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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第129話

~オルキスタワー~



「着いたか……」

「主任の話だと、かなりの人がフロアにいるみたいだけど……」

フロアの周囲を見回したロイドとエリィが呟いたその時

「お、お前達は……!?」

クロスベル警察の副局長であるピエールが研究者と共に部屋を出てロイド達に近づいてきた。

「ふ、副局長!?」

「なんだ。見かけないと思っていたがこんな所にいたのか。」

ピエールの登場にロイドは驚き、ヴァイスは目を丸くし



「そ、それはこちらの台詞だ!私はその……昨夜出された戒厳令について長官に問い合わせに来たんだ。そしたらそのまま拘束されてこちらのフロアに………」

「……そうでしたか。」

「……ご立派です。」

ピエールの話を聞いたダドリーは疲れた表情をし、ロカは感心した様子でピエールを見つめた。



「ほう?ただの腰巾着かと思っていたが、そんな事をする度胸があるとはな。見直したぜ。」

「フッ……俺の人を見る目もまだまだだな……」

ピエールの予想外の行動を知ったギュランドロスは興味深そうな表情をし、ヴァイスは静かな笑みを浮かべ

「まあ……副局長さんの事はガイさんから聞いていましたけど、そんな行動を取るとは思いもしませんでした。」

「フム。さすがにそんな行動を取れるとは私も予想していなかった。強い者に媚びるだけしかできない軟弱者ではなかったようだな。」

「いや、なんつーか、ちょっと意外ッスね。」

「この状況で上に問い合わせる度胸を持っているなんて予想外でした。」

「今まで誰かのコシギンチャクだったのに、カッコイイね、ピエール。」

セシルは目を丸くした後微笑み、ツァイトは感心し、ランディとエリゼは口元に笑みを浮かべ、キーアは無邪気な笑みを浮かべ

「フフ………みんな、彼の勇気ある行動を笑ってはいけないわよ。」

5人の言葉を聞いたルフィナは苦笑しながら言った。



「ど、どういう意味だねっ!?第一君達は、国防軍から指名手配されていたはずだろう?しかも行方不明だった局長や司令どころか、イーリュンの信徒達まで一緒になって…………局長、司令!これは一体どういう事ですか?数日前のあの宣言は本当なんでしょうか!?警察や警備隊の局長や司令はどうされるおつもりなんですか?」

「まあ、色々あってな。」

「俺達が抜けた後の後任については後でちゃんと任命するから安心しておきな。」

ピエールに尋ねられたヴァイスは静かな笑みを浮かべ、ギュランドロスは口元に笑みを浮かべて答えた。



「そちらのあなたは……IBCの技術部にいた?」

一方研究員に気付いたエリィは尋ね

「ああ……研究員のダビッドさ。俺も昨日、マリアベルお嬢さんから技術部の解散を伝えられてね。相棒もいないし、呆然としていたらこのフロアに連れてこられて……」

尋ねられた研究員―――ダビッドは答え

「………まずはお互いの状況を確認した方が良さそうですね。」

エリゼはロイド達を見回して提案した。その後ロイド達はピエールたちが待機していた部屋で軽く状況を説明した。



「そ、そんな事になっていたとは……独立国の無効宣言や局長達の宣言以来、雲行きが怪しいとは思ったが………」

「ど、どうしてこんな事に……」

「何だか悪い夢でも見ているような気分です……」

状況を知ったピエールを始めとした監禁されていた人物達は驚きの表情をし

「あ、あの………ヴァイスハイト局長、ギュランドロス司令。ディーター総裁やマリアベルお嬢様を処刑するという宣言は本当なのでしょうか……?」

IBCの受付嬢は心配そうな表情でヴァイス達に尋ねた。



「当然処刑に決まっているだろう!大陸中を混乱に陥れた上、赤い星座や結社と繋がっていた挙句、大昔からD∴G教団に支援し、影から操っていたあの二人を絶対に生かしておくわけにはいかねえ!」

「クロイス家の財産は”クロスベル帝国”が全て没収、お前達IBCはクロスベル帝国が”管理”する事になる。今後の方針についてはクロスベル帝国を建国した時に連絡する。」

「なお、メンフィル帝国もディーター・クロイス並びにマリアベル・クロイスの討伐は決定事項です。」

尋ねられた二人は厳しい表情で答え、二人に続くようにエリゼも答え

「彼らにお世話になっていた貴女達には気の毒だけど……彼らは人として決してやってはいけない罪を重ねすぎてしまったわ。」

(封聖省も間違いなく彼らを”外法”認定するでしょうね……)

