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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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外伝~神殺しの真実~


~隠者の庭園~



「―――今の話が貴方の”真実”………そして私と貴方の”約束”よ…………」

(………”神殺し”セリカ・シルフィルの”真実”………予想していた”真実”とは真逆だの。まさかアストライア自らがセリカを生かす為に肉体を差し出したとは……)

「…………”二人で生きて行こう”………………?……………涙………?俺は…………泣いているのか………?」

サティアの話を聞き終えたハイシェラは重々しい口調で呟き、セリカはある言葉を繰り返した後、自分が涙を流している事に気付き、静かに呟いた。

「…………」

一方同じように話を聞いていたリース達は事情を知っているエステルを除いて驚きや悲しそうな表情をしていた。

「………まさかそんな悲しい事実が”神殺し”誕生の真実だったなんて…………」

「セラウィ…………」

「………………」

(ククク…………”嵐の(バリハルト)”も古神を滅する為に随分と形振り構わない真似を…………奴こそが一番”現神”らしいかもしれんな………)

悲しそうな表情で呟いたセラウィの言葉を聞いたウィルはかける言葉なく、エリザスレインは何も語らず静かに目を閉じ、ウィルの腕輪の中で話を聞いていたアスモデウスは不気味に笑っていた。

「………”神殺し”誕生の真実………まさかそれに”嵐の(バリハルト)”が関わっていたとはな。昔から奴らは俺達への敵対心が強かったが、まさかそこまでして古神を滅ぼしたかったとはな………」

「……同じ光の神殿の”軍神(マーズテリア)”の聖騎士として恥ずかしいです………」

「………”神”も含めもはや”外法”としか言いようがないですね………聖職者として彼らの行動を理解できませんし、理解したくもありません。…………私は彼らの事を聖職者として決して認めません。」

