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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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7章~英雄集結~ 第46話

その後仲間達と共に庭園に戻ったリースは封印石を解放した。



~隠者の庭園~



「ふむ。ようやくリウイが幼かった頃から仕えている真の忠臣を解放できたな。」

「ええ………本当に長かったです、お母様………」

「うふふ、まずはママね♪」

封印石が解放され、光の中から現れようとした人物を見たリフィアとプリネは頷き、レンは口元に笑みを浮かべ

「聖女様、凄く驚くでしょうね。ラピス達がこうして目の前にいるんだから。」

エステルは苦笑しながらラピス達を見つめ

「フフ、そうね。」

「まあ普通に考えたら、既に生を全うした私達がいる等ありえないからな。」

「ええ。………特にシルフィア殿に関してはかなり驚くでしょうね。」

「…………そうですね。」

「ペテレーネさん…………」

ラピスは微笑み、リンは頷き、ティファーナは頷いた後シルフィアに視線を向け、シルフィアは静かに答え、ティナは優しい微笑みを浮かべ

「フフ、この中でメンフィルの方達を除いて久しぶりじゃないのはあたしぐらいね。」

「そういえばシェラ先輩はそれほど久しぶりでもないんでしたっけ?確か、時間があれば大使館を尋ねてたと聞きましたし。」

シェラザードは苦笑し、シェラザードの言葉を聞いたアネラスはシェラザードの尋ねた。

「ええ。例の浮遊都市の一件から力不足を感じていてね。師匠から魔術の指南は勿論、相手が暇な時のみだけどファーミシルス大将軍やあの”剣帝”達に何度も手合わせをしてもらっているわ。」

「ほう………あのロランス君だけでなく、”空の覇者”達にも………」

「ハハ、俺達からしたら贅沢な手合わせ相手だな。」

「ああ。………だが、これを機会に今後解放される連中やここにいる連中に手合わせを頼むのもいいかもしれねえな。」

シェラザードの話を聞いたリシャールは感心した様子で呟き、ジンとアガットは口元に笑みを浮かべ

「…………え…………この人は………」

「?ティオちゃん、どうしたの??」

ティオは光から現れる人物を見て驚いて呆け、その様子に気付いたティータは不思議そうな表情をして尋ねた。そして光の中から地面に膝をついているペテレーネが現れた!



