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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第70話


~ステラリウム・中枢~



「すぅぅぅぅぅぅ………………ハアァァァァァッ!!」

ノイ達と共に”楽園の紡ぎ手”ノイ・ステラディアに向かったナユタは拠点で教わったジンの”気功”をヒントにして習得したクラフト―――”麒麟功”で自分の攻撃、身体能力を上げ

「…………………」

ノイは拠点で教わったセラウィやエリザスレインのクラフト―――”精神統一”で自分の魔法攻撃や防御能力を上げ

「四季よ!私達に加護を!オメガ・ゾディアック!!」

クレハは四季の力全てを借り、全ての能力を大幅に上げるアーツ―――オメガ・ゾディアックで自分を含めた仲間達の能力を上げた!

「………………」

そこに敵が拡散する魔力弾を放った!

「ハァァァァァ………!」

しかし剣に闘気を溜め、長剣と化した闘気の剣でシグナは薙ぎ払い

「「奥義―――流星撃!!」」

ナユタとシグナが跳躍して敵の弱点部分――体についている宝石を攻撃し

「「クリスタルランス!!」」

ノイとクレハが同じアーツを放って追撃した!

「……………」

そこに敵が2つの魔力弾を放った!魔力弾はナユタとシグナに向かって襲い掛かった!

「「!!」」

攻撃に気付いた2人は回避したが、2人を追尾して来て――

「グッ!?」

シグナが魔力弾を受けて唸り、ナユタを追尾していた魔力弾もナユタに当ろうとしたその時

「させないの!」

ノイがクラフト―――ギアシールドでナユタへの攻撃を防御した!

「……………」

一方敵は再び拡散する魔力弾を放ち

「あうっ!?」

「ナユタ!?」

ナユタはノイを庇う為に命中し、それを見たノイは驚き

「チッ!?」

「キャッ!?」

シグナとクレハにも命中して、2人はダメージを受けた。



「………っ………!暖かき春の風よ………ホーリーブレス!!」

ダメージを言う受けたクレハは痛みを我慢しながらアーツで自分達の傷を回復し

「「奥義―――裂空斬!!」」

ナユタとシグナは再び跳躍しながら攻撃し

「ギアバスターッ!!」 

「フルールエッジ!!」

2人に続くようにノイとクレハもクラフトやアーツで攻撃した!

「………………」

ナユタ達の攻撃を立て続けに受けた敵は光を放った後なんと地面を凍らせた!

「”雪月風花”の”冬”………!」

「シグナ、クレハ!足元が凍っているから気を付けて!」

敵の行動を見たノイは警戒した表情で呟き、かつて戦った事があるナユタは2人に警告した。

「ああ!」

「ええ!」

ナユタの言葉に2人は頷いた後

「喰らえっ!!」

シグナはその場で跳躍して剣を地面に叩き付けて衝撃波を発生させて敵に攻撃し

「コロナレーザー!!」

クレハはその場でアーツを放った!

「……………」

しかし敵はシグナの衝撃波はアーツ―――ブリザードで相殺し

「……………」

さらに続けてアーツ――フロストウェイブでクレハのアーツを相殺すると共にクレハを挟むように攻撃して来た!

「!!」

それを見たクレハは目を見開いたその時

「剣技―――カマイタチ!!………っつ………!?」

ナユタがクラフトを放ってクレハを襲う片方の氷の山を破壊したが全ては破壊しきれず、命中して呻き

「今度こそ護るの!!」

もう片方の氷の山はノイがクラフト―――ギアシールドで防いだ!

「ナユタ、大丈夫!?秋の恵みの水よ………!ティア・オル!!」

一方庇われたクレハは急いでアーツでナユタの傷を回復した。



「ありがとう、クレハ。ノイ、行くよ!」

「うん!!」

傷を治療されたナユタはクレハにお礼を言った後、ノイと共に再び敵に向かって行った!

「そらっ!はあっ!せいっ!!」

一方シグナは敵のアーツ――ブリザードを回避した後何度も弱点部分を攻撃し

「えいっ!やあっ!はあっ!!」

「ルナ・バタフライ!!キーファーボム!!」

そこにナユタとノイも加わり、次々と敵にダメージを与えた!

「………………」

攻撃され続けていた敵は3人を挟み込むようにアーツ―――フロストウェイブを放ったが

「っと!!」

「その攻撃は何度も見たよ!」

「自分の攻撃に当たる方がおかしいの!」

3人は全員一端下がって回避した。

「熱き夏の太陽よ!ソル・イレイズ!!」

「―――!?」

その時クレハが夏魔法の中でも最高位に当たるアーツ―――ソル・イレイズで大ダメージを与えた!

