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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第72話


~バレスタイン城・地下~



「鳴り響いて!サンダーストーム!!」

戦闘が開始されるとフィーナはエレナに魔法を放ったが

「ヤッ!!」

エレナは神速の瞬歩を行うクラフト―――ファントムダッシュで自分に襲い掛かって来る雷を回避し

「ファイアー!!」

「ハッ!!」

アドルが放った魔法には前方へ複数のダガーを同時に投げつけるクラフト―――ダガースロウで相殺し、クラフト―――ファントムダッシュで一瞬でアドルに詰め寄り

「ハッ!えいっ!せいっ!!」

「…………………」

連続でアドルに斬り込み、攻撃を仕掛けられたアドルは盾で防御したり、剣で捌いたりしていた。

「力の加護を!ストライクパワー!!」

そこにフィーナの援護魔法がアドルにかかり

「ハァァァァァァ………!!」

アドルはクラフト―――ビートダウンで攻撃を仕掛けた!

「ヤァァァァァ………!!」

対するエレナもアドルと同じクラフト―――ビートダウンで攻撃を相殺し

「たぁっ!!」

一端下がってクラフト――ダガースロウをアドルとフィーナに放った!

「ハッ!!」

「…………」

自分達に来た攻撃をアドルは盾で防御し、フィーナは簡易結界を貼って防御したが

「クロス!ブレイド!!」

「くっ!?」

エレナが続けて放った2回剣を振るう事によって十字の衝撃波を前方へ放つクラフト―――クロスブレイドは防げず、アドルはダメ―ジを受けた。



「ハアッ!!」

そしてエレナは前方に障壁を巡らせた上で、敵へ向かって突進するクラフト―――オーラストライクでアドルに襲い掛かった!

「フッ!」

しかしアドルは回避し

「行きます!ダイヤモンドダスト!!」

同時にフィーナが魔法を放った!フィーナの魔法による氷の刃がエレナに降り注いだ!

「………………」

しかしエレナはクラフト―――ファントムダッシュで自分に襲い掛かって来る氷の刃を紙一重で回避し

「そこっ!!」

「キャアッ!?」

クラフト―――ダガースロウでフィーナにダメージを与えた。

「ソニックスライド!!」

「!!」

そこにアドルがクラフトで強襲し、攻撃に気付いたエレナは回避したが

「ソニックウェイヴ!!」

「キャッ!?」

続けて放ったアドルのクラフトによってダメージを受けた。

「回復します………ヒール!!」

一方フィーナはアドルが攻撃を仕掛けている間に治癒魔法で自分とアドルの傷を回復し

「えいっ!!」

杖から魔力弾をいくつも発生させてエレナに放った!

「……………」

しかしエレナは自分に襲い掛かる魔力弾を回避し

「セイッ!!」

前方へ無限に伸びる鋭い突きを放つクラフト―――デモンスラストをアドルに放った!

「!!」

攻撃をされたアドルは紙一重で回避をした後

「フォトンブレード!!」

クラフトで反撃をした!



「無影…………一閃!」

「グッ!?」

しかしエレナは全身に闘気を溜めこんだ後、一瞬で敵の背後に回って一閃するクラフト――――ストレイヤー・ヴォイドで回避すると共にアドルの背中を斬りつけた!

「………っ……!」

背中を斬られたアドルは痛みに顔を顰めながら大きく後ろに跳躍してエレナから離れた。

「不浄なる者達に天の裁きを!!」

「キャアッ!?」

するとそこにフィーナが放った魔法がエレナに命中し、ダメージを受けて悲鳴を上げた。

「行くぞ………!」

そしてアドルはエレナの周りに五芒星を描き

「星方陣!!」

エレナの足元から衝撃波を発生させた!

「フッ!!」

しかしエレナは剣を地面に突き立て、剣気によって周囲を攻撃するクラフト―――アヴェンジャーで攻撃を相殺し

「ソニックスライド!!」

「ハアッ!!」

アドルの突進攻撃に対し、自分も突進攻撃を放つクラフト―――オーラストライクで相殺した後

「爆ぜなさい!!」

障壁の力を爆発させるクラフト―――オーラバーストをアドルの至近距離で放った!

「クッ!?……………!」

ダメージを受けたアドルは呻いた後、一端後ろに跳躍してエレナから離れた。



「………………」

一方エレナはクラフト―――ファントムダッシュで再びアドルに近づいて来た!