ロカは静かな表情でIBC関係者を見回して答え、ルフィナは複雑そうな表情で黙り込んでいた。



「そ、そんな………IBCは一体どうなるんですか……?」

「ランフィさん………………………」

二人の答えを聞いた受付嬢は表情を青褪めさせ、その様子をエリィは複雑そうな表情で見つめ

「…………………そういえばクレイのやつはロバーツ主任に協力してるのか。どうりで、2,3日前からタワーへのハッキングの仕方が更に巧妙になってたわけだ。」

複雑そうな表情で黙り込んでいたダビッドは気を取り直して答えた。



「それで………副局長。結局、このフロアに大統領サイドの関係者は?」

「う、うむ……大統領やマリアベル嬢はもちろん、国防長官や猟兵どももいない。それに……君達の所にいたあの娘もな。」

「……そうですか………」

「一体どのフロアに……」

(勝てないと判断して逃亡したのかしら?)

ピエールの答えを聞いたロイドは残念そうな表情をし、エリィとルファディエルは考え込んだ。



「キー坊たちが今どこにいるかについても勿論教えてくれないんだよな?」

「…………えっとね……………”マリアベル達は”今オルキスタワーにいない事は確実だよ。」

ランディに尋ねられたキーアは複雑そうな表情で答え

「一体どこにいるのかしら………?」

「まさか逃亡したのか……?」

(”マリアベル・クロイス達は”という事は誰かは残っているという事ね……)

キーアの答えを聞いたセシルとツァイト、ルフィナは考え込んだ。



「………とりあえず主任からの連絡を待つべきかと。現在、大急ぎで上層エリアを調べてくれていると思います。」

「その間、このフロアにいる他のメンツでも確認しておこうぜ。ひょっとしたら何か知ってるヤツがいあるかもしれねぇ。

「………そうだな。一通り回ってみるか。」

ティオとランディの提案にロイドは頷いた。



「副局長、この場は頼めますか?」

「ああ、任せておきたまえ。!……その、君達もアレだ。あんまり無茶はしないように。真実を掴む前に倒れてしまったら元も子もないぞ?」

ダドリーの頼みに頷いたピエールはロイド達を見回して忠告し

「………はい。肝に銘じておきます。」

ピエールの忠告にロイドは頷いた。



その後ロイド達はフロア内にいる人々の確認をしている途中でがある部屋に入るとその部屋ではシズクが一人で外を見つめていた。



(あ………)

(シズク……)

(シズクちゃん……)

シズクを見つけたロイドが呆けている中キーアとセシルは複雑そうな表情をしていた。

「………………………キーアちゃん…………お父さん……………どうして……………」

「シズクちゃん……!」

シズクが悲しそうな表情で外を見つめているとロイド達がシズクに近づいた。



「あ……!」

「よかった………無事だったのね!」

「シズクさんもオルキスタワーに連れてこられていたんですね。」

「あのオッサンの事だから別の場所かと思ったが……とにかく無事でよかったぜ。」

自分達の登場にシズクが驚いている中、エリィ達は安堵の表情でシズクを見つめていた。



「ロイドさん、ランディさん……エリィさんにティオさんも………それにセシルさんやツァイト君も……………また皆さんの顔を見る事ができましたね………」

「む……?まさか……」

微笑みながら言ったシズクの言葉を聞いて何かに気付いたツァイトは不思議そうな表情をし

「シズクちゃん、ひょっとして。」

「目が……また見えるようになったの?」

ロイドが驚いている中セシルは微笑みながら尋ねた。



「………はい。キーアちゃんのおかげです。不思議な力で、目の神経を繋いでくれたみたいで……もう光だけじゃなくて……色と形もちゃんとわかりますし、以前ティア様に治して頂いた時と違って、視力も元通りです。」

