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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

作者:sorano
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第17話

~カレイジャス・ブリーフィングルーム~





「さてと。色々と話が逸れちゃったけど……―――ユーゲント皇帝並びに”アルノール家”一同の皆さん。この”戦争回避条約”を呑むのかしら?それとも最後の一兵まで殺されてでも一矢は報いる覚悟で、全力で”無駄な抵抗”をするつもりなのかしら?」

「そ、それは…………」

「ま、まさか今この場でこの条約を呑むかどうかを決めるんですか……!?」

「……それを答える前に一つ聞きたい事がある。レン姫、先日Ⅶ組の彼らがリグレ侯爵という方からメンフィルは”パンダグリュエル”制圧の際、リィン君を解放し、アルフィンの身柄を確保すると言っていたそうだが、本当ならアルフィンをどうするつもりだったんだい?」

不敵な笑みを浮かべたレンの問いかけを聞いたアルフィン皇女とセドリック皇太子が表情を青褪めさせている中、オリヴァルト皇子は真剣な表情で問いかけた。



「そ、そう言えばそんな話をしていましたわよね……?」

「殿下はリィンが救出してくれたが……」

「まさか今この場でアルフィン殿下の身柄を”確保”するつもりなのかしら?」

「その為に”聖魔皇女”の親衛隊の副長が一緒に来たの?」

オリヴァルト皇子の話を聞いたセレーネは不安そうな表情をし、ガイウスは心配そうな表情でリィンとアルフィン皇女を見つめ、サラ教官とフィーはレンとシグルーンの動きを警戒しながら問いかけた。

「フフッ、今この場でアルフィン皇女を”確保”するつもりはありませんし、アルフィン皇女を含めた皆さんに危害を加えるつもりは一切ありませんのでご安心下さい。」

「――――と言うよりも、リィンお兄さんがアルフィン皇女を連れ出さなかったらレン達メンフィルがアルフィン皇女の身柄を”確保”した後、オリヴァルト皇子に一端”預ける”つもりだったのだから、むしろリィンお兄さんには感謝しているくらいよ。リィンんお兄さん自身を救出する手間もそうだけど、アルフィン皇女を”確保”する手間も省いてくれたんだからね♪」

「え……それは一体どういう事でしょうか?」

「……それに”預ける”という言い方が気になりますわね。」

シグルーンの話の後に続いたレンの答えを聞いたアルフィン皇女が戸惑っている中、シャロンは真剣な表情で呟いた。



「うふふ、決まっているじゃない。カレル離宮に幽閉されているユーゲント皇帝の代わりに”戦争回避条約”にサインしてもらう為よ♪」

「!!」

「なっ!?」

「そ、そんな!?アルフィンにエレボニアの存亡をかけた選択をさせるつもりだったのですか……!?」

「ど、どうしてアルフィンに……兄上は無事だったのに、何故なんですか!?」

不敵な笑みを浮かべて答えたレンの話を聞いたユーゲント三世は目を見開き、レーグニッツ知事は驚き、プリシラ皇妃は表情を青褪めさせ、セドリック皇太子は信じられない表情で問いかけた。



「オリヴァルト皇子には失礼な言い方になるけど”庶子”のオリヴァルト皇子じゃ、ユーゲント皇帝の代わりは務まらないのよ。」

「……それは一体どういう事でしょうか?」

レンの話を聞いたラウラは厳しい表情で問いかけ

「――――セドリック同様”皇位継承権”を持っているアルフィンなら、世間的に見ても十分に父上の代わりを果たしているからだと言いたいのだろう?」

「あ……っ!」

静かな表情で語ったオリヴァルト皇子の説明を聞いたアリサは声をあげ

「……確かにアルフィン殿下は”皇位継承権”をお持ちになられていますが……それならば何故陛下達を保護してくださらなかったのですか?あの時エリス君と共に保護して頂ければ、わざわざ陛下の代わりであるアルフィン殿下を救出する必要もないと思われますのに……」