「………………」

大ダメージを受けた敵は再び光を放った!すると地面の氷は解けたが、さまざまな場所が時折赤く光った!



「”雪月風花”の”秋”!みんな!足元が赤く光ったらすぐに動いてなの!」

その様子を見たノイは全員に警告し、ナユタ達は足元に注意しながら動き回り始めた。

「…………」

そこに敵がアーツ―――キーファーボムを放ったが

「「キーファーボム!!」」

ノイとクレハがそれぞれ同じアーツを放って相殺すると共に手数が多い2人の攻撃によって敵にダメージを与え

「ナユタ、行くぞっ!」

「うん!」

シグナとナユタは同時に駈け出した!

「……………」

自分に近づいて来る2人に敵は自分の周囲に強烈な旋風を放つアーツ―――メイプルウインドを放ったが

「よっ!」

「はっ!」

2人は同時に跳躍して回避した。そして2人は敵に近づき

「「ハァァァァァ…………!!」」

その場で闘気を剣に込めて突き刺した!すると2人の足元に巨大な方陣が描かれ、すざましい衝撃波が発生して敵にダメージを与え続け

「俺達の力………見せてやろうぜっ!」

「うん!」

2人は敵の弱点部分に擦れ違いなら攻撃した後同時にすざましい闘気を剣に込めながら跳躍し、剣に込めた闘気を解き放った!その技は友にして好敵手同士が放つ協力技(コンビクラフト)!その技とは…………!



「「貫け!武神!双天波ッ!!」」



「――――!?」

2人が放った協力技(コンビクラフト)―――武神双天波による2つの闘気の衝撃波は螺旋を描きながら敵に命中し、大ダメージを与えた!

「ノイ!私達も!」

「はい、クレハ様!!」

一方クレハとノイは同時に詠唱を始めた!

「「万象を為しえる根源たる力、太古に刻まれしその記憶、我が呼び声に応え、今此処に蘇れ!」」

すると敵の周りに炎、風、大地、水の力が宿った巨大な球体が発生した!その魔法は創世の魔法を使う者達が協力して放つ大魔法にして協力魔法(コンビクラフト)!その魔法とは!



「「エンシェントカタストロフィ!!」」



「――――!?」

2人が放った協力魔法(コンビクラフト)―――エンシェントカタストロフィによる巨大な4つの球体は一斉に敵に襲い掛かって大爆発を起こしてさらに大ダメージを与えた!

「……………」

立て続けに大ダメージを受けた敵は再び光を放った後、周囲に花を咲かせてエネルギーを溜め始めた!

「不味い!あれは………!」

「私の神像の奥義――――”雪月風花”!!あれを受けたら一溜りもないの!」

敵の行動を見たナユタとノイは叫んだ。

「だったら俺達に任せておけ!クレハ!!」

「はい!!」

一方シグナとクレハは並んだ後

「「……………」」

その場で強く祈った!すると2人にそれぞれ光の片翼が現れ



「「神に仇名す者達に浄化たるミトスの光を!ミトスの光翼!!」」



2人は同時にすざましい極大の光のレーザーを放った!2人が放った協力技(コンビクラフト)―――ミトスの光翼が放たれると同時に敵はSクラフト―――雪月風花による極大のレーザーを放った!すると2つの極大のレーザーはぶつかり、お互いの攻撃を相殺した!

「ナユタ!ノイ!」

「今がチャンスよ!」

「うん!ノイ!」

「これで決着なの!」

攻撃が相殺され、隙ができた敵を見た2人の助言を聞いたナユタとノイは同時に敵に向かって駆け出し、敵の目の前で天高くへと跳躍した!

「今こそ目覚めよ!」

「星の力!!」

ナユタが剣に闘気を、ノイが四季の魔力を込めると剣は赤、青、黄、緑の4色に強く輝きだし、光の長剣と化した!そしてナユタは長剣と化した剣を前に出し、ノイはクラフト―――ギアドライブで全身にすざましい光を纏って、回転しながら敵の弱点部分に向かって上空から突進した!すると2人は一体化するかのように一つの輝く彗星になった!その技はお互いの事が何でもわかる最高の相棒にして永遠の相棒達が放つ技にして星の輝煌を解放する星奥義(スタークラフト)!!その技とは!



「「エレメントノヴァ―――――――――ッ!!」」



「―――――――!!!!!????」

2人が放った星奥義(スタークラフト)―――エレメントノヴァによって弱点部分を完全に破壊された敵は叫び声を上げながら身体全体を爆発させ、消滅して元の姿―――ノイに戻った!