「………うっ…………今の光は一体………?………!そ、それよりも………!リウイ様、イリーナ様!ご無事ですかっ!?」

地面に膝をついていたペテレーネは呟いた後、その場から立ち上がって叫んだ。

「フフ………私はここにいるわよ、ペテレーネ。」

「あ………よ、よかったです。それよりイリーナ様。リウイ様はご無事で………え……………」

そしてイリーナはペテレーネに微笑み、イリーナに気付いたペテレーネは安堵の溜息を吐いた後、目の前にいるリース達に気付いて呆けた声を出した。

「えへへ………こんにちは、聖女様!」

「………この方がかの”闇の聖女”………」

エステルは笑顔で声をかけ、リースは驚きの表情で見つめていた。

「うふふ、無事でよかったわ、ママ♪」

「ええ………本当に………」

「え??レンはともかくどうしてミレティア領に居るはずのプリネが………………えっ!?ティ、ティナさん!?」

レンとプリネに気づいたペテレーネが不思議そうな表情をした後、ティナに気付いて目を見開いて驚いた。

「お久しぶりです、ペテレーネさん。」

「フフ、私達もいるわよ?」

「久しいな、ペテレーネ。」

「ああ。またこうしてお前と邂逅できるとは思わなかった。」

「ラピス様にリン様、それにティファーナ様まで………一体何が………?………なっ!?な、何故貴女がいらっしゃっているのですか………!?シルフィア様………!」

ティナ、ラピス、リン、ティファーナに微笑まれたペテレーネは戸惑い首を傾げた後、シルフィアに気付いて信じられない表情をした。

「フフ、それを今から説明するわ、ペテレーネ。」

ペテレーネに見つめられたシルフィアは苦笑しながら答えた。その後リース達はペテレーネに事情を説明し、初対面の者達は自己紹介をし合った。



「………そんな事が…………俄かには信じられませんが、この空間や既にこの世を去った方々がこうして目の前にいらっしゃるのですから、信じる他ありませんね………」

事情を聞き終えたペテレーネは信じられない表情をした後苦笑した。

「フフ、最初は私も驚いたわ。目が覚めたらティナ達が目の前にいるんですもの。」

イリーナはペテレーネの意見に頷くように苦笑しながら答えた。

「ペテレーネさん。遅くなりましたが”神格位”に到り、おめでとうございます。」

「私からも祝福するわ。………最初エステル殿達から話を聞いて信じられない思いだったわ。あれほど陛下を慕っている貴女が到る事ができるかどうかもわからない”神格位”に到る為の修行に出るなんて。」

「ティナさん………シルフィア様………はい、ありがとうございます。………ティナさん、リウイ様の手紙で知りましたが私がいない間、私に代わってリウイ様のお世話をして本当に頂きありがとうございます。」

ティナとシルフィアの言葉を聞いたペテレーネは会釈をした後、優しい微笑みを浮かべてティナを見つめた。

「そんな…………他の皆さんと比べたら私が出来る事はそれぐらいしかありませんし………」

「あら、そんな事はないわ。イリーナ様を亡くされた当時の陛下にとって貴女やペテレーネの存在が何よりも心の支えだったと思うわよ?」

「ああ。それぞれの領の政務に就いていた私達は2人のように常に陛下のお傍にいられなかったからな。」

「それに2人には私達も世話になった。2人がいたお蔭で我がミレティア領は勿論、他の領の多くの傷ついた民達を癒していったと聞く。武しか取り柄のない自分では到底真似できん。」

ペテレーネの言葉を聞いて謙遜しているティナにラピス、リン、ティファーナはそれぞれ口元に笑みを浮かべて言った。

「皆様………ありがとうございます。」

「お褒め頂きありがとうございます。………それにしてもまさかティナさん達だけでなくシルフィア様まで転生をされていたなんて、今でも信じられない思いです。」

ラピス達の言葉を聞いてティナは微笑んで会釈をし、ティナと共に会釈をしたペテレーネは苦笑しながらシルフィアを見つめた。

「そうね。それは私自身今でも”奇跡”と思っているわ。」

「シルフィア様………………………あの、一つお聞きしたいことがあるのですが。」

「何かしら?」

「シルフィア様はティナさんと違って既に生まれ変わった方の中で意識を目覚めさせたと聞きましたが…………何故、リウイ様にお会いに来られないのですか?」

「……………」

「あ、それはあたしも思ったわ。」

「ああ。あれほど陛下に忠誠を捧げていたシルフィア殿が何故………」

ペテレーネの疑問を聞いたシルフィアは静かな表情で黙り込み、エステルとティファーナは呟いた後シルフィアを見つめた。

「………私が転生した人物だけど、元はある方に忠誠を誓っていて………ね。彼女と一緒になった今でも彼女の忠誠心は残っているのよ。彼女の気持ちもわかるし、今はその方につかえていて………だから………ね。」

「………さすがは今でも騎士達の憧れであるシルフィア様が転生した人物………シルフィア様を迷わせるほどの忠誠心を持っているとは………」

「あの………じゃあ、シルフィア様はお父様やシルヴァンお兄様の元には………?」

シルフィアの話を聞いたリフィアは複雑そうな表情で呟き、プリネは不安そうな表情で尋ねた。

「――――いえ。その方に義理を果たしたら、少々心苦しいですがその方の元を離れて再び陛下の元に参じ、お許しを頂けるのならば今度はメンフィルの聖騎士ではなく、陛下とイリーナ様………お二人の聖騎士として仕えようと思っています。その時、シルヴァンと改めて話をしたいと思ってます。………最も、シルヴァンはもう私と話をしたい年頃ではないでしょうけど………」

