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がっこうぐらし!The world in confusion

作者:ウィング
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番外編
  外伝『異界の友との再会』

 
前書き
どうも~ウイングゼロです

今回は息抜きということで本編とはあまり関係のないシナリオとなっております

前回にコラボしたアニメ大好きさんの初音島の魔法使いとの再度コラボです、今回は雄也と優花が誠の世界に行きます

時系列は第一章が終わり第二章での話になりますので少々ネタバレも含まれます、それでも構わないかたはお進みください
 

 
「はぁ…一刻を争うんだけどな…」

海鳴市の月宮家そこのリビングで俺はソファーにもたれながら今この世界で起きている事象を考え込んでいた。

世界が融合した多元世界…関東を中心に発生する次元のゲートによって出てくる魔物…ゲートに吸い込まれ、行方不明になる人達…問題が山というほど存在した。

既に巡ヶ丘事変から3週間が経っておりその戦いが終わった先が平穏とは言えないが問題を抱えた世界が広がっていた。

「ジュードの調査しだいか」

この件にジュードも手伝ってくれて、今は次にどこにゲートが発生するかそれを調べてもらっている。

「もう、働きづめだよ、お兄ちゃん」

そんな今後のことを考えていると台所からホットミルクがはいった容器を持ちながらソファーに歩いてくる優花は俺のことを心配してそのような言葉を口にする。


「大丈夫だよ…といいたいけど…流石に今回は…な」

一人でやるには大きすぎる、事情を知っている優花とジュードの二人には少し手伝っては貰っているが…

「少しは息抜きしたほうがいいよ、巡ヶ丘の時みたいに切羽詰まってる訳じゃないんだし」

優花のいう通り、魔物と行方不明を除けばこの世界は至って平穏だ…

「それに、悠里達に事情を話して協力してもらったらどうなの?」

「それはダメだ、もう悠里たちには危険なことに関わってほしくないからな」

優花が悠里たちに助けを求めたらどうかと提案するが俺はすぐさまそれを拒否する。

「…はぁ…そこまで拒むの…それじゃあ不本意だけど気分転換にあの変態男のところいく?」

「変態男…ああ…誠のところか」

未だに許せないだろうな…誠のこと

「そうだな…それも悪くないかもな」

なら少しお言葉に甘えて俺はソファーから体を起こし外に出る準備をすると同じく完了した優花と共に以前に祐輔さんから貰った転送装置を使い世界を越えた。


誠の世界 初音島

「よっと到着っと」

誠の世界に到着すると人目が見えないように桜並木が立ち並ぶところに転移した俺達は先ずは辺りを確認し誰もいないかを確認する。

「…居ないな」

いないことを確認すると桜並木を抜けて公園へとたどりつく。

公園では人が少なからず往来しておりこれを見ると穏やかと思えてしまう。

「ここが一年中桜が舞う初音島…か…本当に桜が満開なんだね」

『桜が舞う初音島』には始めてきた優花はその咲き誇る桜に見てれている。

「…にしても、寒いな…もしかしてこっちは今冬か?」

今俺たちの服装な半袖のラフな格好で俺達の世界ではまだ夏でまだ暑いからこの服装では寒いのは当たり前である。

「さてと、誠は学校…」

そういいきる前に悲鳴と爆発音が鳴り響いた。

「お兄ちゃん!! 」

「はぁ…息抜きもくそもないな…全く!」

ため息をはきながらも放っておけないために悲鳴が聞こえた方向へと走り出した。

悲鳴が聞こえた場所へと急行したどり着いた場所は俺が少しの間学舎であった風見学園

そこの校門前には誠の世界の敵であるファントムの雑兵、グールが群れをなして風見学園へと押し寄せていた。

「何あれ魔物!?」

「いや、怪物なのは間違いないが…誠の話だとあれはファントムという怪物の雑兵のグール…一体ずつはそこまで強くないけどあそこまで群れでこられると厄介かもな」

桜並木の道を抜けてグールの後方からやって来た俺達はグールをみて驚く優花に俺は誠から教えて貰った情報を補足した。

「それに校門の前で足止めされてる…あれは…誠…じゃないな」

グール達は校内には侵入できておらずその校門の前で謎の…たぶん、仮面ライダーだと思われるライダーが防衛していた。

「まあ、たぶん味方で間違いないだろう、誠が居ないのは気になるが…助けるぞ、アーク!」

「うん!オスカー!」

「「セットアップ!!」」

助けることを決めて走りだし俺達はデバイスを起動させてバリアジャケット、今回は顔を隠すためにフードつきのマントを装着し、後ろから俺はセイクリッドスラッシュを先制して放ち密集するグールを吹き飛ばして倒す。

