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デート・ア・ミュージック

作者:事の葉
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恐怖の少年

 
前書き
初めましての人は初めまして、前作を見て下さった方はお久しぶりです。事の葉と申します。
自己紹介を簡単にさせていただきますと、現在中学生ではありますが、トラウマを持っており中々行くことの出来ない、不登校と通常の中間にいる人間です。また、小説投稿を趣味にしている者です。

自己紹介が苦手です。

まぁ、とりあえずご覧くださいませ。 

 
 五月の中頃、雨こそ降っているものの、突飛な雨は最近減って来ている。勿論0ではないが、それも少なくなったのは違いない。
「シドー!一緒に帰るぞ!」
 カバンを持ちあげ、ふと周りを見渡した時、膝まであろうかという長く美しい夜色の髪と、そこから覗かせる水晶の如き双眸を携えた美少女、夜刀神十香がグイグイと近寄って来る。
「駄目。士道は私と帰ると約束している」
 十香がぐいぐいと教室の扉に連れて行こうとすると、図ったようなタイミングで人形のような少女が左手を掴む。肩をくすぐる程度の美しい白銀の髪に、人形のような顔が特徴的な、鳶一折紙だ。
「ぬ。私は朝に約束しているのだ!」
「私は前日から約束していた」
「いや、それは・・・」
 流石に無いだろうと言おうとしたが、何故か折紙さんが恐ろしい目を士道に向けていて、続けることが出来なかった。
 十香がぐぬぬぬと悔しそうに声を上げる。
「あぁもう!3人で帰ればいいだろ!」
 士道が耐え兼ね、周りを気にせず大声を上げる。
 二人とも、成程、と声を上げ理解してくれたようだ。




 学校から出る時には、雨はもう上がり、雲は赤く染まる空を見せるように姿を隠した。
「通り雨だったか?」
 士道がそんなことを考える。しかし、少し辺りを見渡すと、電線に停まっていた10羽程の烏が何かから逃げるように同じ方向へ飛び立ち、鳴いている。アニメであれば、この後すぐに、非現実の世界に入るといったところか。
 そう考えると、自然と恐ろしく感じる。
 気づけば、胸騒ぎがしていた。何か起こるのではないか、と。もしかしたら、アニメの見過ぎかもしれないが。







―――――ウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン







 そんな時に、街中に設置されたスピーカーからけたたましいサイレン音が鳴り響く。このサイレンが鳴る時に起こる災害は、世界共通で、たった1つしかない。
「空間震警報」
 隣にいた折紙がポツリと回答を呟いた。
 空間震、空間の地震と称される突発的に発生する災害だ。発生原因不明。街がまるで、大怪獣が暴れまわったかのような凄惨な光景となる迷惑極まりない災害だ。
 サイレンが鳴り終わり、次いで女性の避難を促す声がスピーカーから響く。
 それに気を取られていると、左にいた折紙が姿を暗ましていた。
「精霊か」
 士道が呟く。
 精霊、この空間震を発生させる原因、特殊災害指定生命体の通称だ。圧倒的な力を持つ為、人間の天敵、世界の災厄と言われている存在だ。
「シドー!私はどうすればいい!?」
 隣にいた十香が大声を上げる。彼女もまた、精霊である。同種が人間に狙われるのが嫌なんだろう。
「四糸乃とよしのんと一緒に避難してくれ!」
 士道が彼女に負けんばかりの大声を上げる。能力の殆どを封印されている為、十香もそれ以外の選択肢が無いことに気づいたのだろう、少し渋った顔をした。
「シドー、気をつけるのだぞ」
 自分の意思を押し殺すように握り拳を作った十香が、既に目と鼻の先にある家に入り、四糸乃と『よしのん』を連れだす。
『士道、すぐ回収するわよ』
 反射的に耳に取りつけていたインカムから、妹・琴里の可愛らしい声が聞こえる。それに、あぁ、と答えると、奇妙な、ジェットコースターで急降下するようなあの浮遊感が全身を襲った。