「シールド!!」

対するアドルは自分に絶対障壁の魔法をかけた後迎撃の構えをし

「セイッ!!」

「フッ!」

エレナのクラフト―――デモンスラストは回避し

「ハアッ!ヤアッ!セイッ!!」

「ハアッ!セイッ!そこだっ!!」

エレナが放った自分と同じクラフト―――回転乱舞に対して同じクラフトを放って相殺して鍔迫り合いの状態にした後

「フィーナ、今だ!エレナは僕が抑えている!僕ごとエレナに君の魔法を撃ってくれ!」

エレナと鍔迫り合いの状態になりながらフィーナに指示をした!

「え………………!…………わ、わかりました………!…………」

指示をされたフィーナは一瞬躊躇ったが、アドルが自分に絶対防壁をかけた事を思い出して、全身に魔力を纏って強く祈り

「至高の光よ!アーリアル!!」

天より自分に仇名す者達を貫く光を呼び寄せる女神フィーナの大魔法にしてSクラフト――――アーリアルを放った!するとアドルとエレナの頭上から巨大な光が発生し、2人を貫き、さらに地面から光の衝撃波を発生させた!

「キャアァァァァァァッ!?」

フィーナが放ったSクラフトによってエレナは大ダメージを受け、さらにアドルの絶対障壁の一枚が破壊された!

「………………」

一方アドルはフィーナの所まで下がり、衝撃波等によってできた煙が晴れるのを待ち、警戒していた。そして煙が晴れるとそこには――――

「なっ!いないっ!?」

エレナがいたはずの場所に誰もいなく、それを見たアドルは驚き

「!上です、アドルさん!!」

何かに気付いたフィーナは上を見上げて叫んだ!するとそこには剣にすざましい闘気を込めたエレナが剣を地面に向けながら落下して来た!

「ハァァァァァァ…………!!アークレイズ――――――ッ!!」

破壊の力を剣に込め、地面に突き立てて爆発させる秘技にしてSクラフト――――アークレイズによってアドル達にすざましい大爆発が襲った!アドルは残っていた一枚の絶対防壁に阻まれて無事だったが

「ああっ!?ご、ごめんなさい、アドルさん…………」

「フィーナ!!」

簡易結界を貼ったフィーナの結界は破壊され、フィーナは大ダメージを受けて戦闘不能になり、それを見たアドルはフィーナに駆け寄ったが

「アドルさん………今の内に決着を………!お願いします………!」

「!!…………わかった……!ハアッ!!」

身体を震わせながら呟いたフィーナの言葉を聞いたアドルは目を見開いた後、決意の表情で頷き、クラフト―――ダブルブーストを自分にかけた後、今までの戦闘によって疲労し、息を切らせているエレナに向かい

「ハァァァァァァ…………!」

激しい剣撃を放った!

「クッ………!?」

アドルの激しい剣撃を捌いていたエレナだったが、度重なる戦闘のダメージによって全ては捌ききれず、いくつかはダメージを受けた。

「ハッ!!」

そしてアドルは跳躍し

「ソルブレイカー――――――ッ!!」

Sクラフト――――ソルブレイカーによる止めの一撃を放った!

「キャアァァァァァァッ!?………フフ、私もまだまだですね…………」

そしてアドルのSクラフトを受けたエレナは悲鳴を上げた後、地面に膝をついて戦闘不能になった!



「ハア、ハア………ようやく終わったか…………フィーナ、大丈夫かい?」

「ヒール!!はい、なんとか………」

戦闘が終了し、エレナとの戦闘の疲労によって息を切らせていながら心配したアドルの言葉にフィーナは自分に治癒魔法をかけた後、身体を震わせながら立ち上がった。

「フフ、さすがですね、アドルさん。」

一方エレナは微笑みながらアドルを見つめていた。

「ハハ………正直、君の強さには驚いたよ………もうチェスターを超えていると思うんだけど………」

エレナに振り向いたアドルは苦笑しながらエレナを見つめていた。

「そんな………兄さんと比べたらまだまだですよ。」

アドルの言葉を聞いたエレナは微笑みながら見つめていた。

「アドルさん………私、あの時の誓いを果たせたでしょうか?」

「ああ、今のエレナは十分強いし、自分の力で立ち上がっているよ。」

「そうですか………フフ、それを聞けてよかったです。だったらその事を今から現れる本物の”私”に言って下さいね。その時に”私”が伝えきれなかった言葉をアドルさんに伝えますね。」

アドルに微笑まれたエレナは微笑みながら光と共に消滅した。

「え!?エレナ、それはどういう意味だい………!?」

一方その言葉を聞いたアドルが驚いて尋ねたが、エレナは光と共に消滅していた為、返事は聞けなかった。そしてエレナが消えて少しするとなんと封印石が現れた!

