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ハイク

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第二章

 そのうえでだ、シャドルにこう言った。
「おい、ものは相談だがな」
「夕方に市場にだな」
「行かないか?」
 言うことはこのことだった。
「そうしないか?」
「ああ、俺もそうしようかってな」
「俺に言うつもりだったんだな」
「そうだった」
 実際にというのだ。
「そのつもりだった」
「じゃあ丁度いいな」
 ラシッドはシャドルにあらためて言った。
「夕方にな」
「市場に行くか」
「二人でな」
 こう話してだ、そしてだった 
 二人はその日はまずは学校で大人しく少なくとも普通の中学生として過ごした、そして授業が終わるとだ。
 市場に向かった、そこでだ。
 噂の美女を探した、だがここでラシッドはシャドルにこう言った。
「それでどんな人だ?」
「顔とかスタイルとかか」
「ああ、どんな人なんだ?」
 こう聞くのだった。
「それでな」
「いや、俺もな」
 シャドルは友人の問いに微妙な顔で答えた。
「実は噂は聞いたがな」
「それ以上はか」
「聞いていないんだよ」
 実際のところはというのだ。
「これがな」
「そうなんだな」
「ああ、そうなんだよ」 
 これがというのだ。
「どういった外見かはな」
「つまりどんな人は一切情報なしで見付けろってのか」
「そういうことになるな」
「それでどういった人は見付けられるか?」
 市場の入口、左右に店が並び人が多く行き交うその市場の中を見回してだった。彼はこう言ったのだった。
「こんなに大勢の人がいるのに」
「難しいだろうな」
 シャドルはここでもクールだった。
「それは」
「難しいっていうのか」
「ああ、そうだろうな」
 これはというのだ。
「これは」
「そうだろ、これはな」
 ラシッドも言う。
「だからどうするんだ」
「さて、どうしようか」
 疑問符でだ、シャドルはそのラシッドに返した。
「一体」
「帰らないよな」
「御前は帰らないな」
「誰が帰るか、どんな美人か見ないとな」
 思春期の好奇心からだ、ラシッドは答えた。
「気が済まないからな」
「そう言うと思った、しかし手がかりはな」
「街の爺さん連中の噂か」
「それだけだ」
 まさにそれだけだというのだ。
「他には何もないからな」
「それこそだな」
「たった一つの手がかりを頼りにして探す」
「推理だな」
「本当にそうだな」
「じゃあ探偵になってな」
「市場の美人を探すか」
 こう二人で話してだ、そのうえでまだ日差しの強い乾燥地帯の市場の中に入った。そして美人を探していたが。
 市場の中には美人も多い、だがだった。
 ラシッドもシャドルも直感的に察してだ、こう話した。 
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