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大刀

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第四章

「その重さで殴る様にしてです」
「敵を倒せるな」
「あれはよい武器です」
 関羽が使っていたそれはというのだ。
「まさに関菩薩の様に働けます」
「だからじゃな」
「若旦那が他の武器が物足りぬのなら」
 それならというのだ。
「あれを試されてはどうでしょうか」
「わしがあれを使ってか」
「はい」
 是非にと言うのだった。
「一度そうされては」
「ではな」
 李江は包宗のその言葉に頷いた、そしてだった。
 そのうえでだ、彼は実際にだった。
 その青龍偃月刀を持って来させた、家にはなかったので近くの街の武器屋に特別に作らせた。そしてだった。
 その青龍偃月刀を両手に持ってだ、彼は言った。
「ずしりと来るな」
「それはとてもです」 
 武器屋の親父がだ、その李江に辟易する様な顔で言った。
「重くてです」
「それでか」
「はい、作っている時もです」
 その最中もというのだ。
「店の者達数人がかりで持ったりしてです」
「作ったのか」
「とんでもない重さで」
 それでというのだ。
「凄いものですよ」
「確かに重いな」
「しかしその重い武器を」
 平然と持つその李江にだ、親父はそのことにも驚いて言うのだった。
「しかと持っておられますな」
「この通りな」
「凄いお力ですな」
「この身体だからな」
 非常に大きな体躯、まさに関羽の如きそれだからだ。
「合う武器というとな」
「その様なですか」
「探してやっとじゃ」
「青龍偃月刀となりましたか」
「うむ、しかしな」
 その巨大な刃も見つつだ、李江は親父に話した。
「これなら充分じゃ」
「若旦那にとって」
「使いこなせる、そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「武挙に挑み」
「そのうえで」
「宋朝の為に働こうぞ」
「その刃で、ですか」
「遼の軍勢とも戦いな」
 そしてとだ、親父に話すのだった。
「武勲を挙げる」
「そうされますか」
「うむ」
 まさにと言うのだった。
「その為にもな」
「それを使われますか」
「そうするぞ」
「いや、しかし」
 親父は驚きをその顔の出したまま李江にこうも言った。 
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