「あれは封印石………!」

「なっ!?もうこれ以上は封印石はないと思っていたのに………!」

封印石を見たフィーナとアドルは驚いた。

「それよりアドルさん。中にいる方は………」

「ああ。エレナだろうね………あ…………」

フィーナに尋ねられたアドルは頷いた後、光を放ち始めた封印石に気付いた。そして封印石は解放され、そこから先ほど戦ったエレナが地面に膝をついた状態で現れた!



「うっ………一体今の光は………?…………え……………貴方はもしかしてア、アドルさん!?」

エレナは呻いた後立ち上がり、アドルに気づいて驚いた。

「ア、アハハ………まさかこんな形で再会する事になるなんてね………」

「ハ、ハア………………あの、アドルさん。そちらの方は一体?それにここは一体………?」

苦笑しているアドルをエレナは戸惑いの表情で見つめた後、フィーナに視線を向け、そして周囲を見回して尋ねた。

「うん、今それを説明するよ。信じられないと思うけど実は…………」

エレナの疑問を聞いたアドルは頷き、フィーナと共に事情を説明した。

「………という事なんだよ。」

「…………………………正直、信じられませんけど、アドルさんがおっしゃっているのですから信じます。………それにしてもすみません。偽物とはいえ、私がアドルさん達を傷つけてしまって………」

アドルの説明を聞いたエレナは少しの間考え込んだ後、アドルに微笑んで答えた後、申し訳なさそうな表情で謝罪した。

「気にしなくていいよ。それより正直、君があそこまで強くなっている事に驚いたよ。」

「フフ、そうですか。………それよりさっき偽物の私がアドルさんに伝えたい言葉があると言ったんですよね?今ここで伝えてもいいですか?」

「ああ、いいよ。」

「本当にいいのですか?」

「?ああ、勿論だよ。」

念を押して尋ねて来たエレナにアドルは首を傾げた後、頷いた。



「わかりました。―――――好きです。」

アドルの返事を聞いたエレナは息を吸い込んだ後、なんと信じられない事を口にした!

「まあ…………」

「え…………………エ、エレナ!?一体どういう意味で………!?」

エレナの言葉を聞いたフィーナは驚きの表情でエレナを見つめ、アドルは一瞬呆けた後、我に返って慌てながら尋ねた。

「勿論、男性としてですよ。私にとってアドルさんは初恋の人でそれは今も変わりません。フフ………やっと伝えられました。」

「………………………………」

頬を赤く染め、微笑みを浮かべているエレナの言葉を聞いたアドルは石化したかのように固まって黙っていたが

「フフ………さすがですね、アドルさん。”やっぱり”旅先の女性に慕われていたんですね。」

「フィ、フィーナ!?ぼ、僕はそういうつもりじゃ………!」

笑顔だがどこか威圧感があるフィーナに気付き、我に返って慌て、言い訳をしたが

「今は黙ってく・だ・さ・い!私はエレナさんと大切な話がありますので。」

「はい……………」

威圧感がある笑顔のフィーナの言葉を聞き、肩を落として黙り込んだ。

「………すみません、フィーナさん。貴方とアドルさんの関係を知っていて、こんな図々しい事を……」

「フフ、気にしないで下さい。アドルさんがそういう男性なのはわかっていましたから。それに私は元の世界に戻ればもう、アドルさんに会えませんし………もしよかったら、貴女がアドルさんを支えてあげて下さい。」

「え………いいのですか?」

フィーナの意外な提案を聞いたエレナは驚きの表情でフィーナを見つめた。

「はい。貴女ならアドルさんと一緒に冒険しても大丈夫そうですし………」

「なっ!?フィーナ、何を!?」

フィーナの言葉を聞いたアドルは声を上げたが

「私、まだアドルさんに口を開いていいって言ってませんよね?」

「う゛………!ご、ごめん………」

再び威圧感がある笑顔のフィーナに見つめられ、黙り込んだ。

「さっきの話の続きになりますが、これ以上アドルさんを慕う女性を阻止して欲しいのです。アドルさんみたいな男性(ひと)、野放しにしていたら今後出会う女性達が可哀想でしょう?」

