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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第126話

~ウルスラ間道~



「雷光!身妖舞!!」

「ギャアアアアアアッ!?」

「なっ……!?」

「は、挟み撃ちだと!?」

エステル達と戦っている最中に奇襲してきたセリカやセリカの後ろにいるセリカの仲間達を見た兵士達は驚き

「あ!」

「セリカさん……!」

「ハハ……まさかここで強力な援軍が来るとはね。」

「おひさしぶりです。」

エステルとヨシュアは声を上げ、アドルは苦笑し、ナユタは微笑み

「――――ああ。それとお前もな………サティア。」

セリカは頷いた後サティアに微笑んだ。

「ええ、セリカ。」

「サティア、アイドスが復活した事は知っているのか?」

「ええ、勿論。私の時代のあの娘もあの娘が愛する人――――リィン……そしてエリゼやエリス、アリサやエーデルを始めとした彼を愛する多くの妻達と一緒に幸せに生きているし、子供もいるわよ。」

「ええっ!?リ、リィン君達がサティアさんの時代にまで生きているってどういう事!?確かサティアさん、200年くらい先の未来から来ているって言ってたわよね!?何で”人間”のリィン君達がそんなに長生きできるのよ!?というか今さり気なくあたし達の知らない人の名前も出たわよね!?」

セリカとサティアの会話を聞いたエステルは信じられない表情で声を上げ

「わ―――――――ッ!サティアさん、さり気なく未来の出来事を口にしないでよ~~~!?」

「ハハ……この場にリィン達本人がいないのが不幸中の幸いだね……」

慌てた様子で声を上げて指摘するミントの様子をヨシュアは苦笑しながら見つめ

「……――――大方アイドスが奴らに”神核”を分け与えたか、もしくは”使徒”にでもしたのだろう。それに今はそんな事を気にするよりも先に優先すべき事があるな。」

「そうね。」

セリカは静かな表情で推測した後棒を構えたサティアと共に攻撃を仕掛けた!



「――――そこだっ!!」

セリカは電光石火で装甲車に襲い掛かり

「ハァァァァァァァァ………!!」

そこにサティアが棒による怒涛の連続攻撃を放った後一旦下がり

「「奥義!太極無双撃!!」」

セリカが飛燕剣――――枢孔紅燐剣を放つと同時にサティアと共に武器を地面に叩きつけた!すると地震が起こり、装甲車の地面からすざましい衝撃波が現れ、さらにセリカが放った剣技による分け身の衝撃波が襲い、最後に二人の闘気による大爆発が起こり、二人の協力攻撃によって装甲車は木端微塵に粉砕され、爆発の煙が晴れるとそこには全身ボロボロになって地面に倒れている兵士達は身体をピクピクさせていた!



「凄―――――い!!」

「再会したばかりなのにもう既に息ピッタリだなんて……」

「………あの二人だからこそできる事ね。」

「ええ………」

二人の協力技を見ていたミントがはしゃいでいる中マリーニャは苦笑し、エクリアとシュリは微笑み

「って、こら――――――ッ!何で勝手にあたし達の協力技(コンビクラフト)を完全にパクった上、しかもあたし達の目の前で使っているのよ!?」

「まあまあ、別にいいじゃないか。」

二人に怒鳴りつけているエステルにヨシュアは苦笑しながら宥めていた。



「ヒィィィィィッ!?」

「な、生身で装甲車を破壊するだと!?」

「奴等は化物か!?」

一方兵士達は悲鳴を上げ

「私達は”化物”なんかじゃない………」

「俺達を呼ぶに相応しい言葉。それは………」

サティアとセリカは静かな口調で呟き

「「”戦女神”!!」」

それぞれ同時に武器をそれぞれ”天秤の十字架(ラクスリブラクルース)”と”絆の神剣(リブラクルース)”に装備し直して、それぞれの剣を構えて叫んだ!



「―――行くぞ、サティア。少しでも早く争いを無くす為に。」

そしてまるで再会を喜んでいるかのように光輝く”絆の神剣(リブラクルース)”を構えたセリカはサティアに視線を向けて言い

「うん……!」

セリカの言葉に頷いたサティアはセリカと共に戦闘を再開し、エステル達も戦闘を再開した!