「イーリュンよ…………」

「アーライナよ………」

リウイは重々しい口調で呟き、シルフィアは悔しそうな表情をし、リースは静かな怒りを見せて呟き、ティナとペテレーネはその場で強く祈った。



「まさか”教授”とは比べ物にならないくらいの外道な者達がいるとは………」

「こうなると奴の方がまだマシに見えてくるな………」

「ま、どっちも許せない奴等である事は変わらないけどね………」

ジンは重々しい口調で呟き、アガットは不愉快そうな表情で呟き、シェラザードは溜息を吐いた。

「………許せません。”嵐の(バリハルト)”を滅したくなりました。」

「……………私も…………」

「全くじゃ!アイドスを利用してアストライアを滅するとは………もし相対すればわらわが全ての力を持って滅してくれる!」

リタは怒りの表情で呟き、ナベリウスは頷き、レシェンテは怒り心頭で言い

「セリカ様……………」

シュリは悲しそうな表情で見つめ

「ヒック………!どーしてそんな酷い事ができるんですか!?サティアさん、すっごく優しい人なのに!」

「そうだよ!平和な世界を願っているとっても優しい人なのに!」

「………”古神”と”現神”の関係を学んで知ってはいましたが、あまりにもひどすぎます………!」

ティータは涙を流して叫び、ミントとツーヤはそれぞれ怒りの表情で言った。

「………レン、悲しいお話はキライよ。そんなお話にした人達は殲滅しなくちゃね♪」

「キャハッ♪エヴリーヌも手伝うよ?元々光の陣営の奴等はキライだし。」

「………その人たちには同情の余地はありませんね。」

レンはつまらなさそうな表情で呟いた後凶悪な笑みを浮かべ、それを聞いたエヴリーヌも凶悪な笑みを浮かべ、ティオは静かに呟いた。

「………あまりにも悲しく、酷すぎる話だな………」

「ええ…………」

アドルとフィーナは悲痛そうな表情で呟き

「………下手をすれば、”ミトスの民”のクレハ達も似たような状況になっていたかもしれないね……」

「うん…………私やクレハ様達の事を何も聞かず、受け入れてくれている”残され島”の人達には今でも感謝しているの。」

ナユタは暗い表情で呟き、ノイは静かな表情で呟いた。

「………愛する人に生きて欲しい為に自らの身体を差し出すなんて………」

「はは……参ったな……。………場を和まそうと思っても頭が真っ白どころか……二人を慰める言葉すら思い浮かばないよ…………」

クローゼは悲しそうな表情で呟き、オリビエは肩を落として溜息を吐いた。



「………エステルは2人の事を知って、何とかしてあげたいと思ったんだね。」

「うん………」

ヨシュアは表情をわずかに暗くしてエステルを見つめ、見つめられたエステルは静かに頷いた。

「…………すまない…………お前が俺に”生きてほしい”為に肉体を差し出したのに…………俺自身がしたという”約束”すらも忘れていて…………」

「ううん、気にしないで。………いつかきっと思い出す事を信じているから…………それにこうして私達は再び出会えたわ。私はそれだけで十分幸せよ。」

「…………………………」

サティアの微笑まれたセリカは黙り込んだ後、やがてエステルに視線を向け

「え、えっと………?」

セリカに視線を向けられたエステルは戸惑った。

「………サティアが何故この世界に現れる事ができたのかも聞いた。………お前が”誓った”俺達の”約束”…………感謝する。」

(人の想念に反応する世界とはいえ、強き”誓い”だけで、我等が辿り着けるかどうかわからなかったセリカの全ての”真実”に辿り着かせるとは、大した娘だの。)

そしてなんとセリカはエステルに感謝の言葉を述べ、ハイシェラは感心した様子でエステルを見つめ

「エステルさん………貴女のお蔭でセリカ様がサティア様と再び出会えた事………心から感謝しております………」

「本当にありがとうございます………!貴女のお蔭でセリカ様もようやくご自分の事を知る事ができました………!」

「あたしも今までの中で一番感謝しているわ。………本当にありがとう。」

「です~。」

「うむ。わらわも感謝している。」

セリカの”使徒”達はそれぞれ頭を深く下げたり、涙を流しながら感謝の言葉を述べたり、微笑んだりして、それぞれエステルに感謝した。

「うむ、さすがは余の友!何と器が大きい者だ!」

「フフ、私達が生まれ変わった人がまさか”神殺し”や”古神”に感謝されるなんてね。」

「ええ………エステルに生まれ変わった私達も誇らしい限りですね。」

リフィアは胸を張り、ラピスとリンは微笑んでいた。



「あ、あはは………だから何度も言ってるけどあたしは大した事してないって。………それよりせっかく再会できたんだから、今度はちゃんとサティアさんの事、守りなさいよ?」

「………無論そのつもりだ。」

恐縮した後苦笑しながら言ったエステルの言葉にセリカは静かに頷いた後

「………俺達の世界に帰る為………そして俺とサティアを出会わせてくれたお前達の為に俺も力を貸そう。」

「うん、よろしくね!それとリウイもいいでしょ?」

セリカの言葉を聞いたエステルはセリカに笑顔を見せて力強く頷き、リウイを見て尋ねた。

「ああ。………フッ。もう”神殺し”と共に戦う機会等訪れないと思っていたがな………」

「フフ………」

エステルに見られたリウイは頷いた後、静かな笑みを浮かべ、その様子をイリーナは微笑みながら見つめていた。

「うむ!これで役者は全て揃ったようなものだな。………セリカで思い出したが、エステル。テトリの件はもう気にしていないのか?」

「テトリの件………?あっ、そうね!すっかり忘れていたわ!」

「………何の事だ?」

「ま、まさか………」

リフィアの言葉を聞いて察しがついたエステルの様子にセリカは眉を顰め、プリネは冷や汗をかいたその時

「………パズモ!テトリ!ニル!クーちゃん!出て来て!!」

なんとエステルがパズモ達を召喚した後、プリネに視線を向けて言った。

「ほら、プリネも!」

「え??」

「ペルルとアムドシアス……あの2人もセリカの元・使い魔なんでしょ?だからあの2人も呼んで!」

「は、はあ。わかりました。……ペルル!アムドシアス!」

エステルに急かされ、戸惑いながらペルルとアムドシアスを召喚した!



「………一応!聞いておくわ。この娘達の事がわかる!?」

「………………誰だ、お前達は。」

ジト目のエステルに睨まれ言われたセリカはパズモ達を見回して静かに呟いた。

「何だと!?我の事がわからないのか!?」

「やっぱりボク達の事、忘れちゃったの!?」

(仕方ない…………か。)

「ま、わかってはいたけど………それでもちょっとショックですわ………」

「ぴ、ぴえええん~………やっぱり思い出してくれないんですね、ご主人様…………」

「クー…………」

セリカの言葉を聞いたアムドシアスとペルルは驚き、パズモとニルはどこか諦めが入った表情になり、テトリとクーは落ち込んだ。

(ほう。やけに見覚えがあると思ったが、かつてお前の使い魔だった者達ではないか。ククク………まさかアムドシアスもその中にいるとはな。………仮にも”魔神”であるのにまさか半魔人の小娘の使い魔になるとはな………クク、奴も落ちぶれたものだの。)