「………そうですね。アドルさん、私の心を奪っていつかフェルガナに来てくださいって言ったのに、全然フェルガナに来てくれませんもの。そんな女性の敵は私達がしっかりと管理しないと駄目ですものね!………でも、その代り元の世界に戻ったら私がアドルさんを独占させてもらいますね?」

「ええ。………という事でアドルさん、私以外の女性でエレナさんなら親しくなって構いませんから。元の世界に戻ったら、エレナさんと一緒に冒険して下さいね。」

「あ、あの~………その前に僕の気持ちは………?」

フィーナに視線を向けられたアドルは恐る恐る尋ねたが

「「……………」」

「う゛……………」

2人の威圧感がある無言の笑顔に見つめられ、押し黙った。

「…………」

そしてエレナはアドルに近づいて来た。

「エ、エレナ!君は以前言っていたじゃないか!チェスターの”生きろ”という言葉をフェルガナの地で守り続けるって!僕と一緒にいたら守れないよ!?」

近づいて来るエレナにアドルは慌てて言ったが

「あら………兄さんはアドルさんに私のことを頼むとも言っていたんですよね?なのでアドルさんもちゃんと守って頂かないと。」

「う…………」

エレナは笑顔でアドルの言葉を一蹴し

「ん……………」

なんとアドルの唇に自分の唇を押し付けた!

「!!!!!?????」

口付けをされたアドルは混乱し、固まった!

「フフ………これからの旅でフィーナさんと私以外の女性と親しくなったら、”アークレイズ”ですよ、アドルさん♪」

固まっているアドルにエレナは頬を赤く染めて微笑みながら言った。



「あ!いたわよ!」

「二人とも無事のようやな………!」

エステル達が別の入口から姿を現せて、アドル達に駆け寄った。

「お二人とも無事で何よりです。」

「き、君達も無事でよかったよ。」

クローゼの言葉を聞いて我に返ったアドルは気を取り直して答えた。

「あれれ?その人、誰ですか?」

一方ティータはエレナに気付いて不思議そうな表情で尋ねた。そしてアドル達はエレナの事を説明した。

「ええっ!?まだ封印石があったなんて………」

「ケッ。あの野郎………嘘つきやがったな。」

事情を聞いたエステルは驚き、アガットは黒騎士の言葉を思い出して舌打ちをした。

「――――いえ、どうやらその方はイレギュラーな形で取り込まれたようです。」

その時セレストがケビン達の近くに姿を現した。

「始祖様………!」

「イレギュラー?なんでまたそんな形で………?」

セレストに気づいたクローゼは驚き、ケビンは真剣な表情で尋ねた。

「先程アドルさん達が戦った”影の王”によって創られたエレナさん………その方は………いえ、この場合”エレナさん自身”でしょうね。その方がよっぽどアドルさんに会いたいと強く願ったようで、その力で本物のエレナさんも取り込んでしまったようです。」

「……………………」

セレストの説明を全員が聞いて黙った後、一斉にアドルに視線を向け

「………見損なったわよ、アドルさん。フィーナさん一筋だと思っていたのに、まさか二股をかけていたなんて…………というか今までの冒険で出会った女性の人達もそうなんじゃないの~?」

「ハ、ハハ………まさか”現地妻”を本当に創っていたなんて………」

「あのスチャラカ演奏家より性質が悪い野郎だな………」

エステルはジト目で、ケビンは表情を引き攣らせ、アガットは呆れた表情でアドルを見つめ

「ア、アハハ…………」

「は、はわわっ………!」

クローゼは苦笑し、ティータは顔を赤らめて混乱していた。

「「アドルさん??」」

止めを刺すかのようにフィーナとエレナはそれぞれ威圧感がある笑顔でアドルを見つめた。

「ご、誤解だ――――ッ!!」

全員に視線を向けられたアドルは大声で叫んだ。その後エレナを仲間に加えたケビン達は探索を再開し、さまざまな仕掛けや罠に苦しみながらも先に進んだ。すると広間に出た。



~バレスタイン城・時計塔・広間~



「あれ………?」

「………おかしいですね………?頂上までまだ道はあるのに………」

広間に出たアドルは首を傾げ、エレナが呟いたその時

「やっと来たな、アドル。」

「え………」

「この声はまさか………!」

「ドギ………!」

男性の声が聞こえて来た。声を聞いたフィーナはとアドルは驚き、エレナは懐かしそうな表情で呟いた。声が聞こえた方向を見るとそこには大柄の男性、さまざまな民族風の服装の少年、少女、女性、気品を纏っている少女、頬の大きな傷跡があり、黒髪で漆黒のハルバードを持つ男性がいた。

