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小さかったあの娘

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4部分:第四章


第四章

10.空しい心
 空ろになって何もなくなった心

 その心を抱いたまま部屋に一人

 ギターを鳴らしても音は空虚で

 何もないように聞こえる  それが悲しい

 悲しい心を歌っても寂しいだけ

 けれどつい歌う  空しさを忘れたいから

 空ろになって何も見えなくなって

 感じなくなっていくのは寂しいから

 一人歌うよ  寂しい心だけれど

 歌を忘れたくはないから

 
 虚ろになってぼんやりとした心

 その心のまま広場に一人で

 風の音を聴いてもその音も虚しく

 寂しい音に聴こえた  それが哀しい

 哀しい音色が心にも滲みる

 けれどつい聴いて  虚しさを忘れたくなる

 虚ろになって何も考えられなくなって

 そのまま朽ちていくのだとしても

 一人聴くよ  哀しさを胸に抱いて

 心は忘れたくないから 


 空ろになって何も見えなくなって

 感じなくなっていくのは寂しいから

 一人歌うよ  寂しい心だけれど

 歌を忘れたくはないから


11.砕けた心
 裏切られて信じられなくなって

 砕けた心を胸に抱いて

 何をしたらいいのかわからなくなった

 心は戻らないかもと思って  一人沈んでいた

 どうしようもなく寝転がって  考えられない

 時間だけが過ぎて  空ろになっていく

 空ろな心は何も感じられなくて

 僕が僕でなくなってしまったようだった

 砕けた心はもう戻らない  そう思っていたよ

 
 心は脆くて  どうしようもない位弱い

 それをどうすればいいのか  自分にもわからない

 やさぐれて荒みきってしまって

 壊れた心をそのままにして

 どうするべきなのか見えなくなっていた

 心は失われてしまっていて  一人佇むばかり

 考えても仕方ないことを  考えていっても

 ぞれは何にもならず  空虚なままだった

 壊れた心は何も見えなかったし

 僕もそれがわかっていても何もできない

 壊れた心はもうなおらない  そう思うしかなかった
 
 心は弱くて  触られただけで壊れるから

 それを大事にしたいのに  結局は壊れる


 時間だけが過ぎて  空ろになっていく

 空ろな心は何も感じられなくて

 僕が僕でなくなってしまったようだった

 砕けた心はもう戻らない  そう思っていたよ



12.垂れた耳の猫
 売れ残っていたスコティッシュ=フォールド

 うちにふらりとやって来たよ

 小さな身体で家の奥で震えている

 そんな気の小さい猫だったのに

 今じゃ家の中で威張り散らし  好き勝手にしている

 小さかった身体が大きくなって

 悪いことばかりしているよ

 悪い猫で我儘ばかりだけれど

 そんな猫だから可愛い  嫌いにならない

 いつも人の側にいたがって  身体を摺り寄せてきて

 そうした人が好きなところがいい

 だから何時までも一緒にいたい  そう願う

 
 買われてきたスコティッシュ=フォールド

 うちに来てからかなり経つ

 その時は今も覚えているよ

 あの時は本当に小さかったけれど

 今じゃまるで別の生き物みたいな  そんなに大きくなって

 あちこちで寝そべっていて

 我儘ばかり言うよ

 そんなどうしようもない奴なのに

 何故か人が好きだから  側にいるから

 嫌いにはならない  いつも側にいて欲しい

 そんな猫をいつも見ていって

 ずっと同じ世界で生きていたいよ  それが夢さ


 いつも人の側にいたがって  身体を摺り寄せてきて

 そうした人が好きなところがいい

 だから何時までも一緒にいたい  そう願う
 
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