レーグニッツ知事は複雑そうな表情で問いかけた。



「そんなの勿論、自分のせいで戦争が起こった事に罪悪感を持っているアルフィン皇女なら、ほぼ確実に”無駄な反論”もせずに大人しくサインするからに決まっているじゃない♪」

「なっ!?レン姫!殿下の罪悪感まで利用するなんて、余りにも非道だと思われます……!」

「ひ、酷すぎるよ……!」

「確かに今回の戦争勃発はアルフィンにも落ち度がありますが、”そこまで”しますか……!?」

笑顔で答えたレンのとんでもない答えにリィンは怒りの表情で反論し、エリオットとセドリック皇太子は悲痛そうな表情をし

「や~ね。これも立派な”外交手段”の一つよ。それにレン達メンフィルはパンダグリュエルからアルフィン皇女を救出した事に感謝はされても、恨まれる筋合いはないわよ♪」

「た、確かにそうですが……だからと言って、そんな弱味を付け込むようなやり方をするなんて………」

「まあ”四大名門”を脅していたくらいだし、”今更”だよね。」

「確かに仰る通りですが、幾ら何でもやり方が余りにも卑劣過ぎると思われます……!」

「チッ、やっぱりろくでもない理由だったか………!」

「そんな事だろうと思っていたわよ……普通に考えたら敵対している国の皇族を何の理由もなく救出するなんて、ありえないもの。」

「まあオジサンなら、やりそうだけどね~。」

「お願いしますから、今は口を謹んで下さい、ミリアムちゃん……」

心底可笑しそうな様子で答えるレンの話を聞いたセレーネは複雑そうな表情をし、フィーはジト目になり、アルゼイド子爵やトヴァルはレンを睨み、セリーヌは呆れた表情で呟き、ミリアムの言葉を聞いたクレア大尉は疲れた表情で指摘した。



「…………ッ……!」

「姫様…………」

「アルフィン……貴女だけの責任じゃないわ……」

「うむ………それに今この場には私もいる。よってお主が判断する必要はない。」

表情を青褪めさせて身体を震わせているアルフィン皇女をエリスは辛そうな表情で見つめ、プリシラ皇妃はアルフィン皇女を優しく抱きしめ、ユーゲント三世は慰めの言葉を送った。

「……先程アルフィンを私に”預ける”と言っていたが、アルフィンが戦争回避条約にサインした際、その後アルフィンをどうするつもりだったんだい?」

厳しい表情で黙り込んでいたオリヴァルト皇子はレンに対する問いかけを続けた。



「その時は女学院を退学するか卒業するまでの間は”自由”の身にするつもりだったわよ?そうでないと、”第三の風”としての活動がやり辛くなって、内戦終結が長引くでしょうしね。」

「ハハ……彼らにこの艦を託す事までも既に読んでいたのか……そう言う所も相変わらずだね。」

レンの答えを聞いたオリヴァルト皇子は疲れた表情で呟いた。

「さてと。話を戻すけど返事はどうするのかしら?」

そしてレンは不敵な笑みを浮かべてユーゲント三世を見つめた。



「…………………………――――エレボニア現皇帝ユーゲント・ライゼ・アルノールの名の元にメンフィル帝国が提案した”戦争回避条約”をエレボニア帝国は全て呑む事を確約する事を宣言する。必要なら今この場でサインもする。プリシラ達もよいな?」

「……陛下が決めたのであれば、私も陛下の判断に従う所存です。」

「………僕もです。」

「今回の件はわたくしがユミルに滞在した事によって、起きてしまった事……当然わたくしも異存はありませんし、わたくしには最初から反対や緩和を望む権利等ありませんわ………」

「―――私も特に反対するつもりはありません、父上。ただレン姫、謝罪金並びに賠償金の”支払方法”については相談させて貰えないだろうか?難民達の生活費の支払いはまだ可能だと思うが、幾らエレボニアが大国と言えど、1000兆ミラをすぐに用意するのは現実的に考えて不可能だ。」