「俺達もいるぜ、アドル兄ちゃん!」

「お久しぶりです、アドルさん!」

「元気そうで何よりです。」

自分達に近づいて来たアドル達に民族風の服装を着た少年たちはそれぞれ笑顔や微笑みを浮かべ

「フフ、まさかこんなにも早く会えるなんてね、アドル!」

「フン、相変わらずじゃねえか。」

気品を纏っている少女は笑顔を浮かべ、黒髪の男性は仏頂面でアドルを見つめた。

「エルク、クルシェ、マイシェラ、アイシャ、それにガッシュまで………!ハハ………”絆の城”とはよく言ったもんだよ………」

自分が”影の国”に取り込まれる直前に去った地方の仲間達にそれぞれ声をかけられたアドルは驚きの表情で見回した後、苦笑した。



「フフ、お久しぶりですね、ドギさん。」

「久しぶり、ドギ。」

「よう、フィーナちゃん。それにエレナも久しぶりだな。」

一方フィーナとエレナに懐かしそうな様子で言われた大柄の男性―――アドルの相棒、ドギは軽く手を上げて頷いた。

「ハハ………まいったな。こんなにも早く君達が相手となると”守護者”がどんな強敵なのか想像もつかないな………」

「フン、らしくない事言ってんじゃねえ。」

「アドルさんなら大丈夫ですよ。」

「そうだって!アドル兄ちゃんは今までスッゲー冒険を繰り替えていたんだろう?だったら大丈夫だって!」

黒髪の男性―――ガッシュは口元に笑みを浮かべ、民族風の服装の少女―――クルシェと同じく民族風の少年―――エルクはアドルを励ました。

「あ、そうだ、ドギ。これからの冒険は私も一緒だからよろしくね。」

「………ハア?どういう事だ、エレナ??」

エレナの言葉を聞いたドギは一瞬固まった後尋ねた。そしてエレナとフィーナはドギに事情を説明した。

「…………………アドルよう………いつかやらかすとは思ってはいたが………まさかそんな事になるとは俺も思わなかったぜ………ま、ついにお前も年貢の納め時だな。」

「女の敵ね、アドル…………」

「ド、ドギ!?それにアイシャ、誤解だよ!」

事情を聞き終えたドギは呆れた表情で溜息を吐いた後口元に笑みを浮かべてアドルを見つめ、気品を纏っている少女―――アイシャは蔑むような視線でアドルを睨み、2人に視線を向けられたアドルは慌てた。

「フフ…………さて、アドルさん。おわかりとは思いますが私達もアドルさん達を阻む壁の一つです。」

「ああ、わかっているよ、マイシェラ。」

そして民族風の女性―――マイシェラの言葉を聞いたアドルは気を取り直して武器を構え、アドルに続くようにケビン達も武器を構えた!

「あんた達の力………この斧槍で確かめさせてもらうぜ!」

「勝負よ、アドル!」

一方ガッシュやアイシャも自分の仲間達と共に武器を構えて叫んだ!

「ああ………!行くぞ、みんな………!!」

二人の言葉にアドルは頷いた後仲間達に号令をかけ

「いくら顔見知りが相手とはいえ、手加減しねえぜ、アドル、エレナ、フィーナちゃん………!」

ドギはアドル達を睨んで言った後、アドル達に向かった。そしてアドルはドギに、エステルはクルシェに、アガットはガッシュに、ティータは”想念”の力で”オーバルギア”を呼び出し、乗り込んだ後エルクに、クローゼはアイシャに、エレナはマイシェラに、そしてケビンとフィーナは後方に控えて援護の構えをして戦闘を開始した!



こうしてアドルはケビン達と共にかつての仲間達との戦闘を開始した………!









 
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