「な、なんだ!?」

門前で戦っていた仮面ライダーも俺達に気づいたのか突然のことで動揺を隠せないようだが、そんな中でも俺は仮面ライダーの元へと直線で進み行く手を遮るグールを確実に切り伏せてライダーの元へとたどり着く。

「こんにちは、まあ話はあとだな、さっさとこのグール達をたおそう!」

「あ、ああ!」

突然話しかけられて共闘すると言われたら動揺しながらも頷きグール達を倒すために動き出す。

グール達の槍をアークで弾きながら脇腹にアークで切りつけて一体一体、倒していく。

「もっとぱっぱと倒せる方法ない…あっ!なあ仮面ライダー、こいつらって魔力で出来ているんだよな」

「え!?ああ、確かそうだったはずだったけど…」

ライダーに確認をとり、そうだと聞くと俺はすぐさま優花に指示を出す。

「優花!グールは魔力の塊だ!!全力で捕食しろ!!」

「え?捕食?」

「あっ!そっか!なら!」

指示を飛ばし隣ではライダーが言葉の意味をわからず首を傾げているが優花はその事を理解するとオスカーをランスから捕食モードを切り替える。

「てりゃぁぁあっ!」

「ええええっ( ; ゜Д゜)!?グールを食ったぁぁぁっ!?」

オスカーを持って纏めて捕食するために回転し周囲のグール16体を纏めて捕食した。

「優花!一気に決める!」

「うん!受け取ってお兄ちゃん!!」

俺は空高く飛び上がり、それを見て優花は捕食したグールの魔力を俺めがけて放ちそれをアークに纏わせるとアークはすさまじい魔力光を纏い俺はそのアークを着地と同時に地面へと突き刺した。

「合体奥義!シャイニング・ディザスター!」

すると俺から周囲に半径30メートルに魔法陣が形成されてその範囲内の地面から光の柱が次々と天に向かって放出し、巻き込まれたグールは一撃で撃破された。

シャイニング・ディザスターは空間魔法で回りの器物損壊にはならない、俺が敵だと思っているものしか害はないからこういうところでも使っても問題がない。

本来なら威力は範囲攻撃のために拡散しているのだが今回ばかりはグール魔力が多かったから威力も強かった…本当に優花って魔導士キラーだよな…まあ今回はファントムだけど…

「ふぅ…ようやく片付いたな…」

突き刺したアークを引き抜きながら俺は仮面ライダーを見る。

「あんた達は何者なんだ…」

十中八九、そう訪ねるのはわかってはいた…教えたいところなんだが…とりあえず…

遠くからサイレンの音がする…これはパトカーが来るな

「とりあえず、パトカーがくるから身を隠せるところにいこう…話はそれからだ」

「そうだな…ならこっちだ」

身を隠すことを提案すると仮面ライダーは了承して先頭だって俺達を案内してくれるようで俺達はその仮面ライダーの後を追いかけた。

仮面ライダーに連れられて来たのは風見学園の焼却場、ここなら余り人が来ないから大丈夫だと踏んだからだろう。

すると仮面ライダーは辺りを見渡して俺達以外誰もいないことを確認したのちに仮面ライダーの腰につけているドライバーからUSBらしきメモリーを向くと変身が解除されて、その変身者の正体を見て俺は驚いた。