 天宮市の来禅高校から少し離れた商店街に、警報を鳴らした正体がいた。
 身長位はあるのではないかという程長く美しい白銀の髪、顔は俯いていて分からない。しかし、服は男性アイドルユニットが着るような、かっこよくも可愛い黒色の服であった。所々には、白いウネのようなものが描かれているその服は、少し、というか、泣いている心情とは全くと言っていい程別物だった。
 そんな容姿を持った花音(かのん)は、しくしくと泣いていた。
 周囲をグシャグシャにしたからか?
 クレーターみたいに地面を抉ったからか?
 トラウマが甦ったからか?
 否、全て違う。
 単に、悲しいのだ。
 普通に生活していると、時折突発的に起こる力の暴走で、毎回独りになってしまう。
 充血した目で空を見上げると、5人程の人間が、機械を纏って空中に浮遊していた。手に持っている銃は、冬香を殺すのには足りるだろう。肩と足に付けられたミサイルパッチのようなものも持ち、明らかに殺す気満々だ。
「来ないで・・・怪我させるのは、嫌、だから」
 蚊が鳴くような小さな声を発し、右手を上空に向け、顔を俯かせる。
 しかし、その思いは届かず、上空から幾つものミサイルが細い煙の軌跡を描きながら、花音目がけて発射される。
「なんで、なの?酷い、よ」
 時々しゃっくり混じりの声がいうと、冬香の後方、上空に幾つもの音符が取りつけられた五線譜が現れる。
「〈創音竜(ポボルバルム)青銅鐘(ベル)広域曲(アラルカンド)
 五線譜が蛇が散るように周囲へと散り、空に消えると同時に、そこには、攻撃するとは思えないものが現れた。巨大はハンドベルだ。教会の鐘にも似た装飾が施されているが、持ち手はある。例えるのであれば、画像のハンドベルをそのまま巨大化させたようなものだ。
 正体は、天使だ。
 精霊を精霊たらしめる絶対の矛。
 形を持った奇跡。




 ――――――天使――――――



 花音の天使、創音竜(ポボルバルム)は、下げていた振り子(クラッパー)がゆっくりと、時間をかけて上がる。かと思えば、ハンドルと振り子が丁度正反対に達した頃、がん!と音がするのではないかという程素早く残像を残し、巨大なハンドベルは元あった場所へと戻った。
 まるで壁に叩きつけられたかのように、また、安全システムが急に発生したハンドルのようにピタリと止まり、低く、ビブラートの発生した巨大な音域を周囲にドーム状に一度、発生させた。音域が広がり、ミサイルを通り過ぎた時、ミサイルはその場に数秒留まり、くしゃりと歪み、その場で爆発した。
 上空にいる人間達は、ソーラーパネルの面を緑色にさせたようなものを展開し、音圧からの攻撃を耐えているようだ。
 不思議に思っていると、後方、空間震で抉れた地面の上から、人の気配がする。
 丁度先程音が虚空へと消えたところだ。
「誰?」
 充血した瞳を人の気配のする方へ向ける。
 そこには、青く癖の強い髪と、そこから覗く茶色の目をした青年が、学生服らしき服を着て、肩で息をしていた。
 花音が聞いてみるも、答えは聞こえてこない。まぁ、当たり前といっちゃ当たり前だが。近い距離でもないし、元から大声とはかけ離れた声と、泣いて枯れた喉で届く訳がない。
 男は右耳に手を当て、口をパクパクさせ、ひとしきり喋り(?)終えると、何を思ったか、二人はこちらに歩み寄ってきた。花音はほぼ無意識的に立ち上がり、後ずさりを始める。
「落ちついてくれ!俺は見方だ!」
 男が声を上げる。
 しかし、それを信じろという方が馬鹿げている。見方だという証拠が何処にある?


 ――――そう言われて何度裏切られた?


 忌々しい記憶が脳裏をよぎる。
 近寄って来る男に、目を白黒させる。
音銃(トランペット)
 ふるふると震える手を上に上げると、上空にいたベルの状態を保っていた天使が五線譜で姿を隠す。そして、そこから現れた通常サイズのトランペットに酷似した状態に変化した天使がバトンのように回転しながら花音の手に収まる。
「待ってくれ!話だけでも聞いてくれ!」
 男がやけに慣れたといった声を上げながら大げさな素振りを見せる。
「やめ、て。来ない、で」
 恐怖に泣きだしそうになった心をなんとか抑え、小さな声を上げる。
「近寄らなければ大丈夫か?」
 言って男はピタリと足を止める。それに花音が小刻みに頷く。
「俺は五河士道(いつかしどう)だ。敵じゃない」
 その場に止まった男、五河士道が名乗る。
「花音、小鳥遊花音(たかなしかのん) 
 

 
後書き
第一話、ありがとうございました。
今回書いたのは、モンスターハンターとデート・ア・ライブのクロスオーバー?作品です。
モンハンの方は全部HR解放済み、最近買った4Gをインターネットプレイ中。
デアラは7巻を除いて10巻まで買いました。
まぁ、二つとも好きな訳です(七罪と四糸乃可愛いよ・・・)
私はロリコンなのでしょうか?


いいえ、違います。デアラの子全員好きなんです。

まぁ、そんなことはさておき、裏話というか、設定についてのお話です。

まずは、花音ちゃん、いや、花音くんのショタ設定ですが、色々と振りまわせそうなので。それと、私が好きなだけです。
で、小鳥遊という名前なんですが、たかなしと呼びます。結構アニメで有名な名前ですよね。でも、実在するんですよ。それと余談ですが、「音無」みたいな音の入った名前を使おうと思ったんですが、そこを名前に移しました。
花音っていう名前は、気分です。


さて、次回はまだ未定ですが。結構長く続ける予定でございます。

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