「ほう………?」

「”零の至宝”の力は生命活動にも影響するのか……?」

ギュランドロスは興味深そうな表情をし、ヴァイスは真剣な表情で考え込み

「信じられん力だ……」

「まさに”奇蹟”ね……」

「ええ……”至宝”の”力”が人智を超えた力である証拠ですね……」

ダドリーは信じられない表情をし、ロカの言葉に頷いたルフィナは複雑そうな表情をし

「ティア神官長もこの事を知ればきっとお喜びになると思いますよ。」

エリゼは微笑みながらシズクを見つめた。



「いや、なんにせよ良かったじゃないか!」

「ああ……こればかりはキーアもお手柄だったな。」

「えへへ……」

ランディとロイドの答えを聞いたキーアは無邪気な笑顔を浮かべていた。



「はい……本当にキーアちゃんにはいくらお礼を言っても足りないくらいで……でも……でもっ………うううううっ!」

明るい表情で答えたシズクは急に泣き出し

「シズクちゃん……!?」

「ど、どうしたんだ!?」

シズクの様子を見たエリィとロイドは慌てだした。



「キーアちゃん、笑っていたけどとっても辛そうでした……!これが自分の役割なんだ……自分の望みなんだって無理に言い聞かせてるみたいで!本当はディーターさん達に協力なんてしたくないのに……!ロイドさんたちのところに戻りたくてしょうがないのに……!」

「あ……」

「そっか……」

「………許せん。こんな幼い少女を泣かすとは。」

「さすがに俺もこれにはキレたぜ……」

泣いている様子のシズクを見たロイド達が複雑そうな表情をしている中ヴァイスとギュランドロスは怒りの表情で呟いた。



「どうしてキーアちゃんがあんな事に……?それに……どうしてお父さんは………わたし……わたし……」

「シズクちゃん………」

悲しそうな表情で呟いたシズクの言葉を聞いたセシルが辛そうな表情でシズクを見つめたその時

「………ありがとう、シズク。キーアの事を想ってくれて。キーアもきっと喜んでいるよ……」

その時キーアがシズクに近づいてシズクを抱きしめた。



「うううっ…………グスッ………えっと……貴女はキーアちゃんのお姉さんですか……?キーアちゃんにすっごく似ていますし………」

「えっと………そんな所かな。事情があって今まで会えなかったの。キーアの友達になってくれてありがとう。」

シズクに正体を尋ねられたキーアは苦笑ながら答えを誤魔化した後微笑みながら答え

「そ、そんな……私の方こそキーアちゃんには一杯お礼が言いたいですよ……!」

キーアの答えを聞いたシズクは謙遜した様子を見せて答えた。



「……シズクちゃん。俺達はキーアを取り戻しに来たんだ。あの子や、アリオスさんたちがどこにいるか知ってるかい?」

「ごめんなさい……わたし何も知らなくって……キーアちゃんは昨日から見かけていなくて……それと……お父さんからはロイドさんへの伝言を預かりました……」

「え……!?」

「アリオスさんが……!?」

(一体何を……)

シズクの話を聞いたロイドとセシルは驚き、ルファディエルは考え込んでいた。その後シズクはある包みを机に出した。



「この包みは……」

「お父さんがロイドさんに渡してくれって……どうぞ、開けてみてください。」

「あ、ああ……」

シズクに促されたロイドが包みをあけるとトンファーが出てきた!



「……これは……」

「ま、まさか……」

「ガイさんが使っていた……」

「……間違いない。ヤツが使っていた得物(トンファー)だ。現場から持ち去られていて行方不明になっていた……」

(”ゼロ・ブレイカー”。刀傷がついている所を見ると、これで自分の事が露見する事を恐れてガイが殺害された後持ち去ったのね……まあ当時の私が見たら真っ先にアリオスが関係している事は疑ったでしょうね。)

トンファーを見たロイドは驚き、ティオとセシルは複雑そうな表情をし、ダドリーは疲れた表情で答えた後複雑そうな表情でトンファーを見つめ、ルファディエルは目を細めて考え込んでいた。



「これは……”太刀”による刀傷ですね。」

「と言う事はロイドのお兄さんを手にかけたのは……」

一方トンファーについている刀傷を見たエリゼは真剣な表情をし、ロカはシズクを気にしながら辛そうな表情でロイドに視線を向けた。

「ロイド……………」

「………………………」

エリィに見つめられたロイドは黙り込み

「……ごめんなさい……本当にごめんなさい……………お父さんが……父がロイドさんとセシルさんに酷いことを……」

シズクは涙を流して謝り続けた。



「―――シズクちゃん。負い目を感じる必要はないよ。本当にアリオスさんが、兄貴を手に掛けたと決まったわけじゃないし……どうやら、まだ見えていない、隠された真相がありそうだ。」

