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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1346話

 レモンによるファブニールの説明は、まだ続くらしい。
 このファブニールを作るのにはかなり苦労したらしいから、そういう意味でも自慢したいという思いがあるのだろう。
 実際、レモンの側にいる技術班の面々もその説明に頷いて設計するのが大変だったとか何とか言ってるし。
 セシルなんかは呆れというか、疲れ切った表情を浮かべているが。

「さて、次に後ろ足の部分ね。ただ、この後ろ足の部分には基本的に武器は1つしか仕込まれていないわ」
「……珍しいな」

 今までの説明を聞く限りだと、間違いなく武器を大量に仕込んでいそうなんだが。
 実際、腕の部分にはビーム砲やらビームサーベルやらビームガトリング砲やらを仕込んでいるのだから、足の部分にも何か大量に仕込んでいても不思議ではないのだが……
 いや、実際レモンの表情を見ると少し残念そうだ。
 だとすれば、仕込みたくても1つしか仕込めなかったということか。

「ああ、でも考えようによっては2つかもしれないわね」
「結局仕込んでるのか」

 俺の口から出た呆れを含んだ言葉は聞き流し、レモンは普段の気怠げな様子はどこに行ったのかと言いたくなるような満面の笑みを浮かべて言葉を続ける。

「機体の全周囲に砲門とバルカンを仕込んでいるように、ファブニールは基本的にPTなんかよりは運動性に難があるわ。機動力という意味ではPTよりも上なんだけど、幾ら全身にスラスターを装備していても、どうしたって準特機と言ってもいいくらいに大きい以上、幹部陣のようなシャドウミラーの中でもエースパイロット級ならともかく、量産型Wやエルフなんかは後ろに回り込まれると多少ではあるけど弱いのよ。グラビコン・システムで重量を軽くしてるけど、PS装甲を使っているし、機体その物の大きさはどうしようもないから」
「だろうな。その辺は大型機と相対した場合の常套手段だ」

 運動性が高ければ、敵の射線軸を回避しながら安全地帯に入り込むのも可能だし、そこから攻撃して即座に退避といった一撃離脱も可能だ。
 俺のニーズヘッグなんかは、機体性能で言えば装甲を捨てて運動性に特化していると言ってもいい。
 ……まぁ、バリアやT-LINKフレームのおかげで、何だかんだと防御力も高いんだが。

「で、背後に回られた時に使うのが、足の裏に内蔵されているビーム砲。まさか、敵も足の裏から攻撃が来るとは思わないでしょうから、不意を突くという意味ではかなり有効な武器よ。……もっとも、ファブニールの能力が知れ渡れば不意を突くことは出来なくなるでしょうけど、その代わりに背後に回り込むのを警戒するようになる筈よ」
「つまり、足にビーム砲が内蔵されていると知っても知らなくても、どっちでも敵に対しては有効に働く訳か」
「ええ。それとファブニールは地上で使用する場合は空を飛んで移動するんだけど、地上を歩く事も出来るわ。まぁ、そのくらい出来ないとシロガネやニヴルヘイムに着艦出来ないでしょうから無理もないんだけど。で、その着地する為の足に折角だから出し入れ可能な爪を付けたのよ。この爪はかなり強固な金属で出来て、更にPS装甲だから、余程に堅くない装甲の機体じゃない限り、あっさりと切り裂いたり、握りつぶす事が出来るようになっているわ。……まぁ、基本的に地面を歩いたり着艦したりする為のものなんだから、射程が物凄く短いけどね」

 だろうな。元々こうして見る限りではファブニールの後ろ足というのはかなり短い。
 多数の武器が内臓されている両腕とは全く違う作りになっているのは明らかだ。

「そう言えば尾はないんだな」

 後ろ足を見ているついでに視線が向けられたのは、ファブニールの尻の部分。
 そこにはドラゴンをモチーフにし、名前もファブニールというドラゴンのものを使っている割りには、そこにドラゴンの象徴の1つでもある尾は影も形もない。
 その質問はレモンにとっても思うところがあったのだろう。小さく溜息を吐く。

「本当は尻尾を設置しようという意見もあったんだけどね。ただ、今までシャドウミラーでその類のシステムは作ったことがないでしょう? 色々と意見はあったんだけど、結局1つに纏まりきらなかったのよ」
「具体的にはどんな?」
「ヒートロッド、尻尾の先端にビームライフル兼ビームサーベルを装備、尻尾の先端に鉄球を付ける……他に何かあったかしら?」
「あはー、僕の意見を忘れてますよー?」