「シルフィア様…………許す所かむしろこちらからお願いしたい所ですよ。」

「うむ!それに父は今でもシルフィア様を誇りに、そして大切に思っている!シルフィア様の事を知れば、きっと話したい事はいくらでもあると思うぞ!」

シルフィアの話を聞いたイリーナは驚いた後微笑み、リフィアは力強く頷いた。



「それを聞いて安心しました。………それにしてもエクリア様……その恰好、どうにかならないのでしょうか?あの頃の………”幻燐戦争”時の”姫将軍”のエクリア様がいるみたいで、その………色々思う所が………」

シルフィアの話を聞き終えたペテレーネはエクリアを見つめて申し訳なさそうな表情で言った。

「…………すみません。他に服があれば着替えたい所なのですが………ペテレーネ様達の御気分を害してしまい、本当に申し訳ありません。」

「そ、そんなっ!頭を上げて下さい!」

「………”姫将軍”を知る私達からすれば、今の彼女は本当にあの”姫将軍”だったのかと疑ってしまいますね………」

「ああ。それに私達に対しても敬語だからな………こっちとしても色々戸惑ってしまう。」

「2人とも、そんな事を言っては駄目よ。恐らくあの性格が本来の”姫将軍”………いえ、”カルッシャ第一王女”エクリア・テシュオスだと思うわ。」

「はい。私もそう思います。」

頭を下げて謝罪するエクリアを見たペテレーネは慌て、その様子を見つめていたティファーナとリンはそれぞれ信じられない表情で呟き、それを聞いたラピスは静かな口調で諌め、ラピスの言葉にティナが頷いた。