「……そうね。」

「え…………」

しかしロイドの口から出た予想外の答えとそれに頷いたセシルの答えを聞くと呆け

「どういう事だ?」

ランディは真剣な表情で尋ねた。



「この刀傷を見る限り、兄貴とアリオスさんが激しくやり合った可能性は高いだろう。刀傷の数を見る限り……あの”風の剣聖”を相手に兄貴もかなり善戦したんだと思う。――――だが…………」

「―――ガイの直接の死因は”銃による背後からの狙撃”。そういう事だな、バニングス?」

「はい。」

ダドリーの話にロイドは頷き

「そうなると真犯人がいるという事になるわね……そして”風の剣聖”はその真犯人を知っていて、どんな理由であるのか知らないけど自分の仕業に見せかけたかった可能性が出て来たわね……」

「あの男がまだ真実を隠しているのか……」

ルフィナとツァイトは真剣な表情で呟いた。



「あ………」

「それって……」

「―――シズクちゃん。手紙も読ませてもらうよ。」

「は、はい……」

ティオとエリィが呆けている中ロイドは手紙を読み始めた。



―――ロイドへ。長らく渡せなかった品をこれを機会にお返しする。







その品が全て――――釈明するつもりはない。全てが終わったその時、セシルと共に存分に俺を裁いてくれ。この身はどうなっても構わん。だからシズクにだけは危害を加えないでやってくれ。全ての責は俺にある。







なお、街に現れた魔導兵は白き神機が大鐘を通じて操っているものだ。白き神機を何とかすれば全て沈黙させられるだろう。







「………………………」

「……これは…………」

「……白き神機ってのは、あの映像で見たヤツか。ガレリア要塞をアイスみてぇにくりぬきやがった……」

「でも、空間を消滅させる力は使えなくなっているはずです。」

「しかしマクレインの奴、一体どういうつもりで……」

手紙の内容を読んだロイド達が考え込んでいる中、ダドリーはアリオスの真意を考え込んでいた。するとその時ロイドは”ゼロ・ブレイカー”を手に取って装備した!



「おお……」

「ロイドさん……」

「フフ、ガイさんを見ているようだわ……」

(似合っているわよ。……さすがは兄弟ね。)

ゼロ・ブレイカーを装備したロイドを見たランディは感心し、ティオは明るい表情をし、セシルやルファディエルは微笑み

「まるでお前のために誂えたみたいだな……」

ヴァイスは静かな笑みを浮かべて言った。



「ええ……不思議と手に馴染みます。―――シズクちゃん、伝言、ありがとう。ここから先は、どうか俺達に任せてくれ。キーアの事も……そしてアリオスさんの事も。」

「……はい………お父さんはずっと……悩んでいたんだと思います。お母さんのこと……わたしのこと……色々なことを考えているうちに……後戻りができなくなって……それで……グス……」

「大丈夫―――後戻りができないなんてそんな事があるもんか。」

「お父さんのことはきっと連れ戻してみせるわ。特務支援課の名に賭けて。」

涙を流しているシズクに元気を出してもらう為にロイドとエリィは優しげな微笑みを浮かべて語りかけ

「ま、こんな可愛い一人娘を泣かせるような不良オヤジは一発ぶん殴ってやらねぇとな。」

「……ですね。首に縄をかけてでも連れて帰りましょう。」

ランディは疲れた表情で呟き、ランディの言葉にティオは頷いた。



「シズクちゃん………」

「………………(彼女の処遇を考えると何とも言えないわね。)」

その様子を見たセシルとエリゼは複雑そうな表情で黙り込み

「「……………………」」

ヴァイスとギュランドロスはシズクを見つめて黙り込んでいた。



「……局長。」

「シズクちゃんがここまでしているんですから、何とかアリオスさんだけでも許してあげてください……!」

そしてロイドとエリィが真剣な表情で二人を見つめて言ったその時、何かが割れる音と地震が起こった!



「な、なんだ……!?」

「何かがタワーにぶつかったみたいだぞ……!?」

異変にロイドは驚き、ランディは厳しい表情で叫んだ。そして少しの時間が経つと大勢の足音が聞こえ

「大勢がこっちに近づいてきます……!」

「何……!?」

「まさか国防軍か猟兵共か……!?」

ティオの警告を聞いたダドリーは驚き、ランディは厳しい表情で呟き

「―――どうやら到着したようですね。」

エリゼが静かな表情で呟いたその時扉が真っ二つに斬り裂かれ、そこからリウイ率いるメンフィル兵達が次々と入って来た! 
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