「助けてくれて、ありがとう…お陰で怪我人も誰も出さずにファントムを倒すことができた、俺は…」

「義之!?なんで義之がここに!?戻ってきたのか!?自力でロストフロンティアから帰還…ふぐっ!?」

仮面ライダーの正体が義之だと知り大いに取り乱した俺にたいして優花はこのパターンのお約束である無言の腹パンを放つ。

「はっ!?ついやっちゃった…大丈夫!?お兄ちゃん!?」

「だ、大丈夫だ…問題…ない」

綺麗に優花のパンチが入ったが…これのお陰で冷静になれた…そうだ、目の前にいる人物は誠の世界の義之だ…決して俺の世界の行方不明になっている義之じゃない

「おい…本当に大丈夫か?」

綺麗な鳩尾を食らった俺に対し心配になって声をかける義之…世界が変わっても義之は義之か…

「ああ、すまない、取り乱して、余りにも君が俺の友人に似ていたからな…っと自己紹介がまだだったな」

そういって俺はバリアジャケットを解除して、続いて優花もバリアジャケットを解く。

「俺は月宮雄也…まあ、元騎士で今は流浪の傭兵…っといったところだ、っでこっちは」

「妹の月宮優花です」

俺達は義之に対して自己紹介をすると義之は何か思い当たる節があるのか首を捻らせて考え始める。

「月宮雄也に…優花…それって誠が言ってた…」

「誠?ああ、その誠がいってる雄也と優花で間違いない…ってことはあっち関係も知ってるみたいだな…そこら辺は話が早くて助かる」

どうやら、聞いているようだから要らない説明の手間が省けた。

「そうか!誠が言ってた異世界にいったときに一緒に戦った友人か!それじゃあ、俺の自己紹介は要らないみたいだな」

「ああ、桜内」

「俺のことは義之でいいよ…そっちの方が呼び慣れてるだろ?」

「なら、そうさせてもらう」

とりあえず互いに軽い自己紹介はすんだあと隣の優花が気になっていたことを聞こうと義之に訪ねる。

「ねえ、さっきから気になってたんだけど…あの変態男は?」

「変態男?」

誠のことね…そういえば最後まで現れなかったし…熱でも出して寝込んでるのか?

「ああ、誠のことだ、まあ、優花とはひと悶着あってな…察してくれ」

「わ、わかった…誠のやつなにしでかしたんだよ…」

まあ、気になるわな…

「それで誠についてなんだが…」

話が脱線してしまったために再度俺が義之に聞いてみる。

「誠なら今初音島にいないんだ…今は東京の音ノ木坂に音姉と一緒に行ってるんだ」

「音ノ木坂…」

その地名には心当たりがあった…俺の今の世界にもある地名だ…

「誠は音ノ木坂学園の男子生徒のテスト生ってことで留学してるんだ」

ん?男子生徒?テスト生?…それってまさか…

「なあ、義之、まさかだと思うが音ノ木坂学園って女子高?」

その二つの要点から浮かび上がった答えを義之に聞いてみると無言で頷く。

「…なあ、義之、俺は今無性に誠のことが心配になってきたんだが…」

「…やっぱり、雄也もわかるよな…」

「「あの誠が女子高行ってフラグを立てないわけがない!!」」

「え?フラグ?旗がなに?」

フラグの意味がわからない優花は置いておいてあの誠が既に何人も落としてる誠が落とさないはずがない!そこのところの情報は祐輔さんから全部聞いたよ、そんとき、あっ、俺だけじゃなかったと思ったもん俺も恋人二人いるし

…でも、妙だな…

流石の誠も抵抗もなく女子高にいくはずもない…恐らく押しきられたと思うけど…それだけですんなりいけるとは思えない

何か裏がある?誠がテスト生でなければならなかったことが…なにか

俺の元局員としての推理力と直感がそう告げている…この件は何かただ事ではないと

「…そうだ、今ってさくらさんっているの?」

「え?さくらさん?それなら学園長室に雪とアリシアと一緒にいるはず」

「え?由紀?」

由紀とアリシアも一緒?こっちにも由紀がいるのか?アリシアって…なにかの間違いだよな

「会いたいんなら連れていってやるよ、二人でうろうろされると怪しまれるからな」

義之の言葉に一理あると俺は頷き俺達は義之と共に学園長室へと向かうために校内へと入っていった。

風見学園の校舎内を義之を先頭に歩く俺達

私服の俺と優花もいて視線は感じるなかほとんどの生徒は先程のファントムの襲撃の話題で一杯でこちらを気にするのはごくわずかだけだった。

「さてと、さくらさん、いますか?」

っと考えているうちに学園長室にたどり着きドアの前でノックをすると中から足音が聞こえてくる。

「義之くん?どうしたの?ってそちらの二人は…」

「っ!!」

ドアが開かれ中からはさくらさんが現れて義之になにしにきたのかを訪ねようとしたとき、後ろにいる俺達に気づく。

そして優花もさくらをみた瞬間いきなり警戒し、俺はそれを静する。

理由はわかっちゃいるが目の前のさくらさんは俺達のさくらさんではないというのはわかりきっていることだから、だからこと、優花を止めた。

「誠の知り合いでさくらさんに聞きたいことがあるみたいなんで」

俺が優花を止めていると話は進む、さくらさんはとりあえず入ってと中に入れると、中には先客の二人の女の子がいた。

「パパ!」

え?パパ?

