてアドルたちを見つめて言った。

「えっ……!そ、そんなっ……!」

青年を見たエレナは信じられない表情をし

「へっ………?エレナさんの知り合いなんか?」

エレナの様子に気づいたケビンは首を傾げてエレナに視線を向け

「……数年前に他界した私の兄です。………無限の再生力を持つ強大な魔物から私や故郷を守る為に、その身を犠牲にして魔物を討ったのです………」

視線を向けられたエレナは辛そうな表情で答えた。

「!!………そか………辛いことを聞いてしまってすまんな…………」

「……………」

エレナの答えを聞いて驚いたケビンは申し訳なさそうな表情でエレナを見つめ、アガットはある意味自分と似ているエレナを複雑そうな表情で見つめた。

「……やはり君もいたか、チェスター。バレスタイン城と縁が深い君ならいつか出会うとは思っていたよ………」

アドルは静かな表情で青年――――今は亡きエレナの兄、チェスター・ストダートを見つめて言った。

「兄さん!」

そしてエレナはチェスターに向かって走ったが

「キャッ!?」

「エレナさん、大丈夫ですか!?」

見えない壁に阻まれると同時に吹っ飛ばされ、吹っ飛ばされたエレナにフィーナが駆け寄って治癒魔術をかけた。

「………これはどういうことだ、チェスター?」

一方アドルは真剣な表情でチェスターを睨んで静かに尋ねた。

「……”俺”が望んだ事だ。――――アドル。お前と復讐に囚われず、ジェノスの末裔の一戦士としての俺の戦いを誰にも邪魔をさせない為のな。」

アドルに尋ねられたチェスターは静かな表情で答えた後

「…………」

両手にそれぞれ剣を持ち、2刀流の構えをし

「――――アドル。復讐の為に罪のない人々を巻き込んだ俺には資格がないが………それを曲げて頼む。一人の戦士としてお前に挑ませてくれ。」

静かな表情でアドルを見つめて言った。



「………………わかった。」

そしてアドルは静かに剣と盾を持ち、チェスターに近づき、ある程度の距離を取って戦闘の構えをした!

「………感謝する。」

自分の望みに答えたアドルにチェスターは微笑んだ。

「兄さん………アドルさん…………」

一方その様子を見守っていたエレナは静かに呟いた後、目を閉じて静かに祈り始めた。そして2人はそれぞれの武器を相手に向け

「――――”白騎士”チェスター・ストダート!」

「――――”冒険家”アドル・クリスティン!」

「「一戦士としてお前(君)に挑む!行くぞっ、アドル(チェスター)――――ッ!!」」

同時に叫んだ後駈け出して、戦闘を開始した!



こうしてアドルは”孤高の白騎士”チェスター・ストダートとの一騎打ちの戦闘を開始した…………!




 
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