「ムッ!?今、かなり不愉快に感じたがまさかハイシェラ………貴様か!?」

パズモ達を見たハイシェラは驚いた後嘲笑し、ハイシェラが嘲笑したその時、ハイシェラの念話が聞こえないはずのアムドシアスが何かを察した後、セリカの愛剣―――”ハイシェラソード”を睨んだ。

「は~………やっぱり!忘れていたわね!…………ちょ~と、いいかしら?」

一方エステルは大きな溜息を吐いた後、全身にすざましい何かの気を纏って笑顔でセリカを見つめながら、ゆっくりとセリカに近づいていった。

「………何だ?(ハイシェラ。エステルは笑っているのに、何故エステルから”怒り”を感じる?)」

(お前という奴は………エステルが怒っている理由は恐らくだがの………)

エステルの様子を見て答えたセリカは念話でハイシェラに尋ね、尋ねられたハイシェラが呆れた様子で溜息を吐き、答えようとしたその時!



「歯ァ、食いしばりなさいっ!このダメ主―――――ッ!!」

「ガッ!?」

なんと渾身の一撃を込めた拳でセリカを殴り、殴られたセリカは吹っ飛ばされた!

「なっ!?」

「エ、エステル!?」

「か、”神殺し”を殴るなんて………なんて娘………!」

エステルの行動を見たリウイやヨシュアは驚き、エリザスレインは信じられない表情で見つめた。また、周りの人物達もエステルの突然の行動に呆けたり、驚いていたりしていた!そしてエステルは吹っ飛ばされたセリカに近づこうとしたが

「ストップ!今ので貴女の気持ちは十分わかったから!」

「こ、これ以上はお願いですから、やめて下さい~!」

「離して~!!まだ殴り足りないわよ~!!」

ニルとテトリに抑えられて、喚いた!

「今、治療します、ご主人様!サリア!」

「はいです~!」

一方シュリとサリアは慌ててセリカにかけよって、治癒魔術をかけた。

「………いきなり何をする。」

「あんたねえ!昔はパズモ達、あんたの為に力を貸してくれていたのに、何で忘れているのよ!?忘れられたパズモ達がどれだけ傷ついたか、わかる!?」

セリカに睨まれたエステルは睨み返して叫んだ。

「それぐらいにしてあげて、エステル。主はかつての戦いで力を失うと同時に記憶の一部も失うから仕方ないんだ………だから、許してあげて。」

「でも、リタとナベリウスの事は覚えていたんでしょう!?」

「う…………えっと………」

「………?………リタ…………何で………困る…………?」

その時リタが近づいて来てセリカを庇うように説明したがエステルの反論に返す言葉がなく困った表情をし、その様子を見たナベリウスは首を傾げた。

「プッククク!本当に実行するとは………さすがはエステルだな!」

「アハハハハ!まさか”神殺し”を殴るなんてね!あんたほどの怖い者知らずはどの世界に探しても多分、いないわよ♪」

リフィアとカーリアンは大声で笑い

「フフ………”神殺し”を臆せず殴るとは………あの娘はとてつもない大物になりますわね。ラピス姫、リン姫。」

「えっと………そこで私達を見られても困るわよ、大将軍。」

「今までにないほどのとんでもない事をする奴だな………」

不敵な笑みを浮かべたファーミシルスに見られたラピスは引き攣った表情で冷や汗をかき、リンは疲れた表情で溜息を吐いた。

(クク………エステル嬢ちゃんの言う通りだの、セリカ。今回ばかりは戦友を忘れていたお前が全面的に悪いだの。………それにしても本当に面白い嬢ちゃんだの!”神殺し”のセリカを躊躇わず殴るとは………ハハハハハハ!)

「……………うるさい…………あまり笑うな…………」

大声で笑っているハイシェラに呟いた後、静かに立ち上がって、パズモ達を見つめた後



「………お前達の事を忘れて、すまない…………これでいいのか?」

なんとパズモ達に謝罪の言葉を言って、エステルを見つめた。

「それはパズモ達の答え次第よ!」

(エステル、私達は今の言葉と貴女の気持ちで十分よ。)

「はい!ですから、もうこれ以上はやめて下さい~!」

「………我はまだ足りていないがな。」

「ちょ、ちょっと~!話を蒸し返すのはやめてよ!」

セリカに見つめられ答えたエステルの言葉を聞いたパズモは苦笑しながらエステルを見つめ、テトリは慌てた表情で見つめ、アムドシアスが呟いた言葉を聞いたペルルは慌てた様子で言った。

「………相変わらず俺達の予想斜め上な事をする奴だな………」

「フフ………それがエステルさんなんですから、仕方ありませんよ。」

リウイは呆れた表情で呟き、それを聞いたイリーナは微笑みながら言った。

「全く………ま、一発ブン殴ったし、パズモ達が許しているようだからいいわ。………それより気になったんだけど、ハイシェラって今どこにいるの??さっきから念話だけは聞こえてくるけど。」

「何?」

「え………」

(まさか我の声が聞こえているだの!?)