そんな疑問を思いながら金髪の女の子が義之に抱きつく。

「アリシア、パパはさくらさんにお客さんを連れてきただけだから、もうそろそろ教室に戻らないといけないんだ」

やさしく金髪の女の子の頭をなで、撫でられている女の子も気持ち良さそうにご機嫌であった。

「お昼になったら一緒にご飯食べような」

「うん!行ってらっしゃいパパ」

そういって俺達を残して義之は教室へと歩いていきそのあと俺は視線をさくらさんに戻す。

「それで、君たちは僕になんのようなのかな」

「とりあえず自己紹介を俺は月宮雄也っでこっちは妹の優花…以前に誠に世話になったことがあって…」

「雄也くんに優花ちゃん…ああ、行方不明になったときにお世話になったっていう…」

「いやいや、こっちの方が誠に助けられたから…それで今誠は…」

そう言うとさくらさんは少し苦笑いする表情でみせる

「あ~いま、誠くん僕の知り合いの学園へ行ってもらってるから今はここにはいないんだ」

「それはさっき義之から聞いたよ音ノ木坂学園にいってるんですよね」

「うん、男子生徒のテスト生としてね」

「…表向きは…そうなんでしょうね」

そう、俺が口にした瞬間にこにこと笑みを浮かべていたさくらさんの表情は一変し驚いた表情になる。

「ど、どうしてそれを…」

「簡単な推測です、男子生徒なら義之だって大丈夫なはず、その上此島にはファントムが出没するわけだから戦力を分散するなんて愚作だ…つまり、この案件には何か他の理由がある…と思っただけです」

ここまでのことを整理して推理しそれをさくらさんに対して言うと完全に唖然とした表情でこちらを見ている。

「す、凄い洞察力だね…それだけの情報でここまでの推論ができるなんて…」

「まあ、そこらのやつとは場数が違いますから…っで教えてくれませんか?なぜそこまでして誠をいかせたのか」

「うん…実は」

それからさくらさんから告げられた現状を教えられた。

「…なるほど、μ'sというスクールアイドルがストーカー…そのストーカーがただ者じゃないからボディーガードとして…か」

「うん、厳密には一人だけで綾瀬絵里ちゃんって子で、ストーカーもその勧誘している芸能事務所なんだけど」

「それだけの材料があるのになんで警察に通報しないんだ?普通はするだろ」

話を聞く限りそれで解決なんだけど、他にも何かあるのであろうか

「その絵里ちゃんが他の人に迷惑になるからって…」

「巻き込みなくないから…敢えて我慢しているってことか」

「本当は助けたいんだけどね…」

さくらさんは落ち込んだ表情で告げる、これは心のそこから救いたいということが現れていた。

「それで…あの変態男を手助けにいくの?」

「ふにゃ?変態男?誠くんのこと?」

先程まで口を閉ざしていた優花は俺にたいして手を貸すのかと聞いてくる。

「…当たり前だろ?誠には巡ヶ丘で助けられたからな、誠が困ってるだろうし今度は俺達が手を貸す番だと思う」

巡ヶ丘では俺がいない間の悠里達を守ってくれた本当に感謝してもしきれないぐらいに

「うんうん、羨ましいほどの友情だね」

「それじゃあ俺達はこれで失礼します、明日ぐらいには手を貸しに行きますから」

「うん、それじゃあ頼んだよ」

そういって俺達は上手く風見学園から抜け出して一度元の世界にへと戻るのであった。

「さくら…さん」

「ふにゃ?雪ちゃんどうしたの?」

「パパ…変態…なの?」

「ふにゃ!?」

優花がいった一言で誠の養女、桜崎雪が自身の父親が変態なのかと、さくらさんに聞き誠に降りりかかる騒動の火種になるとはその話が語られるのは別の物語で語られる(雪は変態という意味を知りません)

翌日…

「大丈夫!?しっかり!!」

「絵里!?何があった!?」

「車が急に飛び出して男の子を轢いちゃったの!!でも車が逃げちゃって!!」

「チッ・・・・・・さっきの車かっ!!」

「絵里・・・・・・・・今から見る事は絶対に口外するな」

「誠?」

「・・・・・・・・・・」

[ヒール!プリーズ!]