 レモンの問い掛けに、ロイドが自己主張するように何度も激しく手を振っている。

「……ああ、そう言えば尻尾を幾つにも分断させるような構造にして、アシュセイヴァーのソードブレイカーみたいにするってのはロイドの意見だったわね。……色々と無茶があるって言ったでしょうに。それを採用するくらいなら、まだ他の方がいいわ」
「えー、いいアイディアだと思ったんだけどなぁ」
「尻尾か。……ファブニールって名前で尻尾を付けるんなら、ニーズヘッグにも尻尾があってもいいよな」

 その言葉はレモンにとっても予想外だったのだろう。珍しく驚きの視線を俺へと向けていた。
 レモンのこういう表情を見るのは久しぶりだな。
 だが、その表情はすぐに消えて納得のものへと変わる。

「そうよね、ニーズヘッグもドラゴンの名前なんだし……尻尾を付ける場所として腰の後ろの辺りも空いてるから、可能と言えば可能なのよね。……ただ、尻尾についてどういう形にするのかは、まだ検討する必要があるから、ちょっと待って。ニーズヘッグの場合はT-LINKシステムを使えば何とかなりそうだけど、ファブニールの方に技術をフィードバックする事を考えると、出来ればT-LINKシステムじゃなくて通常のシステムで自由に動くようにしたいし」
「ああ、そうしてくれ。今のは単純に思いついたから言っただけで、可能だったらって話だしな」

 そもそも、ニーズヘッグは現状でも多過ぎる程の武器を装備している。それこそ、15m級の小型機としては考えられない程に武装が充実してるのだ。
 確かに尻尾を使った新しい武器というのも魅力的ではあるが、それはあくまでもあった方がいいという程度でしかない。
 というか、ニーズヘッグってT-LINKシステムあってのものだと、こういう時につくづく感じる。
 普通の操作であれだけの武器を使いこなすというのは、非常に難しいのだから。

「……それで話は戻すけど、ファブニールは他に特筆すべき機能はあるのか? ここまで色々と聞いてきたけど」
「残念ながらもう説明は終わったわね。ああ、もう知ってると思うけどファブニールにも欠点があるわ」
「欠点?」

 これまで聞いてきた限りでは、欠点らしい欠点と言えば運動性がどうしてもPTサイズのものに比べると劣るといったところだが、それとて基本的に全方位に攻撃を可能とするビーム砲やグラビティ砲といった攻撃手段があり、全身に360度ビームバルカンが装備されている。その上で足の裏には後方を攻撃可能なビーム砲まであり、そして何よりファブニールにはブラックホールエンジンが2つと時流エンジンが1つという、3つの動力炉によって得られる豊富なエネルギーによる幾つものバリアがある。
 普通に相手にする分には、絶対に戦いたくない相手だろう。
 それに忘れてはいけないのは、あくまでもこのファブニールというのは量産機なのだ。
 正直、これだけの性能を持っていて量産機って何? と言いたくなる気持ちもあるが、全てのシャドウがファブニールを装備して出撃しようものなら、一体どんな敵がシャドウミラーと渡り合える?
 当然これだけの性能だし、何よりブラックホールエンジンを装備している事から、シャドウと同様に1機辺りのコストは高いだろう。
 それこそ、量産機と呼ぶよりはカスタム機と呼ぶべきシャドウ以上のコストが掛かる筈だ。
 だが、そこはシャドウミラー。キブツという存在があるおかげで、コスト的な問題は全く存在しない。
 そんなファブニールの弱点と言われて、俺が思い浮かぶものは存在しなかった。

「何だ? 俺には思いつかないけど。武器がビームと重力波砲に偏ってるってのはシャドウミラーの機体である以上おかしくはないし。ディストーションフィールドみたいに重力波砲やビームに対して有効なバリアの類があっても、ファブニールなら口の主砲や手のビームサーベルを1つに集中したり、エナジーウィングやS-11ミサイルといった攻撃方法もあるだろ?」
「そうね。バリアの類に関しては大抵どうにかしてしまうだけの能力を与えているわ」
「……なら、何が弱点なんだ?」
「分からない? ……その大きさよ。以前アクセルも言ってたと思うんだけど」

