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moon light fantasy

作者:ケンケン4
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アグレッシブガールの本気。

 
前書き
さてさて今回はランちゃんのターン! 

 
「やっほー!いつもニコニコ!貴方に這い寄るランちゃんでーす!」
「……。」

俺たちは相変わらずのハイテンションのランをしげしげと見ることしか出来なかった。
ここはブラックベリーギルド総本部のギルドリーダーの部屋。そこで決めポーズまでしてドヤ顔しているヤツがここにいた。
……分かっていたじゃないか。ランはこういう人間だって。だけどやっぱりこうツッコミたくなる。

「何やってるんだ……『鮮血』……。」
「だから『鮮血』じゃないよ!フォルツ!もっとこうあるでしょ!」
「……何がだ……。」
「こう!ガッツ溢れる言葉が!」
「……。」

もう突っ込む気力も無くしてあきれながらランを見る。するとランはニコニコしながら机に座ると本題!と言ってきた。

「それで?どうしたの!わざわざこんな本拠地まで来て?」
「話してもいいのか?」
「5秒以内で!」
「は?」
「4、3、2、1、0……はい!終了です!お疲れ様でした!」
「……要件はな。」

だめだ。無視しよう。あっちのペースに引き込まれない様にする為にはこっちのペースで話をする。それしかない。
俺ははあ、とため息をつきながら。

「七つの大罪という集団を調べて欲しい。」
「ふむふむ。」
「とりあえず三体は始末した。アスモディウス、レヴィアタン、マモン。それ以外で頼む。」
「ふむふむ。」
「それと……。」
「ふむふむ。」
「……おい。聞いてるのか?」
「ふむふむーーー!」

ランはそう言って机から飛び降りる。フォルツはそれを見て再びため息をついた。
そのやり取りを見てアリスとニナはヒソヒソと話をする。

「……あれ。会話成り立ってるんですか?」
「さあ?どうだろうね。」

ニナは興味なさげにランとフォルツを見てふわー。とあくびを1つつく。

「それにしても……すごいですね。フォルツの人望は。」
「ん?」

アリスは興味深々にフォルツを見ると指で数えながら話し始めた。

「紅蓮の帝ゼツにトリニティのライト、リン、サナ。それに学園のヒカルにギルドのリーダーランにまで……。本当にすごいメンバーだらけですね。」
「まあ、流石だよね。
……まあほとんどあいつ(・・・)のおかげだけど。」
「……え?」

ニナのあいつの言い方に疑問を持ったアリスはニナに問いただす。

「ひょっとして……マモンの時に出てきた『スノードロップ』って人と関係があるんですか?」
「それはだね……。」

そう言って話そうとするとランとフォルツの話は終わったらしくヒソヒソと話していた2人の元にやってきていた。

「……終わったぞ。」
「いえーい!しゅーりょーでーす!お疲れ様でした!しょわっち!」

見ると話疲れたのかフォルツはぐったりとランはニコニコ笑顔で話しかけてくる。

「まあ、そういう事で頼む。ラン。」
「そういう事ってどういう事かなー?私にはよく分からないなー!」
「さっき話しただろ……。」

フォルツは今日何度目かのため息をつくとアリスを見て。

「今日は適当に何処かで宿をとろう。」
「分かりました。」
「うちに泊まるという選択肢はー?」
「ない‼︎」

ランの選択肢を拒否すると俺たちは適当な宿を探す為に部屋を後にした。

「んー……つまらないな!そうだ!」

部屋に取り残されたランはニヤリと笑って通信用の魔法陣の紙を取り出した。

「あー!私!私!実は……。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「宿がどこも空いてない⁉︎」
「はい。すみません。これもギルドリーダー。ラン様のご命令でして……。
『なんかやばそうな剣士とジト目の魔術師。猫を連れてたら間違えない。そいつらを絶対に宿にとめるなー!ギルドリーダーの私の命令だぞー!』だそうでして……。」

俺たちは宿をとろうとして様々な宿を渡り歩いた。これで15軒目。しかし結果はこれだった。
ランによる根回し。どうやらよっぽど俺たちを家に泊めたいらしい。

「……はあ。仕方ない。今日はランの家に泊まるしかない様だな……。」

こうなったらいっそあいつの血をヴァンパイアの花嫁になるまで飲んでやろうかと考えたが。あんなのが花嫁になったら俺の方がたまらない。ストレスで発狂してしまう。
そう考えてふらふらともう一度ギルド本拠地に足を延ばすとニコニコ笑顔のランがそこに立っていた。

「やっほー!フォルツ!どうしたの!これはあれだね?『15軒ほど宿を周ったがなぜか断られた。ラン様に助けを求めるしかない。』そう考えたな!そうに違いない!」
「……。」

こ、こいつ……。
ふつふつと怒りが込み上げてきたがぐっと我慢して。

「ラン。泊めてくれ。」
「えー!アリスとニナは泊めてもいいけどフォルツはなあ……。」

……本当に血を吸ってしまおうか。ランの血もうまい。一時の感情に身を任せれば……。
そう考えたところでランはニコニコ笑顔のまま。

「まー!今日は私の機嫌も絶好調なので許してやろう!感謝しろよ!」

そう言ってこっちに向けて歩き始めた。どうやら相変わらずの茶番だったらしい。俺はまたもため息をつくとランの方に向かい始めた。 
 

 
後書き
ラン書くの楽しい。
感想待ってます。マジで待ってます。 
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