俺達は本島の東京に来ていた、調べるのであれば早朝からと思い来ては見たものの、偶然にもひき逃げ現場を目撃してしまい俺も出ようとしたがその前に近くまで来ていた誠が駆けつけて、人前でありながらも魔法を使い、男の子は一命をとりとめた。

「…誠…俺がいくこともなかったな」

「お兄ちゃん!こっちはもう大丈夫そうだしひき逃げ犯の方を!」

一軒家の屋根の影から誠を見ているととなりにいる優花が犯人を追いかけようと進めるが

「大丈夫だろ、そっちはこの近くにいた誰かがものすごいスピードで追いかけていったみたいだし…追い付いたところでもう終わってる」

「そ、そうなんだ」

「取り合えず俺達は裏を調べる優花はその芸能事務所の噂でもかぎまわっていてくれ」

「うん、わかった…お兄ちゃんは?」

「ん?俺は…」


…そんなわけで


「此処が…その芸能事務所…ね」

俺の目の前には今回の件の首謀者の根城ともいえる芸能事務所の目の前にやって来た。

「さてと、行きますか」

ここからは隠密にことを運ばなければならない、そのために優花とは別行動をすることにして俺はここにきたのだ。

事務所事態はこのビルの2階の一室に設置されているために入る場合は窓か扉しか侵入はできない。

俺は事務所ないに人気がいないのを感じとると鍵穴をピッキングで扉を開けて無人の事務所に侵入する。

「さての、漁りますか」

まずは手当たり次第有力情報をノートに書き続けていく。

流石に証拠を持ち出すと後々厄介だからとる必要もない

「…だいぶ情報が集まったな…さてと、誰か来る前に…これをセットしてっと…退散するか」

事務所からでて、ドアの鍵をピッキングでかけ直しその場を後にし。事務所のビルを出たあと大勢の人混みに紛れながら合流予定の公園へとたどり着く。

「お兄ちゃん!遅い!」

待っていたのか、待たされたことにご立腹の優花、おれはそれを宥めるように遅くなったことに謝罪すると予定通り、昼食を取るために庶民に人気なあのハンバーガーショップに向かうのであった。