~クロスベル市~



「何とか課長たちと連絡を取りたいけど……なんだ?この青白いモヤは?」

一方その頃市内に潜入したロイドは青白いモヤに包まれた周囲を見回し

「毒ガスや催眠ガスの類いって訳でもないわよね?」

「私達が攻めて来た際に備えて何らかの”儀式”を行ったのかもしれないわね……」

「生物に影響がないといいのだけど………」

「さすがにそこまで愚かな事はしないと思うのですが……」

カーリアンは周囲を警戒し、ロカは真剣な表情で推測し、エオリアは心配そうな表情をし、リタは真剣な表情で呟いた。



「まるで僧院や塔で出ていたような………」

「何となくですが………以前リフィア捜索の時に入った”僧院”の雰囲気に似ている気がするのですが……」

「た、確かにそうですね。それに人通りも………全然ありませんね。」

エリィとエリゼの意見に頷いたノエルは不安そうな表情で呟き

「まあ、街の外で戦闘が起こっているから避難してるんだろうけど………」

「お父さん達は大丈夫かしら?」

「……いくら何でも民に手をかけるほど(ディーター)は愚かではないだろう。」

「そんな事をすれば、民達がどんな反応をするかわかりきっていますしね……」

「………………………」

ワジは考え込み、セシルは心配そうな表情で呟き、ツァイトとエリナは重々しい様子を纏って呟き、ティオは呆けた表情で黙り込んだ。



「ティオちゃん?」

「なんだ、どうした?」

その時ティオの様子に気付いたエリィとランディがティオを見つめて尋ねた。

「………中央広場から共鳴音が聞こえます。あの大鐘です。」

「ええ、私達にも聞こえました。」

「”僧院”の時と同じ音だよ!」

そしてティオとセティ、シャマーラはそれぞれ答え

「なに……!?」

答えを聞いたロイドは声を上げ

「……行ってみましょう。」

リーシャは真剣な表情で提案したその時、ガシャガシャと音が聞こえて来た!



「何だ、この音は……?」

「何かが近づいてきている……!?」

「――――来るわ。」

音を聞いたランディは眉を顰め、エリゼは警戒の表情をし、ロカが真剣な表情で忠告すると中央広場の方面から人形兵器が歩いてきた!



「”星見の塔”にいた……!?」

「錬金術によって創られたゴーレムか。」

人形兵器を見たエリィとツァイトは厳しい表情をし

「同じ魔導のゴーレムですが遥かに危険そうです……!」

ティオはロイド達に警告した。するとその時!

「ハァァァァ……ッ!!」

ルフィナが背後から奇襲し、人形兵器をあっという間に滅した!


「へ…………」

「あ、あら?あの方……リースさんに似ていないかしら?」

「ええ。それにあの容姿は確か”影の国”で見た…………」

「まさか…………」

「アッバス達と似ている騎士装束を纏っているって事はワジ、お前の知り合いか?」

ルフィナの登場にロイドは呆け、エリィは戸惑い、リタは静かな表情で頷いた後真剣な表情をし、ある事に気付いたティオは驚きの表情でルフィナを見つめ、ルフィナの服装を見て何かを察したランディはワジに視線を向け

「おいおい……何で6年前に死んで、死体もちゃんと埋葬されたはずの君が今この場にいるんだい?―――正騎士”千の腕”ルフィナ・アルジェント。」

ワジは戸惑いの表情で見つめて言った後真剣な表情でルフィナの名を口にした。



「ええっ!?じゃ、じゃあ目の前の方は既にこの世を去っているのですか!?」

「ま、まさか幽霊か不死者~!?」

「い、いえ”死者”の気配を感じませんから目の前の方は”生者”です。」

ワジの言葉を聞いたセティは驚き、シャマーラの推測をエリナは戸惑いの表情で答え

「あら?”アルジェント”って事は……」

「まさか……リースさんの!?で、でも確かリースさんの話では彼女のお姉様は6年前に……」

「―――”千の腕”。私も聞いた事があります。ただ彼女は6年前に亡くなったと聞いていますが……」

ある事に気付いたセシルは目を丸くし、エリィは驚いた後戸惑いの表情をし、リーシャは真剣な表情でルフィナを見つめた。



「―――おひさしぶりです、ヘミスフィア卿。我らが主神”空の女神”より”ゼムリア大陸の歴史を守る為”に私の協力も必要との要請を受け、拙い身でありますすが”星杯騎士”として”空の女神”の要請を受ける為に過去の時代より参上しました。」

するとその時ルフィナはワジを見つめて会釈をして説明をし

「なっ!?と言う事は……!」

「ミントが過去からルフィナを連れてきたんだろうね。」

「”影の国”の時と違って正真正銘のリースさんのお姉さんですか……」

「ケビンさんが言っていた”協力者”はルフィナさんの事だったんですね。」

「アハハハハハハハハハッ!”空の女神”どころかまさか”千の腕”まで連れて来るなんて、もはや何でもありな状況になってきたね♪総長も彼女が過去から来ている事を知ったらさぞ驚くだろうね♪ケビンとリースの事だから君と再会した時、取り乱したんじゃないかい?」

ルフィナの説明を聞いたロイドは驚き、キーアは静かな表情で呟き、ティオは目を丸くし、リタは苦笑し、腹を抱えて笑ったワジは口元に笑みを浮かべてルフィナに問いかけた。



「ふふ、今は時間がありませんので二人の反応については後で本人達に確かめてください。――――これよりクロスベル解放並びに空の女神の戦いが終わるまで私も”空の女神”やその一族の方達と共に皆様に協力致しますのでよろしくお願いします。」