「それと…………久しぶりですね、ティオさん。」

「………はい……………あの時は色々とお世話になりました。」

そしてペテレーネはティオに視線を向け、視線を向けられたティオは静かな口調で答え、深く頭を下げた。

「………まさか貴女と再び会う事になるとは思いませんでした。その後どうですか?」

「ペテレーネさんのお蔭で今でも一応”人間”として普通に生活をしていられます。あの時私に魔術を教えてくれなければ、今の私はなかったと思います。」

「そうですか…………それを聞いて安心しました。」

ティオの話を聞いたペテレーネは安堵の溜息を吐いた。

「ねえ、聖女様。ティオちゃんから聞いたけど、ティオちゃんと知り合いなの?」

「ええ。昔ある事情があって短期間ですけどその子に魔術を教えた事があるんです。」

「……………………………」

エステルの疑問を聞いたペテレーネは頷き、ティオはペテレーネから視線を外して黙り込んだ。

「あら。じゃああたしにとっては妹弟子って事になるんですか?」

「いいえ。教えた時期を考えるとティオさんの方が姉弟子ですね。シェラザードさんに魔術を教え始める少し前に教えましたから。」

「まあ………そんなに昔からですか?」

シェラザードの疑問を聞いて答えたペテレーネの言葉を聞いたプリネは驚きの表情でティオを見つめていた。

「ええ。まあ、教えたのはたったの1週間ほどだけど。」

「い、1週間であれほどの魔術を!?」

「確かティオは暗黒、冷却、純粋、強化、後敵を惑わす………幻かな?色々な属性の魔術を使っていたよね?それは凄いな………」

「うんうん、やっぱり可愛い事は正義だね!」

「……………………」

ペテレーネの話を聞いたシェラザードとヨシュアは驚き、アネラスは嬉しそうな様子で頷いてティオを見つめ、レンは静かにティオを見つめていた。

「あら………?私が教えた時は暗黒と幻惑の魔術しか使えなかったはずなのですが………」

「………ペテレーネさんが渡してくれたさまざまな秘印術が載ってある魔術書を暇がある時に何度も読み返して練習したら、使えるようになったんです。」

首を傾げたペテレーネに見つめられたティオは静かに答えた。

「そ、それだけであれほどの種類の魔術を使えるなんて………こんなとんでもない姉弟子がいるとは思わなかったわ…………エステルのような滅茶苦茶な娘ね………」

「はあ…………(というか勝手に妹弟子を名乗られても困るんですが。)」

「ちょっとシェラ姉、それどういう意味?」

シェラザードの話を聞いたティオは戸惑った様子でシェラザードを見つめ、エステルはジト目で睨んだ。

「フフ………とにかく私もリウイ様達を見つける為に………元の世界に帰る為に協力させて頂きます。」

エステル達の相変わらずの様子に微笑んだペテレーネはリースを見て言った。

「ご協力感謝いたします。噂の”闇の聖女”の力………期待させて頂きます。」

「あ、あの。その”聖女”という呼び方はできればやめて下さいね?」

リースの言葉を聞いたペテレーネは表情を引き攣らせて言った。その後リース達はメンバーを編成し、転位陣に乗り、次の”星層”に到着した。



~第七星層~



「ここは一体………?空間は”第三星層”に似ていますが………」

第七星層に到着したリースは見覚えのある空間に戸惑った。

「あ、見て!」

「転位陣が3つあるな…………」

そしてエステルは何かに気付いて指を指し、アドルは真剣な表情で呟いた。その時、聞き覚えのある音が聞こえてきた!

「これは………!」

音に気付いたリースは方石を出した。すると方石は光を放ち、リース達の目の前に何度も現れた女性の亡霊が現れた!

「異邦者よ………”星杯”に連なる者よ………聞こえますか…………?」

「………はい。聞こえます。」

女性の言葉にリースは頷いた。

「これより先は………3つ子にして時の回廊………同時に進まなければ………さらなる深淵へと続く”邂逅の宮殿”に辿り着くことは………叶わないでしょう………」

女性が呟くと近くにあった石碑が光を放った!

「転位陣の制御を………石碑に託しました………左の転位陣には………光の妃と共に………右の転位陣には………闇の巫女と共に…………中央の転位陣には………”神殺し”が愛した者と共に…………それぞれの道を進んで下さい………ですが………どうか気を付けて………中央の転位陣を共に進める事ができる者は………第二の”使徒”と冥界の守護霊…………そして強き”誓い”を秘めた剣の主たる貴女のみ…………一度転位陣に入ったら…………試練を潜り抜けなければ…………」

女性は最後まで言えずに消えてしまった。

「………どうやら、この”星層”は”第三星層”のように同時進行をしなければならないようですね………」

「それも条件付き………か。」

女性が消えた後リースは静かに呟き、アドルは真剣な表情で答えた。

「………光の妃はイリーナ皇妃………闇の巫女はペテレーネさん、第二の”使徒”はマリーニャさん、冥界の守護霊はリタさん、そして強き”誓い”を秘めた剣の主はエステルさんだとして、最後の”神殺し”が愛した者とはもしかして………サティアさんですか?確かエステルさんの話だと”神殺し”とサティアさんには何かの”約束”があるとか。」

「………うん。だから中央の転位陣を進めるのはサティアさんやあたし、マリーニャさん、リタのみね………まあ、あたしは6人契約しているから戦力不足はパズモ達で補うから心配しないで。」

リースに尋ねられたエステルは表情をわずかに暗くして答えた。

「庭園に戻ればかなりの人数の仲間達がいるから左右の転位陣に関しては彼らの力を借りよう。ケビンさんの看病に何名か残していってもまだ余裕はある人数だし。僕とエステル、リースさんは3手に分かれてそれぞれの試練の援護をした方がちょうどいいと思うし。」

「…………ええ。では一端拠点に戻って準備と編成をしてから進むとしましょう。」

そしてアドルの提案にリースは頷き、一端庭園に戻った後仲間達に事情を説明し、何名かをケビンの看病に残して、残りは探索のメンバーとして第七星層に連れてきて、左の転位陣にはアドル、フィーナ、イリーナ、エクリア、ティナ、ティファーナ。右の転位陣にはリース、ペテレーネ、ラピス、リン、シルフィア、ナユタ、ノイ。中央の転位陣にはエステル、サティア、マリーニャ、リタのメンバーに編成した。



「それじゃあみんな!”第七星層”の攻略を始めましょう!」

「恐らくそれぞれの終点を超えれば合流できると思う。」

「…………今までの経験上、”悪魔”達が立ちはだかるでしょう。無理をせず慎重に進んで行くことにしましょう。」

エステルとアドル、リースは仲間達を見つめて言い

「応!」

一部の者達―――イリーナとサティアを除いた一同は一斉に返事をし

(………セリカ………私はどうすれば……………)

(待ってて下さい、あなた……………!)