「うふふ、レン達のお話が”全部終わった後”でまだ相談したいって言うんだったら、相談に乗ってあげるわよ♪」

ユーゲント三世達―――”アルノール家”一同が”戦争回避条約”に賛同する事を口にした後に尋ねて来たオリヴァルト皇子の問いかけにレンは小悪魔な笑みを浮かべて答え

「陛下………………」

「姫様………………」

「………ッ………!」

「……………………」

「エレボニアはこれからどうなってしまうんだ……?」

「そ、そんな……これしかメンフィル帝国との戦争を避ける方法はないの……?」

「お嬢様…………」

ユーゲント三世達の宣言を聞いたリィンとエリスは辛そうな表情をし、ユーシスは唇を噛みしめて身体を震わせ、アルゼイド子爵は重々しい様子を纏って黙り込み、レーグニッツ知事は不安そうな表情で顔を俯かせ、不安そうな表情をしているアリサをシャロンは心配そうな表情で見つめた。



「―――で、皇族達が”戦争回避条約”を呑む事を約束するから、戦争は止めてくれって言いたいんでしょう?言っておくけど、それは無理な相談よ。」

「そ、そんな……!何故ですか!?」

「……皇族の方達が約束をしたのに、何故戦争を止めないのですか?」

しかしレンの口から出た非情な答えを聞いたセレーネは悲痛そうな表情をし、ガイウスは真剣な表情で尋ねた。

「―――”戦争回避条約”の最後の一文を読んでください。」

「”最後の一文”……?」

エリゼの指摘を聞いたジョルジュは不思議そうな表情をして仲間達と共に書類を読み直した。

「えっと……『以上の内最低二つを即実行後、メンフィル帝国が定めた期間以内に内戦を終結させて残りの全てを実行するのならば、メンフィル帝国はエレボニア帝国に対する侵略行為を中止し、和解にも応じる』…………あ。も、もしかして……!」

「今この場でこの条約の中から最低二つを実行しなければならないのですか!?」

文章を読み直してある事に気付いたトワは表情を青褪めさせ、クレア大尉は厳しい表情で尋ねた。



「そ、そんな………どれも無理だよ………」

そして表情を青褪めさせて書類を読んでいるエリオットが呟いたその時

「―――いや、少なくても”一つ”は確実に実行できる。」

ユーシスが静かな表情で申し出た。



「ユーシス!?お前、まさか……!」

「ユーシス様自身を指名した”第6項”を実行するおつもりですか……」

ユーシスの申し出を聞いてすぐに察したリィンは血相を変え、シャロンは複雑そうな表情をし

「でしたらわたくしも今すぐわたくし自身を指し示した”第7項”を実行致します!それならば、二つを実行した事になりますわよね!?Ⅶ組の”後ろ盾”ならばセドリックがまだいますから、わたくしがいなくても問題ないはずです!」

「姫様…………」

「ア、アルフィン!?本気なの!?」

アルフィン皇女の申し出を聞いたエリスは心配そうな表情でアルフィン皇女を見つめ、セドリック皇太子は驚き

「二人とも待ってくれ。その前にレン姫に一つ聞きたい事がある。」

オリヴァルト皇子は二人を制した後レンを見つめた。



「何かしら?」

「仮に今すぐこの場で二つを実行したとしても、この『メンフィル帝国が定めた期間以内に内戦を終結させて』とあるが、この”期間”はどのくらいになるんだい?」

「あ…………」

「確かにタイムリミットも設定されてあるね。タイムリミットはいつ?」

オリヴァルト皇子の質問を聞いたエリスは呆け、フィーは真剣な表情で尋ねた。



「うふふ、やっと”その話”にも移れるわね。――――待たせたわね。3人共、出番よ。入ってきて。」

「―――失礼します。」

そして小悪魔な笑みを浮かべたレンが出入り口に視線を向けるとルイーネ、マルギレッタ、リ・アネスが部屋に入って来た! 
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