「は、はい!ありがとうございます!」

「フフ、これはまた心強い援軍だね。さてと、中央広場に急ごうか。」

ルフィナの申し出にロイドは明るい表情で頷き、口元に笑みを浮かべたワジはロイド達を促した。そしてロイド達は走り出して中央広場に到着した。



~中央広場~



中央広場に到着するとそこには共鳴している大鐘に青い結界が包み込まれていた。

「これは……!」

「クロスベル市を包んでいた”結界”と同じような……」

大鐘の様子を見たロイドとエリィは厳しい表情をし

「多分、同質のものです。………そして鐘の共鳴がこのモヤを発生しているのかと。」

ティオが真剣な表情で答えた。



「おいおい、何のために―――」

ティオの答えを聞いたランディが表情を厳しくしたその時、鐘の音が聞こえてきた。

「これは……!」

「―――来るわよ!」

「―――気を付けて。周囲から来ます。」

音を聞いたノエルは驚き、エオリアとリーシャは警告し

「しかもこれは………」

「はい………」

ワジとルフィナは厳しい表情をした。するとロイド達の目の前に大型の人形兵器が数体現れた!

「―――囲まれましたか。」

「とっとと片付けるわよ!」

そして警戒の表情をしているエリゼが呟き、カーリアンが号令をかけたその時!

「ギュランドロス!!」

東通りから現れたヴァイスがゴーレム達に向かって突撃しながら叫び

「おうっ!!」

西通りから現れたギュランドロスは突撃しながらヴァイスの叫びに頷き



「「双覇の挟撃!!」」



協力技(コンビクラフト)を叩きこんで一瞬でゴーレム達を滅した!



「局長!?」

「そ、それにギュランドロス司令も……!」

「一体どうしてこちらに……?」

「まさか国防軍や赤い星座の防衛網を潜り抜けてきたのかよ!?」

街道で戦ったいたはずの二人の登場にロイド達は驚きの表情で二人を見つめていた。



「おう!オルキスタワーの制圧に俺達自身が乗り込んで制圧しないと締まらないだろう?」

「赤い星座の方も既に指揮している猟兵を真っ先に討ち取ると混乱していたからな。その隙をついて市内に潜入するなど俺にとっては容易い事だ。」

ギュランドロスと共に説明をしたヴァイスだったがすぐに表情を引き締めた。

「しかし………何故街中にあんな物がうろついている?」

「追い詰められたディーター達が血迷って放ったのか?」

「そ、そんな………絶対に許されないです!」

「ええ……自暴自棄になったからと言って民達を巻き込んでいい理由ではないわ。」

ヴァイスの疑問を聞いて推測したギュランドロスの話を聞いたノエルは怒りの表情で声を上げ、ロカは厳しい表情をし

「ついに墜ちる所まで”墜ちた”のか……?」

「お父さん………お母さん……………」

ツァイトは厳しい表情で呟き、セシルは心配そうな表情になった。



「でも、可能性としてはそれが一番ありそうだね。どうやらこの”鐘”も関係していそうだけど……」

「可能ならば今すぐに封印処置をしたい所ですが……」

そして大鐘を見つめたワジとルフィナが呟いたその時

「あ………!」

「……また来ます!」

何かに気付いたティオが声を上げ、リーシャが警告した!するとロイド達を囲むようにさらに数を増やしたゴーレム達が現れた!



「………しまった!」

「チッ………ヤバイな。」

囲まれた事にロイドは声を上げ、ランディは舌打ちをし

「ゴーレムの分際で包囲とは生意気じゃない……!」

「すぐに破壊すればいいだけの事です。」

カーリアンとリタは不敵な笑みを浮かべた。そしてゴーレム達がゆっくりとロイド達に近づこうとしたその時銃撃が放たれ、銃撃を受けたゴーレム達は銃撃が来た方向を見つめた。すると東通り方面からセルゲイとダドリーが現れた!



「課長……!」

「ダドリーさんも!」

「二人とも、久しぶりー。」

セルゲイ達を見たティオは声を上げ、エリィは明るい表情をし、キーアは無邪気な笑顔を浮かべ

「フッ、やっと来たか。」

「話は後だ!こちらに付いて来い!」

セルゲイは口元に笑みを浮かべ、ダドリーはロイド達に指示をし

「はいっ……!」

「合点承知だぜ……!」

ダドリーの指示にロイドとランディは頷いた後、セルゲイとダドリーが銃撃で足止めしている隙を狙って東通りへと向かって行った。



その後、ロイド達は青白いモヤの出ている市街地を複雑なルートで走り抜け……旧市街の一角からジオフロントD区画に辿り着き、クロスベル市内で”来たるべき時”――――”クロスベル解放”に備えていたクロスベル警察を始めとした有志達と合流し……突入作戦の最終的な段取りをセルゲイたちと話し合い、突入作戦の際に使う特務支援課の所有物である2台の導力車を使う事になった。そして導力車を確保する前に街を見て回った後、導力車が動くかを試していると突如キリカ補佐官による通信が来て、”情報交換”を望む彼女の要請に応える為に待ち合わせ場所であるクロスベル駅の指定された場所に向かった。 
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