サティアは辛そうな表情をし、イリーナは決意の表情になっていた。そしてそれぞれのメンバーは一斉にそれぞれが進む転位陣に乗り、転位した!すると転位陣の光は消えた。



~第七星層・???~



「ここは一体………?」

「どこかの地下のようですが………」

転位したアドルとフィーナは周りの風景を見て首を傾げていた。

「ここ………どこかで見たことがあるような………」

「ティナも?実は私もなのよ………」

一方ティナとイリーナは周囲の風景を見ながら自分の記憶をたどっていた。

「あら?あそこに小部屋があるみたいですね。………え。」

そして小部屋に気付いたエクリアは小部屋の前のドアに近づき、ドアの傍に書いてある何かの名前を見て驚いた。

「どうしたのですか、エクリア姉様?…………え………」

「”イリーナ・テシュオスの私室”……………?………何!?」

エクリアの様子に気付いたイリーナはエクリアが凝視している名前を見つめて呆け、ティファーナはその名前を呼んで驚いた!

「まさか………!」

何かに察しがついたイリーナは小部屋のドアを開けた後、部屋を調べた!

「やっぱり…………!ここは”モルテニア城”です!!以前、私はリウイに連れて来られて、この部屋にしばらく滞在していましたから覚えているんです!」

「道理で私も見覚えがあるはずです………!」

イリーナの言葉を聞いたティナは驚きの表情で周囲を見回していた。

「なるほど………ここは貴女にとって過去の場所だから『時の道』という言葉もあっているわね………………慎重に進みましょう。恐らく道を阻むのは………」

イリーナの言葉を聞いて頷いたエクリアはイリーナを見つめた。

「………”魔族”もしくは”闇夜の眷属”の姿をしたグリモアですね…………進みましょう。」

見つめられたイリーナは静かに頷いて答え、そしてアドル達と共に先を進んだ。



~同時刻・第七星層・???~



一方リース達も転位をして周りの風景を見回していた。

「ここは…………!」

「知っている場所なのですか?」

周りを見回して目を見開いて驚いているペテレーネにリースは尋ねた。

「はい。―――”グレゴールの宮殿”です。リウイ様がまだメンフィルの王になる前にリウイ様に反発する”魔神”グレゴールを討伐する為に制圧した宮殿です。」

「という事はその”魔神”自身が出て来てもおかしくない状況という事ね………」

「………慎重に進みましょう。」

ペテレーネの説明を聞いたラピスは真剣な表情で呟き、シルフィアは静かに言った。そしてリース達も進み始めた。



~同時刻・第七星層・???~



「どうやら着いたみたいだけど………ここ………どこ??」

「どこかの神殿の入口のようですが………一体どの”神”の神殿なのでしょうか?(気のせいかな………?どこかで見覚えが………)」

さらにもう一方アドル達、リース達のように同じ頃に転位して来たエステルとリタは周辺の風景を見て首を傾げていた。

「ここは…………」

一方サティアは表情をわずかに驚きに変え

「あら。そこに神殿の名前が書いてあるじゃない。………え~っと………”バリハルト神殿・マクル”ね………って、”嵐の(バリハルト)”ッ!?なんでよりにもよって…………………」

マリーニャは近くの看板を見つけて字を読んだ後驚きの叫びをあげ、疲れた表情で溜息を吐いた。

「――――行きましょう。きっとこの奥にいるのは多分………」

そしてサティアは決意の表情で全員を促した後、辛そうな表情をした。

「サティアさん……………(この剣に誓ったように今度はあんな悲しい事にはさせない………!)」

サティアの様子をエステルは心配そうな表情で見つめた後、腰に付けた神剣―――”誓いの神剣(リブラクルース)”を片手で握った後決意の表情になった後、サティア達と共に進み始めた。



こうしてそれぞれの”星層”の攻略が始まった…………!




 
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