 その言葉でレモンの言いたい事に納得する。
 確かに以前大き過ぎてシロガネの搭載数云々という話をした事はあった。
 そして、実際このファブニールは準特機と言ってもいい大きさを持っている。
 具体的にシャドウミラーが有している特機は、一番大きいのがギルフォードの乗っているヴァルシオン改で、高さ50mオーバー、そしてエキドナのヴァイサーガとムラタのトリニティゲインが共に40m程。
 それに比べると、こうして遠見で見ただけなので正確ではないだろうが、ファブニールの胴体から頭の高さまでを見る限りだと30m程だ。
 PTなんかの1.5倍程の大きさになる訳で……つまり、それだけ格納庫の場所を取る事になる。
 しかもシャドウミラーの数の主力は、あくまでもメギロート。
 それだけシロガネにもメギロートを積み込む必要があるのだが、ファブニールを積み込むとなると、その分どうしてもメギロートを積み込む数が少なくなってしまう。
 俺がいる場合であれば、メギロートを空間倉庫に入れておくという事も出来るが、俺は結構な割合でシャドウミラーを留守にしていたりする。
 そうなると、やっぱり俺を前提としない運用方法を確立しておく必要がある訳で……

「でも、ファブニールにはシステムXNが搭載されてるんだろ? なら、ファブニールが転移で移動出来るんじゃないか?」
「……あのね、ファブニールの説明をしている時にも言ったでしょ? ファブニールに搭載されているシステムXNは、あくまでも量産型で、転移出来るのは同一世界間のみだって」
「つまり、ホワイトスターから直接転移は出来ない訳か。……それは色々と難しいな。一応聞いて置くけど、ファブニールのサイズは?」
「全高30m、全幅20m、全長50mといいったところかしら。大体の数値で端数は端折ってるけど」
「なるほど、準特機だ」

 全高は俺の予想通りだったが、全幅と全長が俺の予想外の数値だった。
 これだとファブニール1機をシロガネに搭載するのであれば、シャドウが3機分……いや、4機分は必要になるか?

「重量の方も、PS装甲だから起動していない状況だとかなり重いのよ。大体600t程度よ。起動さえしてしまえば、グラビコン・システムの影響で200tまで減らせるんだけど」
「……随分と軽くなるんだな。シャドウが確か起動していない状況で100t、起動すると50t程度だった筈だろ? なのに、ファブニールは3分の1まで減らせるのか?」
「時流エンジンはともかく、グラビコン・システムを発生させるのに必要なブラックホールエンジンが2基装備されているもの。そのおかげでグラビコン・システムがシャドウよりも多くの重量軽減効果を発揮しているの。……まぁ、実際にはシャドウを始めとした機体が内部に組み込まれる事になるんだから、その分の重量は増すんだけど」

 そう考えると、やっぱり準特機クラスの機体だけはあるよな。
 そんな風に妙な場所に感心していると、レモンが溜息を漏らす。

「そういう訳で、ニヴルヘイムであればその大きさからかなりの数を乗せる事が出来るけど、シロガネだとどうしても搭載数が問題になってくるわ。もしファブニールを主力として使っていくつもりなら、シロガネ以外にも運用艦が必要になるでしょうね」
「……ヤンマとか、か」
「そうね。カトンボでもいいけど、どうしても簡易的な戦艦である以上はヤンマの方がいいわね。ヤンマの方が純粋に性能は高いし、そもそも艦が大きい分搭載数も増えるしね」

 こうなると、ますますナデシコ世界で木星への強行偵察辺りが重要になってくるな。
 連合軍や連合政府辺りは何故かそうして欲しくないようだが、ファブニールの件を考えると、そうも言っていられない。

「後は……そうね、一応さっきも言ったと思うんだけど、量産型のシステムXNでその世界間での転移は可能なんだから、ゲートを使ってその世界に転移して、自力でシステムXNを使って戦場に向かうという手段はあるわね。……ただ、そうなるとどうしても運用がスムーズに出来ないし、何より補給や整備をする為にわざわざゲートまで戻ってきて、それからホワイトスターに戻ってきて……となるのを考えると、最後の手段でしょうね」
「補給の方はS-11ミサイルくらいだろうけど、整備はしない訳にもいかないしな」

 レモンの言葉に同意の意味を込めて溜息を吐き、なるべく早く木星に向かうことを決意するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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