「……お見事です。やはり貴方達なら超えてくれると信じていました。」

元の姿に戻ったもう一人のノイは静かに呟いた後微笑みながらナユタ達を見つめていた。

「フフ………それにしても”想念”と異界の”神剣”の力でシグナ様とクレハ様も呼び出すとは思いませんでした。」

「ハハ………それは俺達自身も驚いているぜ?」

「うん、私も。………ノイ。ようやく貴女にもお礼を言える時が来たわね…………ありがとう。貴女がナユタを再び”テラ”に連れて来てくれたお蔭で私達は幸せに生きているわ。」

「ああ。サンキューな。」

クレハの言葉に続くようにシグナも笑顔をもう一人のノイに向けて言った。

「私には勿体なきお言葉です。お二人の言葉を聞けて、私は幸せ者です。」

「ハハ………この謙虚さ………ちょっとは初代のお前も”管理者”として見習ったらどうだ?ノイ。」

会釈をして微笑んだもう一人のノイを見たシグナはノイをからかい

「シグナ!?それ、どういう意味っ!!」

「ア、アハハ…………」

「フフ…………」

からかわれたノイはシグナを睨み、その様子をナユタは苦笑しながら、クレハは微笑みながら見つめていた。

「フフ……………さて………これで私の役目も終わりですが………その前にノイ。貴女に授ける物があります。少し、いいですか?」

「え?う、うん………」

そしてもう一人のノイは本物のノイに近づいて両手を握って、何かの力を授けた。



「一体何をくれたの?」

何かの力を授けられたノイは戸惑いながらもう一人の自分に尋ねた。

「先程授けたのは”神像”になれる力です。”テラ”を離れ、”神像”になる力を失った貴女でも先程授けた力と”想念”によって短期間ですが”神像”になれます。私達の奥義―――”雪月風花”を一度放つ事ぐらいはできます。………その力でナユタや貴女、そして仲間の方達を護り、無事”影の国”から帰還して下さい。………もう一人の”相棒”としてナユタを頼みます、”ノイ”。」

「うん………!任せてなの、”ノイ”………!」

2人のノイはそれぞれ微笑みながら自分と同じ存在を見つめていた。そしてもう一人のノイは消えようとした。

「本当にありがとう、”ノイ”………!君と冒険した日々は忘れない!」

「私もです、ナユタ………短い間でしたが貴方と冒険した日々はとても楽しかった………本当にありがとう…………どうかクレハ様達とお幸せに…………」

そしてもう一人のノイは微笑みながら光と共に消滅した。

「さて………俺達もそろそろお暇する時だな…………」

「うん…………」

一方シグナとクレハも消えようとした。

「クレハ様………手伝ってくれて本当にありがとうなの。」

「フフ………私もノイやナユタと一緒に戦えて嬉しかったわ。」

ノイにお礼を言われたクレハは微笑みながらノイを見つめた。

「シグナもね。助かったよ。」

「ったりまえだろ?俺はお前の兄貴分なんだから。」

同じようにナユタにお礼を言われたシグナは笑顔を見せて言った。

「あ、そうだ。クレハ、君に聞きたい事があるのだけど。」

「?何?」

そしてある事を思い出したナユタはクレハに尋ね、尋ねられたクレハは首を傾げて尋ねた。



「えっと………クレハがシグナと住まずに僕達と一緒に住む理由やお弁当とかを作ってくれる理由って…………僕の事が………その………好きだから………なの??」

「なっ…………!?」

恥ずかしそうな様子のナユタに尋ねられたクレハは顔を真っ赤にして驚き

「ナ、ナユタ…………」

「今、ここで聞くことじゃねえだろ…………」

その様子をノイとシグナは呆れながら見守り

「全く………どうして男ってこう、デリカシーや雰囲気ってもんがわからないのかしら?」

「うふふ。確かにそうよね。」

エステルとレンは呆れた後ケビン達に意味ありげな視線を向け

「いやいや。だからといってオレ等を見られても困るねんやけど………」

「……………………」

視線を向けられたケビンは苦笑し、レーヴェは何も語らず黙り込んでいた。

「スー………ハー………ねえナユタ。ど、どうしてそう思ったの?」

一方気を取り直したクレハは深呼吸をした後嬉しさを隠せない様子で顔を赤らめて恐る恐る尋ねたが

「あ、うん。エステルさん達にクレハの事を話したら、絶対そうだって言うから。」

「…………………つまり、ナユタ自身はそちらの人達に指摘されるまで何も思わなかったという事ね…………」

ナユタの話を聞き、肩を落として落ち込んだ様子で小声で呟いた。

「クレハ………この鈍感野郎はもう直で言うしかねえぞ。ライラがどれだけ苦労しているか、これでわかっただろう?」

そこにシグナが近づいて来てクレハの肩を軽く叩いて慰め

「クレハ様…………」

ノイは心配そうな表情でクレハを見つめていた。

「……………………」

そしてクレハは顔を上げてナユタを無言で睨みつけた。

「え、えっと………クレハ?な、なんで睨むの………?」

一方睨まれたナユタは戸惑ったその時

「ん…………」

なんとクレハはナユタに近づいた後ナユタの頬にキスをした!



