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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第183話

~鳳翼館~



「3戦もある上、人数制限かつ一人一回しか出られないのもキツイが……」

「ど、どうしてアルフィン殿下まで参加しなければならないんですか……?」

ルールを聞いたトヴァルは厳しい表情で考え込み、エリオットは不安そうな表情でアルフィン皇女を気にしながらエイドスに尋ねた。

「メンフィルとクロスベルに情状酌量を求める時にアルフィン皇女達とリィンさんの婚約を口実にするのですから、当然当事者であるアルフィン皇女も参加するべきだと判断しました。実際当事者であるメサイアさんとセレーネさんも”試練”に参加したのでしょう?」

「で、ですが姫様の実戦経験は……」

エイドスの説明を聞いたエリスは心配そうな表情でアルフィン皇女を見つめ

「―――女神様の仰る通りよ、エリス。これもドライケルス大帝の血を引く者として果たすべき”義務”。それにわたくしも貴女や皆さんと一緒に鍛錬した事を忘れているのかしら?」

アルフィン皇女は決意の表情で答えた後小型の魔導杖――――エプスタイン財団がアルフィン皇女専用の魔導杖をして開発し、更にそれをセティ達が改良した魔導杖――――『ルシフェリオン』を取りだした。



「あれ?それは確かティオちゃんが使っていたのと似ていませんか……?」

「ああ、エプスタイン財団製の魔導杖さ。夏至祭の件で自らを鍛える事にしたアルフィンの為にコネを使って何とか手に入れる事ができて、更にウィル君の娘達――――セティ君達にも依頼して改良してもらった代物さ。」

目を丸くしているナユタにオリヴァルト皇子が説明し

「まあ、アタシもその娘の鍛錬の様子を見させてもらったけど、少なくても足手纏いにはならないでしょうね。」

「うふふ、そう言って貰えて光栄ですわ。リィンさん、皆さん。よろしくお願いします……!」

「はいっ!!」

セリーヌの言葉に微笑んだアルフィン皇女がリィン達を見回して頭を下げるとリィン達は力強く頷いた。



「―――決まりですね。ああそれと一つ言い忘れていましたが、まだ条件は残っていますよ?」

「ええっ!?ま、まだあるんですか!?」

「一体どんな内容なのでしょうか?」

エイドスの言葉を聞いたアリサが驚いている中、ラウラは真剣な表情で尋ねた。

「フフ、その条件については皆さんが”試練”を乗り越えてから答えさせて頂きます。ただその条件は私が今まで口にした条件と違って、厳しい条件ではありませんから安心して下さい。―――――では準備が整ったら私に話しかけてください。”試練”を行う場所へと案内しますので。」

その後準備を整えたリィン達はエイドスに準備が終えた事を伝えた。



「―――どうやら準備が整ったようですね。では――――」

エイドスが指を鳴らすとその場にいる全員は一瞬で謎の空間へと転移させられた!



~???~



「こ、これは……初めてヴァリマールを呼んだ時みたいな……!?」

「まあ、アンタならこんな”奇蹟”すらも造作も無い事なのでしょうね……」

突然の出来事に仲間達が驚いている中リィンは信じられない表情をし、セリーヌは目を細めてエイドスを見つめ

「お、おいおい……これは副長の……」

「フッ、”(はこ)”か。まあ、”空の女神”ならばむしろ当然と言った所か。」

「副長がこの事を知ったら、どのような反応をするでしょうね……」

ケビンが目を丸くして周囲を見回している中、セルナート総長は口元に笑みを浮かべ、リースは苦笑していた。



「さてと。”試練”を始めようと思うのですが、皆さん、覚悟はよろしいですね?」

「!はい……!」

エイドスの問いかけに対して仲間達と共に互いの顔を見合わせて頷いたリィンは決意の表情で答え、1戦目に参加するメンバー――――ユーシス、マキアス、アンゼリカ、エマ、サラ教官、アリサ、ミリアム、クレア大尉が前に出て来た。

「アインさん。」

「ハッ。――――ワジ、ルフィナ。」

「ja(ヤー)。」

「ええ。」

Ⅶ組に続くようにセルナート総長に促されたワジとルフィナがそれぞれ前に出てⅦ組と対峙した!



「!”守護騎士(ドミニオン)”と”守護騎士”クラスと言ってもおかしくない使い手の”千の腕”が相手ですか……!」

「まあ~、”外法狩り”が出てこなかっただけマシじゃないかな~?」

ワジとルフィナが自分達が戦う相手である事にクレア大尉は表情を引き締め、ミリアムは意味ありげな表情でケビンとワジを見比べ

「4人一組に分かれて各個撃破を狙って、片方を撃破した後もう片方を集中攻撃で一気に決めるわよ!」

「はいっ!!」

サラ教官の号令を合図にユーシス、マキアス、アンゼリカ、エマがワジと対峙し、サラ教官、アリサ、ミリアム、クレア大尉がルフィナと対峙した!



「フフ、守護騎士の僕相手に”紫電(エクレール)”と”氷の乙女(アイスメイデン)”のどちらか片方を回さなかった事、後悔しないといいけどね?」

「抜かせ……!返り討ちにしてくれる……!」

「貴方も元は”特務支援課”に所属していた人。だとしたら、この戦いは”特別模擬戦”の延長戦でもあります……!」

「あの時は全て負けてしまいましたけど……今度は違います……!」

「フフ、私の”泰斗”の力、どこまで通じるか試させてもらうよ……!」

「法術と”聖痕(スティグマ)”の力にくれぐれも気を付けなさい!」

ワジの挑発に対してユーシスたちがそれぞれ戦意を高めている中、セリーヌは警告した。



「まさか星杯騎士ともやり合う日が来るとはね……おかしな縁ね。」

「フフ、それはお互い様ですよ。」

サラ教官とルフィナは互いに苦笑しながら武器を構え

「集中攻撃で一気に制圧して”守護騎士”を相手にする方達のフォローに入りますよ!」

「はい!」

「アハハ、いっくよ~、ガーちゃん!」

「――――――」

クレア大尉の号令にアリサは答え、ミリアムはアガートラムを召喚した。



「七耀教会、星杯騎士団(グラールリッター)所属――――”守護騎士(ドミニオン)”第九位、”蒼の聖典”ワジ・ヘミスフィア……」

「同じく星杯騎士団(グラールリッター)所属――――”正騎士”ルフィナ・アルジェント…………」

「「我らが主”空の女神(エイドス)”の名の元に、今ここに”壁”として立ち塞がらん!いざ――――尋常に勝負!」」

「おおっ!!」

そしてⅦ組やその協力者達は”星杯騎士団”の使い手達との戦闘を開始した! 
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