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小さかったあの娘

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8部分:第八章


第八章

22.ガラスの世界
 そこには全てがあるようで

 実は何もない  あるにはあるけれど

 それはすぐに壊れて  潰えてしまうもの

 脆くて儚いものなんだ

 簡単になくなってしまうものだから

 それに気付いていない時が多いけど

 何時だってそうなんだ  何だってそうなんだ

 世界はガラスでできているから

 ガラスの脆い世界に生きている僕達は

 何時だって壊れてしまうもの

 
 透き通った世界は綺麗だけれど

 急に壊れてしまうものなんだ

 そこが全てが美しくて

 とても脆い  そうした場所だから

 何もかもが儚いもので  割れてしまうから

 繊細な世界なんだけれど

 それを気付かせない場所でもあるんだ

 それに気付いた時はそう

 それに怯えてしまって  何も触れなくなってしまう

 このガラス細工の世界は悲しい

 悲しくて今にもなくなってしまい

 そのまま割れた破片だけが残ってしまう

 破片に映るのは割れた世界

 
 世界はガラスでできているから

 ガラスの脆い世界に生きている僕達は

 何時だって壊れてしまうもの


23.曇った鏡
 いつもは自分を見せてくれる鏡が

 曇ってしまって何も見えない

 そんな曇った鏡を黙って見ていると

 自分の姿を見てみたくなった

 それを見てみたくなったから僕は

 鏡を拭いてみたくなった  自分を見たくなった

 鏡を拭けばそこに自分が現われる

 現われた自分はまた鏡を見ているだけ

 鏡の中の自分も今ここにいる自分と同じ

 それでも曇った鏡では見えはしなかったもの

 その自分を見れて僕は  少しほっとしたのかな

 
 いつもは何気なく見ていた鏡が

 白く曇って目を遮っている

 曇った鏡は見ていても切ないだけで

 僕はそれを拭くことした

 鏡を拭きながら僕は考える

 拭かれて戻った鏡  それは元のままか

 また僕の姿がそこにあるのかどうか

 けれどそこに映し出されていたものは

 やっぱり今ここにいる僕そのものだった

 曇った鏡は消えて元の綺麗な鏡になった
 
 綺麗な鏡に映って僕  何か笑いたくなった


 鏡の中の自分も今ここにいる自分と同じ

 それでも曇った鏡では見えはしなかったもの

 その自分を見れて僕は  少しほっとしたのかな


24.変えられる運命
 変えられないもの  そんなものはありはしない

 どんなものでも変えられる  運命だって

 運命を変えると言って去った君は

 どんなことにもくじけはしないだろう

 そんな君だからきっとそうなる

 赤い血を宿らせて  今その運命を変える筈だ

 全てを失ってでも  それを選んだ君は

 それを掴む  また全てを手に入れる

 人として  運命を変えて

 それが辛くて孤独な戦いでもきっと

 運命を変える筈だ  その運命を変えた日に

 また会おう  そして乾杯を

 
 変えられないもの  何でも変えられると言って

 君は僕達の前からいなくなった  微笑んで

 その微笑みは自信だと思ったから僕は

 何があっても待つことにしたよ

 君の勝利を確かに信じ

 帰ってくるのを待って  一人待つことにしたんだ

 全てを賭けて  運命に向かう君は

 きっと勝つ  それが僕にはわかる

 人だから  負けそうにも
 
 泣きそうにもなるだろうけれど

 勝利を掴む筈だ  それを手に戻った時には

 君の笑顔を  また見せて欲しい


 人として  運命を変えて

 それが辛くて孤独な戦いでもきっと

 運命を変える筈だ  その運命を変えた日に

 また会おう  そして乾杯を
 
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