「え…………」

クレハの行動にナユタは呆けて驚いた後キスをされた頬を手で抑え

「ク、ク、ク、クレハ様~!?」

ノイは混乱し

「ハハハハハハッ!やるじゃねぇか、クレハ!」

シグナは大声で笑い

「あら。中々大胆な行動ね♪」

「ハハ。見てるこっちが恥ずかしくなってくるな………」

「フッ………まあ、ヨシュア達ほどではないがな………」

「隙あらばプリネといちゃついているレーヴェに言われたくないわよ………」

レンは小悪魔な笑みを浮かべ、ケビンは苦笑し、レーヴェは静かな笑みを浮かべ、レーヴェの言葉を聞いたエステルはジト目でレーヴェを見つめた。

「ク、クレハ!?き、君は本当に…………!」

一方ナユタは慌てながら言おうとしたが、余りにも混乱していて言葉が出なかった。

「フフ………これで私の気持ちがようやくわかったでしょう?本当なら唇にしたかったけど、それは私とライラの中から私を選んでくれた時にしてあげるわ。」

「え゛!?ということはま、ま、まさかライラも!?」

「私とライラの気持ちは本物よ……………だから今度は貴方が悩む番よ、ナユタ♪帰ってきたらハッキリしてもらうからね♪」

混乱しているナユタを可笑しそうに見つめたながらクレハは光と共に消え

「ついでに言っておくが、戦闘中その神剣の傍で俺達の事をお前達が思ってくれたら少しだけ助けてやるぜ!後、クレハを泣かしたらいくらお前でも承知しねえからな?じゃあな!」

シグナはエステルの神剣―――絆の神剣(リブラクルース)に視線を向けた後、ナユタ達に助言し、そして光と共に消えた。



「……………………」

2人が消えた後、ナユタは口をパクパクして呆けていたが

「ナユタ?いつまで呆けているつもり?」

「ノイ!?ま、まさかノイはずっと知っていたの!?」

ノイの言葉に我に返り、そして慌てた様子で尋ねた。

「………何を今更。2人共凄くわかりやすい反応をしているんだから、私じゃなくても島の人達みんな気付いていると思うの。」

一方尋ねられたノイは呆れた表情でナユタを見つめながら答えた。

「…………………」

ノイの答えを聞いたナユタは驚きの表情で黙ってノイを見つめた。

「ナユタ…………まさかとは思うけど、答えを出さないなんて絶対に許さないの!”残され島”に帰ったら、ハッキリしてもらうからね!」

「う゛……………は、はい…………」

そしてノイに睨まれたナユタは唸った後、頷いた。

「ハハ………まあ、とりあえず次の”領域”に行くとするか。」

その様子をケビンは苦笑しながら見つめた後、話を変える為に提案して、無理やり終わらせた。その後ケビン達は周遊道に転位し探索をすると、文字盤が光っている石碑が追加され、『”影の王”が告げる………これより先は絆の城 。不屈の冒険家と白翼の女神をともない文字盤に手を触れるがいい。』という文章を見つけ、ケビン達は拠点に戻ってメンバーを編成し直すと同時に石碑に該当する人物達―――不屈の冒険家―――アドルと白翼の女神―――フィーナを連れて、石碑に触れて転位した。



~絆の城~



「ここは一体………?」

「あれは城か………?」

「一体どこなんでしょーね?」

転位して来たクローゼは周囲を見回して戸惑い、アガットは目の前にある城らしき建造物に気付き、ティータは首を傾げた。

「なっ!?ま、まさかあの城は!一体どういう事だ………!?フィーナと一緒ならてっきり”ダームの塔”あたりかと思っていたのに………」

一方アドルは自分にとって見覚えのある城を見て驚いた。

「アドルさん?」

「もしかして今までの冒険で行った場所なの?」

アドルの様子に気付いたフィーナは首を傾げ、エステルは尋ねた。

「ああ。――――”バレスタイン城”…………みんな、気を引き締めてくれ!あの城の魔物達は多い上に仕掛けは今までにないほど厄介だ!」

そしてアドルは真剣な表情で城―――バレスタイン城を睨みながら答えた後、ケビン達と共にバレスタイン城に向かい、探索を開始した。



こうしてどんな事も決して諦めぬ不屈の心、そして果てしない探究心を持つ”冒険家”はかつての旅の中でも攻略に苦しんだ迷宮の一つ―――”バレスタイン城”に愛する女神と時を超えた仲間達と共に再び挑み始めた……………!





 
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