ハンバーガーショップで昼飯を済ませ、秋葉原をぶらぶらと観光したのち、昼の3時になるとさくらさんから教えてもらっていた宿泊先の南家にやってきた。

玄関前のインターフォンをならし数分後玄関の扉が開かれて出てきたのは以外にもこの世界の音姉であった。

「あの、南さんのお宅で…間違いないですよね」

「は、はいそうですが」

「今って誠はいますでしょうか?」

「まーくん?もしかしてまーくんのお知り合い?」

「はい、さくらさんからこちらに誠がいると聞きまして…もしかしてまだ学校の方に」

「はい、でももうすぐ授業が終わるはずですからなかで待っています?」

「それじゃあお言葉に甘えさせて」

音姉との軽い話を交えたから南家にお邪魔させてもらいその廊下で俺は右手に持っていたものを渡しておこうと先頭たつ音姉に話しかける。

「あ、すみません、これ…よかったら誠たちと一緒に食べてください、中身は自作したプリンで数は5つ入ってるので」

「あっ、本当ですか?ありがとうございます」

そうして、俺はプリンの入った箱を音姉に手渡し、案内されたリビングで音姉にどういった経緯で誠に知り合ったのかを軽く話していると誰かが帰ってきた音がする。

「もしかしたら、まーくんかな?」

待っててねと音姉は玄関へと向かっていき扉の向こうからは声が聞こえてくる。

「ただいま~」

「お帰りまー君・・・・・お友達が来てるよ?」

「友達?」

どんどんと近づいてくる足音そして扉を開け入ってきたのは予想通り誠であった

「久しぶりだな・・・・・・誠」

「雄也!それに優花も!」

かれこれ一ヶ月近く会っていなかったから再会に微笑む。

「本当に久しぶりだな・・・・・・そっちの音姉達は元気にしているか?」

「まぁな・・・・・・・元気すぎて困る位だな」

本当は元気じゃなく落ち込んでるけど…とくに音姉は…ランダル本社であれがあったから…

「そっか・・・・・・・そりゃ良かった」

察したのかはわからないが俺がここに来ていることは巡ヶ丘での戦いが終わったことを示しているために心底から喜んでいるようだ。

それからついつい会話が弾むのであったが…

「……」
となりに座る優花が無言のじと目で誠を睨んでいた。

「なぁ優花・・・・・・・どうして睨むんだよ?」

どうして自分を睨みつけるのかをその理由を聞く誠…だが十中八九あれが原因だろうな…

「忘れたとは言わせないわよ・・・・・・・私の胸を触った事を」

その瞬間この隔離された空間が凍りつく

あるものから並々ならぬ威圧感、その中心となっているのは音姉だ

優花の一言で眠れる戦姫を呼び覚ましてしまったのだ。

といってもこの二日かんで既に音姉を除く二人の戦姫を目覚めされていたとは誠はおろか俺も知らないことは余談である

「まー君・・・・・・・どういう事かな?」

「い、いやっ・・・・・・・そのっ・・・・・・・・」

威圧感MAXの笑みで迫る音姉に流石の歴戦の戦士である誠も怖じ気づく。

「まぁまぁ・・・・・・・優花も話を聞いたら誠が一方的に悪い訳じゃないんだろ?」

流石にこの空気を打開したいので俺が仲介する。

「・・・・・・・・・そ、それは」

「話をしなくちゃならないんだからさ」

「お兄ちゃんがそういうなら」

なんとかこの事態を終わらせてそろそろ本題に入る。

「音姉・・・・・・・少しだけ席を外してくれないか?」

その前に音姉に聞かれるわけには行かないために席をはずしてもらうことにして、少し間が空いたがうんと頷いてリビングから出ていった。

「こっちのさくらさんから話は聞いた・・・・・・少しだけだが俺達も力になる」

「良いのか?今回は少し大掛かりになるぞ?」

「誠には恩があるからな・・・・・・・・恩返しだと思ってくれ」

「・・・・・・・わかった」

取り合えず昼に調べて書き留めておいたノートを誠に手渡し少し裏を回ったことに心配されたが、誠はノートを見ているとある部分で指が止まった。

「ん?これって・・・・・」

「やっぱり・・・・・・そこで手を止めるか」

「これは止めざるを得ないだろ・・・・・・・絵里を狙う芸能事務所が暴力団と警察を丸め込んでるなんて」

誠がいう通り、その芸能事務所が暴力団と警察を丸め込んでいる証拠は見つかった。

それ関連の書類を見たときは流石に動きを止めてしまったくらいだ。

「今回の件・・・・・・・本当に大丈夫か?幾ら誠が強いとはいえ今回はでかすぎるぞ?」

誠が一騎当千の将であったとしても個々のちからでここまで大きい組織を相手取るのはかなり難しい

「絵里と亜里沙ちゃんに約束したからな・・・・・・必ず守るって」

「そうか」

約束…ね…そういわれたら仕方がないよな…

「ねぇ・・・・・・変態男?」

「(変態)・・・・・・・・・な、何だ?」

「何で朝の時に一般人が居るのに魔法を使ったの?あんたって自分の正体がバレるのが嫌なんじゃないの?」

「・・・・・・・・・・」

優花からの問いに少し考える誠は直ぐに答えを出して口にする。

「俺の都合より目の前の命が大事だ・・・・・・・・じゃダメか?」

「・・・・・・・・・そっか」

優花は答えを得たのか納得した表情で俺はそろそろ時間かと思い立ち上がる。

「雄也?」

「もうそろそろ行くわ・・・・・・・一回自分の世界に帰るよ」

「そっか・・・・・・送ってくか?」

「いや、いいよ・・・・・・少し前に祐輔さんから転送装置を貰ったからさ」

「祐輔さん?それって阿南祐輔さんの事か?」

「正解だ・・・・・・誠の事も聞いたぞ?」

「そっか」

リビングのドアにてをかけて、その時にふと思い出したので誠に向かって口にする。

「また後で来るよ・・・・・それと冷蔵庫の中に俺が作ったプリンがあるから食べてくれ」

「わかった」

そういって南家から出て少し道路を歩いていく。

「お兄ちゃん…本当によかったの?」

「よかったって…なにが?」

「…私たちの世界の件…音姉たちが元気だって嘘ついたし」

確かに大丈夫とは言えないな…俺達の世界は完全に不安定になっているから…日本だって上手く国として機能していない状態だ…

「それに…誠も下手にあの事を知ってしまえば…きついかもしれないしな…」

あの人が生きていて敵対関係になってるなんて知ってしまったら…な

「もう~どうしてまーくん、直ぐに帰っちゃったのかな~」

「っ!?」

道路を歩いていると女子高生とすれ違いその顔を見て俺は驚愕する。

だって俺はあの子を…

自然に手を握る力が強くなり、心のなかでは俺が決意している気持ちはさらに強くなる。

「優花…必ず、俺達の戦い終わらせような…」

「うん」

優花は小さくうなずき、転送装置を使って元の世界へと帰還するのであった。  
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