溜息を吐いた後、気を取り直したエステルの言葉を聞いたセリカとエクリアは驚き、ハイシェラは信じられない表情をしていた。

「あ、今も聞こえた。『まさか我の声が聞こえているだの!?』って、驚いている感じで。」

「「……………………」」

そしてエステルの言葉を聞いたセリカはわずかに驚きの表情で、エクリアは信じられない表情で見つめていた。

(これは驚いただの。性魔術を受けた者達でもないのに我の声が聞こえるとは…………エクリア嬢ちゃん以来の娘だの。)

「フフ………ちなみに私も聞こえているわよ?」

ハイシェラは驚いた後、興味深そうな様子で呟き、それを聞いたサティアは微笑みながら答えた。

「………俺の本来の肉体の持ち主であるサティアはわかるが………まさかエステル。お前もこの剣―――ハイシェラの声が聞こえるとはな………」

そしてセリカは静かに呟いた後、ハイシェラソードをエステルに見せながら見つめた。

「へ?………あ、そういえばパズモ達の話だとハイシェラって今はセリカの日記帳代わりになったんだっけ。すっかり忘れていたわ~。」

「に、日記帳って………」

(ちょ、ちょっと………!私はハイシェラの事をそんな風に説明していないわよ!?)

「フハハハハハ!言い得て妙だな!」

(誰がセリカの日記帳だの!しかも微妙に的確な事をつきおって………!おい、セリカ!我を召喚しろ!この嬢ちゃんに我の威厳をしかと刻み込むだの!)

エステルの言葉を聞いたペルルは表情を引き攣らせ、パズモは慌て、アムドシアスは大声で笑い、ハイシェラはセリカを急かしたが

「……戦いでない今、お前を呼ぶ必要はないし、お前を呼ぶと普段以上に魔力を消費する………」

「というか剣に威厳なんてないと思うけど。」

(なっ!?…………こ、この”地の魔神”たる我がここまで言われるとは…………えぇい、セリカ!貴様のせいだっ!)

そしてエステルの言葉を聞いたハイシェラは一瞬絶句した後、怒りに震えてセリカを怒った。

「………何故そこで俺のせいにする………」

ハイシェラの念話を聞いたセリカは眉を顰めて呟いた。その後リース達はメンバーを二手に編成し、左の転位陣にはセリカ、サティア、エクリア、シュリ、エステル。右の転位陣にはリウイ、ペテレーネ、シルフィア、リース、アドルのメンバーで編成し、それぞれ転位陣に乗って転位した!



~第七星層・???~



「あれ………?なんか見覚えがあるような………?」

転位して来たエステルは周りの景色を見て首を傾げ

「ここは………!」

(フム、覚えがある場所だの。)

エクリアは驚き、ハイシェラは静かに呟いた。

「………俺達が来た場所なのか?」

「………はい。―――――”ベルゼビュート宮殿”。かつてセリカ様とリウイ様が初めて邂逅された場所です………」

セリカに尋ねられたエクリアは静かに答えた。そしてセリカ達は先を進み始めた!



~同時刻・第七星層・???~



「ここは一体…………?」

同時刻、リウイ達と共に転位して来たアドルは周りの景色を見て首を傾げ

「ここは………!」

「………”邂逅の宮殿”………フン、”神殺し”と俺が再び共闘する最初の場所としてある意味相応しい場所だな。」

ペテレーネは驚き、リウイは静かに呟いた。

「知っている場所なのですか?」

「ああ……―――――”ベルゼビュート宮殿”。かつて俺が”神殺し”と初めて邂逅した場所にして、共に戦った事のある場所だ。………先に進めば合流地点がある。恐らくそこで先ほど別れた”神殺し”達と合流するだろう。………行くぞ。」

リースに尋ねられたリウイは説明をした後、仲間達を促して先を進み始めた!



今ここに!相容れなかったはずの”神殺し”と”覇王”。2人の共